株式投資

【2026年10月発表・上半期決算】フェリシモ(3396)営業利益は4割減、それでも最終増益――下期に「売上8%増」を置いた会社予想は何を前提にしているのか

本記事は2026年10月7日時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • 上半期(2026年3〜8月)の営業利益が122百万円(前年同期比39.4%減)に落ちた一方、最終利益が増えた理由(為替差益と、税金がほとんどかからない構造)
  • 累計しか開示されない決算を10四半期に割ると見える「6〜8月は毎年稼ぎ、9〜11月は2年続けて赤字」という形と、上期の減益を数量・率・販管費の3つに分けた中身
  • 通期予想を据え置いた結果、下期に「売上8.0%増・営業利益115百万円(前年下期は13百万円)」が置かれていること。過去2期、上期決算時点の予想が置いた下期売上は約9割しか達成されていないこと
  • 経常利益・純利益の予想は為替を織り込んでいないと会社自身が明記しており、上期の為替差益71百万円が下期に「マイナス」として置かれる形になっていること
  • 時価総額(自己株式控除後で約61億円)が現預金89億円を下回り、自己株式が発行済の25.4%を占める資本構成と、累進配当・ROE目標の距離
  • 8月31日基準・保有年数で1,000円〜8,000円に増える株主優待の、名簿の回数と年数の換算

1. 前提知識:フェリシモはどんな会社か

1-1. 「月に一度、売り場のほうから家に届く」会社

本屋や洋服屋に行くかわりに、月に一度、段ボール箱がひとつ家に届く。中には先月自分で選んだ商品と、来月の商品を選ぶためのカタログが入っている。気に入れば翌月も別の色や柄が届き、要らなければ止める――フェリシモの中核である「フェリシモ定期便」は、この仕組みです。会社は説明資料で、商品が届くまでの「楽しみに待つ時間」そのものを価値にしていると説明しています。

この記事では、フェリシモを**「月に一度、自分で企画した売り場の抜粋を箱に詰めて、家まで届けに行く会社」**として読みます。この1文から、強みと弱みが同じ形で出てきます。

  • 強み:売り場の中身(企画)と、箱を詰めて届ける仕組み(受注・物流センター・顧客対応)を自前で持っている。だから売上総利益率(粗利率)が55%前後と、仕入れて売る通販より高い
  • 弱み①:箱を開け続けるかどうかは客が決める。 会社が主要KPIに挙げる「購入頻度」は、上期に前年比96.9%に落ちた
  • 弱み②:箱を作って届ける仕組みの費用は、箱の数が減っても縮まない。 物流設備やシステムの減価償却費、カタログの制作費は、客数と関係なく出ていく

弱み①は売上(数量)に、弱み②は販管費に対応します。第3章で上期の減益を3つに分けると、この2つがそのまま数字として出てきます。

1-2. 事業の構造

用語メモ:フェリシモはセグメント(事業の区分)を「通信販売事業」1つとしており、決算短信には事業別の利益が載りません。ただし会社が自社サイトに掲載している決算説明資料には、事業区分別の売上高と売上総利益が載っています。以下の表はその資料から転記したものです。

事業区分(会社の区分)上期売上高(百万円)前年同期比売上総利益率中身
定期便事業12,184△2.6%55.0%衣料・雑貨・手づくりキット等の月1回お届け
フェリシモ パートナーズ事業825+9.0%70.3%取引先が定期便の仕組みに出品・出稿
ビジネス プロデュース事業240△8.0%20.1%自治体・企業からの受託(EC運営・子育て支援等)
その他(新規)556+66.5%52.5%コラボ企画・イベント等
神戸ポートタワー事業353△8.8%80.7%2024年4月から運営
その他△12——調整
合計14,147△0.8%55.8%—

この表のポイントは2つです。

  1. 売上の86%が定期便。 新規事業は伸びていても、定期便が2.6%減ると全体は減収になる
  2. 新規事業の中でも、ポートタワーは減収。 会社は5〜6月の天候不良で集客が計画を下回ったと説明しています

株主優待はあります(第7章)。連結子会社は投資会社の1社(hope for)だけで、会社は同社の活動を抑えていると説明しており、売上はほぼフェリシモ単体です。

1-3. 5期の推移

決算期売上高営業利益経常利益純利益EPS(円)ROE1株配当
2022年2月期33,729—1,5901,654232.248.8%15円
2023年2月期32,16044081867194.263.4%15円
2024年2月期29,607△931△612△858△120.49△4.4%15円
2025年2月期29,4497022713619.130.7%15円
2026年2月期29,17921546835850.381.8%20円
2027年2月期(会社予想)30,26523732729942.09—25円

(単位:百万円。出所は有価証券報告書の主要な経営指標等、2023年2月期の営業利益は会社の「資本コストや株価を意識した経営」資料、2022年2月期の営業利益は本記事では取得していません)

売上は4年で約46億円(14%)減りました。2024年2月期に営業赤字9億円を出したあと、粗利率の改善と費用の削減で2期続けて黒字を積み上げてきた、というのがここまでの流れです。会社自身、前期を「減収増益」と総括し、のべ顧客数の回復による売上成長が「次期への明確な課題」として残ったと有価証券報告書に書いています。

1-4. 会社予想の達成履歴:「上期の予想は期末後に、通期は決算期末前後に」動く会社

フェリシモは、上期と通期の両方の予想を期初に出しています。その修正の時期を並べると、はっきりした型があります。

決算期予想の種類期初予想(売上/営業利益)修正の開示日修正後(売上/営業利益)実績(売上/営業利益)
2025年2月期上期14,976/792024年9月27日(上期末の後)14,254/△1514,254/△15
2025年2月期通期31,205/3692025年2月28日(期末日)・3月31日(期末後)29,334/11 → 29,449/7029,449/70
2026年2月期上期14,789/102025年9月30日(上期末の後)14,255/20214,255/202
2026年2月期通期30,531/1372026年3月31日(期末後)29,179/21529,179/215
2027年2月期上期14,622/1022026年10月1日(上期末の後)14,147/12214,147/122
2027年2月期通期30,265/237据え置き(2026年10月6日時点)——

(単位:百万円)

この表のポイントは2つです。

  1. 3年続けて、上期予想は上期末(8月31日)が過ぎてから、決算発表の数日前に修正されています。 通期予想も、期中に修正された年はありません。こうした会社では、上期決算時点の「通期予想の据え置き」は、会社の見通しについてほとんど情報を持ちません。据え置きを自信の表れとも、下方修正の前触れとも読まないのが安全です
  2. 売上は3年続けて期初予想を下回り、営業利益は上にも下にも外れています。 上期売上の達成率は95.2%→96.4%→96.8%、通期売上の達成率は94.4%→95.6%です。一方、営業利益は2025年2月期が期初予想の約2割、2026年2月期は約1.6倍でした

今回の修正理由(2026年10月1日)は、売上・営業利益は「概ね当初の発表予想と同水準」、経常利益は為替差益で上振れ、というものでした。通期は「今後の為替動向や事業環境の不透明感を考慮し」据え置かれています。


2. 決算ハイライト(2026年10月6日15時30分発表)

2-1. 損益

項目前年上期今期上期増減増減率
売上高14,25514,147△108△0.8%
売上総利益7,8307,896+65+0.8%
売上総利益率54.9%55.8%+0.9pt—
販売費及び一般管理費7,6287,773+145+1.9%
営業利益202122△79△39.4%
営業外収益72141+69—
うち為替差益—71——
営業外費用272△25—
うち為替差損27———
経常利益247262+14+6.1%
法人税等31310—
親会社株主に帰属する中間純利益215231+15+7.0%
1株当たり中間純利益30.31円32.43円——

(単位:百万円。営業利益の増減は短信の表示値どうしの差で△80百万円ですが、百万円未満切捨てのため会社の説明資料の表記△79百万円と1百万円ずれます)

営業利益は4割減、経常利益と純利益は増益という、逆向きの数字が並んでいます。理由は1つで、営業外の為替です。前年上期は為替差損27百万円、今期は為替差益71百万円で、差し引き98百万円の振れが営業減益80百万円を上回りました。

用語メモ:為替差益は、外貨建ての買掛金(輸入代金)などを円に換算し直したときに出る差額です。フェリシモの商品の多くは中国を中心としたアジアで作られており、外貨建ての仕入債務を為替予約でヘッジしています。為替差益は本業の稼ぎではなく、為替相場の向きで毎期プラスにもマイナスにもなります。

もう1つ見落としやすいのが税金の行です。経常利益262百万円に対して法人税等は31百万円、負担率は11.8%しかありません。前期通期も12.8%でした。有価証券報告書の税率差異の注記を見ると、法定実効税率30.6%に対して「評価性引当額の変動」が△21.2ptと大きく押し下げています。

用語メモ:繰延税金資産は「将来の税金が減る分」を前もって資産に計上したものです。将来の利益で回収できる見込みが低いと判断すると、その分を「評価性引当額」として差し引き、資産に載せません。フェリシモは2026年2月末時点で、繰延税金資産の総額25億89百万円のうち25億17百万円に評価性引当額を付けています。過去の赤字や減損で生じた「将来の税金を減らせる権利」の大半を貸借対照表に載せておらず、利益が出た年にそれを使うと、税負担率が法定の3割より大きく下がります。

2-2. 財政状態とキャッシュフロー

項目2026年2月末2026年8月末増減
現金及び預金9,7618,939△822
売掛金2,4511,962△488
商品(在庫)4,3654,928+563
投資有価証券2,3622,649+287
総資産28,05327,274△778
電子記録債務2,3341,673△660
負債合計8,4017,597△804
純資産19,65119,677+25
自己資本比率70.1%72.1%+2.0pt

(単位:百万円)

借入金はありません(前期末の有利子負債はリース債務4百万円のみ)。投資有価証券は、有価証券報告書の注記によると大半が社債です。

上期の営業キャッシュフローは△358百万円(前年上期は+194百万円)でした。減価償却費468百万円、売上債権の減少488百万円に対し、棚卸資産の増加542百万円と仕入債務の減少601百万円が上回っています。投資キャッシュフロー△859百万円のうち500百万円は定期預金への預け入れ(現金同等物からの移し替え)、346百万円が設備投資です。

在庫は8月末で4,928百万円、前年同月末(4,677百万円)比+5.4%です。 売上が前年並み(△0.8%)の中で在庫だけが増えています。前期の棚卸資産評価損は111百万円で、その前の期(49百万円)の2倍強でした。会社は有価証券報告書で「商品の評価」を重要な会計上の見積りに挙げ、滞留品は期間の経過とともに規則的に帳簿価額を切り下げると説明しています。在庫が積み上がったままだと、下期以降の粗利率を押し下げる経路になります。

用語メモ:この決算短信の表紙には「決算補足説明資料作成の有無:無」「決算説明会開催の有無:無」とあります。ただし会社は同じ10月6日付で、自社サイトのIRニュース欄に「決算発表説明資料」を掲載しています。本記事の事業別売上・KPIはこの資料から引いています。説明会は開かれていないので、質疑応答はありません。


3. 深掘り①:上期の減益は、どの3か月で、何によって起きたのか

この記事の深掘りは、1つの問いを2段階で追います。「上期の営業減益はどの3か月で何によって起き、通期予想はそれを下期にどれだけ取り戻す前提になっているのか」。この章は前半(どこで何が起きたか)です。

3-1. 10四半期を差し引く

用語メモ:決算短信は「3〜5月」「3〜8月」「3〜11月」「3〜2月」の累計しか載せません。ある3か月だけの数字は、累計から前の累計を引いて自分で出すしかありません。売上総利益と販管費は短信本文の「経営成績に関する説明」に書かれている累計値を使いました。各期の4四半期の合計が通期の開示値と一致することを確認しています。

3か月売上高粗利率販管費販管費率営業利益営業利益率
2024年3〜5月7,25152.9%3,93554.3%△102△1.4%
2024年6〜8月7,00355.6%3,80754.4%871.2%
2024年9〜11月7,22654.0%4,03555.8%△136△1.9%
2024年12〜2025年2月7,96953.2%4,01750.4%2212.8%
2025年3〜5月7,11653.6%3,83753.9%△22△0.3%
2025年6〜8月7,13956.2%3,79153.1%2243.1%
2025年9〜11月7,29655.0%4,01755.1%△5△0.1%
2025年12〜2026年2月7,62853.8%4,08653.6%180.2%
2026年3〜5月7,02654.8%3,91855.8%△67△1.0%
2026年6〜8月7,12156.8%3,85554.1%1892.7%

(単位:百万円。筆者の差し引き。営業利益は累計の営業利益どうしの差で、売上総利益−販管費とは百万円未満の切捨てにより1〜2百万円ずれる四半期があります)

この表のポイントは3つです。

  1. 6〜8月は3年とも、その年でいちばん粗利率が高く、営業黒字の四半期です。 粗利率は55.6%→56.2%→56.8%と毎年上がっています
  2. 3〜5月は3年とも営業赤字、9〜11月は2年続けて営業赤字です。 四半期の営業利益は数億円の幅で振れ、1つの四半期を4倍して年間を読むことはできません
  3. 前期の12〜2月は営業利益18百万円しかありませんでした。 その前の年の同じ3か月(221百万円)から大きく落ちています。売上が7,969百万円から7,628百万円へ341百万円減り、販管費は69百万円増えました。前期の通期の増益は、上期だけでつくられていたことになります

会社は有価証券報告書の事業等のリスクで、カタログを発刊すると配布後1〜2か月で受注がピークを迎え、制作費は配布開始月に一括で広告費に計上する、と説明しています。四半期ごとの損益が大きく振れる理由の1つはこの仕組みです。

3-2. 上期の減益を3つに分ける

営業利益の変化を、①売上が減ったことによる粗利の減少(数量効果)、②粗利率が変わったことによる粗利の増減(率効果)、③販管費の増減、の3つに分けます。

期間営業利益の増減①数量効果②率効果③販管費①〜③の合計
3〜5月△45△48+83△81△46
6〜8月△35△10+41△64△33
上期合計△80△59+125△145△79

(単位:百万円。筆者の試算。①=売上の増減×前年の粗利率、②=当期売上×粗利率の差、③=販管費の増加をマイナスで表示。合計と実際の増減の差は百万円未満の切捨てによるもの)

この表のポイントは2つです。

  1. 粗利率の改善(+125百万円)は、売上の減少(△59百万円)を十分に埋めています。 第1章の軸でいえば、「売り場の中身を自分で作る」強みは今期も効いています。会社は、前期からのバリューチェーン(企画・生産・販売の体制)の再編で、定期便の粗利率が54.1%から55.0%に上がったと説明しています
  2. 減益の主因は販管費の増加(△145百万円)です。 会社は、新規顧客獲得のための広告費の増加と、前年と発生時期がずれた人件費の増加を挙げ、「通期の人件費につきましては前期と同水準で推移する見通し」と注記しています。3〜5月は物流設備と調達システムの更新に伴う減価償却費などの設備費の増加も挙げていました。軸の弱み②(箱を作る仕組みの費用は縮まない)が、ここに出ています

なお、6〜8月の3か月だけを見ると、減益幅は△35百万円で、3〜5月(△45百万円)より小さくなりました。人件費の時期ずれがどちらの3か月に入ったかは開示されていないため、6〜8月だけで「改善した」とは言えません。

3-3. 売上が減った中身:客の数は増え、1人が買う回数が減った

会社は定期便のKPIを次の形で開示しています(決算説明資料)。

KPI2026年2月期 前期比2027年2月期上期 前年同期比
定期便事業の売上高96.7%97.4%
のべ顧客数96.2%97.7%
購入単価102.5%99.0%
顧客数(ユニーク)97.1%100.2%
購入頻度(1人当たり回数)99.1%96.9%

この表のポイントは2つです。

  1. 今期は、顧客数(ユニーク)が増えたのに、1人当たりの購入頻度が3.1%落ちました。 会社は、アーティストやキャラクターとのコラボ商品とSNSの短尺動画広告で新規顧客の獲得数は前年を上回ったとし、一方で「継続購入タイプの商品開発・提案が充分でなかったこと」が既存顧客の購入頻度低減の一因になったと書いています。軸の弱み①(箱を開け続けるかは客が決める)そのものです
  2. 前期は単価が上がって客数が減り、今期は客数が増えて単価と頻度が落ちました。 2年で、効いている要素が入れ替わっています

用語メモ:会社の図は「売上高=のべ顧客数×購入単価」「のべ顧客数=顧客数×購入頻度」という形で描かれています。ただし開示された前期比を掛け算すると、上期は97.7%×99.0%=96.7%で、売上高の97.4%と0.7pt合いません。顧客数×購入頻度も97.1%で、のべ顧客数の97.7%と合いません。前期も同じように一致しません。各KPIの定義(たとえば単価が1回のお届け当たりか注文当たりか)が開示されていないため、ずれの理由は分かりません。本記事では方向(どの要素が上がり、どれが下がったか)だけを使っています。

3か月単位で見ると、定期便の売上は3〜5月が6,089百万円(前年同期比5.0%減)、6〜8月が6,095百万円で、前年の6〜8月(約6,103百万円)とほぼ同じ水準でした(前年の四半期値は会社が開示した増減率から筆者が逆算したもので、数百万円の幅があります)。減収は3〜5月に集中していたことになります。


4. 深掘り②:通期予想は、下期に何を置いているのか

前章で、上期の減益は販管費の増加が主因で、売上の減少は3〜5月に集中していたことを見ました。この章では後半、据え置かれた通期予想が下期にどれだけの回復を置いているかを見ます。

4-1. 下期に置かれた数字

通期予想(2026年4月7日公表、10月6日時点で据え置き)から上期実績を引くと、下期の予想が出ます。会社は通期の売上総利益と販管費の予想も説明資料で開示しているので、そこまで割れます。

項目前年下期(実績)今期下期(通期予想−上期実績)前年比
売上高14,92416,118+8.0%
売上総利益8,1178,674+6.9%
粗利率54.4%53.8%△0.6pt
販管費8,1038,559+5.6%
営業利益13115+102
営業利益率0.1%0.7%—
経常利益22165—
純利益14368—

(単位:百万円。筆者の差し引き)

この表のポイントは3つです。

  1. 上期△0.8%だった売上に、下期は+8.0%が置かれています。 上期の6〜8月がほぼ横ばい(△0.3%)だったことを考えると、伸び率が一段変わる前提です。会社は説明資料で、当初計画に加えて「追加で準備を進めている各種施策の実行による売上増」を織り込んでいると説明しています
  2. 下期の粗利率は53.8%と、前年下期より低く置かれています。 売上が伸びる分だけ販管費も+5.6%と置かれ、営業利益は115百万円です。前年下期の13百万円、前々年下期の85百万円より高い水準です
  3. 経常利益は下期65百万円で、営業利益115百万円より低く置かれています。 理由は次の4-3で見ます

4-2. 過去2期、上期決算時点の予想が置いた下期はどうなったか

同じ計算を、過去2期の上期決算時点についても行います。

決算期上期決算時点で予想が置いた下期売上実際の下期売上達成率予想が置いた下期営業利益実際の下期営業利益
2025年2月期16,95115,19589.6%38485
2026年2月期16,27614,92491.7%△6513
2027年2月期16,118——115—

(単位:百万円。筆者の差し引き。いずれも上期決算時点で通期予想は期初のまま据え置かれていた)

この表のポイントは2つです。

  1. 下期の売上は、2期続けて予想の約9割で着地しています。 今期の下期予想(16,118百万円)に同じ達成率を当てると、約14,400〜14,800百万円になります(筆者の試算)。前年下期(14,924百万円)を下回る水準です
  2. 一方、下期の営業利益の外れ方は一方向ではありません。 2025年2月期は予想384百万円に対して85百万円、2026年2月期は予想が下期に△65百万円の赤字を置いていたのに対して実際は+13百万円でした。売上の未達を、粗利率と販管費の調整で吸収できた年とできなかった年があります

4-3. 感応度:下期の売上がどこに着地するとどうなるか

下期の売上と粗利率を複数置き、販管費は前年下期に上期の伸び率(+1.9%)を当てた8,257百万円と、会社予想の8,559百万円の2通りで、下期の営業利益を試算します。

下期売上(前年比)粗利率54.4%・販管費8,257粗利率55.3%・販管費8,257粗利率54.4%・販管費8,559粗利率55.3%・販管費8,559
14,924(±0%)△140△5△442△308
15,372(+3%)+104+242△198△60
16,118(+8%)+510+655+208+353

(単位:百万円。筆者の試算。粗利率54.4%は前年下期の実績、55.3%は前年下期に上期の改善幅0.9ptを足した値。販管費は売上に連動する送料・手数料などの変動費を含むため、実際には売上が少なければ販管費も小さくなり、表の左下ほど悲観的に出る)

この表のポイントは、下期の営業利益が売上の伸びと販管費の置き方で数億円単位で振れることです。売上が前年並みで、販管費を上期並みの伸びに抑えられれば、営業利益は前年下期とほぼ同じ0近辺。会社予想の販管費(+5.6%)を使い切ったまま売上が伸びなければ、下期は赤字です。3-1で見たとおり、9〜11月は2年続けて営業赤字で、12〜2月の水準が年によって大きく違います。下期の結果は、12〜2月の売上に強く依存します。

4-4. 経常利益と純利益:予想は為替を織り込んでいない

会社は説明資料の通期予想の表に、次の注記を付けています。

経常利益および当期純利益の金額につきましては、為替変動の影響を加味しておりません。

通期予想の経常利益327百万円は、営業利益237百万円に営業外損益90百万円を足したものです。上期の営業外損益は+140百万円で、うち為替差益が71百万円、為替を除くと+69百万円でした。通期予想を据え置いたため、下期の営業外損益は**△50百万円(90−140)**が置かれた形になっています。

これは会社が下期に為替差損を見込んでいるという意味ではなく、為替差益が出た上期の実績を織り込まずに予想を据え置いた計算上の結果です。下期に為替の損益がゼロで、為替以外の営業外損益が上期並みなら、経常利益は営業利益の着地+約140百万円+約70百万円の水準になります(筆者の試算)。上方修正の余地を考えるときは、営業利益の側と、営業外(為替)の側を分けて考える必要があります。

税金も同じ形です。通期予想の純利益299百万円は、経常利益327百万円に対して税負担率8.6%を置いています。上期の法人税等は31百万円で、通期予想の税額(28百万円)をすでに上回っています。前期の負担率(12.8%)並みなら、税金の差は数十百万円にとどまります。

4-5. 2つの深掘りをつなぐ

第3章と第4章を1本の線でつなぐと、こうなります。上期は、売り場の中身(粗利率)は強く、箱を開ける回数(頻度)と箱を作る費用(販管費)が利益を削った。通期予想は、下期に箱の数(売上)が8%戻ることを置いており、過去2期の下期売上は予想の約9割でした。最終利益の側には、為替差益と評価性引当額という、本業とは別の要因が上乗せされています。


5. 新規事業と、決算書の隅の数字

5-1. 新規事業:伸びた事業と縮んだ事業

上期の新規事業領域の売上は1,963百万円(前年同期比12.7%増)でした。ただし3か月単位では、3〜5月が936百万円(+32.0%)、6〜8月が1,027百万円で、6〜8月は前年同期(約1,033百万円、会社開示の増減率から筆者が逆算)とほぼ同じです。

事業別には、パートナーズ事業(+9.0%、粗利率70.3%)とその他(コラボ・イベント等、+66.5%)が伸び、ビジネスプロデュース事業(△8.0%)とポートタワー事業(△8.8%)が減りました。会社は前期末に、新規事業を「第2の収益の柱」から「中長期的な成長を牽引する次世代事業」へと位置づけ直すと表明しています。上期の売上構成比は13.9%です。

5-2. 決算書の隅の数字

  • 在庫:8月末4,928百万円(前年同月末比+5.4%)。前期の棚卸資産評価損111百万円(前々期49百万円)
  • 繰延税金資産:総額25億89百万円に対し評価性引当額25億17百万円。貸借対照表に載っているのは52百万円(前期末)。会社は繰延税金資産の回収可能性を重要な会計上の見積りに挙げ、課税所得の見積りは翌期の事業計画を基礎にしていると説明しています。将来、利益が安定して出る見通しが立てば、引当額の取り崩し(税金費用の減少)につながる可能性があり、逆に計画が下がれば現状が続きます(筆者の整理)
  • 退職給付に係る負債:2,216百万円(8月末)。借入金はゼロでも、負債の約3割は退職給付です

6. 資本政策と株主還元

6-1. 配当:方針は「累進または維持」、今期は25円予想

決算期1株配当配当性向(連結)配当の決め方(会社の表明)
2023年2月期15円15.9%安定配当
2024年2月期15円—(赤字)安定配当
2025年2月期15円78.4%安定配当
2026年2月期20円39.7%累進的配当もしくは水準を維持した安定配当(2025年4月17日表明)
2027年2月期(予想)25円59.4%同上

会社は2025年4月17日の「資本コストや株価を意識した経営」の開示で、配当は「原則として向こう3年程度は累進的配当もしくは水準を維持した安定配当」と表明しました。その後の有価証券報告書・決算説明資料では「向こう3年程度」の文言が外れ、「原則として累進的配当または配当水準を維持する安定配当」となっています。

この表のポイントは、赤字の年(2024年2月期)にも15円を維持し、利益が増えた2年で5円ずつ上げていることです。配当は利益に連動して下がりにくい設計で、今期予想の配当性向は59.4%です。配当総額は7,122,586株×25円=約178百万円で、前期の配当総額142,451,720円(7,122,586株×20円、株主総会の決議通知と一致)から増えます。

  • 配当は期末1回(基準日2月末日)。定款上は8月31日基準の中間配当も可能ですが、実施していません
  • 2027年2月28日は日曜日のため、権利付き最終日は**2027年2月24日(水)**です(2月26日(金)が最終営業日、そこから2営業日前)
  • 期末配当の決定機関は株主総会です。2026年5月の総会では、剰余金処分議案の賛成割合が91.26%でした

用語メモ:DOE(株主資本配当率)は配当総額÷自己資本です。25円の配当総額178百万円は、8月末の自己資本19,677百万円の0.9%です。フェリシモは配当方針にDOEの数値を置いていません。

6-2. ROE目標との距離

会社は株主資本コストを4.0%(2026年2月期末時点、CAPMで算出)と見積もり、ROE5.0%以上を目標に掲げています。

指標目標2026年2月期2027年2月期(会社予想)目標に届く純利益
ROE5.0%以上1.8%1.5%(会社開示)約980百万円
株主資本コスト(会社算出)—4.0%——

(目標に届く純利益は、8月末の自己資本19,677百万円×5%で筆者が計算)

今期予想の純利益299百万円は、ROE5%に必要な水準の約3分の1です。会社自身、「未だ株主資本コストを上回るROEを達成することができていない」と説明資料に書いています。

6-3. 自己株式が25%、時価総額は現預金を下回る

フェリシモは自己株式を2,420,914株保有しており、発行済株式9,543,500株の**25.4%**に当たります。2025年5月29日に500,000株を消却しましたが、それでも4分の1が自己株式です。直近の自己株式取得はなく、新株予約権もありません(潜在株式ゼロ)。

項目金額(百万円)1株当たり(円)
時価総額(発行済ベース、10月6日終値859円)8,198—
時価総額(自己株式控除後)6,118859
現金及び預金(8月末)8,9391,255
現預金−負債合計1,342188
同+投資有価証券3,991560
純資産(BPS)19,6772,763

(1株当たりは自己株式控除後の7,122,586株で割った筆者の計算。株価情報サイトの時価総額8,198百万円は発行済ベース)

この表のポイントは2つです。

  1. 自己株式を除いた時価総額(約61億円)は、現預金(約89億円)を下回っています。 ただし負債(退職給付・買掛金等)を差し引くと現預金の余りは約13億円、社債中心の投資有価証券を足しても約40億円です
  2. PBRは0.31倍です。 純資産の大半は在庫・物流センター等の固定資産・現預金で、利益に変わる速度が遅いことが、この倍率の背景にあると読めます

この計算は、会社が現金を株主に返す場合に限って意味を持つものです。現金は定期便の仕入れと設備投資の運転資金でもあり、会社は手元資金を還元に回すとは表明していません。有価証券報告書では、事業運営上必要な資金は自己資金で充当することを基本方針とし、内部留保は研究開発投資と設備投資に優先的に充てると書いています。

用語メモ:自己株式が多い会社では、時価総額やEPSの「株数」が書類ごとに違います。この記事では、PER・PBR・1株当たりの数字はすべて自己株式を除いた7,122,586株で計算しています(決算短信の1株当たり利益と同じ株数)。

6-4. 株主構成

2026年2月末時点の大株主は次のとおりです(持株比率は自己株式を控除した株数が分母)。

株主持株比率
株式会社目神山事務所11.27%
一般財団法人フェリシモ財団8.42%
フェリシモ共創会5.36%
矢崎和彦(代表取締役社長)4.24%
子守康範3.68%
星美佐3.68%
矢崎真理(代表取締役専務)2.53%
戸島依里2.41%
フェリシモ従業員持株会1.77%
高橋秀子1.67%
上位10名計45.08%

株主数は19,329名、個人その他の所有株式は8割(自己株式を含む区分)です。上位株主どうしの関係(資産管理会社と経営陣の関係など)は、本記事で確認した有価証券報告書・招集通知には書かれていないため、持株比率を合算していません。2026年5月の定時株主総会での取締役選任の賛成割合は90.03%〜90.66%でした。フェリシモ共創会の性格は、本記事で確認した書類には書かれていません。

6-5. 流動性

10月6日の出来高は6,600株、9月の1日の出来高はおおむね500〜9,400株でした(株価情報サイトの時系列、報道ベース)。信用買残は27,400株(10月2日時点)、信用売残はゼロです。売買したいときに思った値段で売買できない可能性は、弱気側の材料として置いておきます。


7. 株主優待:8月31日基準、保有年数で1,000円〜8,000円

7-1. 制度の中身

有価証券報告書の「株主に対する特典」と、会社が2026年4月24日・8月21日に自社サイトに掲載したお知らせで、内容は一致しています。

継続保有年数名簿に連続して載った回数優待(2026年の内容)100株保有時の1株当たり株価859円での名目利回り
1年未満1〜2回定期便1,000円分の購入、または1,000円相当の特別商品と引き換えできるクーポン10円1.16%
1年以上10年未満3〜20回同3,000円分30円3.49%
10年以上21回以上同8,000円分80円9.31%

(名目利回りは筆者の計算。配当25円の利回り2.91%は含まない)

  • 対象は8月31日時点で100株以上の株主。株数が増えても優待は増えません。100株を超えて持つと、1株当たりの優待額は下がります
  • 回数は2月末日と8月31日の年2回の株主名簿で数え、「同一の株主番号」で連続して載っている必要があります。各回とも100株以上が条件です
  • 2026年分(8月31日基準)のクーポンは2026年11月下旬〜12月下旬に届く予定です
  • 会社は、年度ごとに優待の企画内容(届けるもの、時期)を見直し、毎年8月中旬〜下旬に自社サイトで公表すると書いています。2025年度はお買い物eクーポンでした

7-2. 名簿の回数を年数に直す

いま(2026年10月)買った場合、最初の名簿は2027年2月末です。

名簿の日回数その年の優待権利付き最終日
2027年2月末1回(優待の判定日ではない)2027年2月24日(水)
2027年8月31日2回1,000円2027年8月27日(金)
2028年2月29日3回(判定日ではない)2028年2月25日(金)
2028年8月31日4回3,000円2028年8月29日(火)
2037年2月末21回(判定日ではない)—
2037年8月31日22回8,000円—

(筆者の計算。2027年8月31日だけ100株を持っていても1回目として1,000円が対象になる)

ポイントは、「1年以上」の3,000円は、2月の名簿を含めて3回連続が条件なので、いま買うと最初は2028年8月基準になることです。2026年8月31日の名簿にすでに載っている人は、そこから回数が続きます。配当の基準日(2月末)にしか株を持たない人は優待を受けられず、優待の基準日(8月31日)にしか持たない人は配当を受けられません。 ただし回数の数え方には2月末の名簿も入るので、優待の年数を伸ばしたい人は2月末も外せません。

貸株サービスの利用などで株主番号が変わると連続回数が途切れる可能性があります。回数が分からない場合、会社は9月中旬以降に株主名簿管理人(三井住友信託銀行)へ問い合わせるよう案内しています。

7-3. 名目と実質

  • 定期便で使う人には、ほぼ額面どおりの価値です。 クーポンは「定期便を税込み◯円分ご購入」に使えます。ふだんから定期便を使っている人には、もともと払う代金の一部が浮く形です
  • 使わない人には、特別商品との引き換えが選べます。 ただし「1,000円相当」の商品が自分にとって1,000円の価値があるかは人によります。換金はできません
  • 金額が保有年数で8倍まで増える設計は、長く持つほど1株当たりの価値が上がる一方、10年以上の判定には21回(10年半)の連続保有が必要です

7-4. 継続性:会社の負担はどのくらいか

会社は優待費用の総額を開示していません。2026年2月末時点の単元株主は17,427名です(8月31日基準の人数ではありません)。全員が最低区分なら17百万円、全員が中間区分なら52百万円、全員が最上位区分なら139百万円です(筆者の試算。実際の内訳は不明。優待品は自社企画品・自社サービスのクーポンなので、会社の実際の負担は額面より小さい可能性がある)。中間区分が中心だとすると、今期予想の営業利益237百万円の2割前後に当たる規模です。

株主数が増えるほど費用が増える設計で、会社は毎年内容を見直すと明記しています。優待の継続は約束されていません。 優待を目当てに買う場合は、毎年8月の会社のお知らせを確認するのが前提になります。

7-5. 優待をどう考えるか

配当(25円・2.91%)と中間区分の優待(30円相当)を足すと、100株保有時の名目の利回りは6%台になります。一方で、株価は2026年2月期の有価証券報告書の株主総利回りで71.3%(配当込みTOPIXは238.4%、5年前を100とした値)と、5年間で配当を含めても3割下がってきました。優待の価値は株価の下落1年分で消える規模でもあります。優待は判断材料の1つで、決算の中身と切り離して考えることはできません。


8. 株価の見方

8-1. 株価の基準点

日付株価出所
2025年2月末752円会社の「資本コスト」資料
2026年2月末862円会社の決算説明資料(有報のPER17.1倍×EPS50.38円でも約861円)
2026年1月8日900円(年初来高値)株価情報サイト(報道ベース)
2026年5月25日819円(年初来安値)同上
2026年10月6日859円(終値)同上
2026年10月6日夜間841円(PTS、21時50分)同上

決算は10月6日15時30分、取引終了と同時刻の発表でした。10月6日の終値859円・出来高6,600株は決算発表前の取引です。同日夜の私設取引(PTS)では841円(終値比2.1%安)がついていますが、PTSは取引量が小さく、翌営業日の東証の値動きと一致するとは限りません。

10月6日終値859円で、予想PER20.4倍(会社予想EPS42.09円)、PBR0.31倍、配当利回り2.91%です。

8-2. 強気の材料

  • 粗利率は3年続けて上がっています。 6〜8月の粗利率は55.6%→56.2%→56.8%。企画から売るまでを自前で持つ強みは数字に出ています
  • 新規顧客の獲得数は前年を上回り、ユニークの顧客数も+0.2%と下げ止まりました。 獲得した客の購入頻度が戻れば、売上の減少は止まる計算です
  • 経常利益・純利益の予想は為替を織り込んでいません。 上期の為替差益71百万円は予想に入っていないので、為替が下期に大きく振れなければ、経常利益が予想を上回る余地は残っています
  • 時価総額(自己株式控除後)が現預金を下回り、借入金ゼロ、PBR0.31倍。 繰延税金資産の大半に評価性引当額が付いており、利益が出ても税負担が軽い状態が続いています
  • 累進または維持の配当方針と、保有年数で増える優待。 長期保有の株主に有利な設計です

8-3. 弱気の材料

  • 下期に売上+8.0%が置かれています。 過去2期、上期決算時点の予想が置いた下期売上は約9割しか達成されていません。同じ達成率なら下期は前年並みかそれ以下です
  • 販管費は上期+1.9%、下期予想は+5.6%。 会社予想どおり費用を使い、売上が伸びなければ下期は赤字の計算です(第4章の感応度表)
  • 前期の12〜2月の営業利益は18百万円でした。 前期の通期増益は上期だけでつくられており、下期の稼ぐ力はまだ回復していません
  • 購入頻度が96.9%に落ちました。 会社自身、継続購入タイプの商品提案が不十分だったと書いています。軸でいえば「箱を開け続けてもらう力」の低下です
  • 在庫は前年同月末比+5.4%、前期の評価損は前々期の2倍強。 売れ残れば粗利率を押し下げます
  • ROEは1.5%(今期予想)で、会社が見積もる株主資本コスト4.0%を下回ったままです。 自己株式が25%あっても、資本効率の改善策としての取得や消却の新たな表明はありません
  • 出来高が小さく、売買したいときに思った値段で売買できない可能性があります

同じ数字が両側に置けるものもあります。下期に売上+8%を置いた予想は、強気側から見れば「会社が追加施策に自信を持っている」、弱気側から見れば「過去2期と同じく売上の前提が高い」です。どちらの読みでも、数字は16,118百万円で同じです。


9. 今後のカレンダーと見るべきKPI

時期イベント見るところ
2026年10月7日決算発表後の最初の取引日東証での反応(本記事では未反映)
2026年10月14日半期報告書の提出予定日税率差異・在庫の内訳など短信にない注記
2026年11月下旬〜12月下旬2026年分の株主優待クーポン到着予定—
2027年1月上旬(例年)第3四半期決算9〜11月の営業損益(2年続けて赤字だった3か月)
2027年2月24日(水)期末配当(25円予想)の権利付き最終日優待の継続回数にも数えられる名簿
2027年2月末〜3月末(例年)通期予想の修正があればこの時期過去2期は期末日・期末後に修正
2027年4月上旬(例年)通期決算・来期予想・配当下期売上の着地と、累進配当の継続
2027年8月27日(金)2027年分の優待の権利付き最終日優待内容は8月中旬〜下旬に公表

見るべきKPIは次の4つです。

  1. 定期便の購入頻度と顧客数(決算説明資料):顧客数の増加が頻度の回復につながるか
  2. 四半期の売上高の前年比(累計の差し引き):下期予想は+8.0%。9〜11月の3か月でどこまで近づくか
  3. 販管費の四半期の伸び率:上期+1.9%。下期の予想は+5.6%
  4. 在庫(商品)の四半期末残高:8月末4,928百万円。売上が伸びないまま在庫が増えると粗利率の重荷になる

10. 3行まとめ

  • 上期は売上△0.8%、営業利益△39.4%。粗利率の改善(+125百万円)を販管費の増加(△145百万円)が上回り、最終利益は為替差益と軽い税負担で7.0%増えた
  • 通期予想は下期に売上+8.0%・営業利益115百万円(前年下期13百万円)を置いている。過去2期、同じ時点の予想が置いた下期売上は約9割の着地で、経常・純利益の予想は為替を織り込んでいない
  • 自己株式25%、借入金ゼロ、時価総額(自己株式控除後)は現預金を下回る。配当は累進または維持で25円予想、優待は8月31日基準で保有年数に応じて1,000円〜8,000円相当

免責事項

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値の出所は、フェリシモの決算短信(2024年2月期〜2027年2月期上半期)、業績予想の修正に関するお知らせ(2024年9月27日、2025年2月28日、2025年3月31日、2025年9月30日、2026年3月31日、2026年10月1日)、有価証券報告書(2026年2月期)、臨時報告書(2026年5月28日提出、定時株主総会の決議結果)、第61期定時株主総会招集ご通知、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(2025年4月17日)、会社サイト掲載の決算発表説明資料(2026年2月期・2027年2月期中間期)および株主優待のお知らせ(2026年4月24日・8月21日)です。株価・出来高・信用残・年初来高値安値は株価情報サイトの表示(報道ベース)です。四半期ごとの損益、下期の含み、3分解、感応度、優待費用の幅、1株当たりの金額は筆者の差し引き・試算です。前年の四半期の事業別売上は、会社が開示した増減率から筆者が逆算したもので、数百万円の幅があります。決算短信の表紙には補足説明資料・説明会とも「無」とあり、説明会は開かれていないため、質疑応答に当たる会社の説明は反映していません。決算説明資料のKPIの図はフォントを描画できなかったため、文字の配置座標から項目と数値の対応を確認しました。決算は2026年10月6日15時30分の発表で、本記事の終値は発表前の取引によるものです。夜間取引(PTS)の価格は取引量が小さく、翌営業日の値動きと一致するとは限りません。半期報告書(10月14日提出予定)は本記事の執筆時点で提出されておらず、その注記は反映していません。上位株主どうしの関係は確認できた書類に記載がなく、本記事では合算していません。繰延税金資産の評価性引当額に関する記述は、有価証券報告書の記載を筆者が整理したもので、将来の税負担を予測するものではありません。

記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。

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