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アルメディオ(7859) 炉の内側に貼る「熱を逃がさない壁」を、炉の持ち主の改修の予定表に合わせて納めている会社 7〜9月で赤字がほぼ消えたのに、なぜ会社は下期の予想をそのままにしたのか?【2026年11月発表・上半期決算】

本記事は2026年11月時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • アルメディオが何で稼いでいる会社で、売上が2年で約5分の1になったのはなぜか
  • 上半期(4〜9月)の赤字の大半が4〜6月に出ていて、7〜9月はほぼ収支とんとんだったこと(筆者の差し引き)
  • 7〜9月の改善が「断熱材の国内の炉修」と「ナノマテリアル事業の資源・材料販売」の2本で、粗利率はむしろ下がっていたこと
  • 5月から変わらない通期予想が、下期に「売上は7〜9月の3か月分、損益は7〜9月並み」という形を置いていること
  • 前期の4.5円配当が全額「設立45周年記念配当」で、今期は0円予想であること、そして5年以上の保有が条件の株主優待の受け取り方
  • 前期の決算短信に「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載があったこと

この決算をひとことで言うと

4〜9月の半年は、前の年より売上が5割増え、本業の赤字は前の年の半分以下になりました。3か月ずつに分けると、赤字のほとんどは4〜6月に出ていて、7〜9月はほぼ収支とんとんまで戻っています。戻った理由は、国内で炉の張り替えの注文が増えたことと、新しく引き継いだ材料の仕入れ販売で大きな注文が入ったことです。ただし、会社が5月に出した1年間の見通しは変わっておらず、その見通しどおりなら残り半年の売上は約11.5億円で、7〜9月の3か月だけで売れた約11.8億円とほぼ同じです。7〜9月の大きな注文が続くのか一度きりなのかは、まだ数字からは分かりません。次は2月の発表で、10〜12月の売上が前の年の約4.6億円からどれだけ増えたかと、材料の仕入れ販売の大口案件が動き出したかを見ます。

1. アルメディオはどんな会社か

軸:炉の内側に貼る「熱を逃がさない壁」を、炉の持ち主の改修の予定表に合わせて納めている会社

製鉄所や工場には、金属やセラミックスを1,000℃を超える温度で焼いたり溶かしたりする炉があります。炉の内側には、熱を外に逃がさないための壁(耐火・断熱材)が貼ってあり、使ううちに傷むので、定期的に止めて張り替えます。これを「炉修」と呼びます。アルメディオの主力の断熱材事業は、この壁の材料(ブランケット、ブロック、ボード、成型品)を作って売る仕事です。中国の連結子会社では、炉の材料に加えて、焼き物を載せて炉に入れる台(窯道具。セラミックラックなど)や工業炉、太陽光パネルを作る炉に使うヒーターモジュールも作っています。

この会社の強みと弱みは、同じ1枚の予定表から出てきます。

  • 強み:炉は使えば必ず傷むので、張り替えの注文はいつか必ず来ます。窯道具も消耗品です
  • 弱み①(予定表を書くのは客):いつ張り替えるかは炉の持ち主が決めます。前期は国内の大型炉修が顧客の計画変更で延期になり、売上が計画を下回りました。新しく育てているナノマテリアル事業でも、採用の時期を決めるのは客で、2期続けて「採用が翌期にずれた」と説明しています(4章)
  • 弱み②(特需に合わせた器の大きさ):中国子会社は、太陽光パネルの増産ブームでヒーターモジュールの注文が膨らみ、2024年3月期には連結売上が115億円を超えました。ブームが去った今も、そのときに整えた工場と管理の体制が残っています。全社費用(どの事業にも振り分けられない本社の費用)は3か月あたり約0.8〜0.9億円で、事業の稼ぎがこれを超えないと連結は黒字になりません

事業の構造(2027年3月期上半期、千円)

区分売上高構成比セグメント損益中身
断熱材事業1,445,83180.6%41,173国内の炉材、中国子会社の窯道具・工業炉など
ナノマテリアル事業347,04119.4%△14,412カーボンナノファイバー(CNF)の開発・販売、資源・材料販売
セグメント計1,792,872100.0%26,761
全社費用(調整額)--△174,012報告セグメントに帰属しない一般管理費
連結営業損益1,792,872-△147,250

この表のポイントは2つです。1つ目は、2つの事業を合わせると上半期は黒字(27百万円)だったことです。2つ目は、本社の費用1.7億円を差し引いたところで赤字になっていることです。弱み②の「器の大きさ」は、この最後の行に出ています。

用語メモ:資源・材料販売とは、ナノマテリアル事業の中で、2023年11月以降の資金調達で得たお金の一部を使って日本NER株式会社から譲り受けた事業です。会社の開示では、欧州向けの取引が中心で、仕入代金を先に払い、売上代金の回収まで4〜6か月かかると説明しています。自社で開発したCNFとは別の、材料の仕入れ販売です。

ナノマテリアル事業のもう1本の柱であるCNFは、導電用途を中心に半導体・放熱材・電池向けで評価が進んでいる段階です。会社はさらに、CMC(セラミックマトリックス複合材)を「第三の事業」として売り込んでいますが、事業化の時期が決まっていないため、中期経営計画の売上には入れていません。

業績の推移

連結業績の推移(百万円)

決算期売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益1株配当
2024年3月期11,5573,3643,4432,3280円
2025年3月期5,8008678774760円
2026年3月期2,372△825△786△4704.5円(全額記念配当)
2027年3月期(会社予想)2,943△163△137△1640円

※2025年3月期・2026年3月期は決算短信、2024年3月期の売上高は2025年3月期決算短信の前期セグメント情報、2024年3月期の各利益は株探の集計値による(筆者が短信原文で確認したのは売上高のみ)。

この表のポイントは、売上が2年で約5分の1になったことです。断熱材事業の売上は、2024年3月期の105億75百万円から、2025年3月期に51億73百万円、2026年3月期に22億72百万円へ減りました。会社は前期の減収について、中国子会社の太陽光発電パネル向け製品の受注減と販売価格の下落、原材料高を挙げています。今期の予想は、底を打って24.1%の増収、営業損失は△825百万円から△163百万円に縮む形です。

会社予想の達成履歴

通期予想と実績(百万円)

決算期期初予想(開示日)修正(開示日)実績実績÷期初予想実績÷修正後予想
2025年3月期 売上高7,197(2024/5/14)6,053(2025/2/4)5,80080.6%95.8%
2025年3月期 営業利益1,18498486773.2%88.1%
2026年3月期 売上高4,539(2025/5/14)2,554(2025/11/4)2,37252.3%92.9%
2026年3月期 営業利益280△664△825--
2027年3月期 売上高2,943(2026/5/14)修正なし(8/4・11/2据え置き)---
2027年3月期 営業利益△163修正なし---

※2025年3月期の期初予想は、2025年2月4日の修正開示の「前回発表予想」欄による。

この表のポイントは、直近2期とも期中に下方修正し、さらに修正後の予想も下回って着地したことです。2026年3月期は、上半期の決算と同じ日(2025年11月4日)に売上を4割以上引き下げ、黒字予想を赤字予想に変えました。今期は、上半期の決算で予想を据え置いた点が前期と違います。

読み方メモ:業績予想の修正の適時開示は、売上で10%、利益で30%の基準に届かなければ出ません。予想が据え置かれていることは、会社が予想どおりに進んでいると明言したことと同じではありません。また、この会社は上半期(第2四半期累計)の予想を出していないため、「上半期の計画に対して上振れたか」は短信からは分かりません。

2. 上半期の決算ハイライト

2026年11月2日(月)15時30分発表。

損益(千円)

項目2026年3月期上半期2027年3月期上半期増減
売上高1,164,4241,792,872+54.0%
売上総利益295,931414,995+119,064
売上総利益率25.4%23.1%△2.3pt
販売費及び一般管理費636,246562,246△74,000
営業損益△340,314△147,250+193,064
経常損益△344,482△140,638+203,844
税金等調整前中間純損益△343,777△142,521+201,256
法人税等合計△50,2764,100+54,376
親会社株主に帰属する中間純損益△293,500△146,621+146,879
中間包括利益△660,570193,322+853,892

この表のポイントは2つです。

1つ目は、営業損失が1億93百万円縮んだのに、最終損失の縮み方は1億47百万円にとどまったことです。差は税金の行にあります。前年の上半期は法人税等調整額が△52百万円(税金が戻る方向)で最終損失を小さく見せていましたが、今期はそれがなく、税金が4百万円出ています。前期の通期でも、法人税等調整額△377百万円(益)が営業損失△825百万円を最終損失△470百万円まで縮めていました。この会社の最終損益は、税金の行で大きく振れます。

2つ目は、最終損益が赤字なのに、包括利益は1億93百万円の黒字だったことです。中国子会社の純資産を円に直したときの差額(為替換算調整勘定)が3億40百万円増えたためで、人民元に対する円安の効果です。

営業損益の改善の分解(前年上半期比、千円)

要因金額計算
数量効果(売上が増えた分)+159,716売上の増加628,448×前年の粗利率25.4%
率効果(粗利率が下がった分)△40,652今期の売上1,792,872×粗利率の変化△2.3pt(丸める前の値で計算)
販管費の減少+74,000636,246−562,246
合計+193,064営業損益の実際の改善と一致

※筆者の試算。数量効果は前年の粗利率、率効果は今期の売上高で計算した。

この表のポイントは、改善のほとんどが「売上が増えた分」と「販管費を減らした分」で、粗利率は逆に足を引っ張っていたことです。売れたものの中身が、前年より粗利の薄いものに寄っています(3章)。

財政状態(千円)

項目2026年3月末2026年6月末2026年9月末
現金及び預金3,765,6463,625,6573,746,522
原材料及び貯蔵品220,989278,020325,804
仕掛品89,38690,063123,370
前受金22,732320,91559,304
短期借入金150,000150,000150,000
純資産7,904,5577,860,8888,007,720
自己資本比率93.6%91.5%93.8%

純資産は半年で1億03百万円増えました。内訳は、最終損失△1億47百万円、前期の記念配当の支払い△90百万円、為替換算調整勘定+3億40百万円です(筆者の差し引き)。純資産80億円のうち11億50百万円(14.4%)が為替換算調整勘定で、円高に振れればこの部分は減ります。

中間決算短信にはキャッシュ・フロー計算書が載っていません。同時に公表された補足資料(Financial Data Book)によると、上半期の設備投資額は98百万円、減価償却費は178百万円、研究開発費は68百万円です。

3. 深掘り①:7〜9月に何が起きたのか

上半期の数字だけを見ると「赤字が半分に縮んだ」決算ですが、短信は累計しか開示しないので、3か月ごとに分けると別の形が見えます。

3か月ごとの業績(百万円)

期間売上高営業損益経常損益最終損益
2025年1〜3月1,11721919567
2025年4〜6月670△146△154△116
2025年7〜9月495△195△190△177
2025年10〜12月457△282△263△249
2026年1〜3月751△204△17972
2026年4〜6月612△131△120△122
2026年7〜9月1,181△16△21△25

※各四半期の短信の累計値から筆者が差し引いた(千円単位で差し引いて百万円未満を四捨五入)。2026年3月期の4四半期の合計は通期の開示値(売上高2,372,446千円、営業損失△825,641千円)と一致する。2025年1〜3月は2025年3月期の通期と第3四半期累計の差。通期の経常損益・最終損益は百万円単位の開示から差し引いたため、該当する四半期の経常・最終の値には±1百万円の幅がある。

計算メモ:2026年7〜9月の売上高は、上半期累計1,792,872千円−4〜6月612,324千円=1,180,548千円。営業損益は△147,250−(△130,854)=△16,396千円。上半期の営業損失1億47百万円のうち、1億31百万円(約89%)が4〜6月に出ています。

この表のポイントは2つです。1つ目は、7〜9月の売上11.8億円が、表に並べた7四半期で最も大きいことです。前年同期(4.9億円)の2.4倍です。2つ目は、7〜9月の営業損失△16百万円が、前期の4四半期(△146〜△282百万円)と比べて一桁小さいことです。

前期の2026年1〜3月に最終損益が72百万円の黒字になっているのは、営業損失△204百万円に対して、法人税等調整額(益)が大きく入ったためです。本業が黒字になったわけではありません。

事業別に3か月ごとに分ける(千円)

期間断熱材 売上断熱材 損益ナノ 売上ナノ 損益全社費用
2025年4〜6月637,516△35,79932,086△28,227△81,575
2025年7〜9月472,200△72,94622,622△33,869△87,897
2025年10〜12月433,820△153,43722,940△45,410△82,836
2026年1〜3月728,761△90,20722,500△35,341△78,097
2026年4〜6月580,204△5,58532,120△34,498△90,770
2026年7〜9月865,62746,758314,92120,086△83,242

※筆者の差し引き。断熱材+ナノ+全社費用の合計は、各期の連結営業損益と±2千円で一致する(千円未満の端数による)。

この表から、7〜9月の改善は2本の柱でできていることが分かります。

  • 断熱材:売上は前年同期の1.8倍の8.7億円、損益は+47百万円で、前年同期の△73百万円から黒字に転じました。短信は、国内で炉修案件の受注に伴う炉材の販売が増えたこと、中国子会社でセラミックラックを含む高温窯道具の受注・販売が大きく伸び、歩留まりの改善と稼働率の上昇で営業利益率が「ほぼ計画通りの水準まで回復」したことを挙げています。4〜6月の短信では、同じ子会社について歩留まりの低下で利益率が計画を下回ったと書いていたので、3か月で説明が反対になっています
  • ナノマテリアル:売上は前年同期の約14倍の3.1億円で、表に並べた6四半期で唯一の黒字(+20百万円)になりました。短信は、資源・材料販売で新規顧客の受注が好調で「計画値を上回りました」と書いています

ただし、粗利率は下がっています。7〜9月の粗利率は22.0%で、4〜6月の25.3%、前年上半期の25.4%より低い水準です(筆者の差し引き)。ナノマテリアル事業の7〜9月の利益率は6.4%で、売上の大きさの割に利益は薄い形です。材料の仕入れ販売は、自社開発品に比べて仕入代金の比重が大きい商売と考えられますが、会社は事業別の粗利率を開示していないので、これは筆者の推測です。

貸借対照表にも、この3か月の動きが出ています。前受金は3月末の23百万円から6月末に3億21百万円へ増え、9月末には59百万円に戻りました。原材料及び貯蔵品は半年で2億21百万円から3億26百万円に増えています。会社は5月の資金使途の変更の開示で、資源・材料販売の欧州向け取引は仕入代金が先に出ていき、回収まで4〜6か月かかるので運転資金を確保すると説明していました。ただし、前受金の増減がどの取引によるものかを会社は説明していないので、ここではナノマテリアル事業の売上と結びつけず、事実を並べるにとどめます。

用語メモ:前受金とは、商品を渡す前に客から先にもらった代金です。受け取った時点では売上にならず、商品を渡した時点で売上に振り替わります。

軸に戻ると、7〜9月の改善は「客の予定表」が2つ同時に動いた結果です。国内の炉の持ち主が張り替えの予定を入れ、資源・材料販売の新しい客が注文を入れました。どちらも、次の3か月に同じ大きさで続くかを決めるのは客の側です。

4. 深掘り②:会社予想は下期に何を置いているのか

前章で見た7〜9月の改善を受けても、会社は5月に出した通期予想を変えませんでした。では、その予想は下期(10月〜3月)にどんな形を置いているのでしょうか。

会社予想が置いている下期(百万円)

項目通期予想上半期実績予想が置いた下期前年下期の実績前年下期比
売上高2,9431,7931,1501,208△4.8%
営業損益△163△147△16△485赤字縮小
経常損益△137△1414△442黒字転換
最終損益△164△147△17△177赤字縮小

※筆者の差し引き(通期予想−上半期実績。千円単位の実績から差し引いて四捨五入)。会社が下期の予想として発表した値ではない。

読み方メモ:会社が予想を据え置いたまま上半期が進むと、〈通期予想−上半期実績〉は計算上こう決まるだけで、会社が「下期の売上は前年より減る」と予想を発表したわけではありません。この会社は期中に予想を据え置き、決算期の途中で下方修正した期が直近2期続いています(1章)。

この表のポイントは、売上と損益で「要求の厳しさ」が逆向きになっていることです。

  • 売上:下期の売上1,150百万円は、7〜9月の3か月だけで売れた1,181百万円より少なく、前年下期より4.8%少ない水準です。上半期の売上の進捗率は60.9%で、売上の側の要求は低い置き方です
  • 損益:下期の営業損益△16百万円は、7〜9月の3か月の△16百万円とほぼ同じです。前年下期は△485百万円、営業利益率は△40.2%でした。損益の側は、7〜9月の利益率(△1.4%)を半年続けることを求めています

つまり予想が置いている下期は、「売上は7〜9月の半分のペースに戻るが、損益は7〜9月並み」という形です。4〜6月のように売上6億円台の3か月では△1億31百万円の赤字が出ていたので、売上が戻るなら損益も戻るのが前年までの形でした。この食い違いを説明する材料は2通り考えられます。

  • 売上の側が控えめ:予想は5月の中期経営計画と同じ数字のままで、7〜9月の上振れを反映していない
  • 中身が変わる前提:中期経営計画は、資源・材料販売で「第47期期首から計画に含めていた売上が第47期下期計上となった」と説明しており、利益の厚い大口案件を下期に置いている可能性がある

会社はどちらとも説明していません。上の2つは筆者が開示から考えた読み方で、会社の説明に基づくものではありません。

中期経営計画の事業別計画と上半期実績(百万円)

事業今期の計画上半期実績進捗率計画が置いた下期前年下期の実績
断熱材2,4141,44659.9%9681,163
ナノマテリアル52834765.7%18145
合計(事業別)2,9421,79360.9%1,1491,208

※中期経営計画2026(2026年5月14日)の事業別売上計画から筆者が差し引いた。計画の事業別合計は2,942で、連結の2,943と1百万円ずれる(原文のまま)。会社は事業別の計画を見直したと開示していない。

この表のポイントは、断熱材の下期計画968百万円が、前年下期(1,163百万円)より小さく、7〜9月の3か月(866百万円)と大差ないことです。断熱材の下期は、前年より厳しい環境を置いている形になります。

ナノマテリアル事業の「延期」の履歴

時点会社の説明(筆者の要約)
2025年2月4日(2025年3月期の修正)下期に受注予定だった案件の一部が、評価の遅れから来期受注になった
2026年5月14日(2026年3月期の決算)資源・材料販売で本格採用を見込んでいた2件が翌期に延期となった
2026年5月14日(資金使途の変更)資源・材料販売で、2027年3月期の本格採用の内示を2件受けている
2026年11月2日(今回)大型案件の本格採用に向け、顧客側で生産計画の最終調整が進んでいる

この表は、会社の説明の文言の推移を並べたものです。採用の時期を決めるのは客で、直近2期は会社が見込んだ時期より後ろにずれました。今回は「延期」ではなく「最終調整」という言葉になっています。どちらに転ぶかを決める材料は、まだ開示にありません。

下期の売上と利益率による通期の営業損益(百万円)

下期の売上\下期の営業利益率△10%△1.4%(7〜9月並み)+3%+6%
1,000△247△161△117△87
1,150(会社予想の下期)△262△163△113△78
1,400△287△167△105△63
1,800△327△172△93△39

※筆者の試算で、将来の見通しではない。上半期の営業損失△147百万円に、下期の売上×下期の営業利益率を足した。参考として、前年下期の営業利益率は△40.2%、2025年3月期の下期は+9.5%(2025年3月期の上半期の値は株探の集計による)。

この表のポイントは、通期の着地が下期の売上よりも利益率で大きく変わることです。会社予想(△163百万円)は、7〜9月並みの利益率が半年続く列に置かれています。下期の利益率が前年下期のように△10%を下回れば、売上が予想より多くても損失は予想より膨らみます。逆に、利益の厚い案件が乗って利益率がプラスになれば、売上が予想どおりでも損失は縮みます。

前章からの問いに戻ると、7〜9月の改善が続くかどうかは「客の予定表」次第で、会社予想はその改善を損益の側では続く前提、売上の側では続かない前提で置いています。

5. 資本政策・株主還元

配当:前期の4.5円は全額が記念配当

決算期1株配当中身
2024年3月期0円最終利益23億28百万円
2025年3月期0円最終利益4億76百万円
2026年3月期4.5円普通配当0円、設立45周年記念配当4.5円(総額90百万円)
2027年3月期(予想)0円中間0円・期末0円

この表のポイントは、最終利益が23億円あった期も無配で、配当が出たのは最終赤字の前期だけだったことです。会社は2026年5月14日の開示で、普通配当を見送った理由として、繰越利益剰余金の欠損が続いていることを挙げています。連結の利益剰余金は29億68百万円ありますが、配当の原資になるのは親会社単体の剰余金です。前期の決算短信によると、親会社単体は2017年3月期から2026年3月期まで10期連続で営業損失でした。

今期は、中国の連結子会社(阿爾賽(蘇州)無機材料有限公司)から親会社が30,000千元(714百万円)の配当を受け取り、単体の営業外収益に計上すると開示しています(2026年8月20日)。会社の説明では、この配当は別の中国子会社の増資に充てるため、子会社から子会社へ直接送金される仕組みで、連結の損益には影響しません。単体の剰余金や今後の配当にどう影響するかを会社は説明していないので、ここでは事実だけを書きます。

注記:中期経営計画2026の株主還元の記載は「利益の還元を行う」という趣旨にとどまり、配当性向などの数値はありません。有価証券報告書の「配当政策」の原文は確認していません。

株数・新株予約権・自己株式

  • 発行済株式数20,806,316株、自己株式770,737株(発行済の3.7%)。半年間の増減はありません
  • 2023年11月に第三者割当で発行した第9回・第10回新株予約権は、行使と会社による取得・消却を経て、実際の調達額は17億61百万円でした。9月末の純資産の部に新株予約権の計上はありません
  • 2026年5月14日に、調達資金のうち未使用の709百万円の使途を、M&A資金から運転資金(資源・材料販売の仕入代金の先払い)に変更しました。M&A資金として予定していた1,688百万円のうち、実際の充当は21百万円(日本NERからの事業譲受)です

継続企業の前提に関する重要事象等

前期(2026年3月期)の決算短信は、親会社単体で10期連続の営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象または状況が存在すると認識している、と記載しています。同時に、中期経営計画2026に基づく資金計画から、重要な不確実性は認められないと判断しています。今回の中間決算短信では、継続企業の前提に関する注記は「該当事項はありません」で、重要事象等への言及はありません。

用語メモ:「継続企業の前提に関する重要事象等」とは、事業の継続に疑いを生じさせる事象があることを会社が記載するものです。これとは別に、重要な不確実性が認められる場合にだけ付く「継続企業の前提に関する注記」があり、アルメディオには付いていません。

連結で見ると、9月末の現金及び預金は37億47百万円、借入金は合計1億71百万円で、自己資本比率は93.8%です。連結の資金の厚さと、親会社単体の損益の弱さが、同じ会社の中に並んでいます。

株主優待:5年以上の保有が条件のQUOカード

アルメディオには、会社IRサイトに「長期株主優待制度」が掲載されています。

項目内容
対象毎年3月31日を基準日として100株以上を保有し、5年以上継続して保有する株主
継続保有の判定3月31日と9月30日の株主名簿に、同一株主番号で100株以上が、基準日を含めて11回以上連続して記載・記録されていること
内容一律でQUOカード500円分
贈呈時期毎年6月の定時株主総会の招集通知に同封

※会社IRサイト「長期株主優待制度」による(2026年11月4日に確認)。有価証券報告書の「株主に対する特典」欄は確認していない。

いつから受け取れるか

「5年以上」は、半年ごとの名簿に11回連続で載ることで判定されます。2026年9月30日の名簿はすでに過ぎているので、これから100株を買う場合に最初に載るのは2027年3月31日の名簿です。

名簿の日付回数
2027年3月31日1回目
2027年9月30日〜2031年9月30日2〜10回目
2032年3月31日11回目(最初の優待の基準日)

最初の優待が届くのは2032年6月の招集通知です。2027年3月31日(水)の名簿に載るための権利付き最終日は、2営業日前の3月29日(月)です。この日は配当の基準日でもありますが、今期の配当予想は0円なので、配当の権利は付きません。

名目の価値

100株を2026年11月4日の終値270円で買うと27,000円で、QUOカード500円は年1.9%にあたります(名目)。ただし、受け取れるのは6年目からで、5年間は受け取れません。株数を増やしても金額は一律500円で、100株を超えて持っても優待は増えません。1株あたりでは5円で、前期の記念配当(4.5円)とほぼ同じ大きさです。

継続性

対象となる株主の数(5年以上保有の100株以上の株主)を会社は開示していないので、優待にかかる費用の総額は計算していません。同一株主番号が条件なので、証券会社の移管や名義の変更などで株主番号が変わると、連続の記録が途切れる可能性があります。条件の細部は会社IRに確認するのが確実です。

6. 株価の見方

株価の基準:2026年11月4日(水)終値270円。

決算は2026年11月2日(月)15時30分の発表で、その日の終値258円には反応は含まれていません。翌3日は祝日(文化の日)で、最初の反応日は11月4日(水)です。4日は始値282円(前営業日比+9.3%)、高値288円、安値252円、終値270円(+4.65%)、出来高は523,600株で、11月2日(100,100株)の約5倍でした。年初来高値は369円(2026年4月22日)、年初来安値は158円(2026年1月5日、いずれも報道ベース)です。

指標値計算
時価総額約56億円270円×発行済20,806,316株(自己株式を除くと約54億円)
PBR約0.68倍270円÷1株純資産399.67円(9月末純資産÷自己株式を除く株式数)
予想PER計算できない今期の純利益予想が赤字(予想EPS△8.20円)
配当利回り0%今期の配当予想0円
1株あたり現金及び預金約187円9月末3,746,522千円÷自己株式を除く株式数

注記:現金及び預金(約37億円)は時価総額(自己株式を除いて約54億円)の約7割にあたります。ただしこの比較は、現金を株主に返す場合に限って意味を持つ計算です。会社は資源・材料販売の仕入代金の先払いのために運転資金を確保すると説明しており、現金の多くは中国子会社にあります(連結の現金の所在地別の内訳は開示されていません)。

強気の材料

  • 7〜9月の営業損失は△16百万円で、前期の4四半期(△146〜△282百万円)から一桁小さくなった。断熱材とナノマテリアルの両事業が3か月で黒字だった
  • 会社予想が置いた下期の売上(1,150百万円)は、7〜9月の3か月(1,181百万円)より少なく、売上の側の要求は低い
  • 断熱材の中国子会社で、窯道具の受注と歩留まりの改善が「ほぼ計画通り」まで戻ったと会社が書いている
  • 連結の自己資本比率は93.8%、借入金は1億71百万円で、PBRは0.68倍

弱気の材料

  • 7〜9月の粗利率は22.0%で、4〜6月(25.3%)より低い。売上の伸びの中身は粗利の薄いものに寄っている
  • ナノマテリアル事業の大口案件は、直近2期とも会社が見込んだ時期より後ろにずれた。今回も「顧客側で生産計画の最終調整」で、時期を決めるのは客
  • 直近2期とも期中に下方修正し、修正後の予想も下回って着地した
  • 全社費用は3か月あたり約0.8〜0.9億円で、事業の稼ぎがこれを恒常的に超えない限り連結は黒字にならない
  • 親会社単体は10期連続の営業損失で、前期の短信に継続企業の前提に関する重要事象等の記載がある。普通配当は繰越利益剰余金の欠損を理由に見送られている
  • 純資産の14.4%が為替換算調整勘定で、円高に振れれば純資産が減る

同じ「7〜9月の改善」が、強気側では「赤字がほぼ消えた」、弱気側では「粗利の薄い売上と、時期を客が決める案件で作られた」と読めます。数字はどちらの読みでも同じです。

7. 今後のカレンダーと見るべきKPI

時期イベント見るところ
2026年11月13日(金)半期報告書の提出予定日上半期のキャッシュ・フロー計算書、大株主の状況
2027年2月上旬(前年は2月4日)第3四半期決算10〜12月の売上と営業損益、予想の修正の有無
2027年3月29日(月)権利付き最終日長期株主優待の名簿の記録(配当予想は0円)
2027年3月31日(水)期末・基準日
2027年5月中旬(前年は5月14日)通期決算・中期経営計画の更新通期の着地、来期予想(中計では売上42億33百万円・営業利益2億11百万円)、配当

見るべきKPI

  • 10〜12月の売上と営業損益:前年同期は売上457百万円・営業損失△282百万円。会社予想の下期(1,150百万円)を2つに割ると、3か月あたり約575百万円
  • 粗利率:7〜9月の22.0%から戻るか
  • ナノマテリアル事業の売上と損益:7〜9月の3億15百万円が続くか。大口案件の「本格採用」の文言が出るか
  • 断熱材の損益:7〜9月の+47百万円が続くか。国内の炉修の時期の記述
  • 前受金・原材料及び貯蔵品・現金及び預金:資源・材料販売の取引の規模を映す
  • 為替換算調整勘定:純資産の動きの大半を決める

8. 3行まとめ

  • 上半期の営業損失は△147百万円で前年から1億93百万円縮み、うち1億31百万円は4〜6月に出ていて、7〜9月は△16百万円まで縮んだ(筆者の差し引き)
  • 改善は国内の炉修と資源・材料販売の大口注文の2本で、粗利率は下がった。どちらの次の注文も、時期を決めるのは客の予定表
  • 据え置いた通期予想は、下期に「売上は7〜9月の3か月分、損益は7〜9月並み」を置いており、2月の第3四半期決算で10〜12月の形が見える

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。数値の出典は、アルメディオの決算短信(2027年3月期中間期・第1四半期、2026年3月期通期(2026年6月12日訂正後)・第3四半期・第1四半期、2025年3月期通期)、Financial Data Book(2027年3月期第2四半期)、適時開示(業績予想の修正、中期経営計画2026、設立45周年記念配当、調達資金の資金使途の変更、連結子会社からの配当金受領)、会社IRサイト(長期株主優待制度)です。3か月ごとの数値・下期の数値・損益の分解・感応度表・PBR等は筆者の差し引き・試算です。株価・出来高・年初来高値安値は株探およびYahoo!ファイナンスの表示(報道ベース)によります。2024年3月期の利益・配当と2025年3月期上半期の数値は株探の集計値で、短信原文での確認はしていません。以下の点にご注意ください。

  • 決算短信・適時開示の多くは、要約ツールを介した抽出で読んでおり、一部の数値は原文の逐語確認ができていません。主要な数値は、株探の四半期集計・補足資料・前後の短信の差し引きの2経路以上で照合しています。中間決算短信の表紙(売上高・利益・財政状態・配当・半期報告書の提出予定日)は原文で確認しました。
  • 当四半期の決算説明会は開催されておらず、会社の説明は決算短信の定性的情報と補足資料(数値のみ)に限られます。質疑応答は一切反映していません。
  • 中間決算短信にはキャッシュ・フロー計算書が載っておらず、上半期のキャッシュ・フローは半期報告書(2026年11月13日提出予定)で確認が必要です。
  • 7〜9月の粗利率の低下を資源・材料販売の商売の性格で説明した箇所、および会社予想の下期の置き方についての2つの読み方は、筆者の推測で、会社の開示に基づくものではありません。前受金の増減と特定の事業・取引を結びつける根拠は開示にないため、結びつけていません。
  • 有価証券報告書(「配当政策」「株主に対する特典」「事業等のリスク」「大株主の状況」等)は確認していません。長期株主優待制度は会社IRサイトの記載のみで確認しており、対象株主数を開示していないため優待費用の総額は計算していません。
  • 会社IRサイトのIRニュース一覧では、2026年11月2日掲載の中間決算短信の見出しが「2026年3月期」と表記されていますが、PDFの本文は2027年3月期中間期の決算短信です。

記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。

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