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【2026年10月発表・中間決算】ハンワホームズ(275A)上期は営業赤字、それでも通期予想を据え置いた会社予想は下期に何を置いているのか?

本記事は2026年10月時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • ハンワホームズの上期(2026年2月21日〜8月20日)は営業損失1,987万円。前年上期(単体)の営業利益1億0,351万円から1億2,339万円悪化した。その悪化のほとんどは、5月21日〜8月20日の3か月(第2四半期)に集中していること
  • 前年上期との比較で、売上総利益の減少は約1,800万円にとどまり、悪化の大半は販売費及び一般管理費の増加(約1億0,500万円)から来ていること。決算説明資料の増減率は当期の数字を分母に計算されており、販管費の増加率は「23.8%」ではなく前年比31.2%になること
  • 会社は通期予想(営業利益7,953万円)を据え置いた。上期の赤字を前提にすると、下期に営業利益9,940万円が必要になる。前期(単体)の下期は1,156万円、前々期の下期は△2,143万円で、直近2年は「上期に稼いで下期に落ちる」形だったこと
  • 法人案件の代金は工事の進み具合に応じて売上に計上される一方、現金の回収は後になる。売掛金・完成工事未収入金・契約資産の合計は7億7,804万円、営業キャッシュ・フローは2期続けて上期に赤字で、有利子負債は約10億円まで増えていること
  • 創業家の2名で議決権の82.02%を持つ。流通する株は約18%で、売買が成立しない日もある銘柄であること。無配・株主優待なし

1. 前提知識:ハンワホームズはどんな会社か

1-1. 軸となる例え:「庭と屋外空間の段取り役に、輸入家具の店を併設した会社」

家を建てた人が、門柱や駐車場、フェンスや植栽をどうするかを考える場面を思い浮かべてください。家そのものはハウスメーカーが建てますが、家の外側(外構)は別の業者が図面を描き、職人を手配し、材料をそろえて仕上げることが多い仕事です。

ハンワホームズ(本社:大阪府泉南市)は、この「外側の空間」の図面を描き、職人を手配し、工事を仕切る段取り役を本業にしてきた会社です。実際に手を動かす職人の多くは外部の協力会社で、事業計画資料によると登録工事業者は106社(2026年2月時点)です。有価証券報告書の事業等のリスクでも、施工の大部分を請負業者に頼っており「依存度は非常に高い」と会社自身が書いています。

この段取り役の店先に、もう一つの看板が掛かっています。海外から屋外家具・植木鉢・照明などを直接仕入れて売る「DEPOS(デポス)」です。楽天やAmazonなどのECモールで個人に売るだけでなく、ホテルやカフェ、商業施設の屋外空間を作る法人案件で、工事と家具をまとめて納める使い方が増えています。

この例えで説明できることは、強みと弱みの両方にわたります。

  • 強み:図面・工事・家具をまとめて引き受けられるので、法人の大型案件で1件あたりの単価を上げやすい
  • 弱み①:手を動かす職人と資材の値段は、段取り役が自分で決められない。建設コストが上がれば、価格に転嫁できるまでの間、利益率が削られる
  • 弱み②:段取り役は、お客さんから代金をもらう前に職人へ支払う。大きな仕事ほど立て替えが膨らみ、借入が必要になる
  • 弱み③:家具の店は、海外から仕入れるので在庫と為替を抱える

さらに今期から、この段取り役は「公園の店主」にもなろうとしています。大阪府の「りんくう公園(中地区)」のPark-PFI事業(公園の一部を民間が整備し、収益施設を運営する制度)で、施設の企画・設計・施工から開業後の運営までを担う子会社を設立しました。2027年4月の開業が目標です。

この例えは、記事の後半で「上期の赤字はどこから来たか」「なぜ営業キャッシュ・フローが赤字なのか」「売上が特定の大口顧客に寄っていること」「公園事業の資金」の説明に何度か使います。

用語メモ:外構(がいこう)とは、建物の外側にある門・塀・駐車場・アプローチ・庭などの総称です。ハンワホームズはこれを住宅に限らず、商業施設・ホテル・公園などの「屋外空間」全体に広げて「空間創造事業」と呼んでいます。

1-2. 事業構造(2027年2月期 上期)

セグメント中身上期売上高上期セグメント損益売上総利益率
空間創造事業住宅外構・法人施設・公共空間の設計施工(段取り役)7億0,549万円△2,178万円23.0%
DEPOS事業屋外家具・ガーデン資材の輸入販売(家具の店)4億8,939万円612万円47.7%
不動産事業子会社ブレイントラストの建築コンサル・不動産仲介2,736万円60万円99.4%
調整額全社費用など-△481万円-
連結12億2,225万円営業損失1,987万円34.6%

出所:2026年10月2日発表の中間決算短信。売上総利益率は損益計算書の「完成工事総利益」「商品売上総利益」「不動産事業売上総利益」を各売上高で割った筆者の計算です。

この表のポイントは2つです。

1つ目は、売上の6割近くを占める空間創造事業が赤字で、売上の4割のDEPOS事業と小さな不動産事業がわずかな黒字という構図です。前期まではこれが逆で、空間創造事業が利益のほぼすべてを稼ぎ、DEPOS事業は赤字でした。

2つ目は、**不動産事業の売上総利益率が99.4%**であることです。売上原価がほぼゼロ(15万円)なのは、売上の中身が仲介手数料やコンサルティング料だからです。会社が子会社化の目的に掲げた「遊休不動産の買取再販事業」(物件を買って直して売る事業)は、売上原価に物件の仕入れ値が乗るはずなので、上期の数字を見る限り、まだ本格的には始まっていないと読めます。

用語メモ:株主優待:制度なし(有価証券報告書の「株主に対する特典」欄は「該当事項はありません」)。配当:創業以来無配で、今期も無配予想です。

1-3. 直近の業績推移(前期までは単体)

決算期売上高営業利益経常利益純利益1株利益自己資本比率
2024年2月期16億26百万円△97百万円△73百万円△49百万円△24.87円-
2025年2月期18億65百万円19百万円17百万円12百万円6.09円6.0%
2026年2月期23億77百万円1億15百万円1億03百万円68百万円32.54円17.1%
2027年2月期 予想(連結)25億92百万円79百万円75百万円39百万円16.33円-

出所:各期の決算短信、2025年10月9日の「募集株式発行及び株式売出しに関する取締役会決議のお知らせ」(2024年2月期の1株利益)。1株利益は2024年7月の1→1,000株、2025年6月の1→10株の株式分割を反映した値です。今期の予想は連結(子会社2社を含む)、前期までは単体なので、厳密には同じ物差しではありません。

この表で押さえておきたいのは、前期の大幅増益は、上期だけで稼いだ利益だったことです。前期の営業利益1億1,508万円のうち、上期が1億0,351万円、下期は1,156万円でした。これは第3章で詳しく見ます。

1-4. 会社予想の達成履歴

決算期期初予想(営業利益)修正(開示日)実績期初予想比修正後予想比
2025年2月期22百万円(2024年12月の第3四半期決算時点で確認できた予想)なし19百万円△13.6%-
2026年2月期64百万円(2025年4月4日)124百万円(2025年9月5日・期中)115百万円+79.8%△7.7%
2027年2月期79百万円(2026年4月2日・連結)中間決算時点で据え置き(2026年10月2日)---

出所:各期の決算短信、2025年9月5日「通期業績予想の修正に関するお知らせ」。2025年2月期は、当時TOKYO PRO Market上場で期初予想を開示資料で確認できていません。

この表のポイントは、前期は上期決算の直後(9月5日)に予想を大きく上方修正し、最終的にはその修正後予想に届かなかったことです。売上高は修正後予想を4.0%上回りましたが、営業利益は7.7%下回りました。

この修正は、上期(2025年8月20日まで)の実績1億0,351万円が出た後に行われています。修正後の通期予想1億2,474万円から上期実績を引くと、予想が下期に置いていた営業利益は2,122万円です。実際の下期は1,156万円で、置いていた額の54.5%でした(筆者の計算)。

今期はこの逆で、上期が赤字のまま通期予想を据え置いています。「予想が下期に置いているもの」は第3章で見ます。

1-5. 上場の経緯

ハンワホームズは2024年11月14日に東京証券取引所のTOKYO PRO Market(プロ投資家向け市場)に上場し、2025年11月17日に名古屋証券取引所ネクスト市場へ移りました。名証への上場時に公募で38万株、オーバーアロットメント(下の用語メモ)に関連した第三者割当で5万7,000株を発行しています。

項目内容
発行価格(公開価格)270円
引受価額(会社に入る1株あたりの金額)248.40円
公募株数/第三者割当株数380,000株/57,000株
会社の手取り(概算)公募8,839万円+第三者割当1,416万円
資金使途全額を、りんくう公園の事業子会社への公園施設開発工事の融資資金の一部に充当予定(2026年4月〜2027年3月支出予定)
初値298円(報道ベース。公開価格比+10.4%)

出所:有価証券報告書、2025年10月9日・12月12日の適時開示。初値は報道ベースです。

用語メモ:オーバーアロットメントとは、上場時に需要が多い場合、主幹事証券が大株主から株を借りて追加で売り出す仕組みです。借りた株を返すため、会社が主幹事証券に新株を発行することがあり、ハンワホームズでは社長の鶴厚志氏から借りた5万7,000株について、2025年12月に同数の第三者割当(払込は1株248.40円)が行われました。


2. 決算ハイライト(2026年10月2日 15時30分発表)

2-1. 損益

科目今期上期(連結)前期上期(単体・参考)増減
売上高12億2,225万円12億0,138万円+2,087万円(+1.7%)
売上原価7億9,952万円7億6,060万円+3,892万円(+5.1%)
売上総利益4億2,273万円4億4,078万円△1,804万円(△4.1%)
売上総利益率34.6%36.7%△2.1pt
販売費及び一般管理費4億4,261万円3億3,726万円+1億0,534万円(+31.2%)
営業利益△1,987万円1億0,351万円△1億2,339万円
経常利益△2,776万円9,559万円△1億2,336万円
親会社株主に帰属する中間純利益△1,763万円6,388万円△8,152万円
1株当たり中間純利益△7.24円31.94円-

出所:今期は中間決算短信、前期は2025年10月1日発表の前期中間決算短信(単体)。増減率は前期を分母にした筆者の計算です(理由は2-2)。

今期から連結決算に移ったため、短信の表紙には前年同期の数字も増減率も載っていません。会社は決算説明資料で、前期の単体の数字を「参考値」として並べています。この記事でも同じ並べ方をしますが、今期には子会社2社(売上・費用とも)が入っており、前期には入っていないことを前提に読んでください。

用語メモ:連結決算とは、親会社と子会社を1つの会社とみなして作る決算です。ハンワホームズは今期から、りんくう公園の事業会社(ブリッジパークプロジェクトグループ、出資51%)と、不動産の子会社(ブレイントラスト、70%)を連結しています。子会社の持分のうち他の株主の取り分は「非支配株主に帰属する利益」として最後に差し引かれます。

2-2. 決算説明資料の増減率は「当期」を分母にしている

決算説明資料の損益表とセグメント表に載っている増減率を、短信の数字から計算し直すと、次のようになります。

項目増減額説明資料の増減率前期を分母にした増減率当期を分母にした増減率
売上原価+3,892万円4.9%+5.1%4.9%
売上総利益△1,804万円△4.3%△4.1%△4.3%
販売費及び一般管理費+1億0,534万円23.8%+31.2%23.8%
空間創造事業の売上高△7,223万円△10.2%△9.3%△10.2%
DEPOS事業の売上高+6,574万円13.4%+15.5%13.4%

出所:決算説明資料(2026年10月2日)、中間決算短信、前期中間決算短信。右2列は筆者の計算。

この表のポイントは、説明資料の増減率はすべて「当期の数字」を分母に計算した値と一致することです。一般的な前年比(前期を分母にする)で見ると、販管費の増加率は23.8%ではなく31.2%、DEPOS事業の伸びは13.4%ではなく15.5%です。増えた項目は小さく、減った項目は大きく見える方向にずれます。会社がどの分母を意図したかは説明されていないので、この記事では前期を分母にした値を使います。

また、説明資料の損益表には今期上期の売上総利益率が「33.1%」と書かれていますが、短信の売上高と売上総利益から計算すると34.6%になります。説明資料のDEPOS事業の欄には「営業利益10,661万円(YoY328.7%)」という記載もありますが、今期・前期のどの数字とも一致しないため、この記事では使っていません。

2-3. 財政状態とキャッシュ・フロー

科目(8月20日時点・連結)金額前期末(2月20日・単体)
現金及び預金1億6,577万円1億8,419万円
売掛金+完成工事未収入金+契約資産7億7,804万円6億5,189万円
商品1億9,524万円1億7,114万円
総資産15億2,946万円13億5,335万円
短期借入金4億0,000万円3億5,000万円
長期借入金(1年内返済分を含む)5億8,406万円4億2,102万円
純資産2億2,036万円2億3,079万円
自己資本比率14.1%17.1%
キャッシュ・フロー(上期)今期(連結)前期(単体)
営業活動△1億8,605万円△1億7,072万円
うち売上債権及び契約資産の増加△1億2,615万円△2億3,894万円
投資活動△3,886万円△893万円
財務活動+2億0,019万円+1億2,507万円

出所:中間決算短信、前期決算短信、前期中間決算短信。

この表のポイントは、営業キャッシュ・フローが2期続けて上期に約1.7〜1.9億円の赤字で、その穴を借入で埋めていることです。これは第4章で「段取り役の立て替え」として見ます。

用語メモ:契約資産とは、工事が進んだ分を売上として計上したものの、まだ請求できる段階にない金額です。ハンワホームズの空間創造事業は、工事の進み具合(発生した原価の割合)に応じて売上を計上する方式なので、工事が進むほど契約資産が積み上がり、引き渡し・請求の段階で完成工事未収入金(請求済みの未回収代金)に移ります。売上は先に立ち、現金は後から入ります。

2-4. 会社の説明

短信の業績予想の説明は、第1四半期と同じ「概ね計画通りに順調に推移」という文言で、通期予想に変更はないとしています。一方、決算説明資料では「中間期は建設コスト上昇と成長に向けた費用の先行により営業損失を計上」とし、「下期における収益性の改善を通じ、通期計画の達成を目指す」と書いています。決算説明会は開催されていません。


3. 深掘り①:上期の赤字は、どの3か月で、何によって起きたのか

ここからの3章は、「上期が営業赤字なのに通期予想を据え置いた会社予想は、何を前提にしているのか」という1つの問いを、①上期に起きたこと、②予想が下期に置いていること、③それを支える資金、の3段階で見ていきます。

3-1. 9つの期間に分けて並べる

ハンワホームズは前々期まで四半期ごとの決算を作っていなかったため、前々期は「上期」と「第3四半期」「第4四半期」の3つにしか分けられません。それでも、累計の数字を差し引くと次の9期間が並びます。

期間売上高売上総利益率販管費営業利益営業利益率
2025年2月期 上期9億8,503万円36.4%3億1,769万円4,045万円4.1%
2025年2月期 第3四半期5億0,131万円31.9%1億6,814万円△801万円△1.6%
2025年2月期 第4四半期3億7,961万円35.4%1億4,787万円△1,341万円△3.5%
2026年2月期 第1四半期6億1,273万円36.5%1億6,327万円6,055万円9.9%
2026年2月期 第2四半期5億8,864万円36.9%1億7,399万円4,295万円7.3%
2026年2月期 第3四半期5億7,575万円32.9%1億8,636万円309万円0.5%
2026年2月期 第4四半期6億0,033万円30.8%1億7,616万円847万円1.4%
2027年2月期 第1四半期6億6,297万円34.3%2億0,941万円1,789万円2.7%
2027年2月期 第2四半期5億5,928万円34.9%2億3,319万円△3,777万円△6.8%

出所:各期の決算短信の累計値から筆者が差し引いて算出。前期までは単体、今期は連結です。四半期の区切りは、第1四半期が2月21日〜5月20日、第2四半期が5月21日〜8月20日、第3四半期が8月21日〜11月20日、第4四半期が11月21日〜2月20日です(毎月20日締め)。前期の4四半期の合計は通期の開示値と一致することを確認しています。

この表のポイントは3つです。

1つ目は、今期の第2四半期(5月21日〜8月20日)の営業損失3,777万円が、並べた9期間の中で最も大きい赤字だということです。上期の営業損失1,987万円は、第1四半期の黒字1,789万円を第2四半期の赤字が打ち消した結果です。

2つ目は、第2四半期の売上総利益率34.9%は、第1四半期の34.3%より高いことです。前年同期の36.9%よりは低いものの、前期の第3・第4四半期(32.9%・30.8%)よりは高い水準です。第2四半期の赤字の主因は売上総利益率ではなく、売上の減少と販管費の増加です。売上は第1四半期から1億0,369万円減り、販管費は2,377万円増えて、四半期ごとの値では並べた中で最大の2億3,319万円になりました。

3つ目は、直近2年は、上期に利益が出て下期に落ちる形だったことです。前々期は上期4,045万円に対し下期△2,143万円、前期は上期1億0,351万円に対し下期1,156万円でした。有価証券報告書は、空間創造事業の引き渡しが3月・8月・12月に集中すると書いていますが、売上は工事の進み具合で計上されるので、引き渡しの月がそのまま売上の山になるわけではありません。2年続けて同じ形でしたが、3年分は並べられないため、この記事では「季節性」とは書かず「2年続けて」と書きます。

3-2. 前年上期との差を3つに分ける

前年上期(単体)と比べた営業利益の悪化1億2,339万円を、「売上が増えた効果」「利益率が下がった効果」「販管費が増えた効果」の3つに分けます。

要因金額計算
数量効果(売上の増加)+766万円売上の増加2,087万円×前年の売上総利益率36.7%
率効果(売上総利益率の低下)△2,570万円今期売上12億2,225万円×(34.6%−36.7%)
販管費の増加△1億0,535万円4億4,261万円−3億3,726万円
合計△1億2,339万円実際の営業利益の増減と一致

出所:短信の数字から筆者が計算。四捨五入の関係で各項目の和と合計は1万円程度ずれることがあります。

悪化の85%は販管費の増加です。会社は決算説明資料の営業利益の増減要因で、販管費の増加を「人件費+4,118万円」「販売関連費+4,590万円」「発送配達費+944万円」「広告宣伝費+593万円」「外注費+290万円」に分けています(説明資料の図から筆者が読み取った値。この5項目の合計1億0,535万円は、短信から計算した販管費の増加額と一致します)。

ただし、今期の販管費には子会社2社の費用が入っています。子会社がいくらの販管費を持ち込んだかは開示されていないため、「ハンワホームズ本体の販管費がいくら増えたか」は切り分けられません。会社は「人材採用をはじめとした組織基盤への投資継続など、一時的に費用が先行」と説明していますが、どの費用が一時的なのかの内訳は示していません。

半期報告書の販管費の主な内訳(上期)は、役員報酬6,303万円、給与手当及び賞与9,821万円、荷造運搬費6,170万円、販売手数料2,807万円、減価償却費1,667万円です。第1四半期短信の内訳と差し引くと、第2四半期の3か月だけで役員報酬3,390万円、給与手当及び賞与4,931万円でした。

3-3. セグメントで見ると「段取り役」の赤字

セグメント第1四半期 売上高第1四半期 損益第2四半期 売上高第2四半期 損益
空間創造事業4億2,268万円2,377万円2億8,281万円△4,555万円
DEPOS事業2億3,059万円246万円2億5,879万円365万円
不動産事業969万円△413万円1,767万円473万円
調整額-△420万円-△61万円
連結6億6,297万円1,789万円5億5,928万円△3,777万円

出所:第1四半期決算短信と中間決算短信のセグメント情報から筆者が差し引いて算出。

第2四半期の赤字は、空間創造事業の売上が第1四半期から3分の2に減り、セグメント損失4,556万円になったことでほぼ説明できます。段取り役の事業は、案件が少ない時期でも設計・施工管理の人員と事務所の費用が出ていくので、売上の落ち込みがそのまま赤字になります。

前年上期と比べると、空間創造事業は売上高が△9.3%、完成工事の売上総利益率は29.7%から23.0%へ6.7pt下がりました。完成工事総利益は6,884万円減っています。会社はこれを「建設資材、人件費の上昇による建設原価の増加」と説明しています。例えで言えば、職人と資材の値段は段取り役が決められないという弱みが出た形です。

反対に、DEPOS事業(家具の店)は売上が+15.5%、商品売上総利益は2,358万円増えました。商品の売上総利益率は49.5%から47.7%に下がりましたが、法人案件向けの売上が伸びています。DEPOS事業の法人取引先の累積件数は784件で、1年前(631件)から24.2%増えました(決算説明資料)。

用語メモ:セグメント損益は、各事業に配分した費用までを差し引いた利益です。ハンワホームズでは、どの事業にも配分しない全社費用などが「調整額」として別に差し引かれます。

3-4. 前期の大幅増益を支えた2社

前期の空間創造事業の売上高15億8,068万円のうち、2社の顧客がそれぞれ10%を超えていました(有価証券報告書の「主要な顧客ごとの情報」)。

顧客前期の売上高空間創造事業に占める比率全社売上に占める比率
株式会社タイシステム4億9,272万円31.2%20.7%
カレイドジャパン株式会社3億3,335万円21.1%14.0%
2社合計8億2,608万円52.3%34.7%

前々期に10%を超えていた顧客は積水ハウス(2億0,093万円)1社でした。前期の増収・増益は、少数の法人の大型案件に支えられていたと読めます。

今期の上期に、この2社との取引がどうなっているかは開示されていません(主要な顧客の情報は年1回、有価証券報告書に載ります)。空間創造事業の売上が前年同期比で9.3%減ったことと、この2社との関係を結びつける開示はないため、この記事でも結びつけません。


4. 深掘り②:通期予想は下期に何を置いているのか

前章で見たとおり、上期は第2四半期の赤字で営業損失になりました。それでも会社は通期予想を据え置いています。通期予想から上期の実績を引くと、予想が下期に置いている数字が出ます。

4-1. 予想が置いている下期

科目通期予想上期実績予想が置く下期前期の下期(単体)前々期の下期(単体)
売上高25億9,291万円12億2,225万円13億7,065万円11億7,609万円8億8,093万円
営業利益7,953万円△1,987万円9,940万円1,156万円△2,143万円
営業利益率3.1%△1.6%7.3%1.0%△2.4%
経常利益7,502万円△2,776万円1億0,279万円784万円△1,748万円
親会社株主に帰属する当期純利益3,978万円△1,763万円5,741万円489万円△1,132万円

出所:通期予想は2026年4月2日「連結決算開始に伴う連結業績予想に関するお知らせ」(百万円未満は決算説明資料の万円表示を使用)、実績は各期の短信。下期は筆者の差し引き。

この表のポイントは、予想が下期に置いている営業利益9,940万円は、前期の下期(1,156万円)の約8.6倍で、前期の上期(1億0,351万円)とほぼ同じ水準だということです。売上は前期の下期より16.5%多く、営業利益率は7.3%と、前期の下期(1.0%)から6pt以上の改善を置いています。

言い換えると、直近2年の「上期に稼いで下期に落ちる」形と、ちょうど逆の形を予想が置いているということです。

4-2. 前期の「予想が置いていた下期」と実際

第1章の達成履歴で見たとおり、前期は上期決算の直後に通期予想を上方修正しました。そのとき予想が置いていた下期と、実際の下期を並べます。

時点予想が置いていた下期の営業利益実際の下期達成率
前期(2025年9月5日の修正後予想)2,122万円1,156万円54.5%
今期(2026年10月2日の据え置き)9,940万円--

前期は、上期の実績を踏まえて修正した直後の予想でも、下期は置いていた額の半分程度にとどまりました。今期の予想は、前期の修正後予想が置いていた額の約4.7倍を下期に置いています。

ただし、前期と今期では予想の作り方が違うことにも注意が必要です。今期の予想は子会社2社を含む連結で、会社は2026年4月の時点で「りんくう公園の事業子会社は施設開業に向けた工事費用が発生」と書いています。その費用を上期と下期にどう置いていたかは開示されていません。

4-3. 説明資料の「予算」の図は、公表予想と合計が合わない

決算説明資料の四半期別のグラフには、第3・第4四半期の「予算」の棒が描かれています。図から読み取った下期2四半期分の予算の合計は、売上高が約15億0,686万円、営業利益が約8,303万円です(説明資料の図から筆者が読み取った値)。

一方、公表している通期予想から上期実績を引いた下期は、売上高13億7,065万円、営業利益9,940万円です。図の予算と公表予想の下期は、売上で約1億3,600万円、営業利益で約1,600万円食い違い、しかも売上は図の方が多く、営業利益は図の方が少ないという逆向きのずれ方をしています。図の「予算」が社内予算なのか、期初の計画なのかは説明されていないため、この記事ではこの図の数値をこれ以上使いません。

4-4. 下期に営業利益9,940万円を出すための条件(筆者の試算)

予想が置く下期の売上13億7,065万円で営業利益9,940万円を出すには、販管費をいくらに抑えるかによって、必要な売上総利益率が変わります。

下期の販管費の前提必要な売上総利益必要な売上総利益率
前期の下期と同じ(3億6,252万円)4億6,193万円33.7%
4億円4億9,940万円36.4%
今期の上期と同じ(4億4,261万円)5億4,202万円39.5%
4億8,000万円5億7,940万円42.3%

筆者の試算。売上高と営業利益は予想が置く下期の値で固定し、販管費だけを変えています。会社は下期の販管費・売上総利益率の前提を開示していません。

この表のポイントは2つです。

1つ目は、上期と同じ水準の販管費のままだと、下期の売上総利益率は39.5%が必要になることです。並べた9期間で最も高い売上総利益率は36.9%(前期の第2四半期)なので、過去に例のない水準になります。

2つ目は、前期の下期並み(3億6,252万円)まで販管費が下がれば、売上総利益率は33.7%で足りることです。これは今期の上期(34.6%)を下回る水準です。会社が「一時的に費用が先行」と書いた費用が下期に本当に落ちるかどうかが、予想の達成を左右する計算になります。ただし、子会社2社の費用は前期の下期には入っていないので、前期の下期並みまで下がる前提は楽観的な置き方です。

参考までに、下期も上期と同じ売上総利益率(34.6%)と販管費(4億4,261万円)が続いた場合、下期の営業利益は約3,144万円、通期では約1,156万円になります(筆者の試算)。これは予想ではなく、上期の形がそのまま続いた場合の計算です。

4-5. 強気と弱気、どちらの読みでも数字は同じ

予想が下期に大きな利益を置いていることは、強気・弱気の両方の材料になります。

  • 強気の読み:会社は上期の実績を見たうえで予想を据え置いた。決算説明資料では、売上高は「概ね計画通り進捗」、「商談中案件の成立による通期増収計画」としている。DEPOS事業の法人取引先は1年で24%増え、法人案件の受注が下期の売上として立ち上がる可能性がある
  • 弱気の読み:直近2年は下期に利益が落ちた。前期は上期決算直後に修正した予想でも、下期は置いた額の54.5%だった。今期は上期の販管費が前年より31%増えており、これが一時的なものかどうかは開示から確認できない

どちらの読みでも、「下期に営業利益9,940万円」という数字は変わりません。第3四半期(8月21日〜11月20日)の決算は例年12月下旬に発表されています。第3四半期の3か月だけで営業利益がいくら出ているかが、最初の検証点になります。


5. 深掘り③:段取り役の「立て替え」と借入

前の2章では利益を見てきました。最後の段階として、その利益を生む工事の資金がどう回っているかを見ます。予想が置く下期の売上が立ったとしても、現金が入ってくるのは後になるからです。

5-1. 売上は先に立ち、現金は後から入る

時点売掛金+完成工事未収入金+契約資産現金及び預金有利子負債(借入金+リース債務)
2025年2月20日(単体)1億8,958万円1億9,530万円約5億9,196万円
2026年2月20日(単体)6億5,189万円1億8,420万円約7億8,341万円
2026年8月20日(連結)7億7,804万円1億6,577万円約10億0,220万円

出所:各期の短信の貸借対照表から筆者が集計。有利子負債は短期借入金・長期借入金(1年内返済分を含む)・リース債務の合計です。

1年半で、売上として計上したがまだ現金になっていない金額が約4.1倍に増え、有利子負債は約1.7倍になりました。前期末は特に契約資産(工事は進んだがまだ請求できない分)が4億7,718万円まで膨らんでいました。今期は契約資産が2億5,493万円に減った一方、完成工事未収入金(請求済みで未回収)が3億5,817万円に増えています。前期末の工事が請求の段階に進んだと読めますが、案件ごとの内訳は開示されていません。

例えで言えば、段取り役が大きな仕事を受けるほど、お客さんから代金をもらう前に職人と資材に払うお金が増え、その立て替えを銀行から借りて回しているという形です。営業キャッシュ・フローは前期上期△1億7,072万円、前期通期△2億9,743万円、今期上期△1億8,605万円と、利益が出ていた前期も含めて赤字が続いています。

5-2. 借入の積み上がり

開示日借入先金額期間目的
2025年11月18日紀陽銀行2億円5年法人案件の積極受注のための運転資金
2026年3月6日三菱UFJ銀行5,900万円最長3か月事業拡大に伴う資金需要への対応
2026年3月6日関西みらい銀行1億円5年同上
2026年6月16日池田泉州銀行1億円7年・期日一括返済長期運転資金
2026年9月4日千葉銀行5,000万円1年関東支社の運転資金

出所:各日の「資金の借入に関するお知らせ」。金利はいずれも変動金利(TIBOR等+0.5〜0.8%、三菱UFJ銀行分は短期プライムレート)です。

上期末の有利子負債約10億円に対し、自己資本は2億1,491万円で、有利子負債は自己資本の約4.7倍です。現金及び預金を差し引いたネットの有利子負債は約8億3,642万円になります。上期の支払利息は713万円で、前期上期(355万円)の約2倍になりました。上期の経常損失が営業損失より789万円大きいのは、主にこの支払利息と為替差損(242万円)によるものです。

借入がすべて変動金利であることは、金利が上がれば借り換えや利払いのたびに負担が増えることを意味します。一方で、会社は借入先を地方銀行から大手銀行・関東の銀行にも広げており、資金調達の窓口自体は増えています。

5-3. 3つの深掘りをつなぐ

ここまでの3章を1本の線でつなぐと、次のようになります。

  • 上期の赤字は、空間創造事業(段取り役)の第2四半期の売上減と、全社の販管費の増加から来ていた(第3章)
  • 会社予想は、下期に前期上期並みの営業利益を置いている。それには販管費が落ちるか、過去にない売上総利益率が必要になる(第4章)
  • 仮に下期に大きな法人案件の売上が立っても、現金はさらに後から入る。その間の立て替えは、変動金利の借入で回している(第5章)

段取り役の事業は、大きな仕事を取るほど売上も利益も伸びますが、立て替えと借入も同時に膨らみます。自己資本比率14.1%という数字は、この形の事業を、上場で得た資本と銀行借入で回している現在地を示しています。


6. 子会社とイベント

6-1. りんくう公園の事業子会社(ブリッジパークプロジェクトグループ)

項目内容
設立2026年1月21日
出資比率ハンワホームズ51%、帝燃産業株式会社49%
資本金300万円
事業大阪府「りんくう公園(中地区)」の施設の企画・設計・施工監理・運営
開業目標2027年4月
上場時の手取りの使途この子会社への公園施設開発工事の融資資金の一部(2026年4月〜2027年3月支出予定)

出所:2025年12月26日・2026年2月5日の適時開示、2025年10月9日・12月12日の適時開示。

合弁相手の帝燃産業は、LPガスや住宅設備の販売を手がける大阪府茨木市の会社で、名証上場時のロックアップ(一定期間株を売らない約束)の対象に「当社株主」として名前が挙がっています。

この子会社の売上・利益・資産の規模は、セグメント情報でも単独では開示されていません。上期末の連結貸借対照表で「建設仮勘定」(建設中の資産)は1,501万円で、開業までの工事がこれからどの程度の金額で計上されるかは、今後の四半期の貸借対照表で確認する項目です。

非支配株主に帰属する損益は、第1四半期の△390万円から、第2四半期の3か月で+429万円に転じています(筆者の差し引き)。子会社のどちらかで第2四半期に利益が出たことを示しますが、どちらの子会社かは開示されていません。

このほか会社は、2026年7月に奈良県営馬見丘陵公園でドッグラン「UMAMI WAN PARK」の運営を始めたと説明資料に書いています。段取り役が「店主」として公共空間を運営する経験を、りんくう公園の開業前に積む位置づけです。

6-2. ブレイントラストの子会社化と負ののれん

項目内容
取得日2026年3月21日(みなし取得日は1月31日)
取得比率/取得原価70%/205万円
事業建築コンサルティング・不動産仲介
取得前の業績(2025年7月期)売上高55百万円、営業利益7百万円、純資産6百万円
負ののれん発生益663万円(特別利益)
取得関連費用300万円

出所:2026年3月6日の適時開示、前期決算短信、半期報告書。

取得原価205万円に対し負ののれん発生益が663万円計上されているので、取得時の時価純資産の70%は約868万円、100%換算で約1,240万円と逆算できます(筆者の計算)。上期の純損失は△1,763万円ですが、このうち663万円の負ののれん発生益(現金の入らない一時的な利益)がなければ、損失はその分大きくなっていました。

ブレイントラストの代表で、取得前に全株式を保有していた湯浅啓正氏は、2026年5月の定時株主総会でハンワホームズの常務取締役に選任されています(有価証券報告書)。株式の取得は同氏からの譲受で、取得後に同氏が親会社の取締役になった、という事実関係です。

用語メモ:負ののれん発生益とは、会社を買ったときの値段が、その会社の資産から負債を引いた時価より安かった場合に、その差額を一度だけ利益として計上するものです。現金が入ってくるわけではなく、翌期以降は出てきません。

6-3. 下期に向けて会社が挙げている材料

決算説明資料のトピックスとして、2026年7月の岸和田支店の開設(DEPOSの商品を見られる展示機能付き)、ドッグランの運営開始、3事業体制での連携が挙がっています。SNSの合計フォロワー数は5.5万人(前年同期比+35.9%)です。ただし、これらが下期の売上・利益にいくら寄与するかは示されていません。


7. 資本政策と株主還元

7-1. 配当と優待

項目内容
配当創業以来無配。今期も無配予想
配当方針「現在成長過程にある」ため内部留保を投資に充てる。配当の実施時期は未定(有価証券報告書)
配当の基準日(定款)期末2月20日、中間8月20日(年1回の期末配当が基本)
株主優待制度なし(有価証券報告書の「株主に対する特典」欄が「該当事項はありません」)
自己株式保有なし。取得の実績もなし

今期の期末(2027年2月20日)は土曜日なので、直前の営業日2月19日(金)から逆算した権利付き最終日は**2027年2月17日(水)**です。ただし無配予想なので、この日に意味があるのは議決権(株主総会で議案に賛否を示す権利)だけです。

会社の決算期は2月20日締めです。「2月決算だから2月末」と考えると権利日を取り違えるので注意してください。

7-2. 支配株主と流通株式

株主所有株式数議決権比率
鶴 厚志(代表取締役社長)1,339,000株54.94%
鶴 結介(専務取締役)660,000株27.08%
2名合計1,999,000株82.02%
株式会社SBI証券58,700株2.40%

出所:半期報告書の大株主の状況(2026年8月20日現在)。2名の合計82.02%は、会社が開示している「支配株主等に関する事項」の合算値(直接所有分と合算対象分の合計)と一致します。

この表のポイントは、創業家の2名で議決権の8割強を持ち、残りの約18%(約43.8万株)が市場で流通していることです。上場時の公募38万株と第三者割当5万7,000株を合わせた43.7万株とほぼ同じ規模です。株主数は580名(前期末)で、所有株式の95.68%が個人(創業家を含む)です。

2026年5月の定時株主総会では、取締役選任の賛成割合はいずれも98.85〜98.86%でした(訂正臨時報告書)。

強気・弱気の両面があります。

  • 経営の一貫性:創業家が議決権の過半数を大きく超えて持つので、経営方針がぶれにくい。上場時のロックアップ(2026年5月15日まで)も明けているが、創業家の保有株数は上場前後で変わっていない
  • 流動性の低さ:Yahoo!ファイナンスの時系列(報道ベース)では、2026年9月に売買が成立した日は10日で、1日の出来高は100〜1,800株でした。売買したいときに思った値段で売買できない可能性があり、少ない注文でも株価が大きく動きやすい銘柄です

用語メモ:議決権の3分の2以上を持つ株主は、株主総会の特別決議(定款変更・合併など)を単独で可決できます。ハンワホームズの創業家2名の合計82.02%はこの水準を超えています。

7-3. 潜在株式(ストック・オプション)

項目内容
回次第1回新株予約権(2025年5月20日株主総会決議)
対象取締役3名、執行役員1名
目的となる株式数46,000株(発行済株式の1.89%)
行使価額1株150円
行使期間2027年5月21日〜2035年5月20日
主な行使条件TOKYO PRO Market以外の市場に上場していること(名証ネクスト上場で充足)、在籍していること

出所:有価証券報告書(2026年2月20日時点。提出日の前月末時点まで変更なし)。

行使価額150円は、公開価格270円・直近の株価を大きく下回るので、行使期間に入れば行使される可能性が高い設計です。全部行使されると、発行済株式は1.89%増えます。今期上期は純損失のため、潜在株式調整後の1株利益は記載されていません。


8. 株価の見方

株価に関わる数字はこの節にまとめます。

項目値
基準とする株価353円(2026年10月2日終値)
時価総額約8億6,026万円(発行済2,437,000株、自己株式なし)
予想PER(会社予想EPS 16.33円)約21.6倍
前期実績PER(単体EPS 32.54円)約10.8倍
PBR(上期末の1株当たり自己資本 約88.19円)約4.0倍
年初来高値/安値428円(1月5日)/304円(5月20日)(報道ベース)
公開価格/初値270円/298円(初値は報道ベース)

出所:株価はYahoo!ファイナンスの時系列(報道ベース)。指標は筆者の計算。

決算の発表は10月2日(金)の15時30分で、東証・名証の取引終了と同時刻です。10月2日の終値353円には決算への反応は含まれていません。 翌営業日の10月5日(月)は、10時03分時点で386円(前日比+33円、+9.35%)と表示されていました(報道ベース・取引時間中の値で、終値ではありません)。

この表から読める見方を併記します。

  • 会社予想を前提にした見方:予想EPS 16.33円に対し予想PERは約21.6倍。前期の実績EPS 32.54円で見ると約10.8倍。前期並みの利益に戻るなら割安に見え、会社予想どおりなら利益の半減を織り込んだ水準
  • 上期の実績を重く見る見方:上期は1株あたり△7.24円の赤字で、通期予想の達成には下期に1株あたり約23.6円の利益が必要(筆者の計算)。直近2年の下期の形からすると、予想の下振れも想定しておく必要がある
  • 純資産から見る見方:PBR約4.0倍は、自己資本2億1,491万円に対して時価総額が約4倍。自己資本比率14.1%、有利子負債は自己資本の約4.7倍という財務の厚みも合わせて見る必要がある
  • 需給から見る見方:流通株式は約18%、売買が成立しない日もある。決算の内容に関係なく、少ない注文で株価が動きやすい

9. 今後のカレンダーと見るべきKPI

時期イベント確認すること
2026年10月21日特定建設業許可(土木工事業等)の有効期限(有価証券報告書の記載)更新の有無(通常は更新手続きが行われる)
2026年12月下旬(例年)第3四半期決算(8月21日〜11月20日)3か月単独の営業利益。予想が置く下期9,940万円に向けた進み具合
2027年2月17日(水)期末の権利付き最終日(無配予想のため議決権のみ)-
2027年2月20日決算期末-
2027年4月上旬(例年)通期決算下期の実績、来期予想、配当方針の変更の有無
2027年4月(目標)りんくう公園の開業子会社の資産・借入・運営収入の立ち上がり
2027年5月21日ストック・オプションの行使期間開始発行済株式数の増加(最大46,000株)

見るべきKPI

  1. 第3四半期の3か月単独の営業利益と販管費:上期の販管費4億4,261万円(四半期平均約2億2,130万円)が下がるかどうか
  2. 完成工事の売上総利益率:上期は23.0%(前年上期29.7%)。建設コストの上昇を価格に転嫁できているか
  3. 売掛金+完成工事未収入金+契約資産の残高と、営業キャッシュ・フロー:売上が立った後、現金に変わっているか
  4. 有利子負債の残高と支払利息:上期末で約10億円、上期の支払利息713万円
  5. DEPOS事業の法人取引先の累積件数:上期末784件(前年同期631件)
  6. 不動産事業の売上原価:買取再販が始まれば物件の仕入れ値が売上原価に乗る

10. 3行まとめ

  • 上期は営業損失1,987万円。悪化の85%は販管費の増加(前年比+31.2%)で、赤字は5月21日〜8月20日の3か月(営業損失3,777万円)に集中した
  • 会社は通期予想を据え置いたが、そのためには下期に営業利益9,940万円が必要で、直近2年の「上期に稼いで下期に落ちる」形とは逆の形を置いている
  • 段取り役の事業は大きな仕事ほど立て替えと借入が膨らみ、有利子負債は自己資本の約4.7倍。創業家が82%を持ち流通株は約18%、無配・優待なし

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値の出典は、ハンワホームズの決算短信(2027年2月期第1四半期・中間期、2026年2月期の各四半期・通期、2025年2月期第3四半期・通期)、決算説明資料(2027年2月期中間期、2026年2月期通期)、事業計画及び成長可能性に関する事項(2026年5月)、各種適時開示、有価証券報告書(2026年5月提出)、半期報告書(2026年10月提出)、訂正臨時報告書(2026年5月)です。株価・出来高・年初来高値安値・初値は株価情報サイトに基づく報道ベースの値で、キャッシュの日付が古い可能性があります。前年同期との比較は、会社が「参考値」として示している前期の単体の数字との比較で、今期は子会社2社を含む連結です。今期上期について決算説明会は開催されておらず、会社の追加説明・質疑応答は反映していません。2027年2月期第1四半期の決算説明資料は画像のPDFで、本記事ではその内容を反映していません。決算説明資料の図(営業利益の増減要因、四半期別の予算の棒)から読み取った値は、説明資料の図から筆者が読み取ったもので、読み取りの誤差を含む可能性があります。四半期別の予算の図の値は、公表予想と合計が一致しないため、記載を一部にとどめています。決算説明資料の増減率・売上総利益率・DEPOS事業欄の記載について本文で指摘した点は、短信の数値との突き合わせの結果であり、会社が分母の考え方を説明しているわけではありません。主要な顧客2社と今期の空間創造事業の減収との関係、子会社2社がそれぞれ持ち込んだ販管費や損益、非支配株主に帰属する損益の内訳は開示されておらず、本記事では特定していません。「下期に営業利益9,940万円を出すための条件」の表と「上期の形が続いた場合」の計算は筆者の試算であり、会社の予想ではありません。

記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。

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