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SBIリーシングサービス(5834) 旅客機や船を借金でまるごと仕入れ、法人の税金の繰り延べ向けに小分けにして売る問屋 過去最高益の上半期なのに、なぜ7〜9月の売上は3割減ったのか?【2026年10月発表・上半期決算】

本記事は2026年10月29日時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • 2027年3月期の上半期(2026年4〜9月)は、売上高326億円(前年同期比+23.6%)、経常利益60億円(同+23.6%)で、上半期として過去最高益。一方、累計から差し引いた7〜9月の3か月だけを見ると、売上高は△35.2%、経常利益は△10.0%
  • この会社の「売上高」は、旅客機を丸ごと売ったかどうかで大きく振れる。利益に連動しているのは売上高ではなく、投資家に売った出資持分の総額(商品出資金等販売金額)のほうで、売上総利益÷販売金額は10四半期で約9〜13%の帯に収まっている
  • 通期予想は据え置き。予想が下期(10月〜翌3月)に置いた経常利益は28.7億円で、前年下期比△24.6%。ただし過去3期は、上半期時点で予想が置いた下期を実際の下期が130〜179%で上回ってきた
  • 投資家に売る前の「在庫」(立替出資と販売用航空機)は9月末で1,022億円、有利子負債は875億円まで膨らみ、営業CFは△77億円。借入の金利は上がっている
  • 配当予想は年115円(中間30円・期末85円)で、配当性向は予想EPSに対しちょうど30.0%。株主優待(暗号資産XRP)、取締役のストック・オプションの業績条件、親会社SBIグループ(議決権62.0%)の位置も整理

1. 前提知識:旅客機や船を「仕入れて、小分けにして売る」問屋

何をしている会社か

SBIリーシングサービスは、旅客機・船舶・コンテナを対象にした「日本型オペレーティング・リース」の商品を組み立てて(組成)、主に未上場の中堅〜大企業や資産管理会社に売っている会社です。

この会社の仕事を、市場の問屋にたとえるとわかりやすくなります。

  • 仕入れ:航空会社や海運会社から「機体や船を買ってリースで貸してほしい」という案件を、入札や交渉で取ってくる
  • 在庫:投資家に売るまでの間、会社が自分の借金でその機体や船の一部(または全部)をいったん抱える
  • 小分け:1機・1隻を、投資家1社あたり数千万円〜数十億円の出資持分に切り分ける
  • 販売:地方銀行・信用金庫・税理士・会計士などの紹介網(パートナー)を通じて、「法人税を先に繰り延べたい」「実物資産に投資したい」会社に売る

この記事では、この会社を「旅客機や船を借金でまるごと仕入れ、法人の税金の繰り延べ向けに小分けにして売る問屋」と呼びます。問屋の強みは仕入れの目利きと売り先の網の両方を持っていることですが、弱みも2つ、同じ比喩から出てきます。

  1. 売れるまでは自分の借金で品物を抱える(在庫と借入、その金利)
  2. 帳簿の「売上高」には、品物の売り方によって中身が丸ごと載る場合と手数料だけ載る場合がある(売上高が実力を表さない)

この2つが、そのまま今回の決算の読み方になります。

2つの商品:JOLとJOLCO

会社の決算説明資料は、商品を2種類に分けています。

商品対象投資家の目的1件の出資額会社の売上高に載るもの
JOL旅客機(ナローボディ等)リース料収益+売却益(実物資産投資)3〜70億円程度機体の譲渡金額そのもの(+手数料等)
JOLCO旅客機・船舶・コンテナ主に法人税の繰り延べ0.5億円程度〜組成の手数料だけ(出資持分の販売額は売上にしない)

この表のポイントは、右端の列です。JOLは会社がいったん機体を買い、それを投資家の組合に売るので、機体1機(数十億円)がそのまま売上高と売上原価に載ります。JOLCOは会社が機体・船の取得額の30%程度を「立替出資」し、その持分を投資家に売りますが、持分の販売額は売上にせず、手数料だけを売上にします。

用語メモ:JOLは「Japanese Operating Lease」、JOLCOは「Japanese Operating Lease with Call Option」の略です。JOLCOは借り手(航空会社・海運会社)が途中で機体・船を買い取れる権利(購入選択権)が付いた商品で、投資家はリース期間の前半に減価償却費などの損失を取り込み、法人税の支払いを後ろにずらす(繰り延べる)効果を得ます。税金がなくなるわけではなく、後から売却益として戻ってきます。

用語メモ:「商品出資金等販売金額」(以下、販売金額)は、投資家に売ったJOLの機体持分とJOLCOの出資持分の合計額です。売上高とは別物で、会社は四半期ごとに説明資料で開示しています。「組成金額」は組み立てた案件の機体・船の総額で、借り入れ(ノンリコースローン)部分も含みます。

直近3期の業績

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期
売上高541億46百万円419億16百万円642億57百万円
営業利益53億10百万円67億28百万円97億30百万円
経常利益49億44百万円60億84百万円86億81百万円
親会社株主に帰属する当期純利益34億47百万円43億88百万円60億51百万円
1株当たり当期純利益(分割後換算)221.6円281.41円382.49円
自己資本利益率(ROE)17.7%19.0%22.5%
自己資本比率27.9%23.8%25.5%
販売金額845億円1,036億円1,269億円
うちJOLの販売機数8機5機8機
1株配当(分割後換算)50円85円115円

出典は各期の決算短信・決算説明資料。2026年4月1日に1株を2株に分割しているため、2024年3月期の1株当たり利益は短信の443.29円を筆者が2で割り、配当は各期の実額(100円・170円・230円)を2で割って並べています。2025年3月期・2026年3月期の1株当たり利益は、2026年3月期の短信が分割を反映して示した値です。販売金額は説明資料の億円表示です。

この表のポイントは2つです。

  • 売上高は2025年3月期に△22.6%なのに、経常利益は+23.0%。この年はJOLが5機(前期8機)しか売れず、機体の譲渡額が売上高から抜けた一方、JOLCOの販売が伸びたため
  • 経常利益は3期で約1.8倍(49億→87億円)。この間、販売金額も845億→1,269億円と伸びている

売上高と利益が逆向きに動くことがある、という点は深掘りの1章目でもう一度扱います。

会社予想の達成履歴:期初予想は毎年控えめで、毎年上振れてきた

決算期期初の経常利益予想期初予想の前期比期中の修正(開示日)実績期初予想比実績の前期比
2024年3月期40億円+13.3%48億円(2024年3月7日)49億44百万円123.6%+40.0%
2025年3月期53億円+7.2%60億円(2025年3月27日)60億84百万円114.8%+23.0%
2026年3月期70億円+15.1%83億円(2026年1月29日)86億81百万円124.0%+42.7%
2027年3月期89億円+2.5%なし(10月28日時点)———

出典は各期の決算短信と業績予想の修正の開示。「期初予想の前期比」「期初予想比」は筆者の計算、「実績の前期比」は短信の表記です。

この表のポイントは2つです。

  • 3期とも期初予想を14〜24%上回って着地し、3期とも期末近く(1〜3月)に上方修正している。上半期決算の時点では、3期とも予想を据え置いている
  • 今期の期初予想は前期比+2.5%で、過去3期の期初予想(+7〜15%)より一段と控えめ

修正の中身は年によって違います。2025年3月期の修正は、売上高を545億円→415億円に23.9%引き下げる一方、利益は引き上げるという逆向きの修正でした。修正理由の原文は次のとおりです(2025年3月27日)。

JOL 商品について、為替相場の変動幅が極めて大きく、想定よりも円安に推移した影響を受け、投資家が通常よりも意思決定に時間を要する状況が続きました。

2026年3月期の上方修正(2026年1月29日)は、JOLCOの販売が計画の750億円から770億円に伸びる見込みとなったこと、為替が安定して「単価調整等の為替関連コスト」を抑えられたことを理由に挙げています。

用語メモ:業績予想の修正の適時開示は、売上高10%・利益30%の変動が見込まれる場合に求められる基準です。開示が出ていないことは、予想どおりに進んでいることを意味しません。

親会社と事業の規模

  • 親会社はSBIホールディングス(東証プライム)で、100%子会社のSBIノンバンクホールディングスを通じて議決権の62.0%を持っています(2026年3月31日現在、「支配株主等に関する事項について」)
  • 従業員は85人(2026年9月末、契約社員を含む)。拠点は東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡
  • 事業はオペレーティング・リース事業の単一セグメントで、セグメント別の損益は開示されません
  • 株主優待:あり(暗号資産XRPのクーポン。詳細は7章)

2. 決算ハイライト:上半期は過去最高、7〜9月だけ見ると減収減益

2026年10月28日(水)11時30分、会社は2027年3月期の中間決算短信と決算説明資料を発表しました。同時に、中間配当の決定、銀行団からの50億円の借入契約、販売用航空機8機(492億円程度)の購入を開示しています。

損益

項目2026年3月期 上半期2027年3月期 上半期前年同期比通期予想進捗率
売上高263億73百万円326億03百万円+23.6%660億円49.4%
売上総利益76億24百万円88億90百万円+16.6%——
販売費及び一般管理費23億23百万円23億76百万円+2.3%——
営業利益53億00百万円65億13百万円+22.9%104億円62.6%
経常利益48億80百万円60億33百万円+23.6%89億円67.8%
中間純利益33億04百万円40億91百万円+23.8%61億円67.1%
販売金額655億50百万円763億77百万円+16.5%1,430億円53.4%

前年同期の進捗率は、通期実績を分母にすると経常利益で56.2%、期初予想(70億円)を分母にすると69.7%でした。今期の67.8%は、前年の期初予想ベースとほぼ同じ水準です。

用語メモ:進捗率は〈上半期実績÷通期予想〉です。前年の進捗率は「実績」で割るか「当初の予想」で割るかで値が変わります。この会社のように毎年上振れてきた会社では、実績で割った前年の進捗率(56.2%)と比べると今期が大きく先行して見え、当初予想で割った値(69.7%)と比べるとほぼ同じに見えます。

単一の数字にまとめると見えない「7〜9月」

決算短信は上半期の累計しか載せないので、第1四半期(4〜6月)の短信の数字を差し引いて、7〜9月の3か月を出しました。

項目2025年7〜9月2026年7〜9月前年同期比
売上高159億54百万円103億45百万円△35.2%
売上総利益36億94百万円36億21百万円△2.0%
販売費及び一般管理費9億65百万円10億70百万円+10.9%
営業利益27億29百万円25億50百万円△6.6%
経常利益24億83百万円22億35百万円△10.0%
純利益17億36百万円15億50百万円△10.7%
販売金額313億08百万円288億09百万円△8.0%
JOLの販売機数2機1機—

筆者の差し引き(上半期累計−第1四半期)。百万円未満切り捨ての開示どうしの差なので±1百万円の幅があります。決算説明資料の四半期グラフでは、7〜9月の経常利益は22億34百万円と表示されています。

この表のポイントは2つです。

  • 売上高は3割以上減ったのに、売上総利益はほぼ横ばい(△2.0%)。売上高の減少の大半は、旅客機1機分の譲渡額が前年より少なかったことによるもの
  • 経常利益の△10.0%は、販管費の増加(+1億05百万円)と、支払利息の増加(4〜6月3億36百万円・7〜9月4億12百万円。前年7〜9月は3億03百万円)が中心

上半期の「+23.6%」は、4〜6月に旅客機3機を売った第1四半期(経常利益+58.5%)が引っ張った数字です。7〜9月だけで見れば減益の3か月だったことは、累計の数字からは読み取れません。

財政状態

項目2025年9月末2026年3月末2026年9月末
現金及び預金122億29百万円70億94百万円129億42百万円
商品出資金(JOLCOの立替出資)509億62百万円763億63百万円923億65百万円
販売用航空機等(JOLの在庫)245億79百万円151億52百万円98億64百万円
総資産1,005億19百万円1,122億64百万円1,290億76百万円
有利子負債(短期借入金・CP・長期借入金・社債)667億08百万円723億70百万円875億18百万円
契約負債42億93百万円65億93百万円52億92百万円
純資産265億37百万円287億52百万円323億95百万円
自己資本比率26.3%25.5%25.0%

有利子負債は筆者が短期借入金・コマーシャル・ペーパー・1年内返済予定の長期借入金・社債・長期借入金を合計したものです。

この表のポイントは2つです。

  • 在庫(商品出資金+販売用航空機等)は1,022億29百万円で、1年前の9月末(755億41百万円)から+35.3%。有利子負債も同じ期間に+31.2%
  • 在庫の中身がJOLからJOLCOに移っている。販売用航空機は245億→99億円に減り、商品出資金は509億→924億円に増えた

用語メモ:「契約負債」は、主にJOLCOで組合から受け取った組成手数料のうち、まだ売上にしていない分です。持分が投資家に売れていくにつれて売上に振り替わります。

キャッシュ・フロー

項目2026年3月期 上半期2027年3月期 上半期
営業活動によるキャッシュ・フロー103億34百万円△76億91百万円
うち棚卸資産の増減額+17億25百万円△107億14百万円
うち前渡金の増減額+59億22百万円△2億54百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー△1億05百万円△1億94百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー△69億36百万円137億33百万円
うち短期借入金の純増減額△84億42百万円+113億99百万円
うちコマーシャル・ペーパーの純増減額+20億00百万円+40億00百万円

この表のポイントは1つです。税引前の利益が60億円あっても、在庫(商品出資金と販売用航空機)が107億円増えたので営業CFはマイナスになり、その分を短期借入金とCPで埋めている。前年の上半期は、前渡金の減少(+59億円)と棚卸資産の減少で営業CFがプラスでした。

用語メモ:この会社の「棚卸資産」には、商品出資金と販売用航空機等が含まれます。問屋の仕入れと同じで、在庫を積めば利益が出ていても現金は出ていきます。


3. 深掘り①:売上高ではなく「販売金額」で読む

ここから3章は、「この問屋の業績は、何の数字で読めばいいのか」という1つの問いを3段階で追います。1段目は、売上高という数字そのものの扱いです。

売上高は「機体を通したかどうか」で決まる

上半期の売上高326億03百万円のうち、決算説明資料の内訳はJOLが244億94百万円、JOLCOが74億35百万円です(残りの6億74百万円は説明資料に内訳がなく、筆者の推測では自社で保有する船のリース料などと考えられます)。売上高の4分の3はJOLで、その大半は機体の譲渡額です。

JOLは1機で数十億円になります。9月7日の開示によると、7〜9月に売った1機(ナローボディ機)の譲渡額は65億円程度で、会社は「通期売上高の10%程度」と書いています。1機売れるかどうかで、四半期の売上高が数十億円単位で動きます。

問屋のたとえで言えば、JOLは「品物を丸ごと仕入れて、丸ごと帳簿を通して売る」取引、JOLCOは「品物の一部を立て替えて持ち、持分は帳簿の外で売って、手数料だけを帳簿に載せる」取引です。同じ1,000億円分の品物を動かしても、どちらで売ったかで売上高はまったく違う数字になります。

10四半期を並べる

四半期売上高売上総利益売上総利益率販売金額売上総利益÷販売金額経常利益JOL機数
2024年4〜6月24億70百万円22億03百万円89.2%233億95百万円9.42%12億07百万円0機
2024年7〜9月179億11百万円24億92百万円13.9%277億41百万円8.98%15億41百万円2機
2024年10〜12月118億84百万円28億47百万円24.0%294億24百万円9.68%17億05百万円2機
2025年1〜3月96億51百万円29億12百万円30.2%230億61百万円12.63%16億31百万円1機
2025年4〜6月104億19百万円39億30百万円37.7%342億42百万円11.48%23億97百万円1機
2025年7〜9月159億54百万円36億94百万円23.2%313億08百万円11.80%24億83百万円2機
2025年10〜12月232億34百万円36億65百万円15.8%378億61百万円9.68%24億29百万円3機
2026年1〜3月146億50百万円26億35百万円18.0%235億19百万円11.20%13億72百万円2機
2026年4〜6月222億58百万円52億69百万円23.7%475億68百万円11.08%37億98百万円3機
2026年7〜9月103億45百万円36億21百万円35.0%288億09百万円12.57%22億35百万円1機

筆者の差し引き(各四半期の決算短信の累計値から算出。販売金額も短信の累計値から差し引き)。4四半期の合計が通期の開示値と一致することを確認しています(2026年3月期:売上高642億57百万円、経常利益86億81百万円)。JOLの機数は各四半期の短信の記載から差し引き。

この表のポイントは2つです。

  • 売上総利益率は13.9%〜89.2%まで振れ、ほとんど意味を持たない。JOLが0機だった2024年4〜6月は売上高24億円に対して粗利22億円(89.2%)、JOLが2機あった次の四半期は13.9%。率を動かしているのは採算ではなく、機体の譲渡額が分母に入ったかどうか
  • 売上総利益÷販売金額は、10四半期すべてが8.98%〜12.63%の帯に収まる。直近6四半期に絞ると9.68%〜12.57%。粗利は売上高ではなく、投資家に売った持分の量に連動している

7〜9月の減益は何から来たか

7〜9月の経常利益の減少2億48百万円を、売上総利益・販管費・営業外の3つに分けます。

要因金額中身
販売金額の減少による粗利の減少(数量効果)△2億95百万円販売金額313億→288億円(△25億円)×前年の粗利÷販売金額11.80%
粗利÷販売金額の上昇(率効果)+2億22百万円11.80%→12.57%
販管費の増加△1億05百万円9億65百万→10億70百万円
営業外損益の悪化△69百万円支払利息+1億09百万円、支払利息以外の営業外損益(商品出資金売却益など)+40百万円
合計△2億48百万円実際の経常利益の増減と一致

筆者の計算。数量効果と率効果は〈販売金額の変化×前年の比率〉〈今年の販売金額×比率の変化〉で分けており、合計(△73百万円)は売上総利益の実際の増減と一致します。営業外損益の悪化は〈経常利益−営業利益〉の前年差で、内訳は筆者の差し引きです。

この表のポイントは1つです。数量(販売金額)の減少は、粗利÷販売金額の上昇でほとんど打ち消されていて、残った減益は販管費と金利から来ている。販売金額の内訳を見ると、7〜9月のJOLCOは221億円(前年同期190億円、+16%)と伸び、JOLが66億円(前年同期121億円)に減りました(説明資料の億円表示の四半期データから筆者が合算)。

用語メモ:「商品出資金売却益」は営業外収益の科目で、会社の説明では、JOLCOの持分を投資家に売る際に投資家から受け取る、立て替えていた期間の経過利息に相当する手数料です。上半期は3億26百万円(前年同期2億60百万円)でした。

会社の説明

会社は決算説明資料で、上半期の販売金額763億円は中間期として過去最高で、「中東情勢の緊迫化の影響は軽微にとどまり、投資家の需要は引き続き堅調に推移」と書いています。JOLは4機・241億円(前年同期比+34.3%)を売り、JOLCOは522億円(同+9.8%)でした。組成(仕入れ)については、JOLは「優良案件について受注競争が激しい状況が継続しているものの、案件獲得には一定のメド」と説明しています。

7〜9月単独の減益について、会社は短信・説明資料で触れていません。会社の説明は上半期の累計についてのものです。


4. 深掘り②:予想が下期に置いた数字と、過去3期の下期

2段目は、販売金額で読むとして、会社の通期予想は下期(2026年10月〜2027年3月)に何を置いているのか、です。

通期予想から上半期を引く

項目予想が置いた下期前年下期の実績前年下期比
売上高333億97百万円378億84百万円△11.8%
営業利益38億87百万円44億30百万円△12.3%
経常利益28億67百万円38億01百万円△24.6%
純利益20億09百万円27億47百万円△26.9%
販売金額666億23百万円613億80百万円+8.5%
うちJOL258億94百万円316億15百万円△18.1%
うちJOLCO407億29百万円297億65百万円+36.8%

筆者の計算(通期予想−上半期実績)。販売金額の内訳の予想は決算説明資料の通期予想(JOL 500億円・JOLCO 930億円)。

この表のポイントは2つです。

  • 販売金額は前年下期比+8.5%を置いているのに、経常利益は△24.6%。販売金額あたりの営業利益で見ると、予想が置いた下期は5.83%で、前年下期の7.22%、今期上半期の8.53%を下回る
  • 経常利益の下げ幅(△24.6%)が営業利益(△12.3%)より大きい。予想は下期の営業外損益に△10億20百万円を置いていて、前年下期の実績△6億29百万円より4億円近く重い

用語メモ:「予想が置いた下期」は、会社が下期の予想を発表したものではなく、通期予想を据え置いたまま上半期の実績を引いた計算上の結果です。上半期が予想より良ければ、据え置くだけで下期の数字は小さく見えます。

期初の説明資料で、会社は経常利益の伸びが小さい理由を「採用強化による人件費増(販管費)、商品残高拡大に伴う借入残高の増加や金利上昇を見込み営業外費用の増加」と説明していました。下期の営業外損益が重く置かれているのは、この説明と整合します。また、JOLについては「ビジネス環境を踏まえ、慎重に取り組む方針。販売は、前年比横ばいの予定」としています。

過去3期、上半期時点で予想が置いた下期と実際の下期

決算期上半期時点の通期予想(経常)予想が置いた下期前年下期比実際の下期達成率
2024年3月期40億円15億52百万円—24億96百万円160.8%
2025年3月期53億円25億52百万円+2.2%33億36百万円130.7%
2026年3月期70億円21億20百万円△36.5%38億01百万円179.3%
2027年3月期89億円28億67百万円△24.6%——

筆者の計算。各期とも上半期決算の時点では通期予想を据え置いていたので、上半期時点の通期予想は期初予想と同じです。2024年3月期の前年下期は、2023年3月期の上半期の数字を取得していないため空欄にしています。

この表のポイントは2つです。

  • 3期とも、上半期時点で予想が置いた下期を実際の下期が3割〜8割上回った。前期は、上半期時点の予想が下期に前年比△36.5%を置いていたのに、実際は前年下期比+13.9%で着地した
  • 今期の予想が置いた下期(前年比△24.6%)は、前期の置き方(△36.5%)と同じ向き。ここだけを見れば「今年も下期で上振れる」という読み方になる

一方で、過去と今期では違う点もあります。

  • 前期の下期は、JOLが5機(10〜12月3機・1〜3月2機)売れた。今期の予想は通期のJOLを500億円(前期495億円とほぼ同額)に置き、上半期ですでに241億円を売っているので、下期のJOLは前年下期より△18%少ない置き方
  • 金利の前提が違う。上半期の支払利息は7億48百万円で前年同期比+25.1%、有利子負債も膨らんでいる(5章)
  • 為替。2025年3月期の下方修正(売上高)は、円安で投資家の判断に時間がかかったことが理由だった。説明資料は、JOLCOの組成時より販売時に円高が進むと「単価調整コストは売上原価となるため、利益圧迫要因になりえる」と書いている

「控えめな予想を毎年上回る会社」という前提が今期も使えるかは、過去と同じ形の数字だけでは決まりません。下期の販売金額(予想666億円)と、販売金額あたりの営業利益(予想5.83%)の両方を見る必要があります。

感応度表:下期の販売金額×販売金額あたりの営業利益

下期の販売金額 \ 販売金額あたり営業利益5.83%(予想の置き方)7.22%(前年下期)8.53%(今期上半期)
613億80百万円(前年下期並み)100億94百万円109億43百万円117億47百万円
666億23百万円(予想どおり)104億00百万円113億21百万円121億94百万円
720億円(前年下期比+17%)107億14百万円117億09百万円126億53百万円

数値は通期の営業利益(上半期実績65億13百万円+下期)。筆者の試算で、将来の見通しではありません。固定した前提:上半期の実績。下期の営業利益=下期の販売金額×販売金額あたり営業利益。販売金額あたり営業利益の3つの値は、予想の置き方(〈通期予想−上半期〉÷〈販売金額予想−上半期〉)、前年下期の実績、今期上半期の実績から取りました。

この表のポイントは1つです。予想(104億円)は9マスのうち左の列の真ん中で、表の中では最も低い側に置かれている。販売金額が前年下期並みにとどまっても、販売金額あたりの営業利益が前年下期並みなら予想を上回る計算です。逆に言えば、予想に届くかどうかは販売金額よりも、販売金額あたりの利益(JOLとJOLCOの比率、手数料の水準、販管費)のほうで決まります。

ただし、この表は営業利益までです。経常利益は、ここから営業外損益(主に支払利息)を引いた数字になります。次の章は、その金利の元になっている在庫と借金の話です。


5. 深掘り③:問屋の倉庫と借金

3段目は、問屋のもう1つの弱み、「売れるまで自分の借金で品物を抱える」部分です。販売金額で利益を読むとしても、その販売金額を生む在庫をいくらの借金で抱えているかで、経常利益と純資産が決まります。

仕入れ(組成)が販売を大きく上回った上半期

項目2026年3月期 上半期2027年3月期 上半期通期予想
組成金額1,751億65百万円2,695億75百万円4,500億円
販売金額655億50百万円763億77百万円1,430億円
商品残高(9月末)—1,022億円—

出典は決算短信と説明資料。商品残高は説明資料の億円表示で、JOLCOとJOLの在庫の合計です(3月末915億円から+11.7%)。

組成金額は機体・船の総額で、借り入れ(ノンリコースローン)部分を含みます。会社の説明では、JOLCOの立替出資は機体・船の30%程度なので、組成金額2,695億円の30%は約809億円(筆者の概算。JOLの機体取得や案件ごとの比率の違いは考慮していない)。販売金額763億円とほぼ同じ規模の品物を、上半期に新たに仕入れた計算です。

説明資料によると、上半期の組成はJOLCOの船舶・コンテナが1,995億円(4〜6月723億円・7〜9月1,272億円)と大半を占めました。会社は「販売が好調に推移する中、JOLCO商品(船舶・コンテナ)残高を積み上げ」と書いています。

借金と金利

期間支払利息有利子負債(期首・期末の平均)平均利率の目安支払利息÷売上総利益
2025年3月期8億77百万円606億53百万円1.45%8.4%
2026年3月期 上半期5億98百万円695億55百万円1.72%(年率換算)7.8%
2026年3月期12億30百万円723億86百万円1.70%8.8%
2027年3月期 上半期7億48百万円799億44百万円1.87%(年率換算)8.4%

筆者の計算。平均利率の目安は〈支払利息÷期首・期末の有利子負債の平均〉で、期中の残高の動きを反映しない粗い近似です。上半期は2倍して年率に直しました。

この表のポイントは2つです。

  • 有利子負債の平均も、利率の目安も、どちらも上がっている。上半期の支払利息が+25.1%増えたのは、量(借入残高)と値段(金利)の両方から
  • 支払利息は売上総利益の8%前後を食っている。粗利の伸びが金利の伸びを上回れば吸収できるが、販売が鈍って在庫が残ると、金利だけが積み上がる構造

会社が説明資料で示す「借入額」は829億円(9月末)で、筆者の合計875億円とは、自社で保有する船(プリンシパルインベストメント事業)のための借入を含むかどうかで違います。資金調達枠は1,460億円です。

用語メモ:「コマーシャル・ペーパー(CP)」は、企業が短期の資金を調達するために発行する無担保の約束手形です。この会社は短期借入金とCPで在庫の資金を回し、社債(2025年2月に50億円、12月に60億円)で一部を長めの資金に置き換えています。

これから入ってくる品物

10月28日の開示では、ナローボディ機8機を総額492億円程度で2026年11月〜2027年12月に購入する予定としています(JOL用の在庫)。このほか、9月28日に、船舶JOLCO向けの立替出資118億円程度を2027年3月に実施すると開示しています。どちらも「2027年3月期の業績に与える影響は軽微」としています。

資金面では、10月28日にあおぞら銀行をアレンジャーとする4行から50億円、9月28日に広島銀行から40億円の借入契約を、いずれも販売用航空機の購入資金として開示しました。返済期限はあおぞら銀行ほかが2027年11月5日、広島銀行が2027年8月16日(いずれも予定)で、担保はありません。

財務上の特約(財務制限条項)

借入契約には、次の特約が付いています。

特約の内容契約基準値2026年9月末の実績
連結純資産を、直前期末の連結純資産の75%以上に維持する2026年9月開示(広島銀行)・10月開示(あおぞら銀行ほか)の契約215億64百万円以上(2026年3月末287億52百万円×75%)323億95百万円
連結経常損益を2期連続して損失にしない2026年9月開示(広島銀行)の契約損失が2期連続しないこと直近3期とも経常黒字

出典は各借入契約の適時開示と決算短信。2025年10月に開示した広島銀行・四国銀行の契約(返済期限は2026年8月28日・10月1日の予定)にも同じ2つの特約が付いていました。判定時期は契約ごとに異なり、表の9月末の値は参考です。

この表のポイントは1つです。純資産の条項は、基準値まで約108億円の余裕がある(純資産の約3分の1)。抵触したらどうなるかは、開示には書かれていません。ただし、純資産には繰延ヘッジ損益(為替・金利のヘッジ取引の評価)が含まれていて、2026年3月末の△8億19百万円から9月末は+1億23百万円に動いています。為替の大きな変動で純資産が数億円単位で動くことは、頭の片隅に置いておく数字です。

3つの深掘りをつなぐ

1段目で「利益は売上高ではなく販売金額に連動する」、2段目で「予想は下期の販売金額あたりの利益を低く置いている」、3段目で「その販売金額を生む在庫は1年で3割以上増え、借金と金利も増えている」ことを見ました。問屋のたとえに戻すと、

  • 品物(JOLCOの持分)はよく売れていて、売れた量あたりの粗利も悪くない
  • ただし倉庫(商品出資金)はそれ以上の速さで膨らんでいて、倉庫代(金利)が上がっている
  • 会社の予想は、倉庫代の上昇を下期に重めに置いた形

というのが、今回の上半期の姿です。下期の論点は、仕入れた品物が予定どおり売れて倉庫が回るかどうか、つまり販売金額と商品残高の推移の両方になります。


6. その他のイベント

  • JOLの販売:7〜9月の1機は65億円程度(9月7日開示)。10月には航空機用エンジン1基(34億円程度、通期売上高の5%程度)の譲渡を開示しており(10月20日)、会社はいずれも「連結業績予想に織り込み済み」としています
  • SBIグループ経由の販売:上半期は82.3億円で、販売金額の10.8%(説明資料)
  • パートナー数:説明資料では2026年9月時点で金融機関144・税理士・会計士等319(グラフの読み取りで、前期末から金融機関+3・税理士等+15)
  • 中期経営計画:説明資料の基本方針は「平均10%+αの安定・継続的な経常利益成長」で、年度別の数値目標は示されていません。今期予想の経常利益の伸び(+2.5%)はこの水準を下回っていますが、会社は今期予想と中計の関係に触れていません
  • 事業環境:会社は、7月の熊本地震、米国の通商政策、イラン情勢を短信の環境説明で挙げています。中東情勢について、説明資料では「影響は軽微」としています

7. 資本政策と株主還元

配当

会社は2025年4月28日に配当方針を変更し、「連結配当性向30%以上を目処」とし、配当回数を中間・期末の年2回にしました。変更前は「利益成長に応じた株主還元」「年1回の期末配当を基本」でした。

決算期中間期末年間(分割後換算)配当性向(連結)配当の決め方
2024年3月期0円100円50円22.6%年1回・利益成長に応じて(旧方針)
2025年3月期0円170円85円30.2%期末に新方針を適用(予想100円から増配)
2026年3月期50円180円115円30.1%新方針(期末は予想165円から増配)
2027年3月期(予想)30円85円115円30.0%(予想EPS比)新方針

2026年3月期までの中間・期末は分割前の実額。2027年3月期は分割後の金額。年間(分割後換算)は筆者が分割前の実額を2で割ったものです。配当性向は短信の値、2027年3月期は筆者の計算(115円÷予想EPS382.75円)。

この表のポイントは2つです。

  • 今期の予想115円は、前期の実績(分割後換算115円)と同額で、予想EPSのちょうど30.0%。中間は25円相当→30円に増え、期末は90円相当→85円に減る配分
  • 過去2期とも、期末配当は利益の上振れに合わせて予想から引き上げられてきた(170円は予想100円から、180円は予想165円から)。方針が配当性向30%以上なので、利益が予想を上回れば配当も上がる余地がある一方、利益が予想どおりなら115円にとどまる計算

中間配当30円の総額は4億78百万円で、自己株式を除いた株数15,942,968株×30円と一致します(効力発生日は2026年12月1日(火))。

会社は2025年4月の方針変更時に、期末配当を期初には「未定」とする理由を、主力商品がドル建てで為替の影響を受けるためと説明していました。今期は期初から期末予想85円を出しています。

用語メモ:期末配当の基準日は2027年3月31日(水)です。日本株の受け渡しは約定から2営業日後なので、権利付き最終日は2027年3月29日(月)になります。

株主優待(暗号資産XRP)

会社は2026年3月9日に株主優待の導入を発表しました。内容は、SBI VCトレードの口座で暗号資産XRPを受け取れるクーポンコード券です。2026年3月31日を基準日とする内容は次のとおりでした。

保有株数(2026年3月31日の株主名簿、分割前)分割後の株数に直すと保有期間優待(XRP)1株当たり優待額(分割後)名目利回り(分割後の株価2,537円)
100株〜999株200株〜1,998株—2,000円相当10.0円(200株)〜1.0円(1,998株)0.39%(200株)
1,000株以上2,000株以上1年未満2,000円相当1.0円以下0.04%(2,000株)
1,000株以上2,000株以上1年超8,000円相当4.0円以下0.16%(2,000株)

2026年3月31日の株主名簿は株式分割(4月1日)の前のものなので、分割後の株価と比べるには株数を2倍に直す必要があります。1株当たり優待額と名目利回りは筆者の計算で、2026年3月31日基準の条件を分割後の株数に置き直して現在の株価に当てた参考値です。分割後の基準日に同じ条件が適用されるかは決まっていません。

この表のポイントは2つです。

  • 分割前の100株(分割後200株相当)を超えて持っても、優待は増えない。1株当たり(分割後)で見ると、200株の10.0円に対して1,998株は1.0円
  • 分割前1,000株・1年超の8,000円相当でも1株4.0円(分割後)で、200株の1株10.0円を下回る

注意点が4つあります。

  1. 2027年3月31日を基準日とする優待の内容は、執筆時点で会社から示されていません。導入の開示は「2026年3月31日を基準日とする株主優待の概要」とし、「今後、変更または廃止となる場合があります」と書いています。2026年4月1日に1株を2株に分割しているので、必要株数の扱いも含め、会社IRで確認が必要です
  2. 継続保有の判定は「直近3回のすべての基準日の株主名簿に同一株主番号で継続して記載」(2026年3月の回は2025年3月・9月・2026年3月)。9月30日(中間配当の基準日)も判定に使われる名簿です。相続などで株主番号が変わると継続保有に当たらないとされています
  3. 受け取るにはSBI VCトレードの本人名義の口座が必要で、国内居住者(満18歳未満を除く)に限られます。口座を持たない株主は開設の手続きが要ります
  4. XRPは価格が変動する暗号資産で、受け取る数量は申込期限日の翌月初旬の販売価格で換算されます。受け取った後の価値は保証されません

優待の費用は、会社が開示しておらず、株主数も今回確認できていないため計算していません。参考値の名目利回りは配当(4.53%)と合わせると分割後200株で約4.92%になりますが、優待の価値は、XRPを受け取って持つ(または売る)手間をかけるかどうかで、0円にも2,000円相当にもなります。

株式分割と株数

2026年4月1日に1株を2株に分割し、発行済株式総数は15,927,200株になりました。9月末は15,943,200株(自己株式232株)で、増えた分は新株予約権の行使です。前年同期比の1株当たり中間純利益(256.79円、前年同期209.24円、+22.7%)は、純利益の伸び(+23.8%)より少し小さく、差は期中平均株式数の増加(+0.9%)で説明できます。

ストック・オプションと業績条件

回次対象株数(分割後)行使価額(分割後)行使期間業績条件
第4回(有償)取締役5名158,000株1,474円2027年8月1日〜2028年10月3日2025年3月期〜2027年3月期の連結経常利益の合計が175億円超
第5回(税制適格)従業員63名(発行時)303,000株(発行時は分割前154,500株)1,474円2027年8月1日〜2029年10月3日数値条件なし(在籍条件)

出典は2024年8月28日の発行の開示と2026年3月期の決算短信(分割後の株数・行使価額。第5回の303,000株は短信が示した時点の数)。このほか2021年12月に決議した第1回〜第3回の新株予約権(分割後の行使価額1,125円)が残っていて、上半期に増えた16,000株は、行使期間が始まっていない第4回・第5回ではなく、こちらの行使によるものと考えられます。第1回〜第3回の残りの株数は、有価証券報告書を確認できていないため書いていません。

この表のポイントは2つです。

  • 第4回の業績条件は、すでにほぼ届いている。2025年3月期60億84百万円+2026年3月期86億81百万円=147億65百万円なので、今期は経常利益27億35百万円超で条件を満たす計算。今期の上半期だけで60億33百万円です(判定は株式報酬費用の控除前の経常利益など、開示の定義による)
  • 第4回・第5回の2回分で461,000株、自己株式を除いた発行済株式の2.9%。行使価額1,474円は現在の株価2,537円を下回っています。中間短信の潜在株式調整後1株当たり中間純利益(251.10円)からは、第1回〜第3回を含む新株予約権全体で約36万株相当の希薄化が織り込まれていると逆算できます(筆者の逆算。潜在株式の計算方法上、行使価額と株価の差で株数が縮むため、発行済みの予約権の総数とは一致しません)

親会社とグロース市場の時価総額基準

  • 親会社SBIホールディングスの議決権62.0%。会社はSBIホールディングスと経営管理契約を結んでいて、「事前報告を要する事項はあるものの、承認を要する事項はなく事業上の制約はありません」としています。SBI新生銀行をアレンジャーとするシンジケートローンで同行から借り入れていて、SBIマネープラザには顧客紹介手数料を払っています(2026年3月期の関連当事者取引)
  • 上場は2022年10月19日で、上場5年は2027年10月19日。グロース市場の時価総額基準(上場5年経過後に100億円以上)は、自己株式を含む株数で計算すると1株約627円が目安で、現在の株価はその約4倍です(筆者の試算。判定方法の細部はJPXの規則原文で確認していません)

8. 株価の見方

株価は2026年10月28日(水)の終値2,537円(前日比△39円、△1.51%)を基準にしています。決算の発表は同日11時30分で、後場の取引はすべて発表後ですが、前場と後場のどちらで動いたかは日足では分かりません。始値・高値・安値は確認できていません。

指標値計算
時価総額約404億円2,537円×15,943,200株(自己株式を含む)
予想PER6.6倍2,537円÷予想EPS382.75円
PBR1.25倍2,537円÷1株当たり自己資本2,024.8円(9月末、自己株式を除く株数)
予想配当利回り4.53%115円÷2,537円
52週の高値・安値3,570円(2026年2月9日)・2,155円(2026年6月2日)株価情報サイトの表示(9月18日時点のキャッシュ。報道ベース)

強気の材料

  • 利益は販売金額に連動していて、上半期の販売金額は過去最高。7〜9月の減益は、販売金額あたりの粗利がむしろ上がる中での販管費と金利の増加で、JOLCOの販売は伸び続けている
  • 会社予想は過去3期とも上半期時点で控えめに置かれ、実際の下期は130〜179%で上回ってきた。今期の予想が置いた下期は販売金額あたりの営業利益を過去より低く置いていて、感応度表では最も低い側
  • 配当方針は配当性向30%以上で、過去2期は利益の上振れに合わせて期末配当が引き上げられた。予想利回り4.53%
  • 在庫(商品残高)を積み上げた状態で下期に入る。問屋のたとえで言えば、売る品物は倉庫にある

弱気の材料

  • 在庫と借金の膨らみ。在庫は1年で+35%、有利子負債は+31%、営業CFは△77億円。金利は上がっていて、支払利息は売上総利益の約8%。販売が鈍れば、倉庫代だけが残る
  • 会社自身が今期の伸びを小さく置いた理由は、人件費と金利。期初の説明資料の原文どおり、費用側の増加は計画に入っている。「毎年上振れる会社」という過去の形は、金利の前提が違う今期にそのまま使えるとは限らない
  • JOLは下期を前年より少なく置いている。会社は期初の説明資料で「ビジネス環境を踏まえ、慎重に取り組む方針」とし、上半期の説明資料でも組成の受注競争の厳しさを挙げている(中東情勢の影響は「軽微」としている)。JOLが売れない四半期は売上高が大きく減る(2024年4〜6月の売上高は24億円)
  • 為替。JOLCOの多くはドル建てで、組成時より販売時に円高が進むと単価調整のコストが売上原価に入る、と会社自身が書いている
  • 親会社が議決権の62.0%を持つ。経営の方向はSBIグループの方針と切り離せない

PER6.6倍という数字は、予想EPS(382.75円)を分母にしています。過去3期のように予想を上回れば実際のPERはさらに低く、予想どおりなら6.6倍です。どちらに近いかは、下期の販売金額と、在庫の回り方で決まります。


9. 今後のカレンダーと見るべきKPI

時期イベント見るポイント
2026年11月5日(予定)あおぞら銀行ほか4行から50億円の借入契約純資産75%の特約
2026年11月13日(金)半期報告書の提出予定日大株主の状況、借入の内訳
2026年11月〜2027年12月ナローボディ機8機(492億円程度)の購入予定販売用航空機等の残高と、JOLの販売機数
2026年12月1日(火)中間配当(30円)の支払開始—
2027年1月下旬第3四半期決算(過去2期は1月29日・1月30日)10〜12月の販売金額、商品残高、上方修正の有無(過去3期とも1〜3月に修正)
2027年3月(予定)船舶JOLCOへの立替出資118億円程度期末の商品出資金
2027年3月29日(月)期末配当の権利付き最終日2027年3月期の優待の内容(未公表)
2027年4月下旬通期決算(過去2期は4月28日)期末配当(予想85円)の増減、来期予想
2027年8月1日ストック・オプション(第4回・第5回)の行使期間開始株数の増加
2027年10月19日上場5年グロース市場の時価総額基準

見るべきKPI

  • 販売金額(JOLCO・JOL別)と、売上総利益÷販売金額:売上高ではなくこちらで利益を読む。10四半期の帯は約9〜13%
  • 商品残高と有利子負債:販売金額より早く膨らんでいないか。9月末は商品残高1,022億円、有利子負債875億円
  • 支払利息:四半期あたり(4〜6月3億36百万円、7〜9月4億12百万円)の推移
  • JOLの販売機数:上半期4機。通期のJOL販売計画は500億円
  • 純資産と財務上の特約:直前期末の75%以上

10. 3行まとめ

  • 上半期は売上高+23.6%・経常利益+23.6%で過去最高だが、7〜9月だけなら売上高△35.2%・経常△10.0%。売上高はJOLの機体を通したかどうかで振れ、利益は販売金額(粗利÷販売金額は約9〜13%の帯)に連動している
  • 予想が置いた下期の経常利益は前年比△24.6%で、過去3期は同じ時点の置き方を実際の下期が3〜8割上回ってきた。ただし今期は、金利と人件費の増加を会社自身が予想に置いている
  • 旅客機や船を借金で仕入れて小分けにして売る問屋の倉庫(在庫1,022億円)と借金(875億円)は1年で3割以上膨らみ、金利も上がっている。下期は「売れる量」と「倉庫の回り方」の両方を見る局面

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。数値の出典は、SBIリーシングサービスの決算短信(2024年3月期第1四半期〜2027年3月期中間期)、決算説明資料(2026年3月期・2027年3月期中間期)、業績予想の修正・配当・借入契約・航空機の売買・立替出資・株主優待導入・新株予約権発行の各適時開示、「支配株主等に関する事項について」(2026年6月26日)、第9期定時株主総会招集通知です。四半期の数値(7〜9月など)、残り期間の含み、販売金額あたりの利益、有利子負債の合計と平均利率の目安、感応度表、優待の利回りは筆者の計算・試算です。株価は2026年10月28日の終値で、52週の高値・安値は株価情報サイトの表示(報道ベース、キャッシュの日付が古い可能性があります)です。本記事では次の点に踏み込んでいません。決算は11時30分の発表で、当日の値動きが発表の前後どちらで生じたかは確認できていません。決算説明会(機関投資家・アナリスト向け)の質疑応答は反映していません。2026年3月期の有価証券報告書(株主に対する特典欄、大株主の状況、事業等のリスク、重要な会計上の見積り、借入金等明細表)は、端末側のツールが使えず確認できていません。2027年3月31日を基準日とする株主優待の内容は会社から示されておらず、株主数が確認できないため優待の費用は計算していません。説明資料のパートナー数・四半期別の販売金額・組成金額は図表の数値の読み取りを含みます。財務上の特約に抵触した場合の扱いは、開示に記載がないため書いていません。グロース市場の時価総額基準の判定方法の細部は、JPXの規則原文で確認していません。

記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。

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