株式投資

アークコア(3384) 家の前までバイクを引き取りに行き、業者だけが集まる競り市で売っている会社 上半期で通期予想の1.6倍を稼いだのに、なぜ予想を据え置くのか?【2026年10月発表・上半期決算】

本記事は2026年10月時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。**執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。**特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

この記事でわかること

  • アークコアの稼ぎ方を「家の前までバイクを引き取りに行き、業者だけが集まる競り市(業者間オークション)で売る」という一つの絵で説明し、その絵から強みと弱みの両方を読みます
  • 上半期の営業利益3億83百万円は通期予想2億39百万円の1.6倍。それでも予想を据え置いた結果、予想は下期(9月〜2月)に1億44百万円の営業赤字を置いている計算になります。これを過去3期の「予想が置いた下期」と「実際の下期」に並べます
  • 上半期は前年同期比8.4%の営業増益ですが、**6〜8月の3か月だけを取り出すと減収・営業減益(△16.4%)**でした。6〜8月の営業利益は4年続けて前年を下回っています
  • 売上の81.2%が1社のオークション会社(株式会社ビーディーエス)向けで、12〜2月は3年続けて営業赤字という、この会社の数字の「癖」を整理します
  • 資本政策:大株主の売却意向を受けた自己株式取得(N-NET3、30,700株・750円)、合併対価としての自己株式の交付、配当方針(配当性向20%を基準)と無配の続く実績、株主優待の有無で開示が食い違っている点を扱います
  • 時価総額(自己株式控除後)約13.6億円に対し、現預金は約18.9億円。この並びが何を意味し、何を意味しないかを書きます

1. 前提知識:アークコアは何で稼いでいる会社か

1-1. 家の前まで引き取りに行き、業者の競り市で売る

アークコア(名証ネクスト、2月決算、非連結)の売上の9割強は「バイクランド」という中古バイクの買取事業です。

仕事の流れを風景で書くと、こうなります。バイクを手放したい人がネットや電話で申し込むと、査定員が家の前まで出向いて値段を付け、その場で買い取ります。買い取ったバイクの大半は、自社の店で売るのではなく、中古車業者だけが参加できる競り市(業者間オークション)に出品して売ります。競り市には国内の販売店だけでなく輸出業者や海外の業者も参加し、競り合いで値段が決まります。

つまりアークコアは、**一般の人から仕入れて、業者に卸す「買い取り専門の仲買人」**です。

区分中身2026年2月期の売上構成比
バイク事業:オークション売上買い取ったバイクを業者間オークションで売却6,070百万円83.7%
バイク事業:店舗売上東京都の2店舗での小売678百万円9.3%
フィットネス事業エニタイムフィットネス4店・ステップゴルフ2店(いずれもFC加盟)504百万円7.0%
その他(IT事業)2026年4月に吸収合併したシステム開発会社今期から―
合計7,252百万円100.0%

出典:2026年2月期 有価証券報告書(収益認識関係の注記)。構成比は筆者計算。株主優待の有無は第8章で扱います(開示が食い違っています)。

この表のポイントは2つです。1つは、**売上の8割強は「競り市で売った代金」**だということ。もう1つは、フィットネスとITは売上規模では小さいものの、利益の面では無視できない動きをすることです(第4章)。

1-2. この絵から出てくる強みと弱み

「家の前まで引き取りに行き、業者の競り市で売る」という絵は、強みと弱みを同じ一文から出します。

  • 強み:仕入れの入口を自分で持っていること。広告で売りたい人を集め、査定員が出向き、データで買取価格を決める。会社は「買取成約率の維持と粗利単価の向上」を繰り返し掲げています
  • 弱み①(売値を自分で決められない):売値は競り市の相場で決まります。しかも売り先は実質1社の競り市に集中しています(1-3)
  • 弱み②(季節を自分で選べない):冬はバイクに乗る人が減り、競り値も下がりやすい。会社は冬の出品を絞るので、12〜2月は売上が減り、固定費だけが残ります(第3章)

弱み①は「前年比でなぜ利益が動くか」、弱み②は「会社の予想がなぜ毎年あの形になるか」に対応します。この2本を、以下の章で数字に置き換えていきます。

1-3. 売り先の8割は1社の競り市

決算短信の「主要な顧客ごとの情報」には、毎年1社だけ名前が載っています。

期ビーディーエス向け売上全社売上に対する比率バイク事業売上に対する比率
2023年2月期3,484百万円65.8%74.6%
2024年2月期3,867百万円71.5%77.8%
2025年2月期4,898百万円78.2%84.6%
2026年2月期5,889百万円81.2%87.3%

出典:各期の決算短信(関連情報)。比率は筆者計算。2026年2月期はオークション売上(6,070百万円)の97.0%に当たります。

会社は有価証券報告書の「事業等のリスク」で、この依存を自ら書いています。

会社は次のように書いています(原文)。

オークションでの販売においては、オークション会社である株式会社ビーディーエスへの依存度が高くなっております。これは、同社が二輪車オークションの業界で大きなシェアを有し、同社が主催するオークションにおける成約率、落札相場が良好なためであります。

比率は4年で65.8%から81.2%へ上がっています。分母(全社売上)も伸びているので、「他の売り先が縮んだ」のではなく、伸びた分の多くがこの1社の競り市に向かった形です。会社は他のオークション会社とも取引していると書いていますが、その金額は開示されていません。

用語メモ:業者間オークション(オートオークション) 古物商の許可を持つ業者だけが参加できる中古車の競り市です。出品者は落札額から手数料を引いた代金を受け取ります。アークコアの売上の多くは、この競り市での落札代金として計上されます。主催会社が顧客として短信に名前が出るのはこのためです。

1-4. 直近3期の業績

項目2024年2月期2025年2月期2026年2月期2027年2月期(会社予想)
売上高5,4116,2657,2526,589
営業利益259586431239
営業利益率4.8%9.4%5.9%3.6%
経常利益245575426231
当期純利益164391288160
1株当たり当期純利益92.46円218.31円159.46円89.02円
自己資本当期純利益率(ROE)20.9%36.6%20.4%―
自己資本比率32.9%43.9%54.0%―
1株当たり純資産489.37円703.41円862.87円―
1株当たり配当0円0円0円0円(予想)

単位:百万円(百万円未満切り捨て)。出典:各期の決算短信。予想の営業利益率は筆者計算。

この表のポイントは2つです。1つは、会社予想は前期実績から大きく減る形で置かれていること(売上△9.1%、営業利益△44.5%)。もう1つは、利益は出ているのに配当は2023年2月期から4期続けてゼロだということ(第8章)。

1-5. 会社予想の達成履歴

この会社の予想を読むうえで、最初に知っておきたいのが過去の外れ方です。

期期初の営業利益予想(開示日)期初予想の前期実績比期中の修正(開示日)実績期初予想比着地の前期比
2024年2月期197(2023年4月13日)△35.2%売上だけ2回上方修正(2023年10月10日・2024年1月12日)。利益は据え置き259+31.5%△14.8%
2025年2月期159(2024年4月15日)△38.6%中間決算と同日に利益も上方修正→553(2024年10月10日)586+268.6%(修正後比+6.0%)+126.3%
2026年2月期312(2025年4月14日)△46.8%売上だけ上方修正→7,000(2026年1月9日)。利益は据え置き431+38.1%△26.5%
2027年2月期239(2026年4月14日)△44.5%中間時点で修正なし―――

単位:百万円。増減率は百万円単位の値から筆者が計算(会社の表記と0.1〜0.2pt違う年があります)。期末後には2024年4月15日・2026年4月14日に「通期業績予想との差異」が開示されています。

この表から読めることは3つです。

  1. 期初予想は毎年「前期より3〜5割の営業減益」で置かれている
  2. 実績は期初予想を毎年上回っている(3期とも。期初予想比で+31.5%〜+268.6%と、上回り方は年によって大きく違う)
  3. 利益予想を期中に動かしたのは2025年2月期の1回だけ。他の2期は、売上が通期予想を超えた時点で売上だけを直し、利益は据え置いたまま期末を迎えた

「控えめに置いて上回る会社」という前提は、過去3期については数字で確認できます。ただし、着地の前期比は△14.8%・+126.3%・△26.5%で、減益予想が当たる年もある(上回ったのは「予想した減益幅」に対してであって、増益になったわけではない年が2つある)ことも同じ表から読めます。


2. 決算ハイライト:2027年2月期 上半期(2026年3月〜8月)

2026年10月14日(水)15時30分発表。決算補足説明資料・決算説明会はいずれも「無」で、会社の説明は短信の定性的情報だけです。

2-1. 損益

項目前年上半期当上半期増減率
売上高3,9884,288+7.5%
売上総利益1,5391,723+12.0%
売上総利益率38.6%40.2%+1.6pt
販売費及び一般管理費1,1851,340+13.1%
営業利益353383+8.4%
経常利益351381+8.4%
中間純利益236255+8.1%
1株当たり中間純利益131.08円140.35円+7.1%

単位:百万円(百万円未満切り捨て)。率は千円単位の値から筆者計算。

セグメント別

セグメント売上高前年同期比セグメント利益前年同期比
バイク事業4,016+7.7%368+21.8%
フィットネス事業256△1.6%41△18.3%
その他(IT事業)15―△27―
合計(=営業利益)4,288+7.5%383+8.4%

出典:中間決算短信(セグメント情報等の注記)。単位:百万円。

営業利益の増加約30百万円(29.5百万円)をセグメントで分けると、バイク事業+66百万円、フィットネス事業△9百万円、IT事業△27百万円(今期から)です。バイク事業の増益の半分強(約55%)を、新しく始めたIT事業と、休業のあったフィットネス事業が打ち消した形です。

会社の説明(短信の原文の要旨)は次のとおりです。

  • バイク事業:データ分析に基づいて買取価格を設定し、成約率の維持と粗利単価の向上を並行して進めた。最需要期の第1四半期にWEB広告を強化し、買取台数を確保した一方、広告宣伝費は前年同期より増えた
  • フィットネス事業:エニタイムフィットネス全4店の月平均会員数は前年同期比7.1%増。ただし前期にリニューアルしなかった2店で、FC契約の更新に伴う内装・マシン入れ替えのための休業があり、月会費収入が減った。ステップゴルフ2店の月平均会員数は6.5%減
  • IT事業:2026年4月に株式会社プロトノーツを吸収合併して開始。売上15百万円、セグメント損失27百万円

2-2. 財政状態とキャッシュ・フロー

項目2026年2月末2026年8月末増減
現金及び預金1,6611,887+226
商品(在庫)783719△63
総資産2,8883,070+181
借入金(1年内返済予定を含む)744680△64
社債(1年内償還予定を含む)185125△60
純資産1,5581,810+251
自己資本比率54.0%59.0%+5.0pt

単位:百万円(百万円未満切り捨て)。

キャッシュ・フロー前年上半期当上半期
営業活動+237+459
投資活動△77△86
財務活動△204△147
現金及び現金同等物の期末残高1,6161,871

単位:百万円。

営業キャッシュ・フローがほぼ倍になった主な理由は、法人税等の支払額が154百万円から42百万円に減ったことと、在庫が63百万円減ったことです。前年は2025年2月期の大幅増益に対応する税金を払った年でした。稼ぐ力そのものが倍になったわけではない点に注意が要ります。

用語メモ:在庫が減るとキャッシュが増える 買い取ったバイクは、競り市で売れるまで「商品」として貸借対照表に載ります。期末に在庫が減ると、その分の仕入代金がすでに回収されたことになり、営業キャッシュ・フローが増えます。逆に在庫を積み増した期は、利益が出ていてもキャッシュは増えにくくなります。


3. 深掘り①:「上半期+8.4%」の内側で、6〜8月は減収・減益だった

ここからの3章は、1つの問いを3段階で追います。問いは「会社予想は下期に何を置いていて、それはどのくらい控えめなのか」です。最初の段階として、上半期の中身を3か月ごとに割ります。

3-1. 14四半期を差し引く

アークコアは累計の数字しか開示しないので、3か月ごとの数字は自分で引き算して作るしかありません。前々期の第1四半期から今期の第2四半期まで、14四半期を並べました。

期3か月売上高粗利率販管費営業利益営業利益率うちバイク事業利益
2024年2月期3〜5月1,49037.9%468966.4%81
2024年2月期6〜8月1,86536.9%47821011.3%195
2024年2月期9〜11月1,17239.3%407544.6%31
2024年2月期12〜2月88538.5%441△101△11.4%△121
2025年2月期3〜5月1,61844.4%49422513.9%208
2025年2月期6〜8月1,47341.6%4691439.7%122
2025年2月期9〜11月1,97940.4%52827113.7%244
2025年2月期12〜2月1,19440.5%537△53△4.4%△52
2026年2月期3〜5月2,02040.0%58222511.2%205
2026年2月期6〜8月1,96837.2%6041286.5%98
2026年2月期9〜11月1,88538.6%5831457.7%122
2026年2月期12〜2月1,38039.1%607△67△4.9%△60
2027年2月期3〜5月2,36141.1%69427611.7%268
2027年2月期6〜8月1,92739.1%6471075.6%100

単位:百万円(千円単位の累計から筆者が差し引き、四捨五入)。各期の4四半期の合計が通期の開示値と一致すること、セグメント利益の合計が営業利益と±3千円以内で一致することを確認しています。

この表のポイントは3つです。

  1. 12〜2月は3年続けて営業赤字(△101・△53・△67百万円)。バイク事業単体でも3年とも赤字です。3年同じ形が出ているので、これは「季節性」と書いてよい形です
  2. 9〜11月は年によって大きく違う(54・271・145百万円)。こちらは季節性とは言えません
  3. 販管費は四半期ごとに4.1億〜6.9億円で、売上ほどは上下しない。冬に売上が減っても費用は残るので、12〜2月は赤字になります

3-2. 6〜8月だけを取り出す

今期の2つの四半期を、前年の同じ3か月と並べます。

項目3〜5月 前年3〜5月 今期6〜8月 前年6〜8月 今期
売上高2,0202,361(+16.9%)1,9681,927(△2.1%)
粗利率40.0%41.1%37.2%39.1%
販管費582694(+19.3%)604647(+7.1%)
営業利益225276(+22.4%)128107(△16.4%)

単位:百万円(筆者の差し引き)。

上半期の「+8.4%増益」は、3〜5月の+22.4%と、6〜8月の△16.4%を足したものでした。6〜8月は売上が前年を下回り、粗利率は上がったものの、販管費の増加がそれを上回っています。

営業利益の増減を「売上の量」「粗利率」「販管費」の3つに分けると、次のようになります。

要因3〜5月6〜8月上半期
数量効果(売上の増減×前年の粗利率)+136△15+116
率効果(粗利率の変化×今期の売上)+26+37+68
販管費の増減△112△43△155
合計(=営業利益の増減)+51△21+30

単位:百万円(筆者の試算)。合計は実際の営業利益の増減(千円単位から四捨五入)で、各項目を四捨五入しているため、3〜5月と上半期は項目の和と合計が1ずれます。

3〜5月は量で稼ぎ、6〜8月は量が減ったぶんを粗利率で一部取り返したものの、販管費の増加で減益になりました。粗利率が上がっている点は、軸の強み側(買取価格の設定)が効いている材料として読めます。一方、量が伸びなくなった点は、弱み側(相場と季節は選べない)の材料です。同じ3か月に両方が出ています。

3-3. 6〜8月の営業利益は4年続けて前年割れ

6〜8月の営業利益を4年並べると、210 → 143 → 128 → 107百万円です(筆者の差し引き)。4年続けて前年を下回っています。営業利益率も11.3% → 9.7% → 6.5% → 5.6%と下がっています。

ただし、これを「夏が弱くなる季節性」と書くことはできません。年間の中での6〜8月の位置は年によって違い(2024年2月期は年間最大、2025・2026年2月期は3〜5月や9〜11月より小さい)、同じ3か月の利益が4年続けて減っているという事実にとどまります。会社は6〜8月だけを取り出した説明をしていません。

用語メモ:累計しか開示されない会社の「3か月」 決算短信は「期首からの累計」で数字を出します。3か月ごとの数字を知るには、今回の累計から前回の累計を引くしかありません。上半期の数字が良く見えても、その内側の後半3か月が悪化していることがあります。


4. 深掘り②:予想は下期に1億44百万円の営業赤字を置いている

前章で、上半期の内側に「量の伸びが止まった3か月」があることを確認しました。2段目では、その上半期を受けて、会社予想が残り半年に何を置いているかを計算します。

4-1. 据え置きが生む「下期の赤字」

会社は通期予想(売上6,589百万円、営業利益239百万円)を据え置きました。上半期の実績を差し引くと、予想が下期に置いている数字は次のとおりです。

項目通期予想上半期実績予想が置いた下期前年下期の実績前年下期比
売上高6,5894,288.52,300.53,264.9△29.5%
営業利益239383.1△144.1+77.6―
経常利益231381.2△150.2+75.0―
当期純利益160255.9△95.9+51.3―
下期の営業利益率――△6.26%+2.38%―

単位:百万円(筆者の差し引き)。

用語メモ:据え置きの計算上の結果 上半期の累計が通期予想を超えたまま予想を据え置くと、「通期予想−上半期実績」で求めた下期の予想はマイナスになります。これは会社が「下期に赤字を出す」と発表したわけではなく、予想を動かさなかったことの計算上の結果です。会社がどの数字を、どのくらいの確度で見込んでいるかは、この計算からは分かりません。

会社が据え置いた理由は、短信に次のように書かれています。

会社は次のように書いています(原文)。

当中間会計期間の業績の進捗状況は堅調でありますが、バイク事業においては四半期単位の業績変動幅が大きいこともあり、期末にかけて業績予想数値に収束していく可能性が高いと判断しているため、業績予想数値は変更いたしません。

同じ文言は、7月10日の第1四半期決算短信にもほぼそのまま載っていました。

4-2. 過去3期の「予想が置いた下期」と「実際の下期」

この計算は、過去の同じ時点(上半期決算)でもできます。

期上半期決算時点の通期営業利益予想上半期実績予想が置いた下期実際の下期差
2024年2月期197(期初のまま)306.1△109.1△47.1+62.0
2025年2月期553(同日に上方修正)368.8+184.2+218.1+33.9
2026年2月期312(期初のまま)353.5△41.5+77.6+119.2
2027年2月期239(期初のまま)383.1△144.1?―

単位:百万円(筆者の差し引き)。

この表から読めることは2つです。

  1. 過去3期とも、実際の下期は予想が置いた下期を上回った(+34〜+119百万円)
  2. 今期の置き方(△144百万円)は、過去3期のどの年よりも低い。実際の下期で最も悪かった2024年2月期(△47百万円)と比べても、さらに約97百万円低い

今期は「過去と同じ置き方」ではありません。そのため、「過去と同じだけ上振れする」とは書けません。過去3期の差(+34〜+119)を今期の△144に足しても、着地は△110〜△25百万円の下期、つまり通期で273〜358百万円の範囲になり、これは会社予想の239百万円を上回ります。ただしこれは、置き方が過去と違う年に過去の「差」を機械的に当てただけの計算です。

第3四半期決算の時点(残り3か月)でも同じ計算ができます。

期予想が置いた12〜2月実際の12〜2月
2024年2月期△162.7△100.7
2025年2月期△87.0△53.1
2026年2月期△186.4△67.3

単位:百万円(営業利益、筆者の差し引き)。

12〜2月は実際に毎年赤字です。会社予想はその赤字を、毎年実際より大きく置いてきました。

4-3. 会社が毎年書いてきた「冬の競り値」

据え置きの理由として、会社はこの3年、ほぼ同じ趣旨の説明をしています。

開示日書類据え置きの理由(要旨)その年の着地(予想比)
2023年10月10日業績予想の修正(売上のみ)オークション相場が例年の秋冬相場より低位で推移する可能性営業+31.5%
2024年1月12日業績予想の修正(売上のみ)冬相場がより低位になる可能性、出品台数を抑制することも想定同上
2025年1月10日第3四半期決算短信冬季の落札価格は他の季節より下方する傾向。第4四半期の出品台数は少なくなる営業+6.0%(修正後比)
2026年1月9日業績予想の修正(売上のみ)冬季の相場は低位で推移する傾向、出品台数を抑制する想定、販管費の増加傾向営業+38.1%
2026年10月14日中間決算短信四半期単位の変動幅が大きく、期末にかけて予想数値に収束していく可能性が高い?

出典:各開示(筆者が要旨を作成)。

2026年4月14日の差異の開示では、前期について会社自身が「第4四半期は出品台数を大幅に制限する計画だったが、買取りが堅調で出品台数・落札台数が想定を上回った」と書いています。冬の競り値と出品の抑制は実際に起きていることで(12〜2月は毎年赤字)、予想がそれを毎年大きめに見積もってきた、というのが過去3年の形です。

これは軸の弱み②(季節を自分で選べない)が、そのまま予想の作り方に入っていることを示しています。

4-4. 今期は過去と何が違うか

一方で、今期の期初予想には、過去の予想になかった要素が入っています。2026年4月14日の通期短信は、減益予想の理由として次の3つを挙げました。

  1. 中東紛争の拡大や他国の政策次第で、海外業者の応札意欲が下がり、落札台数・落札価格が下がる可能性(買取台数・販売台数の減少、販売単価・粗利単価の下落を想定)
  2. エニタイムフィットネスのリニューアルに伴う休業による月会費収入の減少と、減価償却費の増加
  3. IT事業での「多額の先行投資」

上半期の実績と照らすと、1については、6〜8月に売上が前年を下回った点で予想の方向と一致する動きが出ています(ただし粗利率は上がっています)。2については、上半期に2店で休業があり、フィットネスの利益は△18.3%でした。下期に追加の休業があるかは開示されていません。3については、IT事業の損失は3〜5月△14.6百万円、6〜8月△12.4百万円でした。「多額の先行投資」がいくらで、どの時期に出るのかは開示されていません。

つまり、今期の△144百万円には、過去3期の予想と同じ「冬の見積もり」に加えて、まだ数字に出ていない費用が入っている可能性があります。どちらがどれだけかは、開示からは切り分けられません。


5. 深掘り③:下期の置き方を感応度表で読む

3段目として、下期の売上と営業利益率を変えたときに通期の営業利益がどこに着地するかを、表で幅として示します。

5-1. 過去の下期をそのまま当てると

当てはめた下期下期の営業利益通期営業利益会社予想比
会社予想どおり△144.1239.0100.0%
2024年2月期の下期並み△47.1336.0140.6%
2026年2月期の下期並み+77.6460.7192.8%
2025年2月期の下期並み+218.1601.2251.5%

単位:百万円(筆者の試算で、将来の見通しではありません)。上半期実績383.1百万円に、各期の下期の営業利益をそのまま足しています。

5-2. 売上と利益率の2つを動かすと

下期の売上 \ 下期の営業利益率予想並み(△6.26%)2024年2月期の下期(△2.29%)2026年2月期の下期(+2.38%)2025年2月期の下期(+6.87%)
予想どおり(2,300百万円)239330438541
前年下期並み(3,265百万円)179308461607
前年下期の7.5%増(3,510百万円)163303467624

単位:百万円(通期営業利益。筆者の試算で、将来の見通しではありません)。上半期実績383.1百万円に〈下期の売上×下期の営業利益率〉を足しています。下期の営業利益率は、過去3期の下期の実績(下期の営業利益÷下期の売上)を使いました。

この表のポイントは2つです。

  1. 会社予想(239)は、表の左上の角に置かれている。下期の営業利益率を予想並み(△6.26%)にしたまま売上だけ前年並みに戻すと、むしろ通期は179百万円まで下がります。予想の数字は「売上が3割減り、しかも赤字率が過去最悪を超える」組み合わせで成り立っています
  2. 過去3期で最も悪かった下期(2024年2月期)の利益率を当てても、通期は303〜330百万円。会社予想に届かないのは、下期の利益率が過去3期のどの年より悪い場合に限られます

ただし、今期は前年までになかったIT事業の先行投資が入ります(4-4)。その金額が開示されていない以上、「過去最悪の下期より悪くなることはない」とは言えません。この表は「予想が表のどこに置かれているか」を示すもので、どのマスに着地するかを示すものではありません。

5-3. 3つの深掘りを1本の線でつなぐ

  • 上半期の内側では、6〜8月に量の伸びが止まり、粗利率の改善を販管費の増加が上回った(深掘り①)
  • それでも上半期の利益は通期予想の1.6倍あり、予想は下期に過去3期のどの年より深い赤字を置いている(深掘り②)
  • 予想に届かないのは、下期の利益率が過去3期のどの年より悪い場合に限られるが、今期は開示されていない費用(IT事業の先行投資)がある(深掘り③)

「家の前まで引き取りに行き、業者の競り市で売る」会社にとって、冬の競り値は毎年の現実です。会社予想はその冬を毎年大きめに見積もってきました。今期も同じ見積もり方なのか、それとも今期は本当に冬以外の費用が重いのかは、第3四半期決算(例年1月上旬)で9〜11月の数字が出た時点で、半分が分かります。


6. セグメント別・イベント解説

6-1. フィットネス事業:会員は増えたが、休業で減益

エニタイムフィットネス4店の月平均会員数は前年同期比7.1%増(第1四半期時点では9.3%増)でした。それでも減益になったのは、前期に改装しなかった2店でFC契約の更新に伴う内装設備・マシンの入れ替えを行い、休業期間が出たためです。短信の記載によれば、4店のうち前期に2店、今期上半期に残り2店で改装・設備更新が行われたことになります。下期に追加の休業があるかどうかは開示されていません。

フィットネスの四半期利益は、12〜2月に前期・前々期とも赤字(△1.3・△7.3百万円)でした。前期は改装・マシン入れ替えで減価償却費が増えたことが会社から説明されています(通期の減価償却費は全社で40百万円→70百万円)。

6-2. IT事業:合併で始めた「第三の事業」

2026年2月20日、会社はシステム開発会社の株式会社プロトノーツを吸収合併すると発表し、4月1日に合併しました。合併の開示によれば、同社はアークコアのバイク事業のシステム開発にも関与してきた会社で、直前期(2025年8月期)の売上は43百万円、営業損失6百万円でした。合併対価は、1株あたり金銭54,383円と当社株式74.09株で、金銭対価20,067千円・株式対価20,067千円相当(自己株式27,339株)の半々です。株式の割当比率は、合併契約締結日前日までの1か月の終値平均734円をもとに算出されています。

IT事業の上半期の損益は、売上15百万円、セグメント損失27百万円でした。会社は期初に「新規案件を立ち上げるために多額の先行投資を予定」と書いており、下期の費用の規模は開示されていません。

なお、5月1日付の招集通知の「対処すべき課題」には、2022年7月の飲食事業廃止後「これに代わる事業への取り組みを行っておりません」という趣旨の文言が載っていました。合併の決議(2月)と効力発生(4月)より後の書類です。会社はこの記載について説明していません。

6-3. 粗利率と広告宣伝費

前期(2026年2月期)は、売上+15.8%に対して営業利益△26.5%でした。通期で3分解すると、数量効果+412百万円、率効果△220百万円、販管費の増加△348百万円です(筆者の試算)。販管費の増加348百万円のうち、広告宣伝費の増加が141百万円、減価償却費の増加が30百万円でした。

項目2024年2月期2025年2月期2026年2月期
売上総利益率37.95%41.72%38.70%
広告宣伝費379492632
広告宣伝費÷売上高7.00%7.85%8.73%

単位:百万円。出典:各期の決算短信(損益計算書・販管費の内訳)。率は筆者計算。

広告宣伝費の売上比率は3年続けて上がっています。会社は「バイク売却ユーザーが減少傾向にある中でも新たなユーザー層を獲得」するための出稿と説明しています。仕入れの入口(軸の強み)を維持するための費用が、年々重くなっているという読み方ができます。一方で、その結果として売上は3年で5,411百万円から7,252百万円に伸びているので、「入口への投資が量を生んでいる」とも読めます。今期上半期も、会社は第1四半期に広告を強化し広告宣伝費が増えたと書いています(四半期の販管費の内訳は開示されていません)。

なお、有報によれば売上原価に含まれる商品評価損は、2025年2月期26百万円、2026年2月期32百万円でした。これを足し戻した粗利率は42.15%・39.14%で、開示の粗利率の動きとほぼ同じです(評価損の増減で粗利率の変化が説明できる規模ではありません)。


7. 株価の見方

7-1. 株価に関する数字(ここに集約)

項目値計算・出典
株価755円2026年10月15日(木)終値(報道ベース:株探)
決算発表2026年10月14日(水)15時30分取引終了と同時刻のため、10月14日の終値(768円)は発表前の値
発表後最初の取引日10月15日(木):前日比△13円(△1.69%)、出来高2,200株報道ベース
時価総額(発行済株式数ベース)約14.9億円755円×1,970,000株
時価総額(自己株式控除後)約13.6億円755円×1,802,951株
予想PER8.5倍755円÷会社予想EPS 89.02円
実績PER(2026年2月期)4.7倍755円÷159.46円
直近12か月のPER4.4倍純利益307百万円(前期通期−前年上半期+今期上半期)÷1,802,951株=170.37円
PBR0.75倍755円÷1株当たり純資産1,004.11円(8月末の純資産÷自己株式控除後の株数)
52週の高値・安値855円(2025年10月17日)・680円(2026年3月10日)報道ベース(株探)
配当利回り0%無配予想

株価の時系列は、開示書類の価格と2点で一致しました。2026年8月6日の自己株式取得価格(750円=8月5日終値)と、合併の割当比率の基準とされた「1か月の終値平均734円」(株探の1月20日〜2月19日の終値平均は734.27円)です。

同じ会社の過去の15時30分発表について、発表後最初の取引日の騰落率を並べると、次のとおりです(因果は書きません)。

発表日内容最初の取引日騰落率
2025年10月9日前期の中間決算10月10日0.00%
2026年1月9日第3四半期決算・売上の上方修正1月13日+0.26%
2026年4月14日通期決算・今期予想(営業△44.5%)4月15日△2.41%
2026年7月10日第1四半期決算7月13日+2.71%
2026年10月14日今回の中間決算10月15日△1.69%

出典:株探の時系列(報道ベース)。

7-2. 時価総額と手元の現金

8月末の現金及び預金は1,887百万円、借入金と社債の合計は805百万円で、ネット現金(現預金−有利子負債)は1,082百万円です。

項目総額1株当たり
時価総額(自己株式控除後、755円)1,361百万円755円
現金及び預金1,887百万円1,047.1円
ネット現金(現預金−借入金・社債)1,082百万円600.4円
現預金−負債合計627百万円348.3円
1株当たり純資産1,810百万円1,004.1円

8月末の貸借対照表と自己株式控除後の株数1,802,951株から筆者計算。前受金は中間の貸借対照表では「その他」に含まれ金額が分かりません(前期末は40百万円)。

この表は、現金を株主に返す場合に限って意味を持つ計算です。 現金は競り市に出すまでの在庫の仕入れ資金でもあり(会社は手元流動性を売上高の2〜3か月分に保つ方針を有報に書いています)、会社が還元を約束しているわけではありません。

7-3. 強気の読み方

  • 過去3期とも、実際の下期は予想が置いた下期を上回った。今期の予想は下期に過去3期のどの年よりも深い赤字を置いており、過去3期で最悪の下期の利益率を当てても通期は303〜330百万円(会社予想の約1.3〜1.4倍)になる(筆者の試算)
  • 上半期の粗利率は40.2%で前年同期を1.6pt上回り、6〜8月も粗利率は上がった。買取価格の設定(軸の強み)は効いている
  • ネット現金は時価総額の約8割(1,082÷1,361)。会社予想EPSでもPERは8.5倍、直近12か月では4.4倍
  • 自己資本比率は59.0%まで上がり、借入金・社債は上半期に124百万円減った

7-4. 弱気の読み方

  • 6〜8月は減収・営業減益(△16.4%)で、6〜8月の営業利益は4年続けて前年を下回っている。上半期の増益は3〜5月の貯金による
  • 期初予想は「海外業者の応札意欲の低下」を理由に販売台数・単価の下落を想定しており、6〜8月の減収はその方向と一致する
  • IT事業の「多額の先行投資」の金額と時期が開示されていない。過去の予想にはなかった費用で、過去の上振れ幅を今期にそのまま当てられない理由になる
  • 売上の81.2%が1社の競り市向け。競り値(相場)は会社が決められず、売り先の集中度は4年で上がり続けている
  • 広告宣伝費の売上比率は3年続けて上昇(7.00%→7.85%→8.73%)。仕入れの入口を保つ費用が重くなっている
  • 個人株主比率が約98.5%(自己株式を除く、有報の所有者別状況から筆者計算)で、1日の出来高は数百〜数千株。2026年9月は売買が成立した日が18日、1日の出来高は100〜2,000株でした(報道ベース)。売買したいときに思った値段で売買できない可能性があります

8. 資本政策と株主還元

8-1. 株主優待:開示どうしが食い違っている

この節の前提自体に確認が必要です。

会社IRサイトの「株主メモ」には、次の株主優待制度が「2026年2月28日現在」として掲載されています(2026年10月16日に確認)。

保有株式数優待内容1株当たり優待額名目利回り(755円)
100株以上300株未満クオカード1,000円分10.00円(100株)〜3.34円(299株)1.32%(100株)〜0.44%(299株)
300株以上クオカード3,500円分11.67円(300株)〜1.55%(300株)

権利確定日は毎年2月末日の株主名簿で、株主総会招集通知の発送時に同封と書かれています。1株当たり優待額と利回りは筆者計算です。

一方、2026年5月29日提出の有価証券報告書の「株主に対する特典」欄は「該当事項はありません」です。会社IRサイトの記載とは食い違っており、筆者はどちらが正しいかを確認できていません。理由も推測しません。2026年2月期の株主通信と招集通知のテキストからは、優待に関する記載を見つけられませんでした。

会社IRサイトの記載どおりだとすると、次のことが言えます。

  • 100株と300株の区分の境目に谷がある。100株では1株10.00円ですが、200株では5.00円、299株では3.34円まで下がります。300株で11.67円に跳ね上がります。「100株多く買うと利回りが下がる」区間が100〜299株です
  • 優待の権利確定日(2月末日)には配当はありません(無配予想)。会社IRサイトには中間配当の基準日(8月31日)も書かれていますが、実際の配当はゼロです
  • 費用の規模は、2月末の単元株主数3,567名が全員1,000円〜3,500円を受け取った場合で357万〜1,248万円。前期の営業利益の0.8%〜2.9%に当たります(筆者の試算。額面ベースの幅で、実際の費用は開示されていません)

次の権利確定日は2027年2月28日(日)です。基準日が休業日のため、直前の営業日(2月26日(金))から2営業日さかのぼった2月24日(水)が権利付き最終日になります(2月23日(火)は祝日)。優待の有無にかかわらず、この日は議決権の基準日でもあります。

8-2. 配当:「配当性向20%を基準」と、4期続く無配

有価証券報告書の配当政策には、次のように書かれています。

会社は次のように書いています(原文)。

当社は、配当性向20%を基準として普通配当を実施することとしております。

同じ報告書は、2026年2月期の配当を見送った理由を「配当として直ちに還元するよりも、今後継続的な利益還元を実施できるように、IT事業への投資及び既存事業の店舗設備更新等に係る投資に充当することを優先する」と説明しています。

期1株当たり当期純利益配当性向20%を当てた1株配当実際の配当
2023年2月期229.81円45.96円0円
2024年2月期92.46円18.49円0円
2025年2月期218.31円43.66円0円
2026年2月期159.46円31.89円0円
2027年2月期(予想)89.02円17.80円0円(予想)

20%を当てた値は筆者計算で、会社が配当すると言っている金額ではありません。

方針の文言と実績が並んでいない状態が4期続いています。強気に読めば「方針は生きており、投資が一段落すれば配当が始まる余地がある」、弱気に読めば「方針の数字が実際の配当の決め方になっていない」です。会社は配当開始の時期や条件を開示していません。中間配当は取締役会、期末配当は株主総会で決める定款です。

8-3. 自己株式:大株主の売却意向を引き取ったN-NET3

2026年8月5日(水)16時00分、会社は大株主から売却の意向を確認したとして、名古屋証券取引所の自己株式立会外買付取引(N-NET3)で最大40,000株・30百万円の自己株式を取得すると発表しました。翌8月6日(木)8時45分に実施し、30,700株を23,025,000円(1株750円)で取得しています。

この取得は、次の4点を分けて読む必要があります。

  1. 取得方法:N-NET3は、取引時間外に、前日終値で売りと買いを付け合わせる仕組みです。売り注文に対当した分だけ買い付けます
  2. 価格の基準日:8月5日の終値750円(株探の時系列でも750円)
  3. 市場の需給:大株主の売りを市場の外で会社が引き取ったので、市場での売り圧力は直接には生じていません。「自己株式取得で市場の買いが入った」わけではありません
  4. 1株利益の効果:取得株数は取得前の自己株式控除後株数の1.67%で、今後の1株利益をその分押し上げます

売り手の名前は開示されていません。2月末と8月末の大株主上位10名を並べると、上位10名に残った株主で株数が減った人はいません。2月末の上位10名のうち2名が8月末の上位10名に入っていませんが、10位の株数(22,000株)を下回ったという以上のことは開示から分かりません。売り手を開示から特定することはできません。

8月末の上位10名には、合併の相手方の代表者が27,339株(1.52%)で新たに入っています。合併の割当比率(同社株式の90%を保有、1株につき74.09株)から計算した株数と一致します。

用語メモ:N-NET3と自己株式の数字の食い違い N-NET3は、東証のToSTNeT-3に当たる名証の自己株式取得の仕組みです。なお、8月5日・6日の開示に書かれた「本日時点の自己株式数」は163,688株・194,388株でしたが、短信の自己株式数は5月末136,349株・8月末167,049株でした。差の27,339株は、4月に合併対価として交付した自己株式の数と一致します。取得枠の比率「2.21%」も合併前の株数(1,806,312株)を分母にした値で、合併後の株数で計算すると2.18%です。会社はこの違いについて説明していません。本記事は短信の株数を使っています。

自己株式の推移を式で書くと、2月末163,688株 − 合併対価27,339株 + N-NET3 30,700株 = 8月末167,049株(発行済株式の8.48%)です。

8-4. 株数・潜在株式・その他

  • 株式分割・併合:なし(調整不要)
  • 潜在株式:新株予約権等はなし(招集通知「該当事項はありません」、短信の潜在株式調整後EPSは「―」)。証券情報サイトのEPS・PERをそのまま使えるタイプです
  • 発行済株式数1,970,000株は変わらず、株数の増減は自己株式の交付と取得だけです
  • 筆頭株主は代表取締役社長で、8月末の持株比率は32.48%(自己株式を除く発行済株式に対する割合)。3分の1にわずかに届かない水準です
  • 主要な借入先は横浜銀行・東日本銀行・商工組合中央金庫など8行(2月末)。社債の最終償還は2028年9月、借入金の最終返済は2030年9月(招集通知)
  • 保有有価証券は投資有価証券5百万円で、論点になる規模ではありません

9. 今後のカレンダーと見るべき数字

時期イベント見るポイント
2027年1月上旬(例年)第3四半期決算9〜11月の営業利益(過去3年は54・271・145百万円)。予想が置いた12〜2月の赤字の深さ。売上が予想を超えた場合に、過去と同じく売上だけを修正するか
2027年2月24日(水)権利付き最終日2月末の株主名簿(議決権、および会社IRサイト記載の優待)
2027年2月28日(日)期末―
2027年4月中旬(例年)通期決算・来期予想実際の下期と予想が置いた下期(△144百万円)の差。来期予想が今期と同じく「前期比3〜5割減益」で置かれるか。配当方針(20%基準)の扱い
2027年5月(例年)定時株主総会・有価証券報告書「株主に対する特典」欄の記載。ビーディーエス向け売上の比率
随時IT事業の先行投資下期のIT事業のセグメント損失(上半期△27百万円)

四半期ごとに見る数字

  • 3か月ごとの売上と営業利益(自分で差し引く。特に6〜8月に続いて9〜11月も前年を下回るか)
  • 粗利率(買取価格の設定が効いているか)と販管費の伸び(広告宣伝費の重さ)
  • 在庫(8月末は719百万円で前年同月末比16.9%減。在庫を絞ったまま秋を迎えたことが、9〜11月の売上にどう出るか)
  • IT事業のセグメント損失の大きさ

10. 3行まとめ

  • アークコアは、家の前までバイクを引き取りに行き、業者だけが集まる競り市(売上の81.2%が1社)で売っている会社。売値と季節は自分で選べず、12〜2月は3年続けて営業赤字です
  • 上半期の営業利益3億83百万円は通期予想の1.6倍。据え置いた予想は下期に1億44百万円の営業赤字を置く計算で、これは過去3期のどの年の置き方より深い一方、上半期の内側では6〜8月が減収・営業減益(△16.4%)でした
  • 過去3期とも実際の下期は予想を上回りましたが、今期はIT事業の先行投資という金額不明の費用があります。第3四半期決算(例年1月上旬)の9〜11月の数字が最初の答えになります

本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。

本記事は投資の勧誘や助言を目的としたものではありません。数値の出典は、株式会社アークコアの決算短信(2024年2月期〜2027年2月期中間)、業績予想の修正・通期業績予想との差異・吸収合併・自己株式取得に関する適時開示、2026年2月期有価証券報告書(EDINET)、2027年2月期半期報告書、第23回定時株主総会招集通知、会社IRサイトの株主メモです。株価・52週高値安値・出来高は株探の時系列データ(報道ベース)です。四半期の数字、3分解、予想が置いた下期、感応度表、配当性向20%を当てた配当額、時価総額・PER・PBR等は筆者の差し引き・試算であり、将来の見通しではありません。当中間期は決算補足説明資料・決算説明会がいずれもなく、本文中の会社の説明はすべて決算短信・適時開示・有価証券報告書の記載に基づきます。当四半期についての会社の追加説明・質疑応答は一切反映していません。半期報告書は画像PDFのため、大株主の状況はブラウザで表示して目視で読み取っており、読み取り誤差の可能性があります。株主優待は、会社IRサイトの株主メモに制度が掲載されている一方、有価証券報告書の「株主に対する特典」欄は「該当事項はありません」で、筆者はどちらが正しいかを確認できていません。会社が名前を伏せた取引先・大株主(自己株式取得の売り手)は特定していません。IT事業の先行投資の金額・時期は開示されておらず、推測していません。6〜8月の営業利益が4年続けて前年を下回った理由について、会社は説明しておらず、筆者も理由を推測していません。決算は2026年10月14日15時30分の発表で、同日の終値は発表前の値です。

記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。

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