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【2026年10月発表・上半期決算】ミトラグループ(6093)営業利益「前年並み」の中身は? 1億円の戻入を外すと見える、下期4.6億円の重さ

本記事は2026年10月7日時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • 上半期(2026年3〜8月)の営業利益1億59百万円は前年同期比+0.4%で「前年並み」に見えますが、その中に貸倒引当金の戻入(会計上の利益の戻り)約1億円が入っています。戻入の影響を除くと約60百万円で、前年同期の同じ計算(約94百万円)を下回り、会社の上半期予想130百万円の約46%にとどまります
  • この会社は貸倒引当金を「積む→戻す」を3回繰り返してきました(2023年2月期に1億76百万円、2026年2月期に1億円の繰入れ。いずれも翌期以降に戻入)。引当金の出入りを除いた営業利益を14四半期並べると、本業の利益水準は4.2億円(2024年2月期)→4.0億円→3.6億円と3期続けて下がっています
  • 会社は通期予想(営業利益6億24百万円)を据え置きました。達成には下期だけで4億64百万円が必要で、前年下期(1億64百万円、引当金の影響を除くと約2億63百万円)の約1.8〜2.8倍です。そのうち約3億円分は「不動産」と「建築」の2事業の下期の伸びに置かれています
  • 配当は年6円(今期から中間3円+期末3円)。会社予想どおりなら配当性向は61.5%ですが、下期が前年下期並みに終わると100%を超えます。株主優待はありません
  • 役員・従業員向けの有償ストック・オプションは、2028年2月期の営業利益10億円超(取締役はさらに時価総額100億円超)が行使条件です。現在の株価からは時価総額条件まで約45%の距離があります

1. 前提知識:ミトラグループは何をしている会社か

1-1. 軸となる例え:「不動産取引の立会人」を事務ごと引き受けている会社

家を買うとき、買主・売主・銀行・司法書士・不動産会社が一つの部屋に集まり、お金が動いたことを全員で確認してから登記の書類が出ていく――という場面があります。ミトラグループ(2026年6月に「エスクロー・エージェント・ジャパン」から商号変更)は、この**「中立の立会人」が担う段取りと書類仕事を、銀行や不動産会社の外から丸ごと引き受けている会社**です。新しい社名の「ミトラ」も、会社自身の説明では「中立的な第三者」を意味するとされています。

この例えには、強みと弱みが両方入っています。

  • 強み:立会人の段取りは、銀行の住宅ローン事務や登記の流れに深く組み込まれます。一度組み込まれると簡単には外されません。会社は売上の81%がBPaaS(業務代行とクラウドシステムを一体で提供する形)とクラウドシステムで、継続利用されやすいと説明しています(2026年2月期、決算説明資料)
  • 弱み①:取引の件数は自分で決められない。住宅ローンが何件実行されるか、不動産が何件売買されるかは、金利や不動産市況、そして顧客である銀行の方針で決まります
  • 弱み②:立会人は、取引先が払えなくなったときに代金を回収する当事者にもなる。この会社は過去3回、「キャッシュフローの悪化が懸念される一部の取引先」への売掛金について貸倒引当金を積み、その後に戻しています。今回の上半期の「前年並み」は、この弱み②の出入りで見え方が大きく変わっています(深掘りパートで扱います)

1-2. 4つの事業と、利益がどこで消えているか

決算期は2月末です。四半期の区切りは、第1四半期=3〜5月、第2四半期=6〜8月、第3四半期=9〜11月、第4四半期=12〜2月です。

事業(セグメント)主な中身2026年2月期 売上高セグメント利益
金融ソリューション銀行の住宅ローン事務(担保調査・権利設定の段取り)、信託、相続手続き代行19億46百万円7億93百万円
不動産ソリューション非対面決済「H'OURS」、不動産オークション8億22百万円△42百万円
建築ソリューション住宅会社向けの敷地調査・設計図・確認申請の代行(子会社 中央グループ、ベトナム子会社)12億81百万円1億17百万円
士業ソリューション司法書士向けシステム「サムポローニア」、AI相続関係説明図「AI相続ミツローくん」10億19百万円91百万円
セグメント利益の合計——9億59百万円
全社費用(調整額)本社部門の費用など—△6億36百万円
連結営業利益—50億78百万円3億23百万円

(出所:2026年2月期決算短信のセグメント情報。売上高は外部顧客向け。連結売上高には本社の収益7百万円を含む)

この表のポイントは2つです。

  1. 利益のほとんどは金融ソリューションが稼いでいます。セグメント利益の合計9億59百万円のうち7億93百万円が金融です。
  2. セグメント利益の約3分の2が全社費用で消えています。本社の管理・投資の費用が6億36百万円あり、連結の営業利益は3億23百万円まで縮みます。

株主優待:制度なし(有価証券報告書「株主に対する特典」欄は「該当事項はありません」。§6で詳述)。

1-3. 業績の推移

決算期売上高営業利益純利益1株利益ROE自己資本比率1株配当配当性向
2023年2月期37億10百万円2億33百万円91百万円2.11円2.7%78.7%4円—
2024年2月期41億38百万円4億56百万円2億99百万円6.87円8.8%77.9%6円87.3%
2025年2月期47億41百万円4億82百万円3億49百万円8.00円9.9%74.7%6円75.0%
2026年2月期50億78百万円3億23百万円1億89百万円4.35円5.4%73.4%6円138.0%
2027年2月期(会社予想)62億11百万円6億24百万円4億25百万円9.76円——6円61.5%

(出所:各期の決算短信。2023年2月期のROEは2026年2月期第2四半期決算説明資料の記載)

売上高は毎年伸びていますが、営業利益は2026年2月期に大きく落ちました。会社はその主因を、第4四半期に積んだ貸倒引当金1億円としています。今期の予想は「その1億円がなくなること」を増益要因の一つに数えています(後述)。

1-4. 会社予想の達成履歴:上にも下にも大きく動く

決算期期初予想(営業利益)修正(開示日)実績期初予想比
2024年2月期3億85百万円4億56百万円(2024年3月21日=期末後)4億56百万円+18.5%
2025年2月期3億39百万円4億04百万円(2024年10月15日=上半期決算と同日)4億82百万円+42.3%
2026年2月期4億77百万円修正なし(上半期決算では据え置き)3億23百万円△32.3%
2027年2月期6億24百万円修正なし(2026年10月7日、据え置き)——

(出所:各期の決算短信、業績予想の修正・差異の開示。実績と予想の差が大きかった期は差異の開示が出ています)

この表のポイントは、期初予想と実績の差が毎期2〜4割出ていることです。しかも上振れした2025年2月期は、後で見るように貸倒引当金の戻入が営業利益を約79百万円押し上げた年でした。「上方修正を続けてきた会社」とも「予想を外してきた会社」とも一方向には言えず、予想そのものが大きく動く会社として読むのが無難です。

用語メモ:2025年2月期の上半期予想は、7月5日と9月24日の2回、上方修正されています。9月24日の修正理由には「一部の取引先に対する債権について回収が順調に進んだため貸倒引当金の戻し入れを計上」とあり、このときも戻入が利益を押し上げていました。なお同期は、ソフトウェアの会計処理について監査法人の確認が続いたことを理由に、上半期の決算発表を10月4日から15日に延期しています。

1-5. 中期経営計画「中計2027」と今期予想の位置

2025年2月に公表された中期経営計画(2026年2月期〜2028年2月期)は、最終年度の2028年2月期に売上高62億円、営業利益は2025年2月期予算比247%(約10億円)、ROE15%超を掲げています。

項目2028年2月期 目標2027年2月期 会社予想2026年2月期 実績
売上高62億円62億11百万円(到達)50億78百万円
営業利益約10億円6億24百万円3億23百万円
ROE15%超—5.4%

(出所:2025年2月20日「中期経営計画の策定に関するお知らせ」、2027年2月期第2四半期決算説明資料)

売上高は今期予想の時点で最終年度の目標に届く計画です。一方、営業利益は今期予想から最終年度まで1.6倍が必要で、2026年2月期の実績からは約3.1倍です。この「約10億円」は、§6で扱うストック・オプションの行使条件とも一致しています。


2. 決算ハイライト:上半期(2026年3〜8月)

2026年10月7日15時30分発表。決算補足説明資料あり、決算説明会なし。

項目2026年8月中間期前年同期前年同期比会社の上半期予想予想比
売上高26億05百万円23億68百万円+10.0%28億72百万円△9.3%
売上総利益10億60百万円9億70百万円+9.3%——
販売費及び一般管理費9億00百万円8億11百万円+11.0%——
営業利益1億59百万円1億59百万円+0.4%1億30百万円+22.1%
経常利益1億55百万円1億58百万円△2.0%1億28百万円+20.8%
純利益1億20百万円1億26百万円△4.6%87百万円+38.2%
1株利益2.76円2.90円—2.00円—

(出所:2027年2月期第2四半期(中間期)決算短信、同日の差異の開示)

売上は予想に届かず、利益は予想を上回りました。会社は差異の理由を次のように書いています(原文)。

一方で、不動産ソリューション事業における「H'OURS」のサービス利用件数が前年を下回ったほか、不動産オークション取引の一部案件が下半期へ期ずれしたこと、また、建築ソリューション事業においても一部サービスの取扱い件数が想定を下回ったこと等により、売上高は予想数値を下回りました。利益面においては、前連結会計年度末に計上した一部の取引先に対する貸倒引当金について、相手先の経営状況及び財務状況を踏まえ回収可能性を見直した結果、貸倒引当金繰入額の戻入等により、公表予想を上回りました。

つまり利益が予想を上回った理由として会社が挙げているのは、貸倒引当金の戻入です。短信本文によれば戻入額は1億00百万円(100,123千円)で、販売費及び一般管理費のマイナスとして計上されています。

用語メモ:貸倒引当金は「この売掛金は回収できないかもしれない」と見込んだ分を、あらかじめ費用として計上しておく仕組みです。積んだ時点で利益が減り、その後に回収できる見込みが立てば「戻入」として逆に利益が増えます。現金はどちらの時点でも動きません。

2-1. 財政状態とキャッシュ・フロー

項目2026年8月末2026年2月末
現金及び預金24億30百万円26億42百万円
売掛金6億49百万円6億38百万円
貸倒引当金△1百万円△1億00百万円
総資産46億28百万円47億41百万円
純資産33億82百万円34億98百万円
自己資本比率72.4%73.4%

上半期のキャッシュ・フローは、営業活動が+1億98百万円、投資活動が△1億24百万円(投資有価証券の取得75百万円など)、財務活動が△2億85百万円(配当の支払い2億61百万円)でした。有利子負債はリース債務程度で、財務は健全です。

貸倒引当金は2月末の1億00百万円から8月末には1百万円まで減りました。キャッシュ・フロー計算書の「貸倒引当金の増減額」は△99百万円(△99,744千円)で、貸借対照表の残高の減少額と一致します。積んだ分がほぼ全額、半年で戻ったことになります。


3. 深掘り①:貸倒引当金の出入りを除くと、営業利益はどう見えるか

会社自身も第1四半期の「想定質問と回答」(2026年7月13日開示)で、営業利益には一時的な要因が含まれており、一時的な要因を除いた収益力の改善が必要だと書いています。そこで、引当金の出入りを除いた営業利益を自分で作ってみます。

3-1. 上半期の「前年並み」を分解する

項目2026年8月中間期前年同期差
営業利益(開示値)1億59百万円1億59百万円+0百万円
うち貸倒引当金の戻入(販管費の注記の繰入額)+99百万円+65百万円+34百万円
戻入を除いた営業利益(筆者の計算)約60百万円約94百万円△34百万円(△36.2%)

(出所:中間決算短信の「販売費及び一般管理費のうち主要な費用」の貸倒引当金繰入額△99,744千円、前年同期△65,265千円)

この表のポイントは、前年同期の上半期にも65百万円の戻入があったことです。前年の上半期も戻入込みで1億59百万円、今年も戻入込みで1億59百万円。戻入を除くと、本業の上半期利益は約94百万円から約60百万円へ3割以上減っています。

さらに、会社の上半期予想(営業利益1億30百万円)は、決算短信の時点で「前期の貸倒引当金1億円がなくなること」を増益要因に挙げて作られたものです(2026年4月10日「想定質問と回答」)。戻入を見込んだ予想ではありません。戻入を除いた約60百万円は、**予想1億30百万円の約46%**です。

3-2. 戻入を除いた約60百万円は、なぜ減ったのか

戻入を除いた営業利益の減少34百万円を、売上の伸び・粗利率の変化・販管費の増加の3つに分けます(筆者の計算)。

要因金額計算
売上の伸び(数量効果)+97百万円増収額2億37百万円×前年の粗利率40.98%
粗利率の低下(率効果)△8百万円当期売上×(40.68%−40.98%)
販管費の増加(戻入の影響を除く)△1億24百万円10億00百万円−8億77百万円(+14.1%)
合計△34百万円実際の減少額と一致

売上は伸びて粗利も約90百万円増えましたが、販管費(戻入を除く)がそれ以上に1億24百万円増えました。短信の注記では、給料及び手当が2億11百万円から2億85百万円へ74百万円増え、株式報酬費用も4百万円から14百万円に増えています。会社は決算説明資料で、人材紹介手数料・ストック・オプション制度費用・管理職の複数採用などの「人的資本投資」と説明し、投資は継続する方針としています。

用語メモ:数量効果は「去年と同じ粗利率のまま売上が増えた分」、率効果は「粗利率が変わった分」です。2つを足すと実際の粗利の増減になります。

3-3. 14四半期を並べる:引当金の出入りを除いた本業の利益

累計しか開示されないので、四半期ごとの数字は筆者が累計から差し引いて作っています。引当金の影響は、貸借対照表の貸倒引当金残高の四半期ごとの増減で近似しました(増えた四半期は費用、減った四半期は戻入。半期の値はキャッシュ・フロー計算書の増減額と一致することを確認済み。ただし実際の貸倒れで引当金を取り崩した分も含まれるため、近似値です)。

四半期売上高営業利益(開示値から差し引き)引当金残高の増減引当金を除いた営業利益同 利益率
2024年2月期 1Q10億37百万円1億22百万円———
2Q9億80百万円89百万円———
3Q10億15百万円1億34百万円———
4Q11億06百万円1億11百万円———
2025年2月期 1Q11億73百万円1億98百万円△9百万円1億89百万円16.1%
2Q12億01百万円1億28百万円△9百万円1億20百万円10.0%
3Q11億80百万円1億53百万円△24百万円1億29百万円10.9%
4Q11億88百万円4百万円△37百万円△34百万円△2.8%
2026年2月期 1Q11億52百万円32百万円△29百万円2百万円0.2%
2Q12億16百万円1億27百万円△36百万円92百万円7.5%
3Q13億17百万円1億32百万円△0百万円1億32百万円10.0%
4Q13億93百万円33百万円+99百万円1億32百万円9.4%
2027年2月期 1Q12億45百万円93百万円△76百万円18百万円1.4%
2Q13億60百万円66百万円△24百万円42百万円3.1%

(4四半期の合計が各期の通期開示値と一致することを確認済み。2024年2月期は四半期末の引当金残高を取得していないため空欄)

この表のポイントは3つです。

  1. 2026年2月期の第4四半期は、開示値では33百万円の「谷」ですが、引当金を除くと1億32百万円で第3四半期と同じ水準でした。前期末の「大幅減益」は、本業の失速というより引当金の繰入れで生まれた谷です。
  2. 逆に今期の第1・第2四半期は、開示値では93百万円・66百万円ですが、引当金を除くと18百万円・42百万円です。今期の上半期のほうが、本業ベースでは前期の第3・第4四半期より明らかに低い水準にあります。
  3. 毎年同じ四半期に同じ形が出ているわけではありません。第1四半期は2025年2月期が最も高く、2026年2月期と今期は最も低い。第4四半期も年によって大きく違います。会社も「事業ごとに季節性や案件の進捗タイミングによる影響を受ける場合がある」と説明していますが、3年分を並べた範囲では、決まった季節の形は確認できません。

3-4. 「積む→戻す」は3回目

連結の貸倒引当金残高を年度末で並べます。

時点連結の貸倒引当金残高その期の出来事
2023年2月末約1億79百万円(筆者が翌期の増減額から逆算)単体で「キャッシュフローの悪化が懸念された一部の取引先」に1億76百万円を繰入れ
2024年2月末1億46百万円回収が進み一部を戻入(年間△33百万円)
2025年2月末67百万円さらに戻入(年間△79百万円)
2026年2月末1億01百万円上半期に戻入△65百万円、第4四半期に1億円を新たに繰入れ
2026年8月末1百万円戻入△99百万円

(出所:各期の決算短信の貸借対照表・キャッシュ・フロー計算書。2023年2月期の1億76百万円は2024年3月21日の開示の記載)

引当金の出入りを除いた年間の営業利益は次のとおりです(筆者の計算)。

決算期営業利益(開示値)引当金の増減引当金を除いた営業利益
2024年2月期4億56百万円△33百万円4億23百万円
2025年2月期4億82百万円△79百万円4億04百万円
2026年2月期3億23百万円+34百万円3億57百万円
2027年2月期 上半期1億60百万円△100百万円60百万円

開示値では「4.6億→4.8億→3.2億」とジグザグですが、引当金の出入りを除くと「4.2億→4.0億→3.6億」と3期続けてなだらかに下がっています。売上は同じ期間に41億円から51億円へ増えているので、引当金を除いた営業利益率は10.2%→8.5%→7.0%と下がっています。会社は人的資本投資・DX投資を続けている段階と説明しており、利益率の低下は投資の結果という見方も成り立ちます。

用語メモ:会社は、2026年2月期の1億円の繰入れを「金融ソリューション事業において一部の取引先に関するリスクを精査した結果、保守的な観点から計上したもの」とし、子会社での計上だったと説明しています。相手先の名前は開示されていません。過去3回の繰入れが同じ取引先に関するものかどうかも開示されていないため、本記事では結びつけていません。

ここで、強気・弱気の両方の読み方が成り立ちます。

  • 強気の読み方:会社は2回とも、積んだ引当金をほぼ全額回収・戻入できています。与信の見積りが保守的だった結果ともいえ、実際の損失にはなっていません。
  • 弱気の読み方:引当金の出入りがあるたびに、四半期の利益が数千万円〜1億円単位で動きます。今期上半期の「予想超過」も戻入によるもので、開示される営業利益だけでは本業の勢いが読みにくい会社です。会社は1億円の繰入れを「一過性」と説明していますが、過去3年で3回、繰入れと戻入が起きているという事実は残ります。

4. 深掘り②:据え置かれた通期予想は、下期に何を置いているか

深掘り①で、上半期の本業の利益が予想を大きく下回っていたことを見ました。それでも会社は通期予想を据え置いています。では、下期に何が置かれているのかを見ます。

4-1. 下期に必要な数字

項目通期予想上半期実績下期に必要な額前年下期の実績必要な前年比
売上高62億11百万円26億05百万円36億05百万円27億10百万円+33.0%
営業利益6億24百万円1億59百万円4億64百万円1億64百万円+182.5%
経常利益6億19百万円1億55百万円4億64百万円1億58百万円+192.6%
純利益4億25百万円1億20百万円3億04百万円63百万円+381.5%

(筆者の計算。前年下期は2026年2月期の通期から上半期を差し引いたもの)

前年下期の営業利益1億64百万円には、第4四半期の引当金繰入れ(約99百万円)が含まれています。それを除いた前年下期は約2億63百万円です。それでも、下期に必要な4億64百万円はその約1.8倍です。

用語メモ:期初の予想は「上半期1億30百万円+下期4億94百万円=6億24百万円」でした。上半期の実績は、戻入を除けば約60百万円で予想を約70百万円下回りましたが、戻入約1億円が入ったため、開示上は予想を約30百万円上回っています。据え置かれた通期予想が下期に置いている額(4億64百万円)は期初より約30百万円小さくなっただけで、本業ベースで見ると、通期6億24百万円のうち約1億円を戻入で賄う形になっています(筆者の整理)。

4-2. 下期の伸びはどの事業に置かれているか

会社は期初に事業別の通期計画を開示しています(2026年2月期決算説明資料)。上半期の実績を差し引くと、下期に置かれている数字が出ます(筆者の計算)。

事業通期計画 売上下期に必要な売上前年下期必要な前年比通期計画 利益下期に必要な利益前年下期差
金融21億73百万円11億69百万円10億36百万円+12.8%8億76百万円4億16百万円3億75百万円+42百万円
不動産13億64百万円9億60百万円5億30百万円+81.2%1億97百万円2億51百万円43百万円+2億08百万円
建築16億56百万円9億38百万円6億16百万円+52.2%2億01百万円1億24百万円27百万円+97百万円
士業10億13百万円5億37百万円5億24百万円+2.4%80百万円16百万円33百万円△17百万円
全社費用(調整額)————△7億30百万円(含意)△3億42百万円△3億13百万円△29百万円

(売上は外部顧客向け。事業別計画は百万円単位の説明資料の記載。全社費用は「通期営業利益予想−事業別利益計画の合計」から筆者が逆算)

この表のポイントは、下期の増益のうち約3億円(不動産+2億08百万円、建築+97百万円)が、2つの事業に置かれていることです。

  • 不動産は、下期だけで売上を前年の1.8倍にし、利益を43百万円から2億51百万円へ増やす計画です。上半期は損失53百万円で、通期計画に対する利益の進捗はマイナスです。会社は不動産オークションについて「大型物件を中心とした契約・決済時期の遅延」は案件の消失ではなく時期ずれで、仕掛かり案件が前期の期初の3倍に増えたと説明しています。今回も「一部案件が下半期へ期ずれした」と書いています。オークションは1件の金額が大きく、決済が1件ずれるだけで四半期の数字が大きく動く事業です。
  • 建築は、下期の売上を前年の1.5倍にする計画です。上半期は売上+7.9%、利益△14.5%でした。会社は設計変更の増加や行政の審査期間の長期化で納期がずれたと説明しています。

一方で、金融は上半期で利益計画の52.5%まで進んでいますが、その中には貸倒引当金の戻入(約1億円)が入っています(短信本文で金融事業の記載の中に戻入が書かれています)。戻入を除くと上半期の金融のセグメント利益は約3億60百万円で、前年同期の4億19百万円を下回ります(前年同期の戻入65百万円がどの事業に計上されていたかは開示がないため、前年側は調整できていません)。

4-3. 過去2期、上半期決算の時点で予想が置いていた下期と、実際の下期

決算期上半期決算時点の通期予想予想が置いていた下期実際の下期達成率引当金を除いた実際の下期
2025年2月期4億04百万円(10月15日に上方修正)78百万円1億56百万円200.8%95百万円
2026年2月期4億77百万円(据え置き)3億18百万円1億64百万円51.7%2億63百万円(82.8%)
2027年2月期6億24百万円(据え置き)4億64百万円———

(営業利益。筆者の計算)

この表のポイントは、同じ「上半期決算の時点の予想」でも、2025年2月期は下期を低く置いて大きく上回り、2026年2月期は高く置いて大きく下回ったことです。今期の下期の置き方(4億64百万円)は、前期の置き方(3億18百万円)より約1.5倍高く、過去に実際の下期で出た利益(引当金を除いて95百万円・2億63百万円)を大きく上回ります。

「過去に下期で上振れたから今回も」とも、「前期に届かなかったから今回も」とも言えません。ただ、今期の下期は、これまでの下期のどの実績よりも高い利益を求める置き方になっていることは、数字で確認できます。

なお、会社は第2四半期の決算説明資料で「2Qは費用増加の影響で利益進捗が鈍化、下期は施策推進と経費コントロールを徹底」と書いており、費用を抑える方向も示しています。

4-4. 予想の上振れ・下振れの材料

方向材料
上振れ側不動産オークションの期ずれ案件が下期にまとまって決済されれば、1件ごとの金額が大きいため利益が一気に動く/会社が「下期は経費コントロールを徹底」としている/新たな受託業務の開始を据え置きの理由に挙げている
下振れ側戻入を除いた上半期の本業利益は約60百万円で、前年同期・上半期予想の両方を下回った/人的資本投資は継続する方針/建築の納期ずれ、不動産の決済時期は会社がコントロールしにくい/過去に引当金の繰入れが第4四半期に出たことがある

会社予想の6億24百万円には、深掘り①で見た「本業の利益水準がなだらかに下がってきた流れ」を、下期の半年で反転させる前提が置かれていることになります。


5. 事業別の上半期

事業売上高前年同期比セグメント利益前年同期
金融10億04百万円+10.3%4億59百万円4億18百万円
不動産4億03百万円+37.9%△53百万円△84百万円
建築7億18百万円+7.9%77百万円90百万円
士業4億76百万円△3.9%63百万円57百万円
全社費用(調整額)——△3億87百万円△3億23百万円

(売上高は外部顧客向け。出所:中間決算短信のセグメント情報)

  • 金融:住宅ローンの取扱件数が回復し、信託サービスの契約件数も増えて増収です。セグメント利益には戻入約1億円が入っています。会社は金利動向に左右されにくい「ローン完済関連サービス」を始め、提供先を広げていると説明しています。
  • 不動産:非対面決済H'OURSの利用件数は前年を下回りましたが、不動産オークションの成約件数が前年同期の1.5倍に増え、損失が縮みました。
  • 建築:敷地調査と設計サポートの受託件数は回復傾向ですが、測量機材などの原価増と納期ずれで減益です。
  • 士業:司法書士向けシステム「サムポローニアシリーズ」は堅調ですが、機器販売が減り減収、利益は増益です。会社は2027年4月に施行される本人確認の厳格化(犯罪収益移転防止法の改正)に対応する「ミトラeye/サムポロeye」を2027年初頭に提供開始する予定としています。
  • 全社費用:3億23百万円から3億87百万円に65百万円増えました。これも人的資本投資の増加と整合します。

5-1. 子会社の動き

  • ミトラ相続支援:相続関連サービスに特化した100%子会社を2026年8月1日に設立し、9月1日に事業を開始しました。会社は今期の業績への影響を「軽微」としています。説明資料には、相続関連の目標を達成した後の業績イメージとして「営業利益約200百万円」が記載されていますが、会社自身が「業績予想を示すものではありません」と注記しています。
  • 事業譲受の中止:2026年5月22日に、土地家屋調査士の協会から官公署向けの補助業務を譲り受ける基本合意を発表しましたが、6月23日に「想定していた効果を得ることが難しいことが判明した」として解除しました。業績への影響はないとしています。

5-2. 特定の取引先への依存

2026年2月期の有価証券報告書は、売上高の10%以上を占める顧客として**司法書士法人燈(売上6億46百万円、12.7%、金融ソリューション事業)**を挙げ、「事業等のリスク」でも依存度を書いています。前の期(2025年2月期)の主要顧客は、司法書士法人エスクロー・エージェント・ジャパン(6億80百万円)と住信SBIネット銀行(5億93百万円)でした。

同じ有報の「関係会社の状況」には、2025年3月に設立した金融ソリューション事業の子会社「New Deal」の売上高が6億46百万円(646,988千円)と記載されています。司法書士法人燈への売上高と同じ金額ですが、両者の関係について会社は説明していません。New Dealは初年度に経常損失27百万円・当期純損失52百万円を計上し、期末の純資産は△67百万円(債務超過)でした。

用語メモ:会社が貸倒引当金を積んだ「一部の取引先」の名前は開示されていません。本記事では、上記の主要顧客や子会社と結びつける根拠がないため、結びつけていません。


6. 資本政策と株主還元

6-1. 配当:年6円、今期から中間配当を開始

決算期1株配当配当性向配当の決め方
2023年2月期4円—安定配当
2024年2月期6円(期初予想4円から増配)87.3%安定配当
2025年2月期6円75.0%安定配当
2026年2月期6円138.0%安定配当
2027年2月期(予想)6円(中間3円+期末3円)61.5%安定配当

配当方針は「継続的に安定配当を行うことを基本」とするもので、配当性向やDOEの数値目標はありません。実際に、利益が大きく減った2026年2月期も6円を維持し、配当性向は138%になりました。

今期の配当総額は約2億62百万円(自己株式を除く株数×6円)です。上半期の純利益1億20百万円に対し、下期の純利益によって配当性向が大きく変わります(筆者の試算)。

下期の純利益の前提通期の純利益1株利益配当性向
会社予想どおり(3億04百万円)4億25百万円9.75円61.5%
前年下期の引当金を除いた水準(約1億32百万円)2億52百万円5.79円103.7%
前年下期並み(63百万円)1億84百万円4.21円142.4%

(1株利益の分母は上半期の期中平均株式数43,579,283株。引当金を除いた前年下期は、引当金約99百万円に法定実効税率30.62%を当てた税後の概算)

配当の原資となる利益剰余金は24億円あり、手元資金も24億円あるため、1年の配当性向が100%を超えても配当の支払い自体に支障が出る規模ではありません。会社は説明資料で「強固な資本基盤を維持しつつ、資本コストを上回るROEと安定配当を維持」としています。ただし、配当性向100%超が続けば、純資産は少しずつ減っていきます(2025年2月末35億56百万円→2026年8月末33億82百万円)。

権利付き最終日:期末配当の基準日は2027年2月28日(日曜日)です。直前の営業日2月26日(金)を起点に2営業日前を数えると、**権利付き最終日は2027年2月24日(水)**です(2月23日は天皇誕生日で休場)。中間配当(基準日2026年8月31日)は10月30日に支払われる予定です。

6-2. 株主優待

有価証券報告書(2026年5月22日提出)の「株主に対する特典」欄は「該当事項はありません」です。株主優待制度はありません。

6-3. 株主構成

株主(2026年2月末)株数発行済株式(自己株式を除く)に対する比率
株式会社中央グループホールディングス1,860万株42.70%
本間 英明(代表取締役会長)312万株7.16%
千代田プロパティホールディングス株式会社275万株6.31%
成宮 正一郎(代表取締役社長)41万株0.95%

(出所:2026年2月期有価証券報告書。自己株式は239万株、発行済株式の5.22%)

有報の役員の略歴には、本間会長が2009年から中央グループホールディングスの代表取締役会長を務めていると書かれています。ただし、同社の株主構成は開示されておらず、有報は「親会社等はありません」としています。本記事では、関係を示す開示が確認できないため両者の持株比率を合算していません。

用語メモ:議決権の3分の1を超えて持つ株主は、定款変更や合併などの特別決議(出席株主の3分の2以上の賛成が必要)を単独で否決できます。中央グループホールディングスの42.70%はこの水準を上回っています。

所有者別では、個人株主が10,497名で株式の49.6%を持っています。2026年10月2日時点の信用買残は約89万株、信用売残は約11万株です。株価情報サイトの時系列では、9月の1日あたりの出来高はおおむね2万〜14万株でした(報道ベース)。

2026年5月の定時株主総会では、取締役選任議案の賛成割合が本間会長98.58%、成宮社長89.92%、太田取締役99.24%でした(臨時報告書)。誰が反対したかは開示されていません。

6-4. 社長の自社株買いと、会社からの融資

成宮社長は2025年10月16日〜11月14日に市場で自社株33万5,600株を買い付けました。開示によれば、買付けの上限は58.5百万円(手数料込み)で、会社が社長個人に買付け資金を融資しています。有報の関連当事者情報では、貸付金額は58.5百万円、期末残高は57.7百万円で、取得した株式すべてを担保とし、金利は市場金利等を勘案して決めたとされています。

上限額を株数で割ると、平均取得単価は最大で約174円です(手数料を含む上限額からの逆算で、実際の取得総額は開示されていません)。

  • 強気の読み方:社長が自分の名義で株を買い増しており、株主と利害をそろえる行動です。
  • 弱気の読み方:資金は会社からの借入れであり、会社のお金で経営者の持株を増やした形でもあります。総会での社長の賛成割合が他の取締役より低かった(89.92%)ことも事実として残ります。

6-5. ストック・オプションの行使条件:2028年2月期に営業利益10億円超

2025年6月に発行した有償ストック・オプション(第8・9回、役員・従業員等32名)の内容は次のとおりです(有報「新株予約権等の状況」)。

項目内容
株数229万6,700株(自己株式を除く発行済株式の5.3%)
行使価額131円
行使期間2028年6月1日〜2040年7月31日
業績条件(全員)2028年2月期の連結営業利益が10億円を超えること(株式報酬費用の控除前)、かつ担当事業の業績条件
株価条件(取締役のみ)割当日から2028年5月末までに、1か月平均の時価総額が一度でも100億円を超えること

時価総額100億円を自己株式を除く株数(4,363万株)で割ると、必要な株価は約229円で、10月7日終値158円から約45%上です(筆者の試算)。

業績条件の「営業利益10億円超」は、中期経営計画の最終年度の目標とほぼ同じ水準です。引当金を除いた本業の営業利益(2026年2月期で約3億57百万円)からは約2.8倍で、経営陣が「中計の数字そのもの」を達成するように動機づけられている設計です。条件を満たせば発行済株式が最大5%強増えます(希薄化)。条件を満たさなければ行使されません。

6-6. 株式数の変化

発行済株式数は2月末の45,950,238株から8月末には46,034,492株へ84,254株増え、資本金と資本剰余金も合計約9百万円増えています。中間決算短信には増加の理由が書かれていないため、半期報告書で確認が必要です。


7. 株価の見方

10月7日(決算発表日)の東証終値は158円です。決算は15時30分(取引終了と同時刻)の発表なので、この終値には決算への反応は含まれていません。当日の出来高は約31万株で9月の多くの日の2〜10倍でしたが、すべて発表前の取引です。同日夜の夜間取引(PTS)では154.1円(東証終値比△2.47%、21時01分時点)が付いています(報道ベース。取引量が小さく、翌営業日の値動きと一致するとは限りません)。年初来の高値は204円、安値は147円(6月2日)です。

指標値計算
時価総額(自己株式を除く)約68.9億円158円×4,363万株
予想PER16.2倍158円÷会社予想1株利益9.76円
実績PER(2026年2月期)36.3倍158円÷4.35円
PBR2.06倍158円÷8月末の1株純資産約76.8円
配当利回り3.80%6円÷158円

(筆者の計算)

一次情報から拾える株価の基準点は次のとおりです。

経路出所値
社長の自社株買いの平均単価(上限)2025年10月3日・11月14日の開示約174円(2025年10〜11月)
ストック・オプションの行使価額有報131円
短信の時価ベースの自己資本比率×総資産2026年2月期決算短信163.5%×47億41百万円=約77.5億円(2026年2月末の時価総額)

強気の見方

  • 会社予想どおりなら予想PERは16倍台、配当利回りは3.8%。下期に不動産オークションの決済がまとまれば、利益は大きく動き得る
  • 貸倒引当金は2回とも戻入で終わっており、実際の損失にはなっていない
  • 自己資本比率72%、手元資金24億円で、有利子負債はほぼない。配当を維持する体力はある
  • 経営陣のストック・オプションの条件が中計目標(営業利益10億円)と一致しており、目標達成への動機は強い

弱気の見方

  • 引当金の出入りを除いた営業利益は3期続けて下がり、今期上半期は約60百万円と前年同期・上半期予想の両方を下回った
  • 据え置かれた通期予想は、下期だけで過去のどの下期よりも高い利益を求める置き方で、その多くを決済時期の読みにくい不動産オークションと、納期ずれが続く建築に置いている
  • 予想PERの16倍は会社予想の1株利益を前提にした数字で、実績ベースでは36倍
  • 下期が前年並みに終われば、配当性向は100%を超える

どちらの見方を採るかは、下期の不動産オークションの決済と、引当金を除いた営業利益の回復が第3四半期(9〜11月)に見えるかどうかで判断が分かれそうです。


8. 今後のカレンダーと見るべきKPI

時期イベント
2026年10月7日半期報告書の提出予定日(中間短信に記載のない株式数増加の理由、セグメント情報の確認)
2026年10月中旬(例年)上半期決算の「想定質問と回答」の開示(前期は10月17日、第1四半期は7月13日)
2026年10月30日中間配当(3円)の支払開始予定日
2027年初頭「ミトラeye/サムポロeye」提供開始予定
2027年1月上旬(例年)第3四半期決算(前期は1月9日)
2027年2月24日(水)期末配当の権利付き最終日
2027年4月本人確認厳格化(犯罪収益移転防止法の改正)の施行
2027年4月上旬(例年)通期決算・2028年2月期予想(前期は4月3日)
2028年2月期ストック・オプションの業績条件(営業利益10億円超)の判定年度/中計最終年度
2028年5月末取締役向けストック・オプションの時価総額条件(100億円超)の期限

見るべきKPI

  1. 第3四半期(9〜11月)単独の営業利益と、貸倒引当金残高の動き:引当金の出入りを除いた営業利益が、前期第3四半期の1億32百万円に戻っているか
  2. 不動産ソリューションの第3四半期の売上と利益:下期に置かれた売上9億60百万円・利益2億51百万円に向けて、オークションの決済が進んでいるか
  3. 建築ソリューションの納期ずれの解消:下期に置かれた売上9億38百万円(前年下期の1.5倍)
  4. 販管費(引当金の影響を除く)の伸び:上半期は+14.1%。会社が言う「経費コントロール」が数字に出るか
  5. 通期予想の修正の有無:第3四半期決算と同時か、期末後か(2024年2月期は期末後の3月に修正、2026年2月期は期末後の決算発表日に差異の開示)

9. 3行まとめ

  • 上半期の営業利益「前年並み」の中には貸倒引当金の戻入約1億円が入っており、除くと約60百万円で前年同期・会社予想の両方を下回りました。引当金の出入りを除いた本業の利益は3期続けて下がっています
  • 会社は通期予想を据え置き、下期だけで営業利益4億64百万円(前年下期の約1.8〜2.8倍)を置いています。その約3億円分は不動産オークションと建築の下期の伸びです
  • 配当は年6円を維持する方針で、下期次第で配当性向は60%台から100%超まで振れます。経営陣のストック・オプションは「2028年2月期に営業利益10億円超」が条件です

免責事項

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資勧誘や投資助言を目的としたものではありません。数値は、ミトラグループ(旧エスクロー・エージェント・ジャパン)の決算短信(2024年2月期〜2027年2月期第2四半期)、業績予想の修正・差異の開示、決算説明資料、想定質問と回答、中期経営計画、2026年2月期有価証券報告書、2026年5月29日提出の臨時報告書から筆者が転記・算出したものです。四半期ごとの数値は累計値から筆者が差し引いたもの、引当金の出入りを除いた営業利益は貸借対照表の貸倒引当金残高の増減で近似した筆者の概算です(実際の貸倒れによる取り崩しを含む可能性があります)。事業別の下期の数字は、会社が百万円単位で示した通期計画から筆者が差し引いたものです。株価・出来高・信用残・夜間取引(PTS)の価格は株価情報サイトの表示によるもので(報道ベース)、PTSの価格は取引量が小さく翌営業日の値動きと一致するとは限りません。決算は15時30分の発表であり、10月7日の東証の値動きは発表前の取引です。決算説明会は開催されておらず、当四半期についての会社の質疑応答は反映していません(上半期の「想定質問と回答」は執筆時点で未開示)。第2四半期の決算説明資料はテキストの抽出で読み、グラフ内の数値の対応は文字の並び順から判断しました。同資料の営業利益の増減分析の図は、損益計算書の科目別の増減と対応関係が確定できなかったため、数値を使っていません。コーポレート・ガバナンス報告書は文字情報を読み取れず反映していません(支配株主に関する記載の有無は未確認)。半期報告書は執筆時点で確認していません。貸倒引当金の対象の取引先、過去の繰入れとの関係、主要顧客・子会社との関係は会社が開示しておらず、本記事は特定していません。中央グループホールディングスと本間会長の持株比率は、関係を示す開示が確認できないため合算していません。

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