株式投資

【2026年9月発表・6〜8月期決算】ハニーズ(2792)の営業利益は半分になった。会社予想の「2Q〜4Qは前年並み」は置ける数字なのか

本記事について

本記事は2026年9月30日時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • 2027年5月期の6〜8月期(第1四半期)は、売上高が6.7%減、営業利益が51.1%減。粗利率は0.7ポイントしか動いていないのに、営業利益が半分になった理由
  • 売上が減ると、なぜ利益が「その何倍も」減るのか。営業利益の減少額615百万円を、数量効果・率効果・販管費に分けた式
  • 通期予想(営業利益4,000百万円)は、第2〜第4四半期の営業利益を「前年とほぼ同じ(3,410百万円 vs 3,414百万円)」と置いた数字になっていること
  • 第2四半期の売上が前年比+4.8%になる前提が、会社予想の中に隠れていること。この前提が外れた場合の営業利益を、感応度表で示す
  • 2年連続で「1月に予想を修正 → 3月は据え置き → 7月に実績が届かず」という並びになっていること(会社予想の達成履歴)
  • 配当は年55円で据え置き。会社の方針は「連結配当性向35%、DOE3%程度」だが、実際の55円はDOE側にほぼ張り付いていること
  • 株主優待はある(5月末・100株以上・1年以上継続保有で3,000〜10,000円分の優待券)。有価証券報告書の原文で確認した内容
  • 最大株主(株式会社E・E・Y)の持分が33.43%と、3分の1をわずかに上回っていること

1. 前提知識:ハニーズはどんな会社か

ハニーズは、福島県いわき市に本社を置く婦人服専門店です。ブランドは「グラシア」「シネマクラブ」「コルザ」の3つで、企画から生産、物流、販売までを自社で一貫して行うSPAモデルをとっています。生産の一部はミャンマーの自社工場で行っています。国内の店舗数は2026年8月末で859店です。

この会社を読むための軸として、本記事では次の例えを使います。

「問屋と商社が担っていた取り分を自分の懐に入れた代わりに、店・人・工場の固定費もすべて自分で持っている会社」

服を1着売るごとに、企画・縫製・輸送・店頭のそれぞれの段階で、本来は別の会社が取っていた利益を自社で取ります。これが粗利率58〜60%という高い水準の源泉です。ただし、その裏側で、859店の家賃と人件費、物流センターの運営費、ミャンマー工場の人件費は、売上が減っても減りません。この記事では、強みと弱みが同じ1つの構造から出ていることを、決算の数字で何度か確かめます。

項目内容
決算期5月(第1四半期=6〜8月、第2四半期=9〜11月、第3四半期=12〜2月、第4四半期=3〜5月)
売上の構成(2027年5月期第1四半期)グラシア32.0%、シネマクラブ24.8%、コルザ25.1%、雑貨15.5%(補足資料)
店舗数859店(2026年8月末。第1四半期は出店5・退店10)
EC売上比率12.6%(2026年5月期、説明資料)
潜在株式なし(有価証券報告書で「潜在株式が存在しない」と明記)
自己株式22,223株(発行済の0.08%)
株主優待あり(5節・7節で詳述)

証券情報サイトのEPSやPERは、潜在株式がゼロで自己株式も0.08%しかないため、この会社ではそのまま使えます。

5期の業績推移

期(決算年月)売上高(百万円)経常利益(百万円)純利益(百万円)EPS(円)ROE自己資本比率配当(円)
第44期(2022年5月)47,6955,0573,255116.808.9%81.1%35
第45期(2023年5月)54,8888,0215,336191.5113.6%81.3%50
第46期(2024年5月)56,5717,2814,876175.0111.4%84.8%55
第47期(2025年5月)57,7015,9893,732133.928.3%84.4%55
第48期(2026年5月)56,1824,8572,845102.086.1%85.2%55

出典は有価証券報告書の連結経営指標等です。この表のポイントは2つです。売上高は5期で1.2倍近くになったのに、経常利益は第45期をピークに3期連続で減っています。そして配当は55円のまま動いていないため、EPSが下がった分だけ、配当が利益に占める割合が上がっています。

用語メモ:有価証券報告書には「連結」と「提出会社(単体)」の2種類の経営指標が載っています。単体の配当性向は第47期36.1%・第48期39.6%と書かれていますが、これは単体の利益(第48期3,872百万円)で割った数字です。連結の利益で割ると、第48期の配当性向は53.9%(55円÷102.08円)になります。会社の配当方針は「連結配当性向」なので、本記事では連結の数字を使います。

会社予想の達成履歴

決算の読み方を決める前提として、会社予想が過去にどう動いたかを並べます。

期期初予想(営業利益)修正の開示日修正後予想第3四半期での扱い実績達成率
2025年5月期未取得2025年1月8日(修正ありと記載。内容は原文未読)7,400百万円2025年3月27日に据え置き5,906百万円修正後予想比79.8%
2026年5月期6,200百万円2026年1月7日(中間決算と同日)5,600百万円2026年3月26日に据え置き4,619百万円期初比74.5%、修正後比82.5%
2027年5月期4,000百万円(2026年7月7日)——第1四半期(2026年9月29日)は据え置き進行中第1四半期の進捗14.8%

出典は各期の決算短信と、株探ニュースの見出し(2026年1月の下方修正)です。2期続けて、1月の中間決算のタイミングで予想が動き、その後の3月の第3四半期では動かさず、7月の通期決算で実績が修正後予想の8割前後に着地しています。3月に据え置いた時点の数字を計算し直すと、その意味が見えてきます(3節で扱います)。

中期経営計画

2026年7月7日に「中期経営計画(見直し)」が公表されています。有価証券報告書には、2028年5月期を最終年度とする目標として、売上高580億円、営業利益46億円、営業利益率7.9%、ROE5.7%、EC売上比率13.1%が書かれています。

この数字を、今期の会社予想と、2026年5月期の実績に並べてみます。

項目2026年5月期(実績)2027年5月期(会社予想)2028年5月期(中計目標)予想→目標の必要成長率
売上高56,182百万円56,500百万円58,000百万円+2.7%
営業利益4,619百万円4,000百万円4,600百万円+15.0%
営業利益率8.2%7.1%7.9%+0.9pt

中計の最終年度の営業利益46億円は、すでに2026年5月期に達成した水準(46.2億円)とほぼ同じです。今期予想の40億円から、2028年5月期に46億円へ戻す計画、と読むこともできますし、目標そのものが低く設定し直されたと読むこともできます。見直し前の目標値との比較は、資料原文を確認できていないため本記事では扱いません。

2. 6〜8月期の決算ハイライト

2026年9月29日に発表された、2027年5月期第1四半期(2026年6月〜8月)の連結決算です。

項目今期1Q(百万円)前年1Q(百万円)増減率
売上高12,96813,899△6.7%
売上総利益7,6398,284△7.8%
販売費及び一般管理費7,0497,078△0.4%
営業利益5901,205△51.1%
経常利益6931,272△45.5%
親会社株主に帰属する四半期純利益375792△52.6%
1株当たり四半期純利益(円)13.4628.41△52.6%

この表のポイントは2つです。売上高が6.7%減ったのに対し、営業利益は51.1%減と、減少率が約7.6倍になっています。そして、販管費はほとんど動いていません(△0.4%)。

経常利益が営業利益ほど落ちていないのは、営業外の収益が前年の67百万円から103百万円に増えたためです(経常利益−営業利益の差)。

項目2026年8月末2026年5月末
総資産56,277百万円57,607百万円
純資産48,489百万円49,087百万円
自己資本比率86.2%85.2%

純資産が598百万円減ったのは、期末配当(836百万円)の支払いなどによるものです(49,087+包括利益238−配当836=48,489で一致)。第1四半期は、キャッシュ・フロー計算書が作成されていません。

用語メモ:前年同期の営業利益は、当時の第1四半期短信では1,206百万円、今期の短信の前年同期欄では1,205百万円です。1百万円の差は表記のずれで、本記事では今期の短信に合わせて1,205百万円とします。

会社が挙げている減益の理由は、物価上昇による節約志向、天候不順(台風・大雨)、円安による仕入原価の上昇の3つです。既存店の実績は、売上が前年比93.5%、客数が92.0%、客単価が101.7%(補足資料)で、客数の減少が主因です。

3. 深掘り①:営業利益が半分になった3か月

ここからの3つの章(3〜5節)は、ひとつの問いに答える形でつながっています。

「今期の営業利益4,000百万円は、届く数字なのか」

この問いに答えるために、まず9つの四半期を並べて、今回の6〜8月期が「普段と比べてどれだけ悪いのか」を確認します(本節)。次に、通期予想が何を前提に置いているかを分解し(4節)、最後に会社予想の過去の当たり外れを見ます(5節)。

9四半期の推移

四半期売上高(百万円)営業利益(百万円)営業利益率
2025年5月期 第1四半期(6〜8月)14,3081,2338.6%
同 第2四半期(9〜11月)15,1802,06213.6%
同 第3四半期(12〜2月)11,979△94△0.8%
同 第4四半期(3〜5月)16,2342,70516.7%
2026年5月期 第1四半期13,8991,2058.7%
同 第2四半期15,0061,52810.2%
同 第3四半期11,402△505△4.4%
同 第4四半期15,8732,39015.1%
2027年5月期 第1四半期12,9685904.5%

出典は各四半期の決算短信の累計値を、筆者が差し引いたものです(2026年5月期は決算説明資料の四半期表とも一致しました)。検算として、2026年5月期の4四半期を合計すると売上高56,180百万円・営業利益4,618百万円で、通期の開示値(56,182百万円・4,619百万円)と、百万円単位の丸めの範囲で一致します。2025年5月期も、合計で売上高57,701百万円・営業利益5,906百万円になります。

この表のポイントは3つです。

  • 第1四半期の営業利益率は、過去2期(8.6%、8.7%)はほぼ同じで、今期だけが4.5%と半分近くに落ちています。「6〜8月は毎年弱い」という季節性では説明できない落ち込みです
  • 第3四半期(12〜2月)は毎年赤字で、この会社の利益は第2四半期と第4四半期に集中しています。第1四半期の4倍が通期、という計算は成り立ちません
  • 2026年5月期は、第2四半期の営業利益が前年比25.9%減(2,062→1,528百万円)と、第1四半期(△2.3%)よりも大きく崩れています。売上の減少は1.1%にとどまっています

減少額615百万円の分解

営業利益の減少額(△615百万円)を、売上の減少による粗利の減少、粗利率の低下、販管費の変化に分けます。

要因金額(百万円)式
売上減少による粗利の減少(数量効果)△555(12,968−13,899)×前年粗利率59.6%
粗利率の低下による粗利の減少(率効果)△9012,968×(58.9%−59.6%)
粗利の減少の合計△6457,639−8,284
販管費の減少+297,049−7,078
営業利益の減少△616実際の減少額△615と丸め誤差内で一致

粗利の減少のうち約86%は売上が減ったこと(数量効果)で、粗利率の低下(率効果)は約14%です。会社が理由に挙げた円安による原価上昇は、この分解では、影響は小さい側にあります。一方、販管費は前年とほぼ同じ7,049百万円で、売上が6.7%減ったため、販管費率は50.9%から54.4%へ3.4ポイント上がりました。

売上が動いたときの利益の感応度を、今期第1四半期の数字で置いてみます。これは筆者の試算です。売上が1%(約130百万円)動くと、粗利率58.9%なら粗利は約76百万円動きます。販管費が変わらなければ、この76百万円はそのまま営業利益に効きます。今期第1四半期の営業利益590百万円に対して、約13%にあたります。

ここで、冒頭の例えを回収します。企画・生産・物流・店舗を自社で持つSPAは、粗利率という「取り分」を高く保てる代わりに、売上の変動をそのまま利益で受ける構造をしています。

4. 深掘り②:通期予想は「第2〜第4四半期を前年並み」で置かれている

前節で見た「営業利益が半分」の状態から、通期予想の4,000百万円までは、どこまで戻す必要があるのでしょうか。会社が置いた前提を、開示された数字から逆算します。

残り期間の含み

項目2027年5月期の会社予想(通期−第1四半期実績)2026年5月期の同期間実績差
第2〜第4四半期の売上高43,532百万円42,281百万円+3.0%
第2〜第4四半期の営業利益3,410百万円3,414百万円△0.1%
同期間の営業利益率7.83%8.07%△0.24pt

2027年5月期の通期予想は、営業利益が4,000百万円です。第1四半期の実績が590百万円ですので、残りの3四半期に求められるのは3,410百万円です。これは、前年の同じ3四半期の実績(3,414百万円)と、ほぼ完全に一致します。つまり会社予想は、「第1四半期の落ち込みは第1四半期で終わり、残りは前年と同じ利益を稼ぐ」という形をしています。売上は前年より3.0%増える前提です。

もうひとつ、第2四半期の累計予想からも逆算できます。

項目予想(累計−第1四半期)前年同期(2026年5月期の第2四半期単独)差
第2四半期単独の売上高15,732百万円15,006百万円+4.8%
第2四半期単独の営業利益1,610百万円1,528百万円+5.4%
営業利益率10.2%10.2%同水準

第1四半期の売上が前年比△6.7%だったのに、第2四半期の単独では+4.8%になる前提です。営業利益率は前年と同じ10.2%を置いています。

第2四半期の感応度

第2四半期の売上が前年からどれだけ動くかで、累計の営業利益がどう変わるかを、筆者が試算しました。前提は、粗利率が前年第2四半期(58.05%)から第1四半期と同じ0.7ポイント低下すること、販管費が前年第2四半期(7,183百万円)から第1四半期と同じ0.4%減ること、の2つです。会社が開示した前提ではありません。

第2四半期の売上の前年比第2四半期の営業利益上期累計の営業利益会社予想2,200との差
△6.7%(第1四半期と同じ落ち幅)約876百万円約1,466百万円△734百万円
△3.0%約1,195百万円約1,785百万円△415百万円
0.0%(前年並み)約1,453百万円約2,043百万円△157百万円
+4.8%(会社予想が置いた売上)約1,866百万円約2,456百万円+256百万円

この表のポイントは2つです。第1に、第2四半期の売上が前年並みであっても、上期累計は会社予想に約157百万円届かない計算になります。第2に、売上が+4.8%になれば予想を上回りますが、その場合は粗利率と販管費の前提が、この試算より良くなっていることになります。この表は予測ではなく、「会社予想がどの位置に置かれているか」を測るための物差しです。

なお、8月の月次データ(会社IRサイト)では、全店の売上が前年比95.1%、既存店が95.7%で、6〜8月累計(全店93.3%・既存店93.5%)より改善しています。月次の推移は、9月分が10月初旬に更新される見込みで、会社予想の位置を確認する材料になります。

参考:第1四半期の進捗を過去に当てはめる

第1四半期の営業利益が通期の実績に占めた割合は、2026年5月期が26.1%(1,205÷4,619)、2025年5月期が20.9%(1,233÷5,906)でした。この割合を今期の590百万円に機械的に当てはめると、通期は約2,260〜2,830百万円になります。会社予想の4,000百万円は、第1四半期の進捗が14.8%にとどまっており、過去2期のどちらよりも低い進捗率で置かれています。これは、後半に利益が偏る形を織り込んだ予想とも読めますし、過去2期とは季節性の形が変わる想定とも読めます。この当てはめは予想ではなく、比較のための計算です。

5. 深掘り③:据え置きは「情報を持たない」ことがある

3節・4節の問いの最後の段階として、会社が過去に予想を据え置いた場面を確認します。

期第3四半期時点の会社予想第3四半期累計の営業利益予想達成に必要な第4四半期前年の第4四半期必要な前年比実際の第4四半期
2025年5月期7,400百万円(据え置き)3,201百万円4,199百万円約3,052百万円約+37.6%2,705百万円(約△11.4%)
2026年5月期5,600百万円(据え置き)2,228百万円3,372百万円2,705百万円+24.7%2,390百万円(△11.6%)

2025年5月期の前年第4四半期(約3,052百万円)は、通期の営業利益が前期比15.3%減の5,906百万円であることから逆算した概算です。

2期続けて、3月に予想を据え置いた時点で、第4四半期には前年比で2〜4割近い増益が必要な計算になっていました。実際の第4四半期は、どちらの年も前年比で約1割の減益でした。ここから、「据え置き」は会社が予想の達成に自信を持っていることを意味するとは限らないこと、そして、第3四半期までの累計から「残り期間に必要な前年比」を計算すれば、据え置きの重みを確認できることが分かります。

今期の会社予想は、第1四半期で据え置かれました。第2〜第4四半期の利益は前年並み、という置き方は、過去2期の第4四半期が前年を下回った実績と並べて見る必要があります。

なお、2026年5月期の決算説明資料には、予想(1月時点で営業利益5,600百万円)に対する実績(4,619百万円)の差の理由として、客数回復の遅れ、夏の長期化・春秋の短期化への商品対応不足と春物在庫の調整、粗利率の低下(円安と在庫調整)が挙げられています。

6. セグメントと個別の論点

ミャンマー子会社のセグメント化

今期から、ミャンマー現地法人(Honeys Garment Industry Limited)が報告セグメントとして開示されるようになりました。第1四半期の短信によると、ミャンマーセグメントの売上高は520百万円(前年同期比△15.8%)、営業損益は198百万円の損失(前年同期は52百万円の利益)です。ただし、セグメント間取引の消去があり、この数字はそのまま連結営業利益の増減には直結しません。

冒頭の例えに戻ると、自社工場を持つことは、原価を抑える強みであると同時に、現地の人件費や物価、燃料費といった費用を自分で持つことでもあります。ミャンマー子会社について会社は、給与の見直しによる人件費の増加と現地の物価高(特にボイラー燃料)を、2026年5月期の説明資料で挙げています。

店舗と設備投資

2026年5月期の実績は、出店22店・退店30店・改装27店で、期末店舗数は864店でした。2027年5月期の計画は、出店20店・退店30店・改装30店で、設備投資は約20億円(基幹システムの更新を含む)、減価償却費は約14.5億円と説明資料に記載されています(いずれも筆者が説明資料の記載を確認したもので、原文の再確認を要確認箇所に入れています)。

減損損失

2026年5月期には、減損損失452百万円を含む特別損失516百万円が計上されています。今期の第1四半期も、日本セグメントで49百万円の減損損失が出ています。スクラップアンドビルドの過程で、収益性の低い店舗の損失が一部の期に集中して出る構造です。

7. 資本政策・株主還元

配当方針と、実際の配当

有価証券報告書には、次の記載があります。

「配当につきましては、連結配当性向35%、DOE3%程度を目安としております。」

この目安を、今期の数字に当てはめます。

基準計算1株配当の目安
連結配当性向35%会社予想EPS89.67円×35%31.4円
DOE3%2026年5月期末の1株純資産1,760.81円×3%52.8円
実際の配当予想中間25円+期末30円55円

実際の配当55円は、配当性向で計算した31.4円を大きく上回り、DOEで計算した52.8円の少し上に位置します。会社予想の純利益で計算した今期の配当性向は61.3%(55円÷89.67円)、DOEは3.12%です。配当が「配当性向35%」ではなく、DOEの水準で下支えされていることが、数字から読み取れます。

期1株配当(円)連結EPS(円)連結配当性向配当÷期末1株純資産(DOE相当)
第44期35116.8030.0%2.58%
第45期50191.5126.1%3.42%
第46期55175.0131.4%3.42%
第47期55133.9241.1%3.43%
第48期55102.0853.9%3.12%
第49期(予想)5589.6761.3%3.12%

配当を55円で維持するためには、利益が下がる局面でも、DOE3%程度という「純資産に対する水準」が効いていると読めます。ただし、これは筆者の読み方で、会社が配当の下限をDOEで決めていると明言しているわけではありません。

配当総額も、自分で再現できます。中間配当(2026年1月7日決議)は696百万円、期末配当(2026年7月21日決議)は836百万円、合計1,532百万円です。期中平均株式数27,877,777株×55円=1,533百万円で、開示と一致します。配当の決定機関は、会社法第459条に基づく取締役会です。基準日は11月30日と5月31日の年2回です。

財務は厚く、2026年5月末の現金及び預金は15,113百万円、自己資本比率は85.2%です。2026年5月期の営業キャッシュ・フロー4,660百万円から投資キャッシュ・フロー1,419百万円を引いた3,240百万円に対し、配当総額1,533百万円は約47%にあたります。

譲渡制限付株式

2026年8月26日付の「株式募集事項に関する取締役会決議公告」で、次の内容が公告されています。

項目内容
株式の種類・数普通株式2,400株
払込金額1株1,408円(合計3,379,200円)
割当先当社の従業員5名・株式会社ハニーズの従業員19名(金銭債権の現物出資)
払込期日2026年9月11日

1,408円は、決議日(2026年7月21日)の直前の営業日にあたる7月17日の終値(1,408円)と一致します。前年(2025年9月12日に自己株式3,500株を処分)の処分価額は、総額5,026,000円÷3,500株=1株1,436円です。金額はどちらも小さく、株数への影響は発行済の0.01%未満です。今回の公告は、自己株式の処分か新株の発行かが文面からは判別できません。

大株主

有価証券報告書(2026年5月31日現在)の上位10名は次のとおりです。

順位株主所有株式数(千株)割合(自己株式を除く)
1株式会社E・E・Y9,32033.43%
2日本マスタートラスト信託銀行(信託口)1,4575.23%
3公益財団法人ハニーズ財団1,0003.59%
4江尻 義久8302.98%
5江尻 英介8262.96%
6江尻 あい子6362.28%
7福山通運株式会社4211.51%
8BNP PARIBAS NEW YORK BRANCH(プライムブローカレッジ口座)3811.37%
9江尻 あゆみ1580.57%
10株式会社日本カストディ銀行(信託口)1480.53%
計15,17954.44%

この表のポイントは2つです。最大株主の株式会社E・E・Yが33.43%と、3分の1(33.33%)をわずかに上回っています。議決権ベース(議決権の数276,452個に対する9,320,000株)では約33.7%です。3分の1超は、特別決議(3分の2以上の賛成が必要)を単独で否決できる水準です。もうひとつは、個人株主が59,296人(総株主数59,733人の99%超)と、株主の大半が個人であることです。

同じ「江尻」姓の個人4名の合計は8.79%です。この表に載った名前どうしの関係(株式会社E・E・Yとの関係を含む)は、筆者が開示から確認できていません。関係が明らかでないため、これらを合算した比率は本記事では使いません。

株主優待

2026年5月期の有価証券報告書(株式事務の概要)に、株主優待の記載があります。

保有株式数優待券の額面1株当たり
100株以上300株未満3,000円分(500円券・6枚)30.0円
300株以上500株未満5,000円分(500円券・10枚)16.7円
500株以上1,000株未満7,000円分(500円券・14枚)14.0円
1,000株以上10,000円分(500円券・20枚)10.0円

優待券は商品お買上時に使えるものです。この表のポイントは2つです。額面は保有株数に比例して増えず、1株当たりの優待額は100株の30円から1,000株の10円へ、下位の区分ほど大きい設計です。また、200株持っても優待券は100株と同じ3,000円分(1株当たり15円)で、区分の境目のすぐ下では、100株多く持っても優待の額が増えません。

対象は、毎年5月末日の株主名簿に1単元(100株)以上で記載されている株主のうち、「1年以上継続保有」の株主です。有価証券報告書は、1年以上の継続保有を「毎年5月末日とその前年の5月末日及び11月末日のすべての基準日において、同一の株主番号で1単元以上の保有が記録されていること」と定義しています。この文言の読み方は、次のとおりです(筆者の読みで、細部は会社IRへの確認を要します)。

基準日権利付き最終日(T+2で逆算)
2026年11月30日(月)2026年11月26日(木)
2027年5月31日(月)2027年5月27日(木)

いま買って2026年11月30日の名簿に載った場合、優待の対象になりうる最初の基準日は2027年5月31日です。「1年以上」という言葉は、実際には、連続3回の基準日を意味します。

株価が1,408円(7月17日終値)のとき、100株の名目利回りは次のとおりです。配当5,500円(55円×100株)に優待3,000円分を足すと8,500円で、投資額140,800円に対して約6.0%です(優待券は商品購入にしか使えないため、名目の数字です)。優待だけでは約2.1%です。

8. 株価の見方

株価の基準点

Yahoo!ファイナンスの株価時系列(2026年9月29日終値までを取得)は次のとおりです。

項目値
2026年9月29日の終値1,401円(前日比△1.27%)
同日の夜間PTS(21:28時点)1,379円(東証終値比△1.57%)
年初来高値1,542円(2026年2月27日)
年初来安値1,315円(2026年6月2日)
決算発表(2026年7月7日15:30)の翌営業日1,385円(前営業日比△2.2%)、出来高215,400株(直近の平均約62,600株の約3.4倍)

決算の発表(15:30)は東証の取引終了と同時刻のため、第1四半期の株価の反応は、9月29日の終値には含まれていません。夜間PTSの1,379円が、発表直後の値動きの目安になります。9月30日の東証の終値は、この記事の作成時点では取得できていません。

有価証券報告書の株価収益率(14.0倍)と1株利益(102.08円)から逆算した2026年5月末の株価は、約1,429円です(筆者の逆算)。第48期の最高・最低は1,601円・1,429円でした。株主総利回り(5年)は168%で、比較指標である配当込みTOPIXの232%を下回っています。

指標

指標計算(株価1,401円、2026年9月29日終値)値
予想PER1,401÷会社予想EPS89.67円15.6倍
実績PER1,401÷102.08円13.7倍
PBR1,401÷第1四半期末の1株純資産(約1,739円)0.81倍
配当利回り(予想)55円÷1,401円3.9%
時価総額1,401円×27,877,777株約391億円

これらの指標は、9月29日終値の1,401円を使った筆者の計算で、公開前に直近の終値へ差し替える必要があります。

強気の見方と弱気の見方

強気の材料として挙げられるのは、次のような点です。自己資本比率が86.2%、現金及び預金が約151億円と、財務が厚いこと。配当が、DOE3%程度という純資産に連動した水準で下支えされていること。8月の月次売上が既存店で前年比95.7%と、第1四半期の平均(93.5%)から改善していること。第1四半期の減益のうち、粗利率の低下の寄与は約14%にとどまり、売上が戻れば利益が同じ構造で戻る側面があること。

弱気の材料として挙げられるのは、次のような点です。営業利益が第1四半期で半分になった一方、通期予想は第2〜第4四半期を「前年並み」と置いていること。第2四半期の売上に、前年比+4.8%という前提が含まれていること。2期続けて、3月に据え置いた予想が7月の実績で届かなかったこと。配当性向が、2026年5月期の53.9%から、今期予想で61.3%に上がる見込みであること。円安による仕入原価の上昇が、会社が想定するレート(説明資料の記載は1米ドル=158〜162円)の範囲で続く場合、粗利率の下押しが続きうること。

9. 今後のカレンダーと見るべきKPI

時期イベント見るべき点
2026年10月初旬(見込み)9月度の月次データ更新第2四半期の最初の月の既存店売上。前年並みか、+4.8%の前提に近づくか
2026年11月ごろ10月度・11月度の月次データ更新第2四半期の売上の前年比
2026年11月26日(木)中間配当の権利付き最終日基準日は11月30日(月)。中間配当25円
2027年1月上旬(例年)中間決算の発表上期累計の営業利益2,200百万円に対する実績。第2四半期単独の営業利益率10.2%
2027年5月27日(木)期末配当と優待の権利付き最終日基準日は5月31日(月)

中間決算の発表日は、前年が2026年1月7日、前々年が2025年1月8日でした。今年も1月上旬になると見込まれます(推定で、会社の発表を確認していません)。

10. 3行まとめ

  1. 6〜8月期は、売上6.7%減に対して営業利益が51.1%減。販管費がほぼ動かない構造のため、粗利の減少615百万円がほぼそのまま利益の減少になりました。
  2. 通期予想の営業利益4,000百万円は、第2〜第4四半期を前年とほぼ同じ利益(3,410百万円 vs 3,414百万円)と置いた形で、第2四半期の売上に前年比+4.8%を要求します。過去2期は、3月に据え置いた予想が、7月の実績で届いていません。
  3. 配当は年55円で、DOE3%程度の水準に張り付いています。株主優待は5月末・100株以上で3,000〜10,000円分。最大株主の持分は33.43%です。

要確認箇所(公開前に差し替え・確認するもの)

  • 株価・PER・利回りは2026年9月29日終値(1,401円)で計算しています。公開日の直近終値に差し替えてください。9月30日の値動き(第1四半期発表後の初の取引日)は取得できていません
  • 第1四半期の売上総利益・販管費・粗利率・既存店実績・ミャンマーセグメントの数値は、決算短信と補足資料のPDFから、ツールによる抽出テキストで取得しました。決算短信の主要表(売上・営業利益・経常利益・純利益・予想・配当・株式数)は、英語版短信で符号と数値を確認できています。それ以外は原文PDFとの突き合わせが済んでいません
  • 2025年5月期の四半期数値は、各期の短信の前年同期欄から差し引いたものです。2025年5月期の中間決算短信は、ツールの抽出で増減率の符号が確定できず、売上高・営業利益の金額(29,488百万円・3,295百万円)のみを使用しています
  • 2025年5月期の期初予想と、2025年1月の修正の内容は確認できていません
  • 「中期経営計画(見直し)」の資料原文を読めていないため、見直し前の目標との比較は載せていません。有価証券報告書に記載された最終年度の目標のみ使用しています
  • 想定為替レート(1米ドル=158〜162円)、設備投資約20億円、店舗計画は決算説明資料の抽出テキストによるもので、原文での再確認が必要です
  • 株式会社E・E・Yと、上位株主に並ぶ個人株主との関係は確認していません
  • 優待の「1年以上継続保有」の判定の読み方は、有価証券報告書の文言に対する筆者の解釈です。会社IRのFAQで確認してください
  • 決算発表当日の夜間PTSの値(1,379円)は、Yahoo!ファイナンスの表示によるものです

免責

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資勧誘・助言を目的とするものではありません。数値の出典は、決算短信、決算補足資料、決算説明資料、有価証券報告書(EDINET)、会社IRサイトの月次データ、Yahoo!ファイナンスの株価時系列です。筆者が推計・逆算した数値には「筆者の試算」「概算」等を付しています。本記事で踏み込まなかった論点として、決算説明会の質疑応答(第1四半期について、筆者は説明会の内容を一切反映していません)、「中期経営計画(見直し)」の資料原文の内容、2025年5月期の期初予想と修正の内容、E・E・Yの資本関係、借入金・有利子負債の状況があります。また、決算補足資料・短信の一部数値はツールによる抽出テキストに基づいており、原文PDFとの突き合わせが完了していない箇所があります(上記「要確認箇所」を参照)。

記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。

-株式投資
-, , ,