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スタンレー電気(6923) 世界中の自動車工場のそばで「車の目」になるランプを作り、今春から街灯の老舗も抱えた会社 なぜ計画を上回った上期のあとに、前年の1.5倍の下期が置かれているのか?【2026年10月発表・上半期決算】

本記事は2026年10月時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。**執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。**特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • 上期(4〜9月)の営業利益は会社計画を14億円上回りましたが、その大きさは「想定より円安だった為替」でほぼ説明できる計算になること(筆者の試算)
  • 「前年並み」に見える上期の営業利益の内側で、買収した2社を除いた7〜9月の営業利益は前年から約1割減っていたこと。減益分のほとんどは、事業部門の外にある全社費用(調整額)の増加で説明できること
  • 据え置かれた通期予想が下期に置いた営業利益は366億円で、前年下期の1.51倍。下期に寄る形は3年続いているものの、通期に占める下期の割合は過去3年の57〜61%から66.5%に上がっていること
  • 5月の計画を上期実績と差し引くと、下期の増益124億円のうち54億円が「一過性影響」、26億円が「その他経費」の改善に置かれ、地域では日本と米州に寄っていること(筆者の差し引き)
  • 純利益は営業利益よりさらに遠い。上期は経常利益の45%しか親会社株主に残らず、残りは税金と子会社の外部株主に回ったこと
  • 予想どおりなら年111円の配当は、純利益が約300億円を下回ると、配当方針の下限(約98円)の側に移る計算になること

1. スタンレー電気はどんな会社か

「車の目」を、客の工場のそばで作る

スタンレー電気の主力は、自動車や二輪車のヘッドランプ・リアランプです。ランプは車種ごとに設計が違い、大きくかさばるので、自動車メーカーの組立工場の近くで作って納めるのが基本になります。同社が日本・米州・アジア・中国・欧州に工場を持つのはそのためです。前期の売上高のうち、自動車機器事業がセグメント合計の7割強を占めます。

この記事では、同社を 「世界中の自動車工場のそばで『車の目』になるランプを作り、今春から街灯の老舗も抱えた会社」 と見ます。この一文には強みと弱みが一緒に入っています。

  • 強み:光を設計して量産する技術と、客のそばに置いた工場網。前期の自動車機器事業の営業利益率は10.0%でした
  • 弱み①:量と値段は客が決める。 何台分作るかは自動車メーカーの生産台数で決まり、値段の交渉も客の側が強くなります。今回の上期でも、営業利益の増減要因に「価格影響」が△51億円出ています
  • 弱み②:稼ぐ工場の一部は、外部の株主と共同で持っている。 そうした子会社で出た利益は連結の営業利益には全額入りますが、一部は親会社の株主のものになりません。上期は最終利益(中間純利益)の約35%がこの「非支配株主」に回りました

用語メモ:非支配株主に帰属する利益=100%保有ではない子会社の利益のうち、親会社以外の株主の取り分。連結の売上・営業利益・経常利益には全額入るが、「親会社株主に帰属する純利益」と1株利益の計算からは外れる。

事業セグメント

前期(2026年3月期)のセグメント別の売上高と営業利益は次のとおりです。

セグメント主な製品売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率
自動車機器四輪・二輪のランプ4,47144910.0%
コンポーネンツLED・液晶などの部品393287.3%
電子応用製品バックライト・操作パネル等。今期から岩崎電気などを含む1,125938.3%
その他—321—
調整額(全社費用・内部取引の消去)—△837△145—
連結—5,1844268.2%

会社の決算説明資料の値(億円未満切り捨て)。セグメントの売上高はセグメント間の取引を含みます。

この表のポイントは2つです。1つ目は、3つの事業はどれも7〜10%の利益率で稼いでいるのに、連結では8.2%に下がることです。差を生んでいるのは「調整額」の△145億円で、どの事業にも配られていない全社の費用などがここに入ります。2つ目は、この調整額が前期に△93億円から△145億円へ52億円膨らみ、前期の減益(△63億円)の大半を占めたことです。後の章で、今期もこの行が論点になります。

地域

前期の地域別の営業利益は、アジア・大洋州が310億円で最大です。日本は売上高1,277億円に対して営業利益13億円で、利益率は1.1%でした(決算説明資料、億円未満切り捨て)。客のそばに工場を置く会社なので、地域の数字は「どの国の自動車生産が強いか」をそのまま映します。前期は中国の売上高が△14.7%と落ち込みました。

主要株主と主要顧客

筆頭株主は本田技研工業で、議決権の13.62%を持ちます(2026年3月末、有価証券報告書)。一方、有価証券報告書の「主要な顧客ごとの情報」には、売上高の10%以上を占める相手先がないと書かれています。株主としての大きさと、取引先としての売上の大きさは、開示上は別のものとして扱います。

今期から加わった2社

会社何をしている会社か加わった時期主な数字
岩崎電気道路灯などの屋外・公共照明、紫外線で塗料や接着剤を固める装置などの産業用光源2026年4月23日に全株式を取得(みなし取得日4月1日)取得原価767億円(5月時点)、のれん170億円(暫定)。直前期(2025年3月期)の売上高601億円、営業利益61億円
スタンレーモビリティエレクトリック三菱電機モビリティとの合弁。ランプとセンサーを組み合わせた車両システム前期末に設立、今期から事業開始—

どちらも電子応用製品事業に入っています。会社は今期の説明資料で、この2社を「新規連結」として分けた数字も出しています。これが後の分析の要になります。

岩崎電気が今回の軸の後半部分、「街灯の老舗」です。道路灯は国や自治体の発注で動くので、自動車の生産台数とは別の波で動きます。会社は短信で、岩崎電気は事業の構成上、売上高と営業利益が下期に集中する傾向があると書いています。

業績推移

項目2024年3月期2025年3月期2026年3月期2027年3月期(予想)
売上高(億円)4,7245,0965,1856,220
営業利益(億円)358490427550
営業利益率7.6%9.6%8.2%8.8%
経常利益(億円)481555509580
親会社株主に帰属する純利益(億円)265321328340
1株当たり純利益(円)162.41205.73240.51276.38
ROE5.3%6.3%7.0%7.7%(計画)
自己資本比率74.0%64.8%56.1%50.0%(計画)
1株配当(円)5572104111

決算短信・決算説明資料から作成(億円未満四捨五入)。2027年3月期のROE・自己資本比率は5月の計画資料の値。

この表のポイントは2つです。1つ目は、1株利益の伸び(前期+16.9%)が純利益の伸び(+2.4%)を大きく上回っていることです。前期に800億円(2,629万株)の自己株式を取得し、2,600万株を消却したためで、発行済株式数は1億5,200万株から1億2,600万株に減りました。2つ目は、自己資本比率が3年で74.0%から56.1%まで下がり、今期は50%を計画していることです。自己株式の取得と、岩崎電気の取得のための借入で、会社が意図して下げている数字です(後の章で扱います)。

予想の当たり方:下期の達成率が3年続けて下がっている

通期の営業利益予想を、上期決算の時点で予想が下期に置いていた額と並べます。

期期初予想上期決算時点の予想(開示日)実績上期実績予想が置いた下期実際の下期下期の達成率置いた下期の前年下期比
2024年3月期350350358141209218104.0%—
2025年3月期500500(2024年10月28日・修正なし)49019230829896.8%+41.6%
2026年3月期412(2025年6月10日)450(2025年10月31日に上方修正)42718526524291.2%△11.0%
2027年3月期550550(据え置き)—184366——+51.1%

単位:億円(四捨五入)。2024年3月期の予想は株価情報サイトの修正履歴で確認したもので、開示原文とは照合していません。

この表のポイントは3つです。1つ目は、下期の達成率が104.0%→96.8%→91.2%と3年続けて下がっていることです。2つ目は、今期の「置いた下期の前年下期比」+51.1%が、過去2年(+41.6%、△11.0%)より大きいことです。2025年3月期も前年下期の1.4倍を置いて、96.8%で着地しました。3つ目は、前期(2026年3月期)は上期決算と同じ日に上方修正し、下期を前年より低く置いたにもかかわらず、それにも届かなかったことです。

前期は会社自身が上期決算時点で下期の計画を示していて、自動車機器の下期営業利益268.9億円(利益率12.5%)に対し、実際は261億円でした。

中期経営計画との距離

項目前中計の目標(2026年3月期)2026年3月期の実績今期の計画(2027年3月期)新中計の目標(2030年3月期)
売上高5,900億円5,184億円6,220億円7,000億円
営業利益率10.5%8.2%8.8%10%
ROE8%7.0%7.7%(期首期末平均)10%
純利益—328億円340億円440億円
自己資本—4,542億円4,250億円4,400億円

決算説明資料・中期経営計画資料から作成(億円未満切り捨て)。

前中計は3項目とも届きませんでした。会社は前期の短信で、中国市場の低迷や米国の通商政策で事業環境が著しく変化したと書いています。新中計の売上高7,000億円は、今期の計画6,220億円から年率約4.0%の伸びで届く水準です。営業利益率は今期計画の8.8%から3年で約1.2ポイント上げる計画で、純利益は今期計画340億円から年率約9.0%の伸びが必要になります(筆者の計算)。

新中計の資料には、ROE10%を「自己資本の抑制と、成長性・収益性を高めることにより」実現すると書かれ、自己資本を4,400億円程度に保つ絵が示されています。純利益を増やすだけでなく、分母の自己資本を増やさないことも計画の一部です。

2. 上半期決算のハイライト(2026年10月26日15時00分発表)

損益

項目前年上期今期上期前年同期比期初の上期予想予想比
売上高2,484.73,030.9+22.0%2,900.0+4.5%
営業利益184.6184.1△0.3%170.0+8.3%
営業利益率7.4%6.1%△1.4pt5.9%—
経常利益219.9192.3△12.5%180.0+6.9%
親会社株主に帰属する中間純利益101.686.6△14.8%80.0+8.2%
1株当たり中間純利益(円)69.3770.39+1.5%——

単位:億円(百万円の開示値から筆者が1桁に丸めた値)。決算短信。

売上は2割増えたのに、利益は営業段階で横ばい、下の段ほど減っています。増減率が食い違う箇所には、それぞれ理由があります。

売上の+22.0%は、大半が新規連結です。 新規連結の2社を除くと売上高は2,641億円で+6.3%でした(説明資料)。

経常利益の減益は営業外の2行で説明できます。 支払利息が2.9億円から13.9億円に増え(+11.0億円)、為替は前年の差益2.8億円から差損18.0億円に変わりました(△20.8億円)。岩崎電気の取得のために借入を増やした結果、支払利息が増えています。為替差損の中身は短信に説明がありません。

純利益の減り方が経常利益より大きいのは、非支配株主の取り分が増えたためです。 中間純利益133.1億円のうち46.5億円(34.9%)が非支配株主に帰属し、前年同期の31.0%から上がりました。特別利益には投資有価証券売却益12.7億円が入っています。税負担率は31.9%(前年29.0%)。

1株利益だけが増えたのは、株数が減ったからです。 期中平均株式数は1億4,661万株から1億2,299万株に減りました。純利益△14.8%と1株利益+1.5%の差は、前期の自己株式取得でほぼ説明がつきます。

期初に出していた上期予想に対しては、すべての段で上回りました。通期予想は据え置きです。会社は短信で次のように書いています(原文)。

現時点においては、業績予想の変更はありません。

財政状態

項目2026年3月末(修正後)2026年9月末増減
総資産8,1049,346+1,243
棚卸資産564839+275
のれん42205+163
無形固定資産(その他)92575+483
短期借入金7671,387+620
長期借入金0131+131
社債400400—
自己資本4,5424,611+69
自己資本比率56.0%49.3%△6.7pt

単位:億円(四捨五入)。決算短信。

この表のポイントは2つです。1つ目は、自己資本比率の低下が「分子が減った」のではなく「分母が膨らんだ」ことによる点です。自己資本は4,542億円から4,611億円に増えていますが、借入で岩崎電気を買ったため総資産が1,243億円増えました。会社は中計資料で「自己資本比率50%目安」と書いており、ほぼその水準に来ています。2つ目は、のれんと無形固定資産で計約650億円増えたことです。買収した会社の顧客基盤や技術を資産として計上したもので、今後の償却費として利益から差し引かれていきます。

用語メモ:前期末の数字の差し替え。スタンレーモビリティエレクトリックの企業結合の会計処理がこの上期に確定したため、前期末の貸借対照表は遡って修正されています(総資産8,092億円→8,104億円、自己資本比率56.1%→56.0%等)。本記事の前期末比較は修正後の値を使っています。

キャッシュ・フロー

  • 営業キャッシュ・フロー:366億円(前年同期354億円)。棚卸資産の増加で144億円の資金が出ていきました
  • 投資キャッシュ・フロー:△799億円(うち連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△607億円)
  • 設備投資額305億円(前年254億円)、減価償却費246億円(同201億円)、研究開発費182億円(同132億円、+37.9%)

研究開発費が4割近く増えています。新規連結の2社の分を含むかどうかの内訳は開示されていません。

3. 深掘り①:「計画を上回った上期」の中身

計画超過の14億円は、為替でほぼ説明できる

上期の営業利益は、期初の上期予想を14.05億円上回りました。一方、会社の計画の前提は1ドル150円で、上期の実績は159.95円でした。会社が示す為替感応度は「米ドルが1円円安になると営業利益が年約3億円増える」です。

  • 筆者の試算:(159.95円−150円)×3億円÷2(半年分)=約14.9億円

計画超過額とほぼ同じ大きさです。感応度は米ドルだけのもので、ユーロ(計画180円→実績184.44円)や中国元(22.02円→23.64円)、タイバーツ(4.71円→4.84円)なども計画より円安でしたから、正確な配分は分かりません。それでも、上期の上振れを「事業の調子が計画より良かった」とだけ読むのは早い、ということは言えます。

増減要因:合理化で稼いだ分を、値下げと経費で返した

説明資料の営業利益の増減要因(前年上期184億円→今期上期184億円)は次のとおりです。

要因金額(億円)
売上影響△0
生産革新による合理化効果+80
価格影響△51
戦略費用+17
その他経費増△67
為替影響+15
一過性影響+1
新規連結影響+4
合計△1

説明資料の図から筆者が読み取った値(億円未満切り捨て)。項目と値の対応は図を描画して確認。

合計は△1億円で、営業利益の増減(△0.6億円)と切り捨ての範囲で合います。合理化で80億円稼いだうち51億円は値下げで客に返し、経費増の67億円を為替の15億円などで埋めた形です。軸の「弱み①:値段は客が決める」がそのまま数字に出ています。また、売上が22%増えたのに「売上影響」が△0億円なのは、増収の大半が新規連結(別の行に4億円)で、既存事業の量の効果はほとんどなかったことを示しています。

新規連結を除いた7〜9月は約1割の減益

説明資料は第1四半期と上半期の両方で「新規連結を除く」営業利益を出しています。差し引くと7〜9月が出ます。

3か月前年今期(開示どおり)今期(新規連結を除く)新規連結を除く前年比
4〜6月868791+6.6%
7〜9月989788約△10%
上期184184179△2.6%

単位:億円。説明資料の値(億円未満切り捨て)と、その差し引き。切り捨てた値どうしの差なので、7〜9月の値には±2億円程度の幅があります。

開示どおりの7〜9月はほぼ前年並みですが、その内側では、もともとの事業が約1割減り、新しく加わった2社が9億円前後を足して埋めていた計算です。4〜6月は新規連結が△4億円の赤字だったので、上期の数字(△0.3%)だけを見ると、この3か月ごとの入れ替わりは見えません。

7〜9月に何が減ったのか:セグメントと地域の2つの切り口

同じ差し引きを、セグメント別(新規連結を除く)でも行います。

セグメント前年7〜9月今期7〜9月増減
自動車機器94108+14
コンポーネンツ107△3
電子応用製品(新規連結を除く)2522△3
調整額(新規連結を除く)△31△50△19
合計(新規連結を除く)9888△10

単位:億円。説明資料の第1四半期・上半期の値(億円未満切り捨て)からの筆者の差し引き。各行±2億円程度の幅があります。

この表のポイントは、主力の自動車機器は7〜9月に14億円の増益だったことです。減益の主因は、どの事業にも配られていない「調整額」の△19億円でした。1章で見た「前期の減益の大半は調整額」という形が、今期の7〜9月にも出ています。

地域別(新規連結を除く)でも並べます。

地域前年7〜9月今期7〜9月増減
日本△3△21△18
米州1225+13
アジア・大洋州7585+10
中国206△14
欧州△2△5△3

単位:億円。上と同じ方法による筆者の差し引き。

地域で見ると、日本の赤字が△3億円から△21億円に広がり、中国が14億円減りました。米州とアジア・大洋州は伸びています。セグメントの「調整額」と地域の「日本」はどちらも7〜9月に約20億円悪化しており、全社費用の多くが日本の本社側で発生していると考えると、2つの切り口は同じものを別の角度から見ている可能性があります。ただし、調整額の中身と、日本の赤字が広がった理由は短信・説明資料に書かれておらず、2つを結びつけているのは筆者の推測です。

4. 深掘り②:据え置かれた予想が、下期に何を置いているか

前章で「上期の上振れは為替が大きい」「新規連結を除く7〜9月は、全社費用の増加で減益」と見ました。では、据え置かれた通期予想は、残り半年に何を求めているのでしょうか。

下期の置き方:前年の1.5倍

〈通期予想−上期実績〉で下期の予想を出し、前年下期と並べます。

項目前年下期(実績)今期下期(予想が置いた額)前年下期比
売上高2,7003,189+18.1%
営業利益242366+51.1%
営業利益率9.0%11.5%+2.5pt
経常利益289388+34.3%
親会社株主に帰属する純利益227253+11.9%

単位:億円(四捨五入)。筆者の差し引き。

期初の予想が置いていた下期は営業利益380億円でした。上期の超過14億円をそのまま下期から引いたのが今の366億円です。通期を据え置くと、上期の上振れ分だけ下期の数字が小さくなるのは計算上必ずそうなるので、これ自体は会社の見通しが変わったことを意味しません。

用語メモ:「予想が置いた下期」=据え置かれた通期予想から上期の実績を引いた残り。会社が下期の予想として発表した数字ではなく、計算上の結果。上期が上振れして通期を据え置けば、下期は自動的に小さくなる。

下期に寄るのは3年続いている。ただし寄り方が強い

四半期ごとの営業利益を14四半期並べます。

期3か月売上高(億円)営業利益(億円)営業利益率営業利益の前年同期比
2024年3月期4〜6月1,117373.3%—
2024年3月期7〜9月1,1441049.1%—
2024年3月期10〜12月1,29213310.3%—
2024年3月期1〜3月1,170847.2%—
2025年3月期4〜6月1,214957.9%+160.2%
2025年3月期7〜9月1,225977.9%△7.2%
2025年3月期10〜12月1,31913810.4%+3.1%
2025年3月期1〜3月1,33716112.0%+90.7%
2026年3月期4〜6月1,198867.2%△9.7%
2026年3月期7〜9月1,286997.7%+2.0%
2026年3月期10〜12月1,3181017.7%△26.4%
2026年3月期1〜3月1,38214110.2%△12.2%
2027年3月期4〜6月1,459886.0%+1.8%
2027年3月期7〜9月1,572966.1%△2.1%

各四半期の短信の累計値からの筆者の差し引き(億円未満四捨五入)。4四半期の合計が通期の開示値と一致することを確認済み。2027年3月期は岩崎電気などの新規連結を含みます。

上期と下期にまとめると次のとおりです。

期上期の営業利益下期の営業利益下期の割合上期の営業利益率下期の営業利益率
2024年3月期14121860.7%6.2%8.8%
2025年3月期19229860.8%7.9%11.2%
2026年3月期18524256.7%7.4%9.0%
2027年3月期(予想)18436666.5%6.1%11.5%

単位:億円(四捨五入)。筆者の差し引き。

この2つの表のポイントは3つです。

  • 3年とも下期のほうが利益が大きく、利益率も高い。 下期の割合は57〜61%で、季節性と言ってよい形です
  • 今期の予想は、過去3年のどの年よりも下期に寄せています(66.5%)。 上期の進捗率は33.5%で、前年の上期進捗(修正後予想比41.0%、実績比43.3%)を下回ります
  • 今期の上期の営業利益率6.1%は、過去3年の上期(6.2〜7.9%)の下限に近い一方、予想が置いた下期の11.5%は過去3年の下期(8.8〜11.2%)の上限を超えます。 上期が低く下期が高い、という形の振れ幅が過去より大きく置かれています

増減要因で下期を割る:124億円のうち54億円が「一過性影響」

会社は5月の決算説明会資料で、今期の営業利益の増減要因(前期426億円→今期計画550億円)を示していました。上期の実績の増減要因(前章の表)を差し引くと、下期に何が置かれているかが出ます。

要因通期の計画(5月)上期の実績下期に置かれた分(差し引き)
売上影響+29△0+29
生産革新による合理化効果+143+80+63
価格影響△113△51△62
戦略費用+29+17+12
その他経費増△41△67+26
為替影響△4+15△19
一過性影響+55+1+54
新規連結影響+24+4+20
合計+122△1+123

単位:億円。通期の計画は2026年5月22日の資料、上期の実績は今回の資料の図から筆者が読み取った値(いずれも億円未満切り捨て、項目と値の対応は図を描画して確認)。下期分は筆者の差し引きで、5月の計画が変わっていないことを前提にしています。

下期の合計+123億円は、〈予想が置いた下期366億円−前年下期242億円〉=124億円と、切り捨ての範囲で一致します。つまり、この表は「下期の増益124億円が、計画上は何から来ることになっているか」の内訳です。

この表のポイントは3つです。

  • 最大の項目は「一過性影響」の+54億円です。 上期は+1億円しか出ておらず、通期計画の+55億円のほぼ全額が下期に残っています。前期の増減要因では「一過性費用」は通期で△15億円でしたから、今期計画の+55億円は「前期の一過性費用がなくなる」だけでは説明しきれません。中身は資料に説明がなく、筆者には分かりません
  • 「その他経費増」は、通期計画が△41億円なのに、上期だけで△67億円出ています。 計画どおりなら、下期は経費が前年下期より26億円減る必要があります。前章で見た7〜9月の調整額の悪化(△19億円)とは逆向きの動きです
  • 売上・合理化・値下げ・戦略費用の4つを足すと+42億円です。 事業の稼ぎ(量と原価と値段)で説明できる増益は、下期の124億円の3分の1程度で、残りは一過性・経費・新規連結に置かれています

用語メモ:増減要因の差し引き。通期の計画の「前期→今期」の増減要因から、上期の実績の「前年上期→今期上期」の増減要因を引くと、「前年下期→今期下期」の増減要因になる。どちらも同じ項目の定義で作られている前提の計算で、会社が下期の内訳を発表したわけではない。

セグメントと地域で下期を割る

会社は今回、セグメント別・地域別の通期計画を示していません。5月の資料にある通期計画(新規連結を除く)から上期実績を引くと、下期の営業利益は次のように置かれている計算です。

セグメント前年下期下期に置かれた額(差し引き)増減
自動車機器261299+38
コンポーネンツ827+19
電子応用製品(新規連結を除く)4761+14
その他110
調整額(新規連結を除く)△74△40+34
新規連結を除く合計242346+104
新規連結の2社—20前後+20

単位:億円。5月の計画資料と今回の資料の値(億円未満切り捨て)からの筆者の差し引き。5月の計画が変わっていないことを前提にしています。

地域(新規連結を除く)前年下期下期に置かれた額(差し引き)増減
日本2261+39
米州36101+65
アジア・大洋州171160△11
中国2239+17
欧州△28+10

単位:億円。同上。地域の合計とセグメントの合計の差は地域間の取引の消去などで、地域別の表には載せていません。

この2つの表のポイントは3つです。

  • 調整額は、下期に△40億円(1四半期あたり△20億円)に縮む前提です。 実績は4〜6月△38億円、7〜9月△50億円で、前年下期は1四半期あたり△37億円でした。増減要因の表の「一過性影響」「その他経費」と同じく、全社の費用が前年より大きく減る前提になっています
  • 地域では、日本と米州で+104億円になります。 日本は上期△32億円(新規連結を除く)から下期+61億円へ、米州は上期53億円から下期101億円への置き方です。米州の7〜9月は25億円でしたから、下期は1四半期あたりその約2倍が要ります。一方、最大の稼ぎ頭のアジア・大洋州は、前年下期より11億円低く置かれています
  • 自動車機器の下期の利益率は約13.7%です。 前年下期は11.2%でした。前期は会社自身が下期に12.5%を置いて、11.2%で着地しています(筆者の計算)

3つの切り口(増減要因・セグメント・地域)は、同じ方向を指しています。下期の増益の大きな部分は「費用が前年より減る」ことに置かれていて、その費用は、セグメントでは調整額、地域では日本、増減要因では一過性影響とその他経費に出ています。会社はこの3つの関係を説明していないので、同じ費用を別の角度から見ているのかどうかは確かめられません。

新規連結の2社:岩崎電気の「下期に集中」と、調整額の△66億円

新規連結の2社は、上期の営業利益への寄与が5億円前後でした。会社は短信で、岩崎電気について次のように書いています(原文)。

事業の構成上、売上高及び営業利益は下期に集中する傾向にあり

5月の計画資料では、新規連結の2社の営業利益への寄与を通期で約25億円と置いていました(〈連結550億円−新規連結を除く525億円〉)。内訳は、電子応用製品セグメントの利益+90億円と、調整額△66億円です。上期の実績では、セグメント利益の寄与が5億円前後、調整額への影響は0億円でした(いずれも切り捨て値どうしの差)。計画どおりなら、下期にセグメント利益が85億円前後出て、調整額側に△66億円が出ることになります。

調整額の△66億円が何の費用かは開示されていません。のれんや買収した無形資産の償却を全社費用として扱っている可能性はありますが、これは筆者の推測です。のれん・無形資産の金額と償却の方法は、11月13日(金)提出予定の半期報告書の企業結合注記で確かめられます。

街灯の老舗である岩崎電気は100%子会社なので、その利益は全額が親会社株主に残ります。下期に計画どおりの利益が出れば、純利益の面でも効く、というのが軸の後半の意味です。

為替は下期の追い風になりうる

予想の前提は1ドル150円のままです。前年の下期の平均は、通期151.14円と上期146.16円から逆算すると約156円でした(筆者の概算)。増減要因の表で下期の「為替影響」が△19億円になっているのは、計画が前年下期より円高の150円を置いているためです。

下期の平均(米ドル)計画比の営業利益への上乗せ(米ドルのみ)
150円(計画どおり)0
155円約+7.5億円
157.5円約+11億円
160円約+15億円

筆者の試算(会社の感応度「1円の円安で年約3億円」を半年分に換算)。他の通貨は含みません。将来の見通しではありません。

10月29日時点のドル円は157円台でした(報道ベース)。仮にこの水準が続けば、下期に必要な増益124億円のうち1割前後を為替が埋める計算になります。逆に円高に振れれば、そのぶん重くなります。

純利益は、営業利益よりさらに遠い

純利益の予想340億円に届くには、下期に253億円が必要です。下期の経常利益の予想388億円のうち65.4%が親会社株主に残る前提です。

期経常利益のうち親会社株主に残った割合
2025年3月期 下期61.7%
2026年3月期 下期78.5%(投資有価証券の売却益を含む)
2027年3月期 上期45.0%
2027年3月期 下期(予想が置いた割合)65.4%

筆者の計算(親会社株主に帰属する純利益÷経常利益)。

ここで軸の「弱み②」が効きます。非支配株主の割合が上がった理由を会社は説明していません。地域別に見ると、上期は日本が赤字(新規連結込みで△37億円)で、アジア・大洋州が161億円を稼ぎました。外部株主のいる子会社がどの地域にどれだけあるかで残る割合は変わるはずですが、その内訳は短信からは分かりません(ここまでは筆者の推測)。確かなのは、岩崎電気は100%保有なので、下期に同社の利益が予想どおり出れば、その分は全額が親会社株主に残ることです。

経常利益と残る割合の組み合わせで通期の純利益を出すと次のとおりです。

下期の経常利益 \ 残る割合65.4%(予想の前提)55%45%(上期並み)
388億円(予想どおり)340億円300億円261億円
330億円302億円268億円235億円
289億円(前年下期並み)275億円245億円216億円

筆者の試算。上期の実績86.6億円に、下期の経常利益×残る割合を足した値。将来の見通しではありません。

予想は、経常利益と残る割合の両方が予想どおりになる左上の1マスに置かれています。

2つの深掘りをつなぐと

上期の上振れは為替が大きく、新規連結を除く7〜9月は全社費用の増加で減益でした。そのうえで予想は、下期に前年の1.5倍の営業利益を置き、その増益の大きな部分を「一過性影響」「経費の改善」「日本と米州」に置いています。純利益では、さらに残る割合の改善も求めています。過去3年の下期の達成率は104.0%→96.8%→91.2%でした。前提が多いぶん、外れたときは下の段ほど大きく外れる形です。

5. 資本政策・株主還元

配当方針と推移

期年間配当(円)中間+期末配当の決め方1株利益(円)連結配当性向
2025年3月期7232+40連結配当性向30%以上を目標(第Ⅷ期中計)205.7335.0%
2026年3月期10449+55DOE3.5%または連結配当性向40%のいずれか高い方240.5143.2%
2027年3月期(予想)11155+56同上276.38(予想)40.2%

決算短信から作成。配当性向は筆者の計算(年間配当÷1株利益)。

配当方針は2026年3月期から切り替わりました。2025年3月期の短信は、次期から「株主資本配当率(DOE)3.5%または連結配当性向40%のいずれか高い方を採用することに変更」すると書いています。説明資料によると、ここでのDOEは〈配当金総額÷株主資本〉で、為替で動く「その他の包括利益」を含まない株主資本が分母です。

株主優待はありません(有価証券報告書の「株主に対する特典」欄)。

方針の2つの物差しを1株に直す

物差し計算1株配当
配当性向40%40%×予想1株利益276.38円110.6円
DOE3.5%3.5%×株主資本3,436億円(9月末)÷1億2,306万株約97.7円
会社の予想—111円

筆者の計算。株数は9月末の自己株式控除後。

今期の111円は配当性向の側で決まっています。純利益が約300億円を下回ると、配当性向40%の額がDOEの下限を下回り、方針上の配当はDOE側の約98円になる計算です。4章の純利益の感応度表でいえば、左上の1マス以外では、方針上の配当は111円に届きません。

前期は、会社は期末配当を「連結配当性向を算出基準として採用」したと書いていますが、年間104円は〈40%×実績240.51円=96.2円〉を上回り、配当性向は43.2%でした。上乗せ分の決め方は開示に書かれていません。強気に読めば「方針の下限より多く払う会社」、弱気に読めば「方針の文言だけでは配当が決まらない会社」で、どちらの読みも数字は同じです。

期末配当の基準日は2027年3月31日(水)で、権利付き最終日は3月29日(月)です。中間配当55円の支払開始は11月30日(月)です。

自己株式取得と、自己資本4,250億円の計画

期取得額取得株数消却
2025年3月期300億円1,132万株2024年8月に370万株、2025年3月に1,550万株
2026年3月期800億円2,629万株2026年2月に2,600万株
2027年3月期確認した範囲では取得枠の決議なし——

決算短信から作成。

9月末の自己株式は294万株(役員報酬BIP信託の20万株を含む)です。会社は自己株式取得を「継続的かつ機動的に実施」としています。

5月の計画資料の「キャピタルアロケーション」には、今期の配当金と自己株式取得の合計として300〜350億円が示されています。年間111円の配当総額は約137億円なので(筆者の概算)、差し引くと自己株式取得に163〜213億円程度が置かれている計算です。会社が自己株式取得の金額を個別に示したわけではなく、これは筆者の差し引きです。

同じ資料は、今期末の自己資本を4,250億円と置き、ROE8%(期末自己資本ベース)を計画しています。9月末の自己資本は4,611億円です。

項目金額(億円)
9月末の自己資本4,611
+下期の純利益(予想が置いた額)+253
−期末配当(56円)−69
自己株式取得前の期末概算約4,795
−自己株式取得(163〜213億円と置いた場合)約4,582〜4,632
計画の期末自己資本4,250

筆者の試算。為替などで動く「その他の包括利益」は9月末から変わらない前提。

計画どおりの自己株式取得をしても、期末の自己資本は計画を330〜380億円上回る計算です。上期の自己資本の増加(+69億円)は、中間純利益から前期末配当を引いた分を上回っており、為替など純利益以外の要因でも自己資本が動いています。計画の4,250億円がどの為替水準を前提にしているかは開示から分かりません(計画資料の前提レートは1ドル150円)。

借入と財務制限条項

岩崎電気の取得のために、2026年4月に三井住友銀行・三菱UFJ銀行から700億円を借りています。返済期限は2027年4月20日の一括返済で、財務制限条項が付いています。

条項基準9月末の実績余裕
各期末の連結純資産を一定以上に維持4,492億円または前期末純資産の75%のいずれか高い方(現状は4,492億円)5,728億円+27.5%

2026年1月29日の岩崎電気株式取得の開示・決算短信から筆者が整理。

ネットキャッシュ(現預金+有価証券−短期借入金−長期借入金−社債)は、前期末の1,103億円から9月末は264億円に減りました(筆者の計算。リース債務は含めていません)。5月の計画資料は今期のフリーキャッシュフローを△670億円と置き、「借入活用」をバランスシートの調整の手段に挙げています。財務の余力そのものはまだ残っていますが、ネットキャッシュの会社から借入を使う会社へ、性格が変わりつつあります。

用語メモ:財務制限条項=借入の条件として、純資産や利益の水準を一定以上に保つ約束。守れないと、貸し手が一括返済を求められるようになる。

6. 株価の見方

決算への反応

決算は10月26日(月)15時00分の発表で、当日の終値には発表後30分の取引が含まれます。

日付始値高値安値終値前日比出来高
10月23日(金)3,6233,6613,5283,620—847,400株
10月26日(月)3,5823,6033,2813,360△7.18%2,436,400株
10月27日(火)3,4013,4243,2163,223△4.08%1,657,800株
10月28日(水)3,2553,3033,1943,236+0.40%864,000株

Yahoo!ファイナンスの時系列(2026年10月29日確認)。

10月26日の出来高は、10月1日〜23日の1日あたり約31万〜85万株を大きく上回りました。安値がどの時刻に付いたか(発表の前か後か)は確認できていないので、どの情報にどれだけ反応したかは書けません。決算前の10月23日終値からは、3営業日で△10.6%です。

指標(10月28日終値3,236円)

指標値計算
時価総額約4,077億円発行済株式数1億2,600万株ベース
予想PER11.7倍予想1株利益276.38円
PBR0.86倍9月末の1株当たり自己資本3,747円
予想配当利回り3.43%年間111円
年初来高値・安値3,802円(6月19日)・2,746円(3月30日)Yahoo!ファイナンス

筆者の計算。

予想PERは、予想1株利益が届く前提の数字です。4章の試算で純利益が300億円なら1株利益は約244円で、PERは約13.3倍になります。

強気の材料

  • 下期に寄る形は3年続いており、岩崎電気の下期集中も会社が明言している。下期に寄せた予想の形そのものは、過去の季節性と同じ向き
  • 予想の前提150円より円安が続けば、下期の営業利益に上乗せが出る(157.5円で約11億円、米ドルのみ)
  • 合理化効果は上期だけで80億円。主力の自動車機器は上期+11.1%、7〜9月も14億円の増益で、量と値段の「弱み①」を合理化で吸収できている
  • 岩崎電気は100%子会社で、利益が出れば全額が親会社株主に残る。下期に同社の利益が予想どおり出れば、経常利益のうち残る割合は上がる方向
  • PBR0.86倍で、新中計はROE10%を掲げる。計画資料には自己株式取得に163〜213億円程度を置いた計算になるキャピタルアロケーションがあり、実行されれば1株利益とROEの分母に効く

弱気の材料

  • 上期の計画超過はほぼ為替で説明でき、新規連結を除く7〜9月は約1割の減益。減益の主因は全社費用(調整額)の増加
  • 下期の置き方は前年の1.51倍、下期比率66.5%で過去3年のどの年より重い。下期の達成率は3年続けて下がっている
  • 下期の増益124億円のうち、一過性影響が54億円、その他経費の改善が26億円。経費は上期だけで通期計画を上回っており、中身の説明がない項目に下期が寄っている
  • 地域では日本と米州に下期の増益が集中し、米州は7〜9月の約2倍の水準が要る。最大の稼ぎ頭のアジア・大洋州は前年下期より低く置かれている
  • 非支配株主の取り分が上期は35%。この割合が下がらなければ、営業利益が届いても純利益は届きにくく、配当は方針上DOE側(約98円)に移る計算になる
  • 借入で支払利息が増え、ネットキャッシュは264億円まで減った。700億円の借入は2027年4月20日が期日

7. 今後のカレンダーと見るポイント

日付イベント見るポイント
2026年11月13日(金)半期報告書の提出予定企業結合注記(岩崎電気の取得原価の配分、のれん・無形資産の償却方法)、セグメントの詳細
2026年11月30日(月)中間配当55円の支払開始—
2027年1月下旬(例年)第3四半期決算10〜12月の新規連結を除く営業利益、調整額の四半期の水準(下期の計画は1四半期あたり△20億円)、日本の赤字、為替差損益
2027年3月29日(月)期末配当の権利付き最終日—
2027年4月20日(火)700億円の借入の返済期限借り換えの条件
2027年5月(例年)通期決算来期予想、配当(111円の維持かDOE側か)、自己資本4,250億円計画との距離

見るKPI:

  • 新規連結を除く営業利益の前年同期比(7〜9月は約△10%)
  • 調整額(全社費用)の四半期の水準(7〜9月は△50億円)
  • 増減要因の「一過性影響」と「その他経費増」(下期に+54億円・+26億円が置かれている計算)
  • 地域別の日本と米州の営業利益(新規連結を除き、下期に計162億円が置かれている計算。前年下期は計58億円)
  • 経常利益のうち親会社株主に残る割合(上期45.0%、予想が置いた下期65.4%)

3行まとめ

  • 上期は計画を14億円上回ったが、ほぼ為替で説明でき、新規連結を除く7〜9月の営業利益は全社費用の増加で前年から約1割減っていた
  • 据え置かれた通期予想は下期に前年の1.51倍の営業利益(366億円)を置き、その増益の大きな部分を一過性影響・経費の改善・日本と米州に置いている(筆者の差し引き)
  • 純利益ではさらに「子会社の外部株主に回る取り分」が縮むことも求めており、純利益が約300億円を下回れば年111円の配当は方針の下限(約98円)の側に移る計算になる

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。数値の出典は、スタンレー電気の2027年3月期第2四半期(中間期)決算短信・中間期決算補足説明資料、2027年3月期第1四半期決算短信・第1四半期決算補足説明資料、2026年3月期決算短信・通期決算補足説明資料・通期決算/中期経営計画資料(2026年5月22日)、2026年3月期・2025年3月期の各四半期決算短信、2025年3月期決算短信、2025年10月31日の業績予想修正の開示、有価証券報告書(2026年3月期)です。四半期・下期の損益、増減要因・セグメント・地域の下期の置き方、為替の試算、純利益と配当の試算、自己資本と自己株式取得の試算は筆者の差し引き・試算で、会社の開示に基づく予想ではありません。今回の資料にはセグメント別・地域別・増減要因別の通期計画がなく、5月時点の計画が変わっていない前提で計算しています。説明資料の数値は億円未満切り捨てのため、その差し引きで出した7〜9月・下期の値には±2億円程度の幅があります。中間期決算短信の本文はテキストを取り出せなかったため、ページを画像として描画し目視で読み取りました。読み取り誤差の可能性があります。説明資料の増減要因の図(今回分と5月の計画・前期実績)は、描画した図から項目と値の対応を目視で確認しました。2024年3月期の業績予想の推移は株価情報サイトの修正履歴で確認したもので、開示原文とは照合していません。決算説明会の内容・質疑応答は反映していません。為替差損の内訳、調整額の中身、日本の赤字拡大の理由、増減要因の「一過性影響」の中身、新規連結の調整額△66億円の内容は会社が開示しておらず、調整額と日本の赤字の関係、△66億円の性質についての記述は筆者の推測で、会社の開示に基づくものではありません。訂正発行登録書の内容は確認していません。株価はYahoo!ファイナンスで確認した2026年10月28日までの値で、決算発表日の当日の値動きが発表の前後どちらで生じたかは確認できていません。ドル円の水準は報道ベースです。

記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。

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