本記事は2026年10月7日時点の公開情報に基づく個人の分析メモです。執筆には生成AIを利用していますが、数値は筆者が一次情報と照合しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
三協立山(5932、東証プライム、5月決算)が2026年10月7日15時30分に、2027年5月期の第1四半期(2026年6〜8月)決算を発表しました。売上高は前年同期比13.3%増の972億68百万円、営業利益は26億41百万円(前年同期は11億64百万円の赤字)、親会社株主に帰属する四半期純利益は15億71百万円(同6億87百万円の赤字)です。
3か月の営業利益26億41百万円は、通期予想40億円の66.0%に当たります。経常利益(24億28百万円)と純利益(15億71百万円)は、この3か月だけで通期予想(15億円・10億円)を上回りました。それでも会社は通期予想を据え置いています。
この記事では、**「3か月で稼いだ26億円のうち、どれだけが残りの9か月にも続く利益なのか」**という1つの問いを、3段階で追います。鍵になるのは、2026年5月期に建材事業で162億円の減損を出す原因になったアルミ地金の高騰が、同じ会社のマテリアル事業では逆に利益を押し上げている、という構造です。
この記事でわかること
- 三協立山は、アルミ地金を自分で溶かして押し出し、その形材を自社の窓(建材)にも、自動車・機械向けの外販(マテリアル)にも使っている会社で、地金の値段が上がると、2つの事業に逆向きに効くこと。会社自身が建材事業を「販売価格への転嫁に遅効性がある事業特性」と書いていること
- 6〜8月の営業利益の改善38億05百万円は、セグメント別ではマテリアル事業が+22億54百万円と6割を占め、マテリアル事業の3か月の利益(24億21百万円)は、前期1年分(23億53百万円)を上回ったこと。会社はその理由に「アルミ地金の在庫評価影響」を挙げていること
- 会社は今期の営業利益の増減要因で「アルミ地金価格影響▲119億円」を見込んでいたが、第1四半期の増減要因では「資材・地金影響」が▲4億円にとどまったこと。在庫の評価方法(移動平均法)から考えられる2つの読み方(筆者の整理)
- 据え置かれた会社予想は、残り9か月に前年同期間の約半分(13億59百万円)の営業利益しか置いておらず、経常利益と純利益は残り9か月が赤字になる計算であること。過去2期、第1四半期時点の予想が残り9か月に置いた利益は29%・52%しか実現しなかったこと
- 前期の162億円の減損で建材事業の固定資産は約6割が切り下げられ、今期の減価償却費の計画は93億円→77億円に下がっていること。減損後の建材事業の利益は、減価償却費が減った分だけ良く見えること
- 有価証券報告書で、2期連続の純損失により「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事態」(重要事象等)が記載されていること(重要な不確実性は認められないとの判断)。8月末の短期借入金は3か月で80億円増え、在庫が62億円増えたこと。配当は「1株25円が下限」の方針で据え置き、10月23日に役員向け株式交付信託へ自己株式11万5千株を処分すること
1. 三協立山はどんな会社か:「小麦を自分で挽き、自分の店でパンを焼き、よそのパン屋にも粉を卸している製粉所」
軸となる例え
町の大きな製粉所を思い浮かべてください。小麦を仕入れて、自分の工場で挽いて粉にします。その粉の一部は自分の店でパンにして売り、残りはよそのパン屋やお菓子屋に「粉」のまま卸しています。
三協立山は、この「小麦」がアルミ地金になった会社です。地金を溶かして棒(ビレット)にし、型から押し出して細長い形材(窓枠や部品の素材)を作ります。その形材を、
- 自分の店のパン=窓・ドア・エクステリア(建材事業)
- よそへ卸す粉=自動車・機械・電機向けの形材や加工品(マテリアル事業)
- 店舗の陳列棚や看板(商業施設事業)
- ドイツとタイの工場での押出(国際事業)
に回しています。富山県高岡市が本社で、旧三協アルミニウム工業と旧立山アルミニウム工業が統合した会社です(有価証券報告書の沿革)。
この例えで、強みと2つの弱みが同じ一文から出てきます。
- 強み(自前の製粉):地金から形材まで自分でやるので、材料の量と品質を自分で握れる。卸す粉(マテリアル事業の外販)は、地金の相場に連動して値段が決まる(会社は「アルミ地金市況に連動した売上」と書いています)
- 弱み①(店のパンの値札):自分の店のパン(建材)は、小麦が上がってもすぐには値札を書き換えられない。会社自身が2026年6月26日の適時開示で、建材事業を「急激な価格上昇に対して販売価格への転嫁に遅効性がある事業特性と言わざるを得ません」と書いています
- 弱み②(倉庫の小麦):倉庫には、安いときに買った小麦と高いときに買った小麦が混ざっている。相場が上がる局面では、帳簿上の原価は相場より遅れて上がるので一時的に得をするが、相場が下がる局面では逆になる。これは§4で回収します
事業の構造(2026年5月期・通期)
| セグメント | 中身 | 外部売上高 | 構成比 | 営業利益 |
|---|---|---|---|---|
| 建材事業 | ビル用・住宅用サッシ、ドア、エクステリア | 1,675億37百万円 | 46.9% | 10億69百万円 |
| マテリアル事業 | アルミ・マグネシウムの鋳造・押出・加工(自動車・機械等) | 677億29百万円 | 18.9% | 23億53百万円 |
| 商業施設事業 | 店舗用陳列什器・看板・店舗メンテナンス | 425億99百万円 | 11.9% | 7億18百万円 |
| 国際事業 | ドイツ・タイ等でのアルミ鋳造・押出・加工 | 792億21百万円 | 22.2% | △24億33百万円 |
| その他・調整 | 賃貸、植物工場等/全社費用 | 4億46百万円 | 0.1% | △1億62百万円 |
| 合計 | — | 3,575億33百万円 | 100.0% | 15億46百万円 |
出典:2026年5月期決算短信のセグメント情報。構成比は筆者の計算。株主優待:制度なし(§6で詳述)。
この表のポイントは2つです。
1つ目は、売上の半分近くを占める建材事業の利益が10億円しかなく、利益の最大の稼ぎ手は売上2割弱のマテリアル事業だということです。マテリアル事業は外部への売上のほかに、建材事業などグループ内への形材・ビレットの供給(前期のセグメント間売上367億62百万円)も担っています。
2つ目は、国際事業が毎年20億円台の赤字を出していることです。主因はドイツの子会社(STEP-G)で、会社は2025年から人員削減(230名)と工場の土地建物の一部売却を進め、今期に約25億円の改善効果を見込んでいます(2026年5月期決算説明資料)。
直近5期の業績推移
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | EPS | BPS | ROE | 自己資本比率 | 1株配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022年5月期 | 3,405億53百万円 | — | 41億98百万円 | 3億95百万円 | 12.62円 | 2,633.27円 | 0.5% | 30.8% | 15円 |
| 2023年5月期 | 3,703億85百万円 | — | 34億19百万円 | 16億30百万円 | 52.02円 | 2,854.68円 | 1.9% | 31.6% | 20円 |
| 2024年5月期 | 3,530億27百万円 | 38億07百万円 | 38億80百万円 | △10億19百万円 | △32.53円 | 3,067.12円 | △1.1% | 33.2% | 20円 |
| 2025年5月期 | 3,594億24百万円 | 15億45百万円 | 9億44百万円 | △23億36百万円 | △74.54円 | 2,911.36円 | △2.5% | 30.4% | 25円 |
| 2026年5月期 | 3,575億33百万円 | 15億46百万円 | 8億82百万円 | △134億98百万円 | △430.74円 | 2,888.11円 | △14.9% | 29.6% | 25円 |
| 2027年5月期(予想) | 3,900億00百万円 | 40億00百万円 | 15億00百万円 | 10億00百万円 | 31.91円 | — | — | — | 25円 |
出典:有価証券報告書(2026年8月26日提出)の「主要な経営指標等の推移」、各期の決算短信。2022〜2023年5月期の営業利益は本記事の取得範囲で確認していないため空欄にしています。
この表のポイントは、3期連続の純損失で、配当25円が1株当たり利益を上回り続けていることです。2026年5月期の純損失134億98百万円の大部分は、建材事業の固定資産の減損損失162億19百万円です(§4)。純資産は自己資本ベースで905億円あり、配当を続ける体力はありますが、有価証券報告書は2期連続の純損失を受けて「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事態」を記載しています(§5)。
会社予想の達成履歴:期初の営業利益予想は3期続けて大きく下回った
| 決算期 | 期初予想(営業利益) | 期中の修正(開示日) | 実績 | 期初予想比 | 最終予想比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年5月期 | 60億00百万円(2023年7月12日) | 35億円に下方修正(2024年4月4日) | 38億07百万円 | △36.6% | +8.8% |
| 2025年5月期 | 40億00百万円(2024年7月11日) | 30億円に下方修正(2025年1月9日) | 15億45百万円 | △61.4% | △48.5% |
| 2026年5月期 | 40億00百万円(2025年7月10日) | 10億円に下方修正(2026年4月7日)→15億円に上方修正(2026年6月26日) | 15億46百万円 | △61.3% | +3.1% |
| 2027年5月期 | 40億00百万円(2026年7月9日) | 第1四半期時点でなし | — | — | — |
出典:業績予想の修正に関するお知らせ(2026年4月7日・6月26日)、業績予想と実績値との差異に関するお知らせ(2025年7月10日)、各期の決算短信。2024年5月期の期初予想・修正、2025年5月期の期初予想は株予報(IFIS)の修正履歴で確認したもので、原文は未確認(報道ベース)。比率は筆者の計算。
この表のポイントは2つです。
- 期初の営業利益予想は、3期続けて37〜61%下回りました。どの年も、修正は中間決算より後(1月・4月)で、最後の修正は期末の直前か期末後です。2025年5月期は1月に修正したあと、さらに48.5%下回って期を終えています
- 今期は逆に、第1四半期だけで予想の66%を稼いでいます。過去3期とは向きが逆の外れ方が始まっている可能性がありますが、同じ会社の予想であることは変わりません
会社自身も、2026年1月8日の「収益構造改革と将来ビジョンの方向性」で、自社の課題の筆頭に「収益目標の未達常態化」を挙げています(会社の自己評価)。
中期経営計画との距離
中期経営計画(2025年5月期〜2027年5月期)は2025年7月に見直され、最終年度の2027年5月期の目標は営業利益110億円から70億円に引き下げられました。今期予想40億円は、その見直し後の目標をさらに30億円下回ります。会社は2026年5月期決算説明資料で「2027年5月期業績予想は中期経営計画比で約30億円の営業減益となり全事業で計画未達となる見込み」と書いています。
| 指標 | 見直し後の中計目標(2027年5月期) | 今期予想・直近値 |
|---|---|---|
| 営業利益 | 70億円 | 40億円(予想) |
| ROE | 3.0% | 約1.1%(純利益予想10億円÷自己資本の期首期末平均、筆者の計算) |
| 自己資本比率 | 28.0% | 29.9%(8月末) |
| D/Eレシオ | 115% | 110.6%(8月末、借入金合計÷自己資本、筆者の計算) |
| 配当 | 1株25円を下限 | 25円(予想) |
出典:中期経営計画の見直しと資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(2025年7月10日)、第1四半期決算短信。2030年5月期には営業利益110億円以上・ROE6.0%以上を掲げ、「PBR1倍以上を目指す」としています。次期中期経営計画は来期(2028年5月期)から開示予定です。
2. 第1四半期決算のハイライト
損益計算書(6〜8月)
| 科目 | 2026年5月期 第1四半期 | 2027年5月期 第1四半期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 858億55百万円 | 972億68百万円 | +13.3% |
| 売上総利益 | 158億44百万円 | 194億31百万円 | +22.6% |
| 売上総利益率 | 18.5% | 20.0% | +1.5pt |
| 販売費及び一般管理費 | 170億08百万円 | 167億90百万円 | △1.3% |
| 営業利益 | △11億64百万円 | 26億41百万円 | — |
| 支払利息 | 4億50百万円 | 5億96百万円 | +32.4% |
| 経常利益 | △12億07百万円 | 24億28百万円 | — |
| 特別損益 | △1億33百万円 | △75百万円 | — |
| 法人税等 | △6億37百万円 | 8億10百万円 | — |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | △6億87百万円 | 15億71百万円 | — |
| 1株当たり四半期純利益 | △21.95円 | 50.15円 | — |
| 減価償却費 | 21億57百万円 | 18億91百万円 | △12.3% |
出典:2027年5月期第1四半期決算短信(百万円未満切捨て)。比率・増減率は筆者の計算。
この表のポイントは3つです。
- 売上が13.3%増えたのに、販管費は1.3%減りました。2026年5月期に希望退職(98名)と欧州子会社の人員削減を実施し、正社員は1年で470名減っています(2026年5月期決算説明資料)
- 売上総利益率が1.5pt上がりました。アルミ地金が前年同期比44%上がった3か月で、粗利率は上がっています。この「なぜ」が§4の主題です
- 減価償却費が2億66百万円減りました。前期末に建材事業の固定資産を減損した影響と考えられます(§4。会社は四半期の減価償却費の内訳を開示していないので、筆者の推測です)
税負担率は34.4%(法人税等8億10百万円÷税金等調整前四半期純利益23億54百万円、筆者の計算)でした。
営業利益の改善を3つに分ける
| 要因 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 数量効果(売上の増加) | 売上増加額114億13百万円 × 前年粗利率18.45% | +21億06百万円 |
| 率効果(粗利率の上昇) | 当期売上972億68百万円 × 粗利率の差+1.52pt | +14億81百万円 |
| 販管費の減少 | 170億08百万円−167億90百万円 | +2億18百万円 |
| 合計 | — | +38億05百万円(実際の改善と一致) |
筆者の計算。百万円単位の開示値で計算し、四捨五入して表示しています。
ただし「数量効果」には注意が必要です。売上の増加114億円には、物量の増加と、アルミ地金の値上がりに連動した販売価格の上昇の両方が入っています。会社は売上の増減を物量と価格に分けた金額を開示していないので、この分解の「数量効果」は「売上が増えた効果」と読んでください。
同じ改善をセグメント別に分ける
| セグメント | 2026年5月期 第1四半期 | 2027年5月期 第1四半期 | 改善額 | 改善への寄与 |
|---|---|---|---|---|
| 建材事業 | △13億66百万円 | △4億32百万円 | +9億34百万円 | 24.5% |
| マテリアル事業 | 1億67百万円 | 24億21百万円 | +22億54百万円 | 59.2% |
| 商業施設事業 | △31百万円 | 1億62百万円 | +1億93百万円 | 5.1% |
| 国際事業 | 99百万円 | 5億32百万円 | +4億33百万円 | 11.4% |
| その他・調整額 | △33百万円 | △42百万円 | △9百万円 | △0.2% |
| 合計(営業利益) | △11億64百万円 | 26億41百万円 | +38億05百万円 | 100.0% |
出典:各期の第1四半期決算短信のセグメント情報。改善額・寄与は筆者の計算。科目別の3分解とセグメント別の合計は、どちらも実際の改善額38億05百万円と一致します。
改善の6割はマテリアル事業です。マテリアル事業のセグメント売上高(グループ内向けを含む)は257億16百万円から354億46百万円へ37.8%増え、外部売上高は45.2%増えました。
会社の増減要因(説明資料の図)
会社は決算説明資料で、営業利益の前年同期比の増減要因を次のように示しています(説明資料の図から筆者が読み取った値。億円未満切り捨て)。
| 要因 | 金額 |
|---|---|
| 売上粗利影響(売上増加+1、粗利+13、価格改定+13、操業度+1) | +28億円 |
| 開発・生産投資 | +4億円 |
| 国際事業 | +4億円 |
| コスト削減 | +2億円 |
| その他 | +2億円 |
| 資材・地金影響(資材・電力・燃料価格影響) | ▲4億円 |
| 合計(図の表示) | +38億円 |
各項目の合計は+36億円で、図の合計+38億円と2億円ずれます。各項目が億円未満切り捨てで表示されているため(6項目で最大6億円近く小さく出る)と考えられ、本記事ではこの図を項目の大小の目安としてだけ使います。
この図で目を引くのは、「資材・地金影響」が▲4億円しかないことです。前年同期のアルミ地金価格(日経平均、6〜8月)は1kgあたり455.2円、今期は656.8円で、44.3%上がっています(説明資料の「計画前提・実績」)。それでも、地金高の重しは図の上ではほとんど出ていません。この点は§4で掘り下げます。
3. 深掘り①:9四半期を並べると、この6〜8月はどれだけ特別か
ここからの深掘りは、冒頭の問い**「3か月で稼いだ26億円のうち、どれだけが残りの9か月にも続く利益なのか」**を3段階で追います。まず、今回の6〜8月が、この会社にとってどれだけ特別な3か月だったのかを確認します。
この会社は5月決算なので、第1四半期=6〜8月、第2四半期=9〜11月、第3四半期=12〜2月、第4四半期=3〜5月です。累計しか開示されないので、各四半期の数字は筆者が累計から差し引いて出しました。
用語メモ:累計からの差し引き 決算短信は「第1四半期累計」「中間累計」「第3四半期累計」のように期首からの累計で数字を出します。単独の3か月を知るには、「中間累計−第1四半期累計=第2四半期の3か月」のように自分で引き算する必要があります。
連結の単独四半期(百万円)
| 決算期 | 四半期 | 売上高 | 粗利率 | 販管費率 | 営業利益 | 営業利益率 | 減価償却費 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025年5月期 | 6〜8月 | 88,543 | 20.0% | 19.4% | 544 | 0.6% | 2,014 |
| 2025年5月期 | 9〜11月 | 93,713 | 20.1% | 18.8% | 1,236 | 1.3% | 2,044 |
| 2025年5月期 | 12〜2月 | 85,043 | 19.8% | 19.5% | 265 | 0.3% | 2,099 |
| 2025年5月期 | 3〜5月 | 92,125 | 17.8% | 18.4% | △500 | △0.5% | 2,114 |
| 2026年5月期 | 6〜8月 | 85,855 | 18.5% | 19.8% | △1,164 | △1.4% | 2,157 |
| 2026年5月期 | 9〜11月 | 92,903 | 20.5% | 18.9% | 1,485 | 1.6% | 2,249 |
| 2026年5月期 | 12〜2月 | 84,213 | 19.5% | 19.8% | △226 | △0.3% | 2,419 |
| 2026年5月期 | 3〜5月 | 94,562 | 20.3% | 18.8% | 1,451 | 1.5% | 2,508 |
| 2027年5月期 | 6〜8月 | 97,268 | 20.0% | 17.3% | 2,641 | 2.7% | 1,891 |
筆者の差し引き。各年度の4四半期の合計は通期の開示値と一致することを確認しました。
この表のポイントは3つです。
- 売上高972億円、営業利益26億41百万円、営業利益率2.7%は、いずれも9四半期で最高です。これまでの最高の営業利益は2026年5月期9〜11月の14億85百万円で、今回はその1.8倍です
- 販管費率17.3%は9四半期で最低です(これまでは18.4〜19.8%)。粗利率20.0%は9四半期の範囲内(17.8〜20.5%)で、特別に高いわけではありません。今回の利益は「粗利率が過去にない水準になった」からではなく、「売上が増え、販管費が増えなかった」ことで生まれています
- 連結の営業利益には季節性が確認できません。6〜8月の営業利益は544百万円、△11億64百万円、26億41百万円と年ごとにばらばらで、3〜5月も△5億円と+14億51百万円で向きが逆です。「第1四半期はいつも強い(弱い)」とは言えません
セグメント別の単独四半期(営業利益、百万円)
| 決算期 | 四半期 | 建材 | マテリアル | 商業施設 | 国際 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025年5月期 | 6〜8月 | △440 | 625 | 288 | 121 |
| 2025年5月期 | 9〜11月 | 1,205 | 939 | 811 | △1,685 |
| 2025年5月期 | 12〜2月 | △30 | 561 | △37 | △182 |
| 2025年5月期 | 3〜5月 | △499 | 477 | 398 | △852 |
| 2026年5月期 | 6〜8月 | △1,366 | 167 | △31 | 99 |
| 2026年5月期 | 9〜11月 | 1,124 | 1,015 | 757 | △1,404 |
| 2026年5月期 | 12〜2月 | 495 | 528 | △319 | △868 |
| 2026年5月期 | 3〜5月 | 816 | 643 | 311 | △260 |
| 2027年5月期 | 6〜8月 | △432 | 2,421 | 162 | 532 |
| 2027年5月期 通期計画 | — | 1,500 | 1,800 | 700 | 0 |
筆者の差し引き。セグメントの合計と連結営業利益の差(その他・調整額)は表から省いています。通期計画は2027年5月期第1四半期決算説明資料の「通期計画」(億円未満切り捨て表示の15億円・18億円・7億円・0億円)を百万円に直したもので、図から筆者が読み取った値です。4セグメントの計画の合計40億円は連結の営業利益予想40億円と一致し、売上の計画(1,710億円・900億円・450億円・840億円)の合計3,900億円も連結の売上予想と一致します。
この表のポイントは3つです。
- マテリアル事業の6〜8月の利益24億21百万円は、過去8四半期の最高(10億15百万円)の2.4倍で、前期1年分(23億53百万円)を3か月で上回りました。通期計画18億円に対しては134.5%です。会社は理由を「物量増加の影響に加えて、価格改定やアルミ地金の在庫評価影響など」と書いています
- 建材事業の6〜8月は3年続けて赤字(△4億40百万円、△13億66百万円、△4億32百万円)です。こちらは毎年同じ形が出ているので、建材事業の季節的な弱さと言えます。今回の赤字は前年より9億34百万円小さく、通期計画15億円は残り9か月で19億32百万円を稼ぐ前提です
- 国際事業は、9〜11月に2年続けて大きな赤字(△16億85百万円、△14億04百万円)を出しています。今回の6〜8月の黒字5億32百万円は、欧州子会社の構造改革(固定費削減)の効果と、ユーロ高(6〜8月平均185.4円、計画前提175.0円)によるものと会社は説明しています。通期計画は0億円で、残り9か月で5億32百万円の赤字を置いている計算です
§1の軸で言えば、今回の3か月は「卸した粉(マテリアル)が過去にない利益を出し、自分の店のパン(建材)はいつもの季節の赤字が小さくなった」3か月でした。では、卸した粉の利益はなぜ急に増えたのか。次の章で見ます。
4. 深掘り②:同じ地金高が、2つの事業に逆向きに効いている
前の章で、今回の改善の6割がマテリアル事業から来ていることを確認しました。ここでは、その背景にあるアルミ地金の値段と、前期に建材事業で計上した162億円の減損を、同じ1つの構造として並べます。
地金価格と、会社の前提
| 期間 | アルミ地金価格(日経平均) | 出所 |
|---|---|---|
| 2025年5月期(6〜5月平均) | 464.5円/kg | 2026年5月期決算説明資料 |
| 2026年5月期(6〜5月平均) | 546.3円/kg | 同上 |
| 2026年5月期 第1四半期(6〜8月平均) | 455.2円/kg | 2027年5月期第1四半期決算説明資料 |
| 2027年5月期 計画前提(通期) | 635.0円/kg | 同上 |
| 2027年5月期 第1四半期(6〜8月平均) | 656.8円/kg | 同上 |
前年同期比+44.3%、計画前提比+3.4%(筆者の計算)。
会社は2026年5月期決算説明資料で、地金価格が「’18年6月→’26年5月で220%以上上昇」し、2026年2月の中東情勢で「急騰」したと書いています。今期の計画は前期平均より16.2%高い635円を前提にし、**営業利益の増減要因で「アルミ地金価格影響▲119億円」**を見込みました(2026年5月期決算説明資料。同じ図で「価格改定+88億円」「資材・電力・燃料価格影響▲32億円」なども示されています)。
ところが第1四半期の実績は、計画前提より高い656.8円だったにもかかわらず、増減要因の図では「資材・地金影響」は▲4億円でした。
建材事業:値札を書き換えられず、資産を6割切り下げた
建材事業では、地金高が損失として出ました。会社は2026年5月期に、建材事業の固定資産について減損損失162億19百万円を計上しています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 建材事業の減損損失(2026年5月期) | 162億19百万円 |
| うち土地 | 66億29百万円 |
| うち建物及び構築物 | 40億70百万円 |
| うち機械装置及び運搬具 | 33億49百万円 |
| うち建設仮勘定・その他 | 21億71百万円 |
| 減損後の建材事業の固定資産(2026年5月末) | 108億48百万円 |
| 減損前の概算(減損後+減損損失) | 約270億67百万円 |
| 切り下げた割合(概算) | 約59.9% |
出典:有価証券報告書の減損損失注記・「重要な会計上の見積り」。減損前の概算と割合は筆者の計算(期中の取得・償却を無視した単純な足し算)。
有報によると、回収可能価額には正味売却価額(主として不動産鑑定評価額等から処分費用見込額を控除した額)を使っています。つまり、建材事業の工場・設備を「使い続けて稼ぐ価値」ではなく「売ったらいくらになるか」で評価し直した、ということです。会社は減損の理由を次のように書いています。
会社は次のように書いています(業績予想の修正及び特別損失の計上に関するお知らせ、2026年6月26日、原文) 主材料であるアルミ地金価格は長期にわたり上昇基調が続いており、市場の将来予測が難しい状況から従来の価格ヘッジが有効に機能していない中、中東情勢の緊迫化を中心に価格上昇圧力が強まり、高い水準となっております。このような状況下において、原価感応度が高くなる一方、当社の建材事業は、現状は急激な価格上昇に対して販売価格への転嫁に遅効性がある事業特性と言わざるを得ません。
§1の軸の「店のパンの値札」です。
減損の後に起きること:減価償却費が減り、建材事業の利益は良く見える
固定資産を切り下げると、その後の減価償却費(設備の取得額を使う年数に分けて費用にしたもの)が減ります。会社の計画では、今期の減価償却費は93億円から77億円へ16億円減る見込みです(2026年5月期決算説明資料の設備投資計画)。第1四半期の連結の減価償却費も21億57百万円→18億91百万円と2億66百万円減りました。
| 項目 | 2026年5月期 | 2027年5月期 |
|---|---|---|
| 建材事業の減価償却費 | 29億55百万円 | 開示なし(連結の計画は93億→77億円) |
| 建材事業の営業利益 | 10億69百万円 | 15億円(計画) |
| 連結の減価償却費(第1四半期) | 21億57百万円 | 18億91百万円 |
出典:2026年5月期決算短信のセグメント情報、決算説明資料、第1四半期決算短信。
ここで押さえておきたいのは、減損で減った減価償却費は「現金が増えた」わけではなく、「将来の費用を前期の特別損失にまとめて前倒しした」ものだということです。今期の建材事業の利益が前期より良く見えても、その一部は前期の162億円の特別損失と引き換えです。会社は減価償却費の減少が建材事業の利益にいくら効くかを開示していないので、今回の建材事業の改善9億34百万円のうちどれだけがこの効果かは分かりません。
会社の増減要因の図にある「開発・生産投資+4億円」が減価償却費の減少と関係しているかどうかも、会社は説明していません(連結の減価償却費の減少2億66百万円と規模は近いですが、筆者の推測です)。
用語メモ:減損と減価償却 減損は、事業のために持っている資産が将来の稼ぎで回収できないと判断したときに、帳簿上の金額を切り下げる処理です。切り下げた分は特別損失になり、純利益を減らしますが、現金は出ていきません。切り下げた後は、資産の帳簿価額が小さくなるので、毎年の減価償却費(営業費用)も小さくなります。
マテリアル事業:卸す粉の値段は地金に連動し、倉庫の在庫は値上がりする
一方のマテリアル事業では、同じ地金高が利益の側に出ました。会社の説明は次のとおりです。
会社は次のように書いています(2027年5月期第1四半期決算説明資料、原文) 注力領域である自動車を含む輸送分野をはじめとした販売量の増加や、アルミ地金価格に連動した販売価格の上昇により、売上高は前年同期比で増加となりました。営業利益においても、物量増加の影響に加えて、価格改定やアルミ地金の在庫評価影響などにより、前年同期比で増加となりました。
ここで出てくる「在庫評価影響」は、§1の軸の「倉庫の小麦」です。有報によると、この会社の棚卸資産の評価は主として移動平均法による原価法です。
用語メモ:移動平均法と相場の上昇 移動平均法は、仕入れるたびに「手持ちの在庫の平均単価」を計算し直し、その平均単価で売上原価を計上する方法です。相場が急に上がると、手持ちの在庫には安いときに買った分が混ざっているので、平均単価(帳簿上の原価)は相場より遅れて上がります。売値が相場に連動して先に上がれば、その差だけ一時的に利益が大きく出ます。相場が下がる局面では、逆に帳簿上の原価が相場より高いまま残り、利益を押し下げます。
8月末の棚卸資産は643億50百万円で、5月末から61億59百万円増えました(原材料及び貯蔵品+26億72百万円、仕掛品+17億36百万円、商品及び製品+17億51百万円)。
ただし、会社は在庫評価影響の金額を開示していません。マテリアル事業の改善22億54百万円のうち、物量・価格改定・在庫評価のそれぞれがいくらかは分からないので、本記事では金額を推定しません。業界統計で見ると、国内のアルミ形材押出重量は6〜8月に自動車向けが前年同期比+18.0%、一般機械向けが+23.7%と大きく増えています(日本アルミニウム協会統計、会社の説明資料の図から筆者が読み取った値)。物量の増加も確かにあった、ということです。
「▲119億円」はどこへ行ったのか:2つの読み方
ここまでをまとめると、次のようになります。
- 会社は今期の計画で、地金の値上がりによる営業利益の悪化を年間▲119億円と見込んでいた
- 第1四半期は計画前提より高い地金価格だったのに、増減要因の図の「資材・地金影響」は▲4億円にとどまった
- 一方で、マテリアル事業は「在庫評価影響」を含めて過去にない利益を出した
この食い違いには、少なくとも2つの読み方があります。どちらも会社の説明に基づくものではなく、筆者の整理です。
- (A) 地金高の重しは、遅れて出てくる。移動平均法では、相場が上がった直後は安い在庫が原価に混ざって利益を押し上げ、在庫が入れ替わるにつれて原価が相場に追いつきます。建材事業の値上げ(価格改定)も、会社の言う「遅効性」で後から効きます。この読み方なら、▲119億円の多くは9月以降に出てくる計画で、会社予想が残り9か月に低い利益しか置いていない(§5)こととも整合します
- (B) 価格転嫁とヘッジが、計画より早く効いている。マテリアル事業の外販は地金連動で値段が決まり、建材事業も価格改定(第1四半期の図で+13億円)を進めています。会社は有報で、地金について「デリバティブ取引の導入や、安定調達と価格変動のリスク分散を目的に長期購入契約を行っております」と書いています。この読み方なら、▲119億円は保守的な見積もりで、残り9か月も上振れの余地があります
この2つは、マテリアル事業の9〜11月の利益と、地金価格の動きで見分けられます。地金が656.8円前後で高止まりし、マテリアル事業の利益が24億円から大きく落ちれば(A)、高い水準が続けば(B)に近いことになります。逆に地金が下がった場合は、移動平均法の性質上、マテリアル事業の在庫評価が今度は利益を押し下げる側に回る可能性があります。
§1の軸で言えば、**製粉所は「小麦が上がると、自分の店のパンでは損をし、卸す粉と倉庫の小麦では得をする」**形をしています。前期はその「損」の側が162億円の減損として出て、今回の第1四半期は「得」の側が先に出ました。問題は、得の側のうち「倉庫の小麦」の分は一度きりで、相場が反転すれば逆に出ることです。
5. 深掘り③:据え置かれた予想は、残り9か月に何を置いているか
前の章で、今回の利益の一部は、地金高の「得」の側が先に出たものかもしれないことを見ました。最後の段階として、会社が据え置いた予想が、残り9か月(9月〜翌年5月)に何を置いているかを計算します。
予想が置いている残り9か月
| 項目 | 会社予想−第1四半期実績 | 前年同期間の実績(2025年9月〜2026年5月) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,927億32百万円 | 2,716億78百万円 | +7.7% |
| 営業利益 | 13億59百万円 | 27億10百万円 | △49.9% |
| 営業利益率 | 0.46% | 1.00% | △0.54pt |
| 営業外損益(経常−営業) | △22億87百万円 | △6億21百万円 | — |
| 経常利益 | △9億28百万円 | 20億89百万円 | — |
| 親会社株主に帰属する純利益 | △5億71百万円 | △128億11百万円 | — |
筆者の計算。会社予想は2026年7月9日公表、第1四半期決算で修正なし(短信「2026年7月9日に公表いたしました業績予想の見直しは行っておりません」)。前年同期間の純利益には建材事業の減損損失を含みます。
この表のポイントは2つです。
1つ目は、会社予想は、残り9か月の売上を前年より7.7%増やしながら、営業利益は前年の約半分しか置いていないことです。今期は欧州子会社の構造改革効果(約25億円)と減価償却費の減少(年間16億円)を見込んでいる年なので、それでも前年の半分という置き方は、§4の(A)の読み方(地金高の重しが後から出る)を会社が前提にしているとすれば整合します。会社はこの点を説明していません。
2つ目は、経常利益と純利益は、残り9か月が赤字になる計算だということです。経常利益の予想15億円は第1四半期の24億28百万円をすでに下回っており、予想どおりなら残り9か月で9億28百万円の経常赤字になります。営業外損益で見ると、予想は年間△25億円(予想の経常15億円−営業40億円)を置いていて、第1四半期は△2億13百万円でした。残り9か月で△22億87百万円という置き方は、前年同期間(△6億21百万円)の3.7倍です。
用語メモ:据え置きの計算上の結果 会社が予想を修正しないまま第1四半期の実績が予想を大きく上回ると、「通期予想−第1四半期実績」で計算した残り期間の予想は、自動的に低くなります。これは会社が「残り9か月は赤字になる」と見ているという意味ではなく、予想を動かしていないことの計算上の結果です。特に営業外損益(支払利息・為替差損益など)は、7月に作った予想の前提のまま残っていると考えられます。会社は営業外損益の内訳の予想を開示していません。
支払利息は第1四半期で5億96百万円(前年同期比+32.4%)でした。この水準が続けば年間24億円弱ですが、営業外収益(受取配当金・持分法による投資利益など、前期は年間19億85百万円)もあるので、年間△25億円の営業外損益は前期実績(△6億64百万円)と比べてかなり重く置かれています。
過去2期、第1四半期時点の予想は残り9か月で何%実現したか
| 決算期 | 第1四半期の営業利益 | 第1四半期時点で予想が置いた残り9か月 | 実際の残り9か月 | 達成率 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年5月期 | 5億44百万円 | 34億56百万円 | 10億01百万円 | 29.0% |
| 2026年5月期 | △11億64百万円 | 51億64百万円 | 27億10百万円 | 52.5% |
| 2027年5月期 | 26億41百万円 | 13億59百万円 | — | — |
筆者の計算。「予想が置いた残り9か月」=第1四半期決算時点の通期営業利益予想(いずれも期初予想40億円のまま据え置き)−第1四半期実績。2025年5月期の第1四半期時点の予想は、期初予想(報道ベースで確認)から修正の開示がないことによる。
この表のポイントは、過去2期は、第1四半期時点の予想が残り9か月に置いた利益の3〜5割しか実現しなかったのに対し、今期の予想は残り9か月に前年同期間の半分しか置いていない、ということです。置き方の向きが、過去2期とは正反対になっています。
残り9か月の営業利益ごとの通期(筆者の試算)
| 残り9か月の営業利益の前提 | 残り9か月 | 通期営業利益 | 会社予想比 |
|---|---|---|---|
| 会社予想どおり | 13億59百万円 | 40億00百万円 | ±0% |
| 2025年5月期の同期間と同じ | 10億01百万円 | 36億42百万円 | △9.0% |
| 2026年5月期の同期間と同じ | 27億10百万円 | 53億51百万円 | +33.8% |
| 2026年5月期の同期間+減価償却費の減少(16億円×9/12) | 39億10百万円 | 65億51百万円 | +63.8% |
筆者の試算。最後の行は、会社の計画の減価償却費の減少(年間16億円)がすべて残り9か月の利益に上乗せされると単純に仮定したもので、地金高の重し(§4の(A))を考慮していません。将来の業績を予測するものではありません。
この表から読めるのは、会社予想は「前々期並みに落ち込む」場合とほぼ同じ水準しか残り9か月に置いていないということです。前期並みなら予想を3割強上回り、減価償却費の減少まで乗れば中計目標(70億円)に近づく計算です。一方で、(A)の読み方どおり地金高の重しが残り9か月に集中すれば、前々期並みの結果もあり得ます。
3つの深掘りをつなぐと
- 6〜8月の営業利益26億41百万円は9四半期で最高で、改善の6割はマテリアル事業。マテリアル事業は3か月で前期1年分を稼ぎ、建材事業はいつもの季節の赤字が小さくなった(深掘り①)
- 同じ地金高が、前期は建材事業で162億円の減損として出て、今期の第1四半期はマテリアル事業の「在庫評価影響」として利益の側に出た。会社が年間▲119億円と見込んだ地金の重しは、第1四半期の図では▲4億円しか出ていない(深掘り②)
- 会社予想は、残り9か月に前年同期間の半分の営業利益と、経常・純利益の赤字を置いている。これが「地金の重しが後から出る」前提なのか、単に据え置いた計算上の結果なのかは、会社が説明していない(深掘り③)
§1の軸に戻ると、製粉所の倉庫には、安いときの小麦がまだ残っていたのかもしれません。冒頭の問い「3か月の26億円のうち、どれだけが残りの9か月にも続くか」への答えは、販管費の削減(構造改革)と減価償却費の減少は続く性質の利益、在庫評価影響は続かない性質の利益で、その割合は会社が開示していないので分からない、というところまでです。次の中間決算で、9〜11月のマテリアル事業の利益と、会社が予想を修正するかどうかを見ることになります。
6. 資本政策と株主還元
株主優待:制度なし
有価証券報告書(2026年8月26日提出)の「株主に対する特典」欄は「なし」です。この会社の株主還元は配当が中心で、自己株式の取得は単元未満株の買取りだけです。会社IRサイトの株主還元ページは本記事では確認していません。
配当方針と権利確定日
会社は次のように書いています(有価証券報告書「配当政策」、原文) 配当につきましては、業績状況や内部留保の充実などを勘案した上で、安定的な配当を継続して実施することを基本方針としております。(中略)中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)では株主還元の充実として「1株当たり25円を下限とする安定的かつ継続的な配当」を設定している
この「25円下限」は、中期経営計画の期間(2027年5月期まで)の方針です。来期以降の方針は次期中期経営計画で示されることになります。
| 権利 | 基準日 | 権利付き最終日 | 予想 |
|---|---|---|---|
| 中間配当 | 2026年11月30日(月) | 2026年11月26日(木) | 12.5円 |
| 期末配当 | 2027年5月31日(月) | 2027年5月27日(木) | 12.5円 |
権利付き最終日は基準日の2営業日前(筆者の計算)。中間配当は取締役会、期末配当は株主総会で決めます。
配当の推移
| 決算期 | 年間配当 | 配当の決め方 | EPS | 配当性向 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年5月期 | 15円 | 安定配当 | 12.62円 | 118.9% |
| 2023年5月期 | 20円 | 安定配当 | 52.02円 | 38.4% |
| 2024年5月期 | 20円 | 安定配当 | △32.53円 | — |
| 2025年5月期 | 25円 | 25円下限(中計) | △74.54円 | — |
| 2026年5月期 | 25円 | 25円下限(中計) | △430.74円 | — |
| 2027年5月期(予想) | 25円 | 25円下限(中計) | 31.91円 | 78.3% |
出典:有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」、各期の決算短信。連結ベースの配当性向は筆者の計算(2022年5月期・2023年5月期)と短信の値(2027年5月期予想)。
この表のポイントは、3期続けて純損失の中で25円を出してきたことです。第1四半期のEPS50.15円は、3か月で年間配当25円の2倍に当たります。ただし§5のとおり、会社予想は通期のEPSを31.91円としており、予想どおりなら配当性向は78.3%です。
前期の期末配当の総額392,995,238円(臨時報告書)は、〈発行済31,554,629株−自己株式115,010株〉×12.5円=392,995,237.5円で、ほぼ一致します(端数は株主ごとの切り捨て処理と考えられます)。
2026年8月27日の定時株主総会では、剰余金の処分(期末配当12.5円)の議案の賛成割合が87.4%でした。取締役選任議案は黒畑靖之社長が80.6%、他の5名が85.3〜96.4%です(臨時報告書)。誰が反対したかは開示されていないので、本記事では推測しません。
役員向け株式交付信託:自己株式の大半を信託へ
会社は2026年7月に信託を使った役員向けの株式報酬制度の導入を決め、8月の株主総会で承認されました。今回の決算と同日(10月7日)に、具体的な条件を開示しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 信託への自己株式の処分 | 115,000株、2026年10月23日 |
| 処分価額 | 1株636円(2026年10月6日の終値) |
| 取引所市場での取得 | 37,000株・2,500万円が上限、2026年10月23日〜11月30日 |
| 信託金の上限(4年間) | 3億円(取締役分。執行役員分は別に信託) |
| ポイント付与の上限(取締役) | 1事業年度75,000ポイント(1ポイント=1株) |
| 希薄化 | 発行済株式総数の0.36% |
| 信託内の株式の議決権 | 行使しない |
出典:株式報酬制度の導入に伴う自己株式の処分に関するお知らせ、株式報酬制度における株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ(いずれも2026年10月7日)、役員に対する株式報酬制度の導入に関するお知らせ(2026年7月28日)。
有報によると、5月末の自己株式は115,010株でした。今回の処分で、会社が持つ自己株式はほぼすべて信託に移ります。会社は導入にあたって固定報酬を株式報酬相当額だけ減額し、報酬の総額は変えない方針としています。また、建材事業の減損を受けて、全業務執行役員の報酬を2026年7月から3か月間、10〜30%減額しました(2026年6月26日の開示)。
用語メモ:決算短信の「自己株式」と有報の「自己株式」の差 第1四半期決算短信の期末自己株式数は220,623株ですが、有報の自己保有株式は115,010株です。短信の数には、持分法適用会社などが持つ当社株式のうち当社の持分に相当する株数が含まれていると考えられます(有報には相互保有株式として協和紙工業229,300株などが載っています)。本記事の1株当たりの計算は、短信の自己株式控除後の株数を使っています。
財務:短期借入金が3か月で80億円増えた
| 項目 | 2026年5月末 | 2026年8月末 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 現金及び預金 | 297億32百万円 | 249億03百万円 | △48億29百万円 |
| 棚卸資産 | 581億91百万円 | 643億50百万円 | +61億59百万円 |
| 短期借入金 | 57億91百万円 | 138億53百万円 | +80億62百万円 |
| 長期借入金(1年内返済予定を含む) | 915億50百万円 | 879億94百万円 | △35億56百万円 |
| 借入金合計 | 973億41百万円 | 1,018億47百万円 | +45億06百万円 |
| 借入金−現金及び預金 | 676億09百万円 | 769億44百万円 | +93億35百万円 |
| 自己資本比率 | 29.6% | 29.9% | +0.3pt |
出典:第1四半期決算短信。差引は筆者の計算。2026年5月末の借入金合計は、会社が説明資料で示した有利子負債973億円と一致します。
この表のポイントは、在庫の増加(+62億円)と長期借入金の返済を、短期借入金(+81億円)と手元の現金(△48億円)でまかなった形になっていることです。地金が上がると、同じ量の在庫を持つのに必要なお金が増えます。§1の軸で言えば、倉庫の小麦が値上がりした分だけ、製粉所は運転資金を多く借りています。8月末の借入金合計は自己資本の110.6%で、中計の目安(D/Eレシオ115%)の内側にあります。
有報の「継続企業の前提に関する重要事象等」
有報の「事業等のリスク」の最後の項目には、次の記載があります。
会社は次のように書いています(有価証券報告書「事業等のリスク」(9)、原文) 当連結会計年度においては、主材料であるアルミ地金価格が想定を超える高騰を続ける中、中東情勢の影響でその高騰が一段と厳しさを増した結果、経営環境の著しい悪化が継続し、建材事業における減損損失の計上等により、134億98百万円の当期純損失を計上いたしました。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事態となっております。
続けて会社は、現金及び預金297億32百万円の保有と、主要取引銀行とのコミットメントライン契約により「資金繰りについては支障がないものと判断しております」とし、**「現時点において継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております」**と結んでいます。第1四半期決算短信の「継続企業の前提に関する注記」も「該当事項はありません」です。
用語メモ:「重要事象等」と「継続企業の前提に関する注記」 会社は、損失の継続など事業の継続に疑問を生じさせる状況(重要事象等)があるときは、有報の「事業等のリスク」にその内容と対応策を書きます。そのうえで、対応策を考えても事業の継続に重要な不確実性が残る場合に限り、財務諸表に「継続企業の前提に関する注記」を付けます。三協立山は前者だけで、後者には当たらないと判断しています。
今回の第1四半期で純利益は黒字に戻りましたが、この記載が外れるかどうかは、通期の結果と次の有報で確認することになります。
政策保有株式と株主構成
| 項目 | 金額・比率 |
|---|---|
| 投資有価証券(2026年8月末) | 182億02百万円(1株当たり約581円) |
| うち上場の政策保有株式(2026年5月末・16銘柄) | 88億95百万円 |
| 最大銘柄:ほくほくフィナンシャルグループ(取引金融機関、相互保有) | 33億59百万円 |
| 2位:住友不動産(ビル用サッシの販売先、相互保有) | 21億50百万円 |
| 3位:阪和興業(形材の販売・アルミ材の仕入、相互保有) | 13億62百万円 |
| 前期に売却した上場株式 | 8銘柄・22億84百万円 |
出典:有価証券報告書「株式の保有状況」、第1四半期決算短信。1株当たりは筆者の計算。投資有価証券には持分法適用会社への投資(前期末45億02百万円)も含まれます。
会社は前期に国内の固定資産(日本橋浜町の自社ビル、譲渡益約46億円)とドイツの工場の土地建物の一部(売却益約19億円)、政策保有株式を売却し、「資産の効率化に向けた資産売却を推進」すると書いています(2026年5月期決算説明資料)。
大株主(2026年5月31日時点、自己株式を除く発行済株式に対する比率)は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)8.53%、三協立山持株会5.00%、住友化学4.98%、三協立山社員持株会4.90%、ST持株会4.49%、三井住友信託銀行3.09%、北陸銀行2.83%、住友不動産2.58%と続き、上位10名で39.46%です。住友化学は有報上、当社がアルミ地金を仕入れている取引先でもあります。所有者別では個人その他が48.50%(自己株式を含む)、株主数は14,031名です。
7. 株価の見方
株価の基準点(2026年10月7日終値629円)
| 指標 | 数値 | 計算 |
|---|---|---|
| 終値(2026年10月7日) | 629円 | Yahoo!ファイナンス |
| 時価総額(自己株式控除後) | 約197億円 | 629円×31,334,006株 |
| 予想PER | 19.7倍 | 629円÷予想EPS31.91円 |
| PBR | 0.21倍 | 629円÷8月末BPS約2,938円(自己資本92,067百万円÷31,334,006株) |
| 予想配当利回り | 3.97% | 25円÷629円 |
| 年初来高値・安値 | 736円(2026年2月12日)・600円(2026年6月2日) | Yahoo!ファイナンス(報道ベース) |
株価に依存する数字はこの表に集約しています。
決算発表は10月7日15時30分、取引終了と同時刻でした。10月7日の終値629円(前日比△7円)と出来高301,200株は、発表前の取引によるものです。出来高は9月の1日平均(筆者が取得した9月の15営業日分で約7万4千株)の約4倍でしたが、開示前の取引であり、理由は分かりません。発表後の夜間取引(PTS)では、10月7日21時04分時点で694円(東証終値比+10.33%)の値が付いています(Yahoo!ファイナンス、報道ベース)。PTSは取引量が小さく、翌営業日の東証の値動きと一致するとは限りません。
一次情報から拾える株価の履歴
| 時点 | 株価 | 出所 |
|---|---|---|
| 2026年5月期中の最高・最低 | 736円・590円 | 有報 |
| 2026年5月期の単元未満株買取りの平均 | 約650円 | 有報(4,775株・3,103,371円) |
| 2026年5月29日(期末) | 約635〜646円 | 短信の時価ベース自己資本比率6.5%×総資産、有報の株価収益率△1.5倍×EPS△430.74円(いずれも丸めを含む逆算) |
| 2026年10月6日 | 636円 | 自己株式処分の処分価額(取締役会決議日の直前営業日の終値) |
| 2026年10月7日 | 629円 | Yahoo!ファイナンス |
10月6日の終値636円は、Yahoo!ファイナンスの時系列とも一致します。
有報の株主総利回り(5年前を100とした配当込みの指数)は2026年5月期で93.8、同じ期間の配当込みTOPIXは232.4でした。会社自身が2026年1月の資料で「市場からの信頼を失った現状 PBR0.2倍」と書いています。
強気の見方
- 6〜8月の営業利益26億41百万円は9四半期で最高、販管費率17.3%は9四半期で最低。構造改革(人員470名減、希望退職98名、欧州の230名削減)の効果は、売上が増えても販管費が増えない形で出ている
- 会社予想は残り9か月に前年同期間の半分の営業利益しか置いておらず、前期の同期間並みなら通期営業利益は約54億円(予想比+34%、筆者の試算)
- 減損により減価償却費は年間16億円減る計画で、建材事業の利益の下支えになる
- 国際事業は欧州の構造改革とユーロ高で6〜8月に黒字。通期計画は0億円
- 自動車・機械向けの押出需要は業界統計でも増えている。新湊東工場の大型形材ライン(投資約100億円)は計画どおり稼働
- PBR0.21倍、予想配当利回り約4%。第1四半期のEPSは年間配当の2倍
弱気の見方
- マテリアル事業の利益には「アルミ地金の在庫評価影響」が含まれ、その金額は開示されていない。移動平均法の性質上、地金が下がれば逆向きに効く
- 会社が年間▲119億円と見込んだ地金高の重しは、第1四半期にはほとんど出ていない。後から出てくる場合、残り9か月の利益は前々期並みに落ちる可能性がある(§4の(A))
- 期初の営業利益予想は3期続けて37〜61%下回った。会社自身が「収益目標の未達常態化」を課題に挙げている
- 建材事業の利益の改善には、前期の162億円の特別損失と引き換えの減価償却費の減少が含まれる
- 短期借入金は3か月で80億円増え、借入金−現預金は769億円。支払利息は前年同期比+32.4%
- 有報に「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事態」が記載されている(重要な不確実性はないとの判断)
- 25円下限の配当方針は中計の最終年度(今期)まで。総会の配当議案の賛成割合は87.4%
同じ「マテリアル事業が3か月で前期1年分を稼いだ」という事実も、強気側では「自動車向けの物量と価格転嫁が効いている」、弱気側では「一度きりの在庫評価が乗っている」と読めます。どちらの割合が大きいかは開示されておらず、数字は同じです。判断は読者に委ねます。
8. 今後のカレンダーと見るべきKPI
| 時期 | イベント | 見るポイント |
|---|---|---|
| 2026年10月8日 | 第1四半期決算発表後、最初の東証の取引日 | 終値と出来高 |
| 2026年10月23日 | 株式交付信託への自己株式115,000株の処分 | — |
| 2026年10月23日〜11月30日 | 信託による市場での取得(37,000株・2,500万円が上限) | 取得の完了 |
| 2026年11月26日(木) | 中間配当の権利付き最終日(基準日11月30日) | 予想12.5円 |
| 2027年1月上旬(例年) | 第2四半期(中間)決算 | マテリアル事業の9〜11月の利益、地金価格と在庫、予想の修正の有無、国際事業の9〜11月(過去2年は大幅赤字) |
| 2027年4月上旬(例年) | 第3四半期決算 | 建材事業の12〜2月、予想の修正の有無 |
| 2027年5月27日(木) | 期末配当の権利付き最終日(基準日5月31日) | 予想12.5円 |
| 2027年7月上旬(例年) | 通期決算・次期中期経営計画 | 建材事業の再構築の詳細、配当方針(25円下限の後)、地金価格の前提 |
| 2027年8月下旬 | 有価証券報告書・定時株主総会 | 「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載の有無 |
決算発表日は過去の発表日(中間:2026年1月8日、第3四半期:2026年4月7日、通期:2026年7月9日)からの推定です。
見るべきKPI
- マテリアル事業の単独四半期の利益(今回24億21百万円、前期の9〜11月は10億15百万円)
- アルミ地金価格(6〜8月平均656.8円、計画前提635.0円)と棚卸資産の残高(8月末643億円)
- 建材事業の単独四半期の利益(通期計画15億円に対し、残り9か月で19億32百万円が必要)
- 国際事業の9〜11月(過去2年は△16億85百万円・△14億04百万円)
- 連結の販管費率(今回17.3%)と減価償却費(今回18億91百万円、通期計画77億円)
- 短期借入金と借入金−現預金(8月末138億円・769億円)、支払利息
9. 3行まとめ
- 6〜8月の営業利益26億41百万円は9四半期で最高で、改善の6割はマテリアル事業。マテリアル事業は3か月で前期1年分を稼ぎ、会社はその理由に「アルミ地金の在庫評価影響」を挙げているが、金額は開示していない
- 同じ地金高が、前期は建材事業の162億円の減損として、今回はマテリアル事業の利益として出た。会社が年間▲119億円と見込んだ地金の重しは、第1四半期にはほとんど出ていない
- 据え置かれた会社予想は、残り9か月に前年同期間の半分の営業利益と、経常・純利益の赤字を置いている。過去3期は期初予想を大きく下回ってきた会社で、中間決算のマテリアル事業の利益と予想の修正の有無が、どちらの読み方に近いかを確かめる材料になる
本記事は、決算短信等の公開情報をもとに、生成AIを執筆補助として用いて作成しています。論点の選定・構成の判断、および記載した数値と一次情報との照合は筆者が行っています。
本記事は投資勧誘・助言を目的としたものではありません。数値の出典は、三協立山の決算短信(2027年5月期第1四半期、2026年5月期の第1四半期・中間・第3四半期・通期、2025年5月期の通期)、2027年5月期第1四半期決算説明資料、2026年5月期決算説明資料、有価証券報告書(2026年8月26日提出)、臨時報告書(2026年8月28日提出、定時株主総会の議決権行使結果)、業績予想の修正・差異、特別損失の計上、固定資産の譲渡、希望退職者の募集と結果、欧州子会社の構造改革、代表取締役の異動、株式報酬制度の導入・自己株式の処分・株式取得に関する各適時開示、「中期経営計画の見直しと資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(2025年7月10日)、「収益構造改革と将来ビジョンの方向性」(2026年1月8日)です。株価・出来高はYahoo!ファイナンス(報道ベース)です。四半期・セグメントの単独数値、営業利益の増減の分解、残り期間の計算と試算、達成率、減損前の固定資産の概算、借入金の差引、1株当たりの数値は筆者の計算・試算です。
次の点にご注意ください。今回の第1四半期は決算説明会がなく、決算説明資料の大部分は画像のため、ページを描画して目視で読み取りました。セグメント別の通期計画、増減要因の図の各項目、業界統計の数値は図から筆者が読み取った値で、読み取り誤差の可能性があります。増減要因の図の項目の合計(+36億円)は図の合計(+38億円)と一致しないため、項目の大小の目安としてだけ使っています。会社は「アルミ地金の在庫評価影響」の金額、四半期の減価償却費のセグメント別内訳、残り期間の営業外損益の内訳を開示しておらず、§4の(A)(B)の読み方、減価償却費の減少と「開発・生産投資」の関係、決算短信と有報の自己株式数の差の理由に関する記述は筆者の推測・整理であり、会社の開示に基づくものではありません(確認先は会社IRと次回以降の決算)。2024年5月期の期初予想・修正と2025年5月期の期初予想は株予報(IFIS)の修正履歴で確認したもので、各期の原文は確認していません。2022年5月期・2023年5月期の営業利益は確認していません。会社IRサイトの株主還元ページは確認しておらず、優待の不在は有報の記載に基づいています。決算発表は取引終了と同時刻(15時30分)で、本記事の株価は発表前の10月7日終値です。発表後の値動きとして記載したPTSの価格は取引量が小さく、10月8日以降の東証の値動きと一致するとは限りません。
記載内容の正確性・完全性には注意を払っていますが、誤りや情報の陳腐化が含まれる可能性があり、これを保証するものではありません。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害についても、筆者は一切の責任を負いません。投資の最終判断は、必ずご自身で一次情報(会社IRサイト・EDINET等)をご確認のうえ、自己責任で行ってください。