本記事は2026年10月7日時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
中北製作所(6496、東証スタンダード、5月決算)が2026年10月6日15時30分に、2027年5月期の第1四半期(2026年6〜8月)決算を発表しました。売上高は前年同期比1.7%増、営業利益は34.4%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は34.3%減です。
一方で、同じ3か月の受注高は24.6%増え、8月末の受注残高は286億円と、直近5期のどの期末よりも大きくなっています。注文は増えているのに、利益は減った。この食い違いがどこから来ているのかを数字で分け、そのうえで「会社予想(営業利益14.5億円)は残り9か月に何を置いているのか」と「営業利益の下で何が起きているのか」を順に見ていきます。
この記事でわかること
- 中北製作所は、船や発電所の配管に付くバルブを一品ずつ注文どおりに作る会社で、売上の7割が船向けであること。会社自身が「一品一様と生産性向上の両立」を「永遠の命題」と書いていること
- 6〜8月の営業利益の減少1億33百万円は、ほぼすべてが粗利率の低下(16.9%→14.9%)で説明でき、売上の量はむしろプラスに効いていること(筆者の分解)。会社は粗利率が下がった理由を説明していないこと
- 会社予想は、残り9か月に前年同期間並み(+1.9%)の営業利益を置いており、そのためには粗利率が16%台に戻る必要があること(筆者の試算)。過去3期、第1四半期時点の予想に対して残り9か月の実績は158%・88%・165%と、上にも下にも大きく外れてきたこと
- 経常利益の約34%は、新工場の予定地を高速道路会社に貸している地代(純額)で、この賃貸借契約は2029年3月末までであること
- 第1四半期の税負担率は34.8%で、純利益予想が置いている負担率(23.8%)より11pt高いこと。前期の負担率には一度きりの要因が含まれていたこと
- 2年前に約51億円あった実質的な手元資金(現預金+有価証券−借入金)が、8月末にはほぼゼロになっていること。その理由(韓国企業の買収、土地、取引条件の変更)と、配当・株主構成の現在地
1. 中北製作所はどんな会社か:「一着ずつ寸法の違う注文服を仕立てるテーラー」
軸となる例え
街のテーラー(注文服の仕立て屋)を思い浮かべてください。既製服は置いていません。お客さんが来るたびに寸法を測り、生地を選び、型紙を起こして一着ずつ仕立てます。人気の店なら予約帳は何か月も先まで埋まっていて、値段は注文を受けた時点で決まります。
中北製作所は、このテーラーの「お客さん」が造船所と発電所になったような会社です。創業は1930年、自動調節弁(流れる量や圧力を自動で調整するバルブ)の製造から始まりました(有価証券報告書の沿革)。いまは、
- 自動調節弁(売上の33.3%)
- バタフライ弁(円盤を回して流れを開け閉めするバルブ。46.4%)
- 遠隔操作装置(船のタンクの弁を離れた場所から操作する装置。20.3%)
の3品種を、すべて受注生産で作っています。有報の「事業等のリスク」には「当社グループの製品は、すべて受注生産であり、主要受注先は造船業界及び電力業界をはじめとするプラント業界」とあります。
そして会社自身が、有報の「中長期的な経営戦略」にこう書いています。
会社は次のように書いています(有価証券報告書、原文) 当社グループのものづくりは、一品一様なお客様の仕様を満足することと、生産性向上という相反することの実現が永遠の命題となります。
この「一着ずつ仕立てる」という例えで、強みと弱みが同じ一文から出てきます。
- 強み(予約帳):造船所は2〜3年先まで建造予定を抱えており、その船に付くバルブの注文も先に入る。予約帳(受注残高)が厚いので、売上の見通しは立てやすい
- 弱み①(1着あたりの手間賃):一着ごとに寸法が違うので、量産で原価を下げる効果が出にくい。しかも値段は注文時に決まり、生地(材料)や職人(外注先)の費用はそのあとで払う。注文が増えても、1件あたりの粗利が増えるとは限らない
- 弱み②(店の場所):国内の生産拠点はすべて大阪に集中している(有報)。店を広げるには新しい工房が要る
さらにこのテーラーには、二つの特徴があります。新しい工房を建てるはずの空き地を、建てるまでの間、他人に貸して地代を受け取っていること。そして、2024年12月に韓国の同業の工房(ACE VALVE CO., LTD.)を丸ごと買ったことです。この二つは§5と§6で回収します。
事業の構造(2026年5月期・通期)
| 区分 | 中身 | 売上高 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 舶用(船向け) | 船の配管のバルブ、荷役・バラストの遠隔操作装置 | 205億13百万円 | 70.1% |
| 陸用(プラント向け) | 発電・製鉄・化学プラントの調節弁・安全弁など | 87億40百万円 | 29.9% |
| 合計 | — | 292億54百万円 | 100.0% |
| うち日本向け | — | 204億13百万円 | 69.8% |
| うち韓国向け | 主に韓国子会社(ACE VALVE)の売上 | 46億07百万円 | 15.8% |
| うち中国向け | — | 35億18百万円 | 12.0% |
出典:2026年5月期決算説明会資料(2026年8月5日)、有価証券報告書の収益認識注記。単一セグメント(バルブ及び遠隔操作装置製造・販売事業)のため、事業別の利益は開示されていません。株主優待:制度なし(§7で詳述)。
この表のポイントは2つです。
1つ目は、売上の7割が船向けだということです。会社は短信で、造船業界の新造船需要の改善(海上輸送量の増加、古い船の代替、次世代燃料船)と、政府の「造船業再生ロードマップ」を追い風として挙げています。
2つ目は、韓国向けの売上が1年で4倍になったことです。これは主に、2024年12月に買収したACE VALVEの売上が、前期は3か月分(2025年1〜3月)しか連結されていなかったのに対し、今期は12か月分入ったためです(2025年5月期決算短信の企業結合注記)。前期の売上高+23.1%には、この「連結期間の違い」が含まれています。なお、今回の第1四半期は前年同期にもACE VALVEが入っているので、前年同期比はほぼ同じ範囲どうしの比較です。
用語メモ:主要な顧客 有報によると、売上高の10%以上を占める顧客は三菱重工業の1社で、前期の売上は32億14百万円(11.0%)でした。前々期は23億84百万円(10.0%)です。
直近5期の業績推移
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 経常利益 | 純利益 | EPS | 1株配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年5月期 | 171億57百万円 | 5億37百万円 | 3.1% | 8億08百万円 | 5億56百万円 | 155.84円 | 85円 |
| 2023年5月期 | 157億77百万円 | 8億16百万円 | 5.2% | 11億09百万円 | 8億06百万円 | 225.81円 | 70円 |
| 2024年5月期 | 186億08百万円 | 12億03百万円 | 6.5% | 14億73百万円 | 10億20百万円 | 288.54円 | 80円 |
| 2025年5月期 | 237億68百万円 | 11億57百万円 | 4.9% | 14億48百万円 | 17億30百万円 | 490.83円 | 100円 |
| 2026年5月期 | 292億54百万円 | 15億61百万円 | 5.3% | 22億65百万円 | 17億24百万円 | 494.10円 | 110円 |
| 2027年5月期(予想) | 300億00百万円 | 14億50百万円 | 4.8% | 21億00百万円 | 16億00百万円 | 458.35円 | 115円 |
出典:2026年5月期決算説明会資料のコーポレートデータ、有価証券報告書。2024年5月期までは単体、2025年5月期からは連結(ACE VALVEの子会社化に伴い連結決算に移行)。2025年5月期の数値は企業結合の会計処理確定後。
売上は4年で1.7倍になりましたが、営業利益率は3〜6%台にとどまり、2024年5月期の6.5%(単体)を超えていません。2025年5月期の純利益が大きいのは、投資有価証券売却益9億68百万円(特別利益)によるものです。
会社は中期経営計画の数値目標を公表しておらず、有報の「目標とする経営指標」は「売上高営業利益率の向上を目指してまいります」と書かれているだけです。
会社予想の達成履歴:上にも下にも大きく外れてきた
| 決算期 | 期初予想(営業利益) | 期中の修正(開示日) | 実績 | 期初予想比 | 修正後予想比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年5月期(単体) | 9億00百万円 | 13億20百万円に上方修正(2024年1月9日) | 12億03百万円 | +33.7% | △8.9% |
| 2025年5月期 | 13億00百万円(単体) | 連結予想13億00百万円を公表(2025年4月8日) | 11億57百万円(連結) | △11.0% | △11.0% |
| 2026年5月期 | 11億00百万円 | なし | 15億61百万円 | +41.9% | — |
| 2027年5月期 | 14億50百万円 | 第1四半期時点でなし | — | — | — |
出典:各期の決算短信、業績予想の修正・差異に関する適時開示、連結業績予想の公表に関するお知らせ(2025年4月8日)。比率は筆者の計算。2025年5月期の単体実績11億36百万円で比べると△12.6%です。
この表のポイントは、期初予想に対して+34%、△11%、+42%と、上にも下にも大きく外れていることです。2026年5月期は期中に一度も予想を修正せず、通期決算と同時に「予想と実績との差異」として+41.9%を開示しました。2025年5月期は、連結予想を公表した2025年4月(期末の約2か月前)に営業利益を13億円で据え置き、実績は11.0%下回りました。修正の適時開示の基準(利益で30%)の内側だったため、修正の開示は出ていません。
用語メモ:修正の開示が出ない=予想どおり、ではない 業績予想の修正の適時開示は、売上高で10%、利益で30%以上ずれる見込みになったときに義務づけられます。それより小さいずれは、決算発表で初めて明らかになります。
この会社の予想は「控えめに置いて上振れる会社」とも「強気に置いて届かない会社」とも言い切れません。今期の予想を読むときの前提として、この振れ幅を持っておいてください。
2. 第1四半期決算のハイライト
損益計算書(6〜8月)
| 科目 | 2026年5月期 第1四半期 | 2027年5月期 第1四半期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 70億76百万円 | 71億99百万円 | +1.7% |
| 売上総利益 | 11億96百万円 | 10億74百万円 | △10.2% |
| 売上総利益率 | 16.9% | 14.9% | △2.0pt |
| 販売費及び一般管理費 | 8億10百万円 | 8億21百万円 | +1.4% |
| 営業利益 | 3億86百万円 | 2億53百万円 | △34.4% |
| 営業外収益(うち不動産賃貸料) | 2億38百万円(1億76百万円) | 2億43百万円(1億76百万円) | — |
| 営業外費用(うち支払利息) | 38百万円(9百万円) | 53百万円(21百万円) | — |
| 経常利益 | 5億86百万円 | 4億43百万円 | △24.3% |
| 法人税等 | 1億45百万円 | 1億54百万円 | — |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 4億40百万円 | 2億89百万円 | △34.3% |
| 1株当たり四半期純利益 | 126.19円 | 82.89円 | △34.3% |
出典:2027年5月期第1四半期決算短信(百万円未満切捨て)。売上総利益率・売上総利益と販管費の増減率は筆者の計算。
用語メモ:前年同期の数字が去年の発表と違う 前年同期の営業利益は、1年前の発表では3億88百万円でしたが、今回の短信では3億86百万円になっています。韓国子会社の買収時の会計処理(のれんと顧客関連資産への配分)を前期中に確定させたため、前年の数字も遡って修正されているからです。純利益は4億40百万円で変わりません。本記事の前年比は、すべて修正後の数字を使っています。
この表のポイントは3つです。
- 売上は1.7%増えたのに、売上総利益(粗利)は10.2%減っています。粗利率が2.0pt下がったことが、減益のほぼすべてです(次の節で分解します)
- 販管費は1.4%増とほぼ横ばいで、減益の主因ではありません
- 経常利益の減少率(△24.3%)が営業利益(△34.4%)より小さいのは、営業外の不動産賃貸料(1億76百万円)が前年と同額で、利益の下支えになっているためです。§5で扱います
営業利益の減少を3つに分ける
| 要因 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 数量効果(売上の増加) | 売上増加額1億23百万円 × 前年粗利率16.9% | +21百万円 |
| 率効果(粗利率の低下) | 当期売上71億99百万円 × 粗利率の差△1.98pt | △1億43百万円 |
| 販管費の増加 | 8億21百万円−8億10百万円 | △11百万円 |
| 合計 | — | △1億33百万円(実際の減少と一致) |
筆者の計算。千円単位で計算し、四捨五入して表示しています。
減益1億33百万円のうち1億43百万円が率効果です。売上の量はわずかにプラスに効き、販管費の増加は小さい。つまり今回の減益は「売れなかった」からでも「費用を使いすぎた」からでもなく、1件あたりの粗利が薄くなったことで起きています。
ここで注意が必要なのは、会社は短信で、粗利率が下がった理由を説明していないことです。第1四半期の短信の「経営成績の概況」は、受注・売上の品種別の増減と、利益が前年同期を下回ったという事実を書いているだけです。今回は決算補足説明資料・決算説明会もありません。
短信から読み取れる範囲で、前年と違う点は次の2つです。
- 輸出関連の売上高が4億43百万円減った(14億45百万円→10億02百万円、△30.6%)。売上に占める比率は20.4%から13.9%に下がりました
- 品種別では、バタフライ弁が70百万円減、遠隔操作装置が1億69百万円増、自動調節弁が24百万円増
ただし、輸出と国内、品種ごとの粗利率は開示されていないので、どの売上の変化が粗利率を下げたのかは数字では確かめられません。§1の軸で言えば、テーラーの「1着あたりの手間賃」が薄くなったことは分かるが、どの客の注文で薄くなったかは店の帳簿を見ないと分からない、という状態です。
受注と受注残:予約帳は厚くなっている
| 品種 | 受注高(6〜8月) | 前年同期比 | 受注残高(8月末) | 前年同月末比 | 5月末比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 自動調節弁 | 27億66百万円 | +35.1% | 73億61百万円 | △1.0% | +6.1% |
| バタフライ弁 | 41億45百万円 | +23.0% | 158億22百万円 | +34.5% | +6.4% |
| 遠隔操作装置 | 15億18百万円 | +12.7% | 54億30百万円 | +7.1% | △3.7% |
| 合計 | 84億31百万円 | +24.6% | 286億14百万円 | +17.9% | +4.3% |
出典:第1四半期決算短信の補足情報。比率は筆者の計算。
- 受注高÷売上高(ブックトゥビル)は1.17倍で、売上より多くの注文が入っています
- 8月末の受注残高286億円は、直近12か月の売上高(約294億円)の約0.97年分です
- 会社が通期の目標として掲げた受注高300億円(決算説明会資料)に対し、第1四半期で28.1%を確保しています
§1の軸の「予約帳」は、確実に厚くなっています。問題は、その予約帳に書かれた1件あたりの値段と、これから払う材料・外注の費用の差が、今回のように薄くなっていないかどうかです。これは次の章の論点になります。
3. 深掘り①:13四半期を並べると、6〜8月の粗利率はどれだけ低いのか
ここからの深掘りは、一つの問いを3段階で追います。「受注が増えているのに利益が減ったこの第1四半期は、通期の会社予想に対して何を意味するのか」。まず、6〜8月の粗利率14.9%が、この会社にとってどのくらい低い数字なのかを確認します。
この会社は5月決算なので、第1四半期=6〜8月、第2四半期=9〜11月、第3四半期=12〜2月、第4四半期=3〜5月です。累計しか開示されないので、各四半期の数字は筆者が累計から差し引いて出しました。
用語メモ:累計からの差し引き 決算短信は「第1四半期累計」「中間累計」「第3四半期累計」のように期首からの累計で数字を出します。単独の3か月を知るには、「中間累計−第1四半期累計=第2四半期の3か月」のように自分で引き算する必要があります。
単独四半期の推移(百万円)
| 決算期 | 四半期 | 売上高 | 粗利率 | 販管費率 | 営業利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024年5月期(単体) | 6〜8月 | 4,161 | 21.1% | 12.1% | 377 | 9.1% |
| 2024年5月期(単体) | 9〜11月 | 4,791 | 19.0% | 11.5% | 363 | 7.6% |
| 2024年5月期(単体) | 12〜2月 | 4,494 | 19.1% | 12.0% | 320 | 7.1% |
| 2024年5月期(単体) | 3〜5月 | 5,162 | 14.7% | 11.9% | 143 | 2.8% |
| 2025年5月期(単体) | 6〜8月 | 4,850 | 16.3% | 13.6% | 127 | 2.6% |
| 2025年5月期(単体) | 9〜11月 | 6,015 | 17.7% | 12.7% | 301 | 5.0% |
| 2025年5月期(単体) | 12〜2月 | 5,110 | 17.6% | 12.8% | 242 | 4.7% |
| 2025年5月期(連結) | 3〜5月 | 7,793 | 17.7% | 11.4% | 487 | 6.2% |
| 2026年5月期(連結) | 6〜8月 | 7,076 | 16.9% | 11.5% | 386 | 5.5% |
| 2026年5月期(連結) | 9〜11月 | 7,312 | 17.5% | 11.6% | 436 | 6.0% |
| 2026年5月期(連結) | 12〜2月 | 6,709 | 15.3% | 11.2% | 273 | 4.1% |
| 2026年5月期(連結) | 3〜5月 | 8,157 | 16.2% | 10.5% | 466 | 5.7% |
| 2027年5月期(連結) | 6〜8月 | 7,200 | 14.9% | 11.4% | 253 | 3.5% |
筆者の差し引き(千円単位で計算し、百万円未満を四捨五入)。各年度の4四半期の合計は通期の開示値と一致することを確認しました。
用語メモ:表の途中で数字の範囲が変わる 2025年5月期の第3四半期までは、韓国子会社の損益が入っていない単体の数字です(同期の第3四半期短信は「貸借対照表のみを連結」と注記)。3〜5月から韓国子会社の損益(2025年1〜3月分)が加わり、2026年5月期からは通年で入っています。表の上と下では範囲が違うので、単体時代の粗利率(20%前後)と連結後の粗利率をそのまま比べることはできません。
この表のポイントは3つです。
- 今回の6〜8月の粗利率14.9%は、連結になってからの6四半期で最も低い数字です(連結後は15.3〜17.7%)。単体時代を含めても、これより低いのは2024年5月期の3〜5月(14.7%)だけです
- 季節性は確認できません。年間営業利益に占める6〜8月の比率は、31.3%(2024年5月期)、11.0%(2025年5月期)、24.7%(2026年5月期)とばらばらで、毎年同じ形は出ていません。「6〜8月はいつも弱い」とは言えない、ということです
- 販管費率は11%前後で安定しています。この会社の営業利益は、四半期ごとの粗利率の上下でほぼ決まる、という形が13四半期を通して見えます
§1の軸で言えば、テーラーの店の家賃や人件費(販管費)は毎月ほぼ一定で、利益を動かしているのは「1着あたりの手間賃」です。そして今回の6〜8月は、その手間賃がこの6四半期で一番薄かった、ということになります。
前期にも一度、粗利率が下がった四半期があった
前期(2026年5月期)の12〜2月も、粗利率は15.3%まで下がりました。このときの営業利益は2億73百万円で、6〜8月・9〜11月より1億円以上少なくなっています。それでも前期は、3〜5月に粗利率が16.2%に戻り、通期では期初予想を41.9%上回りました。
つまり、一つの四半期で粗利率が下がっても、次の四半期で戻った前例が前期にあるということです。今回の14.9%が一時的なものか、続くものかは、9〜11月の粗利率で初めて分かります。
4. 深掘り②:会社予想は残り9か月に何を置いているか
前の章で、今回の減益は粗利率の低下によるもので、その理由は開示されていないことを確認しました。では、会社予想(営業利益14億50百万円)は、残り9か月(9月〜翌年5月)にどれだけの利益を置いているのでしょうか。
予想が置いている残り期間
| 項目 | 会社予想−第1四半期実績 | 前年同期間の実績 | 必要な前年比 |
|---|---|---|---|
| 9〜11月の売上高(上期予想148億円−第1四半期) | 76億00百万円 | 73億12百万円 | +3.9% |
| 9〜11月の営業利益(上期予想7億円−第1四半期) | 4億46百万円 | 4億35百万円 | +2.5% |
| 残り9か月の売上高(通期予想300億円−第1四半期) | 228億00百万円 | 221億78百万円 | +2.8% |
| 残り9か月の営業利益(通期予想14.5億円−第1四半期) | 11億96百万円 | 11億74百万円 | +1.9% |
| 残り9か月の営業利益率 | 5.2% | 5.3% | — |
筆者の計算(千円単位の開示値から計算し、百万円未満を切り捨てて表示)。会社予想は2026年7月14日公表、第1四半期決算で修正なし。
会社予想は、残り9か月に「前年同期間とほぼ同じ利益」を置いています。営業利益率で言えば5.2%で、前年の残り9か月(5.3%)とほとんど変わりません。前年の同じ期間の粗利率は16.4%でした。
残り9か月の粗利率が今回のままだったら(筆者の試算)
販管費が残り9か月も第1四半期と同じ伸び(前年比+1.4%、約24億91百万円)だと仮定すると、粗利率ごとの通期営業利益は次のようになります。
| 残り9か月の粗利率 | 残り9か月の営業利益 | 通期営業利益 | 会社予想比 | 前期比 |
|---|---|---|---|---|
| 14.9%(今回の6〜8月と同じ) | 約9億13百万円 | 約11億66百万円 | △19.6% | △25.3% |
| 15.5% | 約10億43百万円 | 約12億96百万円 | △10.6% | △17.0% |
| 16.0% | 約11億57百万円 | 約14億10百万円 | △2.7% | △9.7% |
| 16.2%(会社予想に届く水準) | 約11億97百万円 | 約14億50百万円 | ±0% | △7.1% |
| 16.4%(前年の残り9か月と同じ) | 約12億48百万円 | 約15億02百万円 | +3.6% | △3.8% |
筆者の試算。売上は会社予想どおり(残り9か月228億円)、販管費は前年の残り9か月24億57百万円×1.014として計算。将来の業績を予測するものではありません。
この表から読めるのは、会社予想は「粗利率が前期並み(16%台)に戻る」ことを前提にしているということです。今回の14.9%が残り9か月続けば、営業利益は予想を約2割下回る計算になります。逆に前年並みの16.4%に戻れば、予想をわずかに上回ります。会社予想の当否は、ほぼ粗利率1つで決まる、という構造です。
過去3期、第1四半期時点の予想は残り9か月で何%実現したか
| 決算期 | 第1四半期の営業利益 | 第1四半期時点で予想が置いた残り9か月 | 実際の残り9か月 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年5月期(単体) | 3億77百万円 | 5億22百万円 | 8億26百万円 | 157.9% |
| 2025年5月期 | 1億27百万円 | 11億72百万円 | 10億29百万円 | 87.8% |
| 2026年5月期 | 3億88百万円 | 7億11百万円 | 11億74百万円 | 165.1% |
| 2027年5月期 | 2億53百万円 | 11億96百万円 | — | — |
筆者の計算。「予想が置いた残り9か月」=期初の通期予想−その時点の第1四半期実績(2026年5月期は当時の開示値3億88百万円を使用。実際の残り9か月は修正後の第1四半期3億86百万円を差し引いた値)。2025年5月期は第1四半期が単体、通期実績が連結で、範囲が揃っていません。
この表のポイントは2つです。
- 第1四半期の進捗が良かった年(2024年5月期・2026年5月期)は、残り9か月で予想の1.6倍前後を稼ぎ、進捗が悪かった年(2025年5月期)は残り9か月も予想に届きませんでした。第1四半期の出来が、その年の残りの出来とある程度同じ方向に動いてきた、ということです
- 今期の第1四半期の進捗率は17.5%で、2025年5月期(9.8%)よりは高いものの、2026年5月期(35.3%)・2024年5月期(41.9%)よりかなり低い位置にあります
3期分しかないので、ここから今期の結果を決めつけることはできません。ただ、今期の予想は残り9か月に「前年並み」を置いており、過去2期のような1.6倍の上振れを前提にしていないことは確かです。下振れの年の達成率(87.8%)を今期の残り9か月に当てると、通期営業利益は約13億04百万円(予想比△10.1%)になります(筆者の試算)。
用語メモ:今回は四半期の説明資料がない 今回の第1四半期決算は、短信の表紙で「決算補足説明資料:無」「決算説明会:無」とされています。本記事で引用している会社の見通しは、2026年7月の通期決算短信と2026年8月5日の決算説明会資料に基づくものです。第1四半期について会社の追加の説明はありません。
5. 深掘り③:営業利益の下にある「地代」と「税金」
2つ目の深掘りでは営業利益を見ました。最後の段階として、営業利益の下、つまり経常利益と純利益の間を見ます。ここには、決算書を素直に並べただけでは見落としやすい数字が2つあります。
経常利益の約3分の1は地代
| 項目 | 2025年5月期 | 2026年5月期 | 2026年5月期 第1四半期 | 2027年5月期 第1四半期 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産賃貸料(営業外収益) | 2億34百万円 | 7億05百万円 | 1億76百万円 | 1億76百万円 |
| 不動産賃貸費用(営業外費用) | 40百万円 | 95百万円 | 23百万円 | 24百万円 |
| 賃貸の純額 | 1億93百万円 | 6億10百万円 | 1億52百万円 | 1億51百万円 |
| 経常利益 | 14億48百万円 | 22億65百万円 | 5億86百万円 | 4億43百万円 |
| 経常利益に占める賃貸の純額 | 13.4% | 26.9% | 26.1% | 34.2% |
出典:各期の決算短信、有価証券報告書の賃貸等不動産注記。比率は筆者の計算。
今回の経常利益4億43百万円のうち、1億51百万円(34.2%)は不動産の賃貸から来ています。この賃貸料が1年で3倍になった理由は、2025年3月31日の適時開示にあります。
会社は次のように書いています(土地賃貸借契約の締結に関するお知らせ、2025年3月31日、原文) 当社は、所有および賃借している交野市星田北の工場移転用地について、新工場を建設する予定でありますが、建設するまでの間の土地の有効活用のため、当該土地の賃貸を行います。
相手方は西日本高速道路株式会社、敷地面積は48,706.54㎡、契約期間は2025年4月1日から2029年3月31日までです。賃料は「契約相手方との守秘義務により」公表されていません。有報の「主要な設備の状況」では、交野市の「工場等予定地」が帳簿価額42億79百万円(40,070.55㎡)で計上されています。
会社自身も、前期の決算説明会資料で「利益面に関しては、売上高の増加、営業外損益に含まれる不動産賃貸料の増加による影響が大きく」と書いています。前期の経常利益+56.5%のうち、相当部分はこの地代によるものでした。
§1の軸で言えば、テーラーが新しい工房を建てる予定の空き地を、建てるまでの間、高速道路会社に貸している形です。この地代は本業の稼ぎではなく、期限のある収入です。2029年3月末に契約が終わり、新工場の建設が始まれば、この収入はなくなり、代わりに建設の費用と、完成後の減価償却費が出てきます。
ただし、新工場の具体的な計画(投資額・着工時期)は、有報の「設備の新設、除却等の計画」には載っていません。載っているのは大東市の本社工場の生産設備更新(2億16百万円、2027年5月完了予定)だけです。
用語メモ:営業外収益の賃貸料は営業利益に入らない この会社は土地の賃貸料を「営業外収益」に計上しています。そのため営業利益には入らず、経常利益から入ります。会社予想の経常利益21億円と営業利益14.5億円の差6.5億円の大部分は、この賃貸料が占めていると考えられます(第1四半期の営業外損益1億90百万円のうち、賃貸の純額を除くと38百万円しか残りません。筆者の計算)。
純利益予想は、低い税負担率を置いている
| 比べる数字 | 税負担率 |
|---|---|
| 会社予想(経常利益21億円・純利益16億円、特別損益ゼロとした場合の逆算) | 23.8% |
| 2027年5月期 第1四半期の実績 | 34.8% |
| 2026年5月期 第1四半期・中間・第3四半期の実績 | 24.8%・25.0%・25.4% |
| 2026年5月期 通期実績 | 23.9% |
| 法定実効税率(有報) | 30.6% |
筆者の計算。短信の注記によると、この会社の四半期の税金費用は「連結会計年度の税引前当期純利益に対する税効果会計適用後の実効税率を合理的に見積り」、税引前利益に掛けて計算しています(見積実効税率方式)。
この表のポイントは2つです。
1つ目は、今回の第1四半期の税負担率34.8%は、前期の同じ時期(24.8%)より10pt高く、会社予想が置いている23.8%より11pt高いことです。見積実効税率方式では、四半期の負担率は「会社が見込む通期の負担率」を表します。理由は短信に書かれていません。
2つ目は、前期の通期の負担率23.9%には、一度きりの要因が含まれていたことです。有報の税率差異の注記を見ると、前期は法定実効税率30.6%から次のような項目で下がっていました。
| 項目 | 2025年5月期 | 2026年5月期 |
|---|---|---|
| 法定実効税率 | 30.62% | 30.62% |
| 試験研究費税額控除 | △1.74pt | △2.10pt |
| 賃上げ促進税制税額控除 | — | △2.43pt |
| 過年度法人税等 | — | △2.35pt |
| 連結子会社税率差異 | △1.61pt | △0.94pt |
| のれん償却額・顧客関連資産償却額 | +0.21pt | +0.95pt |
| 子会社株式取得関連費用 | +0.51pt | — |
| その他(交際費・均等割・受取配当等の合計) | +0.40pt | +0.12pt |
| 税負担率 | 28.39% | 23.87% |
出典:有価証券報告書の税効果会計注記。「その他」は交際費等・受取配当金等・住民税均等割・その他の合計で、筆者がまとめました。
「過年度法人税等」(△2.35pt、約53百万円相当)は過去の年度の税金の精算で、毎年出るものではありません。「賃上げ促進税制税額控除」(△2.43pt、約55百万円相当)は、賃上げの実績に応じて受けられる控除で、今期も同じ規模で使えるかどうかは分かりません(金額相当は前期の税引前利益に各pt数を掛けた筆者の試算)。
税負担率ごとの純利益(筆者の試算)
| 税負担率の前提 | 純利益(経常21億円、特別損益ゼロ) | EPS | 会社予想比 |
|---|---|---|---|
| 23.8%(会社予想の逆算) | 16億00百万円 | 458円 | ±0% |
| 30.6%(法定実効税率) | 約14億57百万円 | 約417円 | △8.9% |
| 34.8%(第1四半期の見積) | 約13億69百万円 | 約392円 | △14.4% |
筆者の試算。EPSの分母は8月末の自己株式控除後の株数3,490,734株。
第1四半期の見積税率34.8%が通期でも続くとすると、純利益16億円を出すには税引前利益が約24億54百万円必要で、経常利益予想21億円を約3億54百万円上回ります。
この差をどう読むかは2通りあります。どちらが正しいかは、会社が開示していないので分かりません。
- (A) 第1四半期の見積税率は、通期に向けて下がる。前期のように試験研究費や賃上げの税額控除が期末にかけて確定すれば、負担率は下がります。第1四半期は税引前利益が小さいので、利益に比例しない税金の比重が一時的に大きく見えている可能性もあります
- (B) 予想を作った7月の時点の前提(前期並みの負担率)が、第1四半期の見積では維持されていない。その場合、営業利益・経常利益が予想どおりでも、純利益は予想を下回ります
筆者の整理として言えるのは、純利益予想16億円は、前期の一度きりの要因を含んだ負担率とほぼ同じ水準を置いた形になっているということです。(A)(B)のどちらも、会社の説明に基づくものではなく筆者の推測です。確認先は中間決算(2027年1月上旬の予定)の税負担率です。
3つの深掘りをつなぐと
- 6〜8月の減益は、ほぼすべて粗利率の低下(16.9%→14.9%)によるもので、会社はその理由を説明していない(深掘り①)
- 会社予想は、残り9か月に前年並みの利益を置いており、そのためには粗利率が16%台に戻る必要がある。過去3期の予想は上にも下にも大きく外れてきた(深掘り②)
- 営業利益の下では、経常利益の約3分の1を期限付きの地代が支え、純利益予想は前期の一度きりの要因を含んだ低い税負担率を置いている(深掘り③)
§1の軸に戻ると、中北製作所の予約帳(受注残)は、直近5期のどの期末よりも厚くなっています。でも利益を決めるのは予約の量ではなく、1件ずつの手間賃(粗利率)です。今回の第1四半期は、予約帳が厚くなっても手間賃が薄くなれば利益は減る、ということを示した四半期だと筆者は読んでいます。そして、経常利益と純利益には、本業の手間賃とは別の要因(地代と税金)が大きく乗っています。
6. 韓国の工房と、手元資金の変化
ACE VALVE:売上は16%、利益は4%
2024年12月に買収した韓国のACE VALVEは、有報で「特定子会社」として主要な損益情報が開示されています。
| 項目 | 金額 | 連結に占める比率 |
|---|---|---|
| 売上高(2026年5月期) | 46億91百万円 | 16.0% |
| 経常利益 | 88百万円 | 3.9% |
| 当期純利益 | 82百万円 | — |
| 純資産 | 8億19百万円 | — |
| 総資産 | 35億82百万円 | — |
| 取得原価(2024年12月) | 17億22百万円 | — |
| のれん(2026年8月末) | 3億17百万円 | — |
| 顧客関連資産(2026年8月末) | 4億12百万円 | — |
出典:有価証券報告書の関係会社の状況(主要な損益情報)、2025年5月期決算短信の企業結合注記、第1四半期決算短信。比率は筆者の計算。
連結売上の16%を占めるのに、経常利益への寄与は4%弱です。しかも連結決算では、のれん(12年償却)と顧客関連資産の償却費として年間約56百万円(前期ののれん償却30百万円+顧客関連資産の減少26百万円、筆者の計算)が別に差し引かれます。ACE VALVE単体の経常利益88百万円から見ると、連結上の利益の上乗せは小さい計算です。
会社はACE VALVEを「老舗バルブメーカーとして、高い技術力、十分な生産能力・品質管理力を有し、海外市場への販売における重要な価格競争力を有す」と説明しています(2025年5月期決算説明会資料)。§1の軸で言えば、韓国の工房を買って予約帳を広げたが、その工房の手間賃は本店より薄いという形です。前期に連結の粗利率が下がった(17.4%→16.5%)ことには、ACE VALVEが通年で入ったことも影響していると考えられますが、子会社ごとの粗利率は開示されていないので、筆者の推測です。
有報の「重要な会計上の見積り」では、のれんと顧客関連資産について「顧客減少率を重要な仮定」とし、「被取得企業の業績が悪化した場合等には、翌連結会計年度の連結財務諸表においてのれん及び顧客関連資産の金額に影響を及ぼす可能性があります」と書かれています。現時点で減損は計上されていません。
このほか会社は、2026年2月に韓国にNAKAKITA KOREA(連結子会社)を設立し、2026年7月21日にはシンガポールのFGE CONTROL PTE. LTD.(陸上プラントエンジニアリング・関連機器の卸売)の株式を取得する契約を結んでいます。株式譲渡の実行は2026年9月の予定とされており、会社は当期の業績への影響を「軽微」としています。2026年10月7日時点で、譲渡の実行を知らせる開示は確認できていません。
2年前に約51億円あった実質的な手元資金が、ほぼゼロに
| 時点 | 現金及び預金+有価証券 | 有利子負債(短期+長期借入金) | 差引 |
|---|---|---|---|
| 2024年5月末(単体) | 67億24百万円 | 16億21百万円 | +51億03百万円 |
| 2025年5月末(連結) | 54億92百万円 | 30億78百万円 | +24億13百万円 |
| 2026年5月末(連結) | 48億80百万円 | 50億10百万円 | △1億30百万円 |
| 2026年8月末(連結) | 59億21百万円 | 59億00百万円 | +21百万円 |
出典:各期の決算短信の貸借対照表。2024年5月末の有価証券は流動資産の有価証券19億00百万円(2025年5月末以降は計上なし)。差引は筆者の計算。投資有価証券(2026年8月末で40億67百万円)は含めていません。
2年で約51億円が減った主な使い道は、決算短信のキャッシュ・フロー計算書から次のように読めます。
- 韓国子会社の買収:14億57百万円(2025年5月期、取得した現金を差し引いた純額)
- 設備投資:前期22億81百万円(決算説明会資料の内訳では土地11億12百万円、その他11億94百万円)。有報では韓国での工場等用地・建物の取得も挙げられています
- 営業キャッシュ・フローのマイナス:2025年5月期△25億18百万円、2026年5月期△2億90百万円。売上の急増に伴う売掛金と在庫の積み上がりに加え、前期は仕入債務が18億63百万円減りました
最後の仕入債務の減少について、会社は決算説明会資料で「取適法対応に伴う支払手形および電子記録債務 ▲1,626」と説明しています。取引適正化のための法改正(中小受託取引適正化法、いわゆる取適法)に合わせて、下請けへの支払いを手形や電子記録債務から早めの現金払いに切り替えた、という意味です。第1四半期にも電子記録債務はさらに1億12百万円減っています。外注先(協力工場)への支払いが早まった分、会社が資金を先に出す形になったということで、§1の軸の「職人(外注先)への支払い」がここに出ています。有報によると、前期の協力工場からの製品仕入高は79億38百万円でした。
借入金は8月末で59億00百万円(短期32億円、長期27億00百万円)、有報によると平均利率は短期1.61%・長期1.27%です。支払利息は第1四半期で21百万円と、前年同期(9百万円)の2.4倍になりました。営業利益に比べればまだ小さい金額ですが、手元資金の余裕が2年でほぼなくなったことは、弱気側の材料として書いておきます。
一方で、純資産は285億円、自己資本比率は70.2%で、投資有価証券も40億円あります。財務の健全性そのものが揺らいでいるわけではありません。
2年続けて計画に置かれている「土地34億24百万円」
会社は決算説明会資料で、今期(2027年5月期)の設備投資を35億円、うち土地34億24百万円と見込んでいます。実は、1年前の説明会資料(2025年5月期)でも、前期(2026年5月期)の設備投資見通しは35億円・うち土地34億24百万円と、まったく同じ数字でした。前期の実際の設備投資は23億06百万円(土地11億12百万円)です。
どこの土地を取得する計画なのかは、資料に書かれていません。有報の「設備の新設、除却等の計画」にも記載はありません。仮に今期中に34億円の土地を取得すれば、8月末の手元資金(59億円)の過半に当たり、借入の増加につながる可能性があります。この土地が§5の交野の工場移転用地と関係があるかどうかは、開示からは分からないので、本記事では結びつけません。
7. 資本政策と株主還元
株主優待:制度なし
有価証券報告書(2026年8月26日提出)の「株主に対する特典」欄は「なし」です。会社ウェブサイトの投資家情報・よくあるご質問にも優待の掲載はありませんでした。この会社の株主還元は、配当と自己株式取得の2本です。
配当方針と権利確定日
有報の配当政策は次のとおりです。
会社は次のように書いています(有価証券報告書「配当政策」、原文) 株主の皆様への利益配分については、安定した配当を継続することを基本とし、当該期の業績や翌期の予想を斟酌し具体的配当額を決定しております。また、当社は、株主の皆様に対する利益還元の一環として自己株式の取得及び消却を検討し、かつ実施してまいりましたが、今後も機動的な自己株式の取得を検討してまいりたいと存じます。
配当性向やDOE(純資産配当率)の数値目標は掲げていません。中間配当は取締役会、期末配当は株主総会で決めます。
| 権利 | 基準日 | 権利付き最終日 |
|---|---|---|
| 中間配当(予想55円) | 2026年11月30日(月) | 2026年11月26日(木) |
| 期末配当(予想60円) | 2027年5月31日(月) | 2027年5月27日(木) |
権利付き最終日は基準日の2営業日前(筆者の計算)。
用語メモ:権利付き最終日 配当を受け取るには、基準日に株主名簿に載っている必要があります。株の受け渡しは売買の2営業日後なので、基準日の2営業日前までに買っておく必要があり、その日を「権利付き最終日」と呼びます。
配当の推移
| 決算期 | 中間 | 期末 | 年間 | EPS | 配当性向 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年5月期(単体) | 50円 | 35円 | 85円 | 155.84円 | 54.5% | — |
| 2023年5月期(単体) | 35円 | 35円 | 70円 | 225.81円 | 31.0% | — |
| 2024年5月期(単体) | 40円 | 40円 | 80円 | 288.54円 | 27.7% | 期初予想70円→2024年1月に80円へ修正 |
| 2025年5月期 | 50円 | 50円 | 100円 | 490.83円 | 20.4% | 売却益を含む純利益 |
| 2026年5月期 | 55円 | 55円 | 110円 | 494.10円 | 22.3% | — |
| 2027年5月期(予想) | 55円 | 60円 | 115円 | 458.35円 | 25.1% | — |
出典:有報の「主要な経営指標等の推移」(2022〜2024年5月期は単体の配当性向)、各期の決算短信、2024年1月9日の配当予想の修正。2025年5月期以降の配当性向は短信の連結ベース。
この表のポイントは2つです。
- 配当は4期連続の増配予想で、70円から115円になります。ただし「安定配当」の方針どおり、利益の振れほどには動いていません。2025年5月期は純利益が売却益で大きく増えましたが、配当性向は20%台にとどまりました
- 今期予想の配当性向25.1%は、純利益予想16億円が分母です。§5の試算どおり税負担率が第1四半期の34.8%のままなら、EPSは約392円、配当性向は約29%になります(筆者の試算)
前期の期末配当の総額1億91百万円は、〈発行済3,832,800株−自己株式342,020株〉×55円=1億91,992,900円で、株主総会の臨時報告書の金額と一致します。
DOEは約1.4%(予想年間配当115円÷8月末の1株当たり純資産8,165円)です。
自己株式
8月末の自己株式は342,066株で、発行済株式の8.92%です。直近の取得は2025年4月9日のToSTNeT-3(立会外の自己株式買付)で、4月8日終値2,986円で40,000株(1億19百万円)を取得しました。
用語メモ:ToSTNeT-3 取引所の立会時間外に、前日終値などあらかじめ決めた価格で自己株式を買い付ける仕組みです。通常は特定の株主の売却を会社が受け止める形になり、市場で株を買い集めるわけではないので、市場の需給に直接は効きません。それでも発行済株式(自己株式控除後)は減るので、1株当たりの利益は押し上げられます。
この取得の相手先は開示されておらず、2024年5月末と2025年5月末の大株主表を比べても特定できません。前期(2026年5月期)は単元未満株の買取り138株だけで、新たな取得枠は発表されていません。
政策保有株式
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 投資有価証券(2026年8月末) | 40億67百万円 |
| うち上場株式(2026年5月末・19銘柄) | 34億11百万円 |
| 最大銘柄:名村造船所(販売先) | 10億88百万円(上場株式の31.9%) |
| 2位:PILLAR(資材の仕入先) | 8億04百万円 |
| 3位:木村化工機(販売先) | 3億25百万円 |
| 投資有価証券÷純資産(8月末) | 14.3% |
| 1株当たり | 約1,165円 |
出典:有報「株式の保有状況」、第1四半期決算短信。比率・1株当たりは筆者の計算。
最大の保有銘柄は造船会社の名村造船所で、有報上は「当社の株式の保有の有無:有」(相互保有)です。保有額は1年で6億18百万円から10億88百万円に増えましたが、株数は変わっておらず、株価の上昇によるものです。§1の軸で言えば、テーラーが一番のお得意様の株を持ち、お得意様にも自分の株を持ってもらっている関係です。造船の好況は、本業の受注と保有株の含み益の両方に同じ方向で効き、不況になれば両方に逆向きに効きます。
2024年5月には上場株式6銘柄の売却を決め、2025年5月期に9億68百万円の売却益を計上しました(理由は「保有資産の効率化及び財務体質の強化」)。前期は売却がありませんでした。
大株主(2026年5月31日時点)
| 株主 | 持株数 | 比率 |
|---|---|---|
| 株式会社ミヤキタコーポレーション | 44万2千株 | 12.67% |
| 中北 健一 | 26万4千株 | 7.58% |
| 宮田 彰久(代表取締役社長) | 11万4千株 | 3.28% |
| 黒田 知子 | 11万4千株 | 3.27% |
| 中北 仁子 | 11万4千株 | 3.27% |
| 渡部 育子 | 11万4千株 | 3.27% |
| 宮田 和子 | 10万9千株 | 3.12% |
| 宮田 宏章 | 10万6千株 | 3.04% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託業務) | 9万7千株 | 2.78% |
| 株式会社三井住友銀行 | 8万6千株 | 2.48% |
| 上位10名計 | 156万2千株 | 44.76% |
出典:有報「大株主の状況」。比率は自己株式を除く発行済株式総数に対する割合。中北健一氏は2025年8月まで取締役会長。
大株主表には中北姓・宮田姓の個人が複数並び、筆頭株主は法人の株式会社ミヤキタコーポレーションです。ただし、これらの株主どうしの関係(親族関係や、筆頭株主と経営陣の関係)は有報・招集通知に書かれていないため、本記事では持株比率を合算していません。
所有者別では個人等が60.24%(自己株式を含む)、その他の法人が22.17%、外国法人等は3.55%です。単元株主は1,794名。2026年8月の定時株主総会では、取締役選任議案の賛成割合が96.10〜97.58%でした(臨時報告書)。
投資単位の引下げ
会社は2026年7月14日に「投資単位の引下げに関する考え方及び方針等について」を開示しました。2026年5月末時点で投資単位(100株の金額)が50万円以上だったため、上場規程に基づく開示です。方針は「今後の株式市場の動向、当社株式の株価水準、株主構成などを総合的に勘案し、慎重に検討してまいります」で、株式分割などの具体策は示されていません。10月6日終値で計算すると、投資単位は58万5千円です。
8. 株価の見方
株価の基準点(2026年10月6日終値5,850円)
| 指標 | 数値 | 計算 |
|---|---|---|
| 終値(2026年10月6日) | 5,850円 | Yahoo!ファイナンス |
| 時価総額(自己株式控除後) | 約204億円 | 5,850円×3,490,734株 |
| 時価総額(発行済ベース) | 約224億円 | 5,850円×3,832,800株 |
| 予想PER | 12.8倍 | 5,850円÷予想EPS458.35円 |
| 予想PER(税負担率34.8%の試算EPS約392円) | 約14.9倍 | 筆者の試算 |
| PBR | 0.72倍 | 5,850円÷8月末BPS8,165.15円 |
| 予想配当利回り | 1.97% | 115円÷5,850円 |
株価情報サイトの時価総額は、多くの場合、自己株式を含む発行済株式数で計算されています。
決算発表は10月6日15時30分、取引終了と同時刻でした。10月6日の終値5,850円(前日比+50円)と出来高15,500株は、発表前の取引によるものです。発表後の夜間取引(PTS)では、10月6日23時45分時点で5,405円(東証終値比△7.61%)の値が付いています(Yahoo!ファイナンス、報道ベース)。PTSは取引量が小さく、翌営業日の東証の値動きと一致するとは限りません。
過去2回の決算発表(いずれも15時30分)の翌営業日は、第3四半期決算(2026年4月7日)のあとが6,800円→6,280円(△7.6%)、通期決算(2026年7月14日)のあとが5,920円→5,500円(△7.1%)でした。
一次情報から拾える株価の履歴
| 時点 | 株価 | 出所 |
|---|---|---|
| 2025年4月8日 | 2,986円(終値) | 自己株式取得(ToSTNeT-3)の買付価格 |
| 2025年5月30日 | 約3,691円 | 有報の株価収益率7.52倍×EPS490.83円 |
| 2026年5月期の最高・最低 | 8,550円・3,575円 | 有報 |
| 2026年5月29日 | 約5,168円 | 有報の株価収益率10.46倍×EPS494.10円 |
| 2026年10月6日 | 5,850円(終値) | Yahoo!ファイナンス |
有報の株価収益率から逆算した期末株価は、Yahoo!ファイナンスの月足の終値(2025年5月3,690円、2026年5月5,170円)と一致します。
最高値8,550円を付けたのは2026年3月17日で、液化水素運搬船向けバルブの契約調印式が行われた水素・燃料電池展の初日でした(会社のお知らせは3月27日)。そこから約4か月で、株価は6月11日の4,430円まで半分近くに下がっています。有報の株主総利回り(5年前を100とした配当込みの指数)は2026年5月期で204.9、同じ期間の配当込みTOPIXは232.4でした。
強気の見方
- 受注高は前年同期比+24.6%、受注残高286億円は直近5期のどの期末よりも大きく、ブックトゥビル1.17倍。予約帳は確実に厚くなっている
- 減益は粗利率の低下によるもので、売上の量はプラス。前期も12〜2月に粗利率が15.3%まで下がったあと、3〜5月に16.2%へ戻した前例がある
- 会社予想は残り9か月に前年並みの利益しか置いておらず、粗利率が前年並み(16.4%)に戻れば予想を上回る計算(§4の試算)
- PBR0.7倍台、自己資本比率70%、投資有価証券40億円。配当は4期連続増配の予想
- 液化水素運搬船向けバルブの受注、液化水素用グローブ弁のNK船級取得など、次世代燃料船向けの製品が実績になりつつある
- 前期の達成履歴では、期中に修正せず期初予想を41.9%上回った
弱気の見方
- 6〜8月の粗利率14.9%は連結後で最低で、会社はその理由を説明していない。残り9か月も同じ水準なら、営業利益は予想を約2割下回る(§4の試算)
- 経常利益の約3分の1は、2029年3月末までの期限付きの地代。新工場の建設が始まれば、この収入はなくなり、建設と減価償却の費用が出てくる
- 第1四半期の税負担率34.8%は純利益予想の前提(23.8%)より高く、前期の負担率には一度きりの要因が含まれていた
- 韓国子会社は連結売上の16%を占めるが、経常利益への寄与は4%弱
- 実質的な手元資金は2年で約51億円減り、ほぼゼロに。今期は土地34億24百万円の取得を計画しており、借入が増える可能性がある
- 売上の7割が造船向けで、保有株式の最大銘柄も造船会社。造船の市況が反転すれば、本業と含み益の両方に同じ方向で効く
- 普段の出来高は1日数千株程度(2026年9月の1日平均は約3,500株)で、売買したいときに思った値段で売買できない可能性がある
同じ「受注残が過去5期で最大」という事実も、強気側では「売上の見通しが立つ」、弱気側では「その受注を今回の粗利率で消化すれば利益は伸びない」と読めます。数字は同じで、どちらの読み方を取るかは読者に委ねます。
9. 今後のカレンダーと見るべきKPI
| 時期 | イベント | 見るポイント |
|---|---|---|
| 2026年10月7日 | 第1四半期決算発表後、最初の東証の取引日 | 終値と出来高 |
| 2026年9月以降 | FGE CONTROL(シンガポール)の株式譲渡の実行 | 実行の有無、連結範囲 |
| 2026年11月26日(木) | 中間配当の権利付き最終日(基準日11月30日) | 予想55円 |
| 2027年1月上旬(例年) | 第2四半期(中間)決算 | 9〜11月の粗利率(前期17.5%)、上期予想7億円に対する着地、中間の税負担率 |
| 2027年4月上旬(例年) | 第3四半期決算 | 12〜2月の粗利率(前期15.3%)、予想の修正の有無 |
| 2027年5月27日(木) | 期末配当の権利付き最終日(基準日5月31日) | 予想60円 |
| 2027年7月中旬(例年) | 通期決算 | 通期の粗利率・税負担率、土地取得の実行、来期の設備投資計画 |
| 2029年3月31日(土) | 交野市の土地賃貸借契約の期間満了 | 契約の更新・終了と新工場の計画 |
決算発表日は、過去の発表日(中間:2025年1月7日・2026年1月6日、第3四半期:2025年4月8日・2026年4月7日、通期:2025年7月8日・2026年7月14日)からの推定です。
見るべきKPI
- 単独四半期の粗利率(今回14.9%、前期の9〜11月は17.5%)
- 受注高と受注残高(今回84億円・286億円)。受注が増えても粗利率が戻るかどうか
- 輸出関連の売上高(今回10億02百万円、前年同期14億45百万円)
- 四半期の税負担率(今回34.8%、純利益予想の前提は23.8%)
- 有利子負債と現預金の差(8月末でほぼゼロ)、土地取得の時期
- 不動産賃貸料(四半期1億76百万円)と、交野の新工場計画の開示
10. 3行まとめ
- 受注は24.6%増え、受注残286億円は直近5期で最大。それでも営業利益は34.4%減で、減益のほぼすべては粗利率の低下(16.9%→14.9%)による。会社は理由を説明していない
- 会社予想は残り9か月に前年並みの利益を置いており、粗利率が16%台に戻ることが前提。経常利益の約3分の1は2029年3月末までの地代で、純利益予想は低い税負担率(23.8%)を置いている
- 実質的な手元資金は2年でほぼゼロになり、今期は土地34億円の取得を計画。次の中間決算では、9〜11月の粗利率と税負担率の2つで予想の前提を確かめられる
本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。
本記事は投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値の出典は、中北製作所の決算短信(2027年5月期第1四半期、2026年5月期の各四半期・通期、2025年5月期の各四半期・通期、2024年5月期の第1四半期・中間・第3四半期・通期)、有価証券報告書(2026年8月26日提出)、第100回定時株主総会招集通知(2026年8月)と臨時報告書(2026年8月31日提出)、第99回・第98回定時株主総会招集通知、2026年5月期・2025年5月期決算説明会資料、業績予想の修正・差異、連結業績予想の公表、土地賃貸借契約、子会社株式の取得、自己株式取得、投資有価証券売却、投資単位の引下げに関する各適時開示、会社ウェブサイトのお知らせ(2026年7月29日、2026年3月27日)です。株価・出来高はYahoo!ファイナンス(報道ベース)です。四半期の単独数値、営業利益の増減の分解、残り期間と粗利率の試算、達成率、税負担率ごとの純利益・EPS、手元資金の差引、ACE VALVEの連結比率、配当性向の試算は筆者の計算・試算です。
次の点にご注意ください。今回の第1四半期は決算補足説明資料・決算説明会がなく、本文中の会社の見通しは2026年7月の通期決算短信と2026年8月5日の決算説明会資料に基づくもので、第1四半期についての会社の追加説明や質疑応答は反映していません。2026年5月期の決算説明会の質疑応答も反映していません。粗利率が下がった理由、第1四半期の税負担率が上がった理由は会社が開示しておらず、§5の(A)(B)の読み方、ACE VALVEの連結が粗利率に与えた影響に関する記述は筆者の推測であり、会社の開示に基づくものではありません(確認先は会社IRと次回以降の決算)。2025年5月期の第3四半期までの四半期数値は単体で、それ以降の連結の数値とは範囲が異なります。決算説明会資料のグラフのうち、設備投資・減価償却費の過去の推移は年度との対応を確定できなかったため記載していません。土地34億24百万円の取得計画の対象地、交野市の新工場の計画、FGE CONTROLの株式譲渡の実行状況は確認できていません。大株主どうしの関係は開示で確認できなかったため、持株比率を合算していません。自己株式取得(2025年4月)の相手先は特定していません。決算発表は取引終了と同時刻(15時30分)で、本記事の株価は発表前の10月6日終値です。発表後の値動きとして記載したPTSの価格は取引量が小さく、10月7日以降の東証の値動きと一致するとは限りません。
記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。